2022年のブラジル国内の石油・天然ガス掘削は前年比22.7%増加予想(2022年2月22日付けヴァロール紙)

ブラジル石油監督庁(ANP)の発表によると、2022年のブラジル国内での石油・天然ガスの採掘プロジェクトは27油田が見込まれており、昨年の22油田よりも22.7%増加の採掘予定、2020年は16油田での採掘プロジェクトが実施されていた。

今年の主な石油・天然ガスの油田採掘プロジェクトは、7年前の北大河州からアマパ州Oiapoque地域にかけての赤道地域が見込まれており、この赤道マージン地域には、Foz do Amazonas海盆, Pará-Maranhão海盆, Barreirinhas海盆, Ceará海盆並びにPotiguar海盆が含まれているが、今年初めの赤道マージン地域の掘削は下半期になると予想されている。

この赤道マージン地域の探鉱は、隣国のギアナとスリナムでの探鉱で有望な鉱区が発見されており、非常に見通しが明るいとペトロブラス石油公社のFernando Borges取締役は、昨年11月の石油採掘計画で発表していた。

ペトロブラスは、2022年から2026年の5か年計画では70カ所での油田採掘を計画、また同社は79カ所での採掘権油を擁するコンソーシアムに参加している。

ペトロブラスは、過去数年間に亘って集中的にサントス海盆並びにカンポス海盆のプレソルト鉱区での開発に資金を投資しているが、赤道マージン地域での最後の石油採掘は、2015年の北大河州のプレソルト鉱区であった。

2010年にフランス領ギアナで初めて原油埋蔵が確認されて赤道マージン地域は注目を集めた。初めにフランス資本Total社は、2013年に第11回コンセッションで、同地域の5ブロックを2億5,000万レアルで落札した。

しかしブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)は、2018年にTotal社に対して、赤道マージン地域のFoz do Amazonas海盆での原油採掘を拒否した。

ブラジル環境再生可能天然資源院(IBAMA)は、「TOTAL社のプロジェクトは、個別緊急計画(PEI)に関連する深刻な不確実性が、この地域に存在するサンゴ礁と海洋生物多様性に悪影響を与える原油流出の可能性」で拒否していた経緯があった。

2022年のブラジル国内での石油・天然ガスの採掘プロジェクトは、27油田のうち海上鉱区は8カ所、地上鉱区は18カ所となっているが、2010年代には年間平均200カ所での原油採掘を行っていた。

ペトロブラスは、今年は既にカンポス海盆のAlto de Cabo Frio Central鉱区、シェル社はカンポス海盆のC-M-791鉱区で原油採掘を開始している。またEneva社はパライーバ海盆の2カ所で既に採掘を開始、ExxonMobil社もセルジッペ州沿岸での採掘を開始している。

2021年の燃料販売は1,395億リットルで記録更新(2022年2月14日付けエスタード紙)

ブラジル石油監督庁(ANP)の発表によると、2021年のブラジルのガソリン、ディーゼル燃料、エタノール、ケロシンなどの燃料販売は、COVID-19対応のワクチン接種の拡大や国内経済の回復に伴って前年比6.0%増加の1,395億リットルを記録、ANP監督庁が統計を取り始めた2000年以降では記録更新している。

また昨年のガソリン、ディーゼル燃料及びエタノール販売は、1,180億リットルで記録更新、特にディーゼル燃料販売は、トラック輸送の拡大に伴って前年比8.1%増加の621億リットルに達しており、2000年の350億リットルの約2倍の販売を記録している。

昨年のガソリン販売は、前年比9.7%増加の393億リットルを記録した一方で、エタノール販売は、マイナス13.0%の二桁台減少の157億リットルに留まっており、COVID-19パンデミック前の2019年よりも220億リットル減少している。また液化天然ガス販売は、前年比マイナス1.0%の134億立方メートルであった。

2021年のケロシン販売はCOVID-19パンデミックの影響で、世界的な航空機の運航減少で、前年比マイナス22.8%の43億リットルの減少を余儀なくされていた。

昨年のペトロブラスの原油・天然ガス等の1日当りの平均生産は277万バレル(2022年2月10日付けヴァロール紙)

2021年のペトロブラス石油公社の国内外の石油・天然ガス・液化天然ガス(LPG)の1日当りの平均生産は277万バレル(boe/dia)に達し、同社が設定していた目標の272万バレルを上回った。

昨年のペトロブラスの石油派生品の生産277万バレルの70%に相当する195万バレルは、原油のAPI度が非常に高い軽質油で商業価値の高い岩塩層下(プレソルト) 油田からの生産であった。

ペトロブラスの昨年第4四半期の生産レポートによると、同社の昨年のブラジル国内の1日当りの原油並びに液化天然ガスの平均生産は、前年比マイナス2.4%に相当する221万バレルであった。

一方昨年のブラジル国内の天然ガスの生産は、前年比マイナス0.2%の52万1,000バレルであったが、昨年第4四半期の生産は、前年同期比0.7%増加の215万バレル、前四半期比ではマイナス5.2%に留まっている。

昨年第4四半期のブラジル国内の天然ガス生産は、前年同期比2.2%増加の51万3,000バレル、前四半期比ではマイナス1.3%を記録している。

昨年のブラジル国内のプレソルト油田の石油派生品生産は、全体の70%に相当する195万バレルに達し、5年前の2倍の生産量を記録している。また昨年第4四半期のプレソルト油田の石油派生品生産は、全体の71.0%に相当する193万バレルに達している。

昨年のペトロブラス傘下の製油所でのプレソルト油田生産の石油精製量は、年々の生産拡大に伴って全体の59.0%に達し、過去最高の比率を占めている。API度が非常に高い軽質油のプレソルト原油の石油精製比率の上昇は、S-10ディーゼル燃料や船舶用燃料bunkerの生産拡大に繋がる。

昨年のペトロブラスの1日当りのガソリン、ディーゼル燃料並びに航空機用燃料ケロシン(QAV) などの平均石油派生品販売は、前年比8.5%増加の180万バレルを記録している。

昨年の1日当りの平均ガソリン販売は、前年比19.1%増加の40万9,000バレル、ディーゼル燃料販売は16.7%増加の80万1,000バレルに達し、COVID-19パンデミックで大幅な減少を記録していた前年比ではそれぞれ二桁台の増加を記録している。

昨年末のペトロブラスの原油埋蔵量は前年比12.0%増加(2022年1月31日付けヴァロール紙)

米国証券取引委員会(SEC)の発表によると、ペトロブラス石油公社の2021年末の原油埋蔵量は、前年比12.0%増加の98億8,000万バレル(BOE) に達し、過去3年間連続での前年割れから一転して二桁台の増加に転じている。

昨年末のペトロブラスの原油埋蔵量98億8,000万バレル(BOE) には、原油、ガス田から液体分として採取される原油の一種で、地下では気体状で存在しているが、地上で採取する際に凝縮するコンデンセート油並びに天然ガスが含まれている。

ペトロブラスの昨年末の原油埋蔵量98億8,000万バレル(BOE) の85%は、原油並びにするコンデンセート油、15%は天然ガスの埋蔵量となっている。
昨年の原油埋蔵量の増加は、特にサントス盆地の岩塩層下プレソルトのブジオス鉱区の原油並びに天然ガス開発の技術の向上を反映している。

またペトロブラス石油公社は、原油埋蔵量の拡大の一環として、サントス海盆のブジオス鉱区以外の原油採掘量の拡大に対する新たな投資の必要性についても指摘している。

2021年のペトロブラスの石油生産は目標を上回る277万バレル(2022年1月14日付けヴァロール紙)

2021年のペトロブラス石油公社の1日当りの平均石油・天然ガス生産は、岩塩層下プレソルト油田の生産が牽引して277万バレル(BOE)を記録、同社が目標としていた272万バレルを上回った。

しかしペトロブラスでは、今年の石油生産を前回予想の270万バレルから260万バレルに下方修正した要因として、 有価証券取引委員会(CVM)に提出した書類には、プラットフォームFPSOのP-70及びCarioca油田の生産開始が5月初めにずれ込むと記載されている。

昨年の同社の1日当りの平均天然ガス生産は、目標の221万BOEを上回る222万BOEであった。また石油、天然ガス並びに商業ガスの生産は、目標の243万BOEを上回る246万BOEであった。

サントス海盆のセピア鉱区では、初めてとなるプラットフォームのFPSO Cariocaからの石油生産は今後の生産量を大きく左右する。昨年のプレソルト鉱区からの石油生産は、ペトロブラスの石油生産量の70%に相当する195万BOEを記録している。

ペトロブラス社は、ブジオス鉱区の共同参加契約にサインしている。またカンポス海盆とサントス海盆のオフショア油田、およびバイーア州、エスピリット・サント州並びにセルジペ州の陸上油田の権益売却を締結している。

ペトロブラスは、長期間にわたって技術開発を続けてきた良質な軽質油を算出するプレソルト油田開発に資金を集中するために、積極的に陸上油田などの売却を進めている。

水力発電所の貯水ダムの水位上昇も電力料金値下げには至らず(2022年1月12日付けヴァロール紙)

2021年10月から継続している降水量は、過去91年間で最悪となる水不足による危機を遠ざけているにも関わらず、電力料金を下げる水準には至っていない。

電力エネルギーセクターにとって水瓶に例えられる昨年の南東部地域及び中西部地域は旱魃の影響で、水危機に陥る可能性が憂慮され、コスト高の火力発電所の稼働を余儀された。

国家電気システム (ONS)の発表によると、昨年1月の貯水ダムの平均水位は23.36%であったが、旱魃の影響を受けて昨年9月には16.75%まで低下していた。今年1月末の貯水ダムの平均水位は40%に達すると予想している。

今年1月末の北部地域の水力発電所の貯水ダムの平均水位は73.2%、北東部地域は70.2%が見込まれているが、旱魃が続いている南部地域は過去数か月間よりも水位低下が憂慮されている。

ブラジル全国的に順調な降雨で、水力発電所の貯水ダムの平均水位は上昇しているが、電力料金の値下げの判断は、降雨時期の終了にあたる3月~4月迄まで待たなければならないと国家電気システム (ONS)のジェネラルマネージャーのLuiz Carlos Ciocchi氏は指摘している。

ペトロブラスは明日からガソリン価格を4.85%、ディーゼル価格を8.08%値上げ(2022年1月11日付けヴァロール紙)

ペトロブラス石油公社は、今月12日から石油製油所のガソリンの1リットル当たりの卸売価格を3.09レアルから3.24レアル、ディーゼル燃料価格を3.34レアルから3.61レアルに値上げすると発表している。

ペトロプラスによる今回の石油製油所のガソリンの1リットル当たりの卸売価格の値上げ幅は4.85%、ディーゼル燃料価格の値上げ幅は8.08%に相当する。

今回の同社の値上げは、石油の国際コモディティ価格の上昇に伴う価格調整で今年初めての値上げとなるが、昨年10月26日以来77日間に亘って価格は据え置かれていた経緯があった。

ペトロブラスは、昨年12月末にサンパウロ州リベイロン・プレート、ミナス州ウベラーバ並びにウベルランジア、ブラジリア連邦直轄地の石油精製所でのディーゼル燃料価格の僅かに値下げを行った一方で、ゴイアス州セナドール・カネード石油製油所の卸売価格のアズかな値上げを発表していた。

ペトロブラスでは、12日から石油製油所のガソリンの1リットル当たりの卸売価格は3.09レアルから3.24レアルに値上げされるが、ガソリンポストのガソリンには27%のエタノールの混入が義務付けされている。

また石油製油所のディーゼル燃料の1リットル当たりの卸売価格は、3.34レアルから3.61レアルに値上げされ、10%のバイオディーゼル燃料の混入が義務付けされている。

先週以来、1バレル当たりの北海のブレント油の国際コモディティ価格は80ドルを突破しており、国際コモディティ価格と連動した価格調整は、同社以外にも石油配給業者、燃料輸入業者や生産者、ブラジル全土に過不足なく供給するためには避けられないと説明している。

2021年の電力エネルギーの発電能力増加は風力発電が牽引(2022年1月6日付けヴァロール紙)

国家電力庁(Aneel)の発表によると、2021年のブラジル国内の電力エネルギー発電供給不足に陥る危険性を避けるために、旱魃による水力発電所の貯水ダムの水位低下を補う目的で、コスト高の火力発電所の稼働を余儀なくされていた経緯があった。

昨年のブラジル国内の電力エネルギー能力は、風力発電所建設の加速化の恩恵を受けて、ジラウ水力発電所の電力エネルギー発電能力3.7ギガワットの2倍に相当する7.5ギガワット(GW)増加を記録している。

特に昨年の風力発電による電力エネルギー発電能力は3.6ギガワット増加して、2014年に記録した2.7ギガワットの発電能力を上回って、風力発電では過去最高の発電能力増加を記録している。

2021年のブラジル国内の電力エネルギーの発電能力増加7.5ギガワットのうち風力発電による電力エネルギー増加は、全体の約半分に相当する48.85%を占めたが、旱魃の影響を補うためにコストの高い火力発電所は32.39%に相当する2.4ギガワット、太陽光発電は17.18%に相当する1.29ギガワット増加していた。

また昨年の電力エネルギーの発電能力が増加したのはバイア州がトップの1.55ギガワット、北大河州1.5ギガワット、リオ州1.3ギガワット、風力発電による電力エネルギーの発電能力は20.8ギガワットで、ブラジル全体の181.5ギガワットの11.4%に相当している。

来年の電力エネルギー配電分野は350億レアル増加予想(2021年12月16日のエスタード紙)

電力エネルギー配電に関する法的枠踏み変更法案5829号/2019年の承認で、5メガワットまでの再生可能エネルギー部門への膨大な投資の活性化が予想されている。

電力エネルギー部門の法規制の安定性は、ブラジル国内での多様な電力エネルギー成長の予測可能性と明確性を高めることに加えて、電力エネルギーセクターの拡大を可能にする主要なポイントであった。

ブラジル太陽光発電太陽エネルギー協会(Absolar)のRodrigo Sauaia会長は、電力エネルギー配電に関する法的枠踏み変更法案5829号/2019年の承認は再生可能エネルギー分野の活性化につながると歓迎している。

法案5829号/2019年の承認は、2030年までに再生可能エネルギー、特にこの市場セグメントのリーダーである太陽エネルギーへの測りきれない投資が可能になり、膨大な新規雇用につながるとRodrigo Sauaia会長は示唆している。

この法案承認で、太陽光発電以外にもバイオガス、小型水力発電PCH 、バイオマスによる電力エネルギー発電分野の開発などの加速化投資まで恩恵を受けると予想されている。

9月の電力消費は商業部門と一般家庭が牽引して前年同月比2.9%増加(2021年10月26日付けヴァロール紙)

2021年9月のブラジル国内の電力エネルギー消費は、前年同月比2.9%増加の3235.6ギガワット(GWh)を記録したが、唯一製造業部門の電力エネルギー消費は、マイナス1.8%を記録している。

今年9月の商業部門の電力エネルギー消費は、外出自粛要請の緩和並びに平年を上回る気温に伴って6.1%増加、一般家庭の電力消費も4.0%増加を記録している。

9月の製造業部門の電力エネルギー消費は、マイナス1.8%を記録した一方で、農畜産部門は大豆、トウモロコシ並びに棉生産関連部門下牽引して2.9%の大幅増加を記録している。

今年9月の各地域別電力エネルギー消費比較では、マット・グロッソ州の電力エネルギー消費が5.2%増加の影響で、中西部地域は4.0%増加を記録している。

また9月の北東部地域の電力エネルギー消費は、パライーバ州が4.3%増加した影響で3.4%増加を記録、南部地域及び南東部地域は2.4%増加、北部地域は1.2%増加に留まったが、昨年9月の0.6%から倍増している。

今年第3四半期の商業部門の電力エネルギー消費は、Covid-19パンデミック前の2019年9月比では6.8%と大幅に増加している。今年初め9か月間の電力エネルギー消費は3.0%増加の2万7375,3GWhを記録している。