5大銀行のマーケットシェアは始めて50%割れを記録(2024年1月30日付けヴァロール紙)

2023年に投資ファンドの償還が広範に行われたため、独自の支店ネットワークを持つ大手銀行は、小規模な金融機関や独立系資産との関係で市場シェアを失った。

ブラジル銀行、ブラデスコ銀行、連邦貯蓄金庫カイシャ、イタウ・ウニバンコ銀行、サンタンデール銀行の資産運用会社を含む銀行セクターの上位5社の合計シェアは50.1%から47.9%に低下した。

2020 年の5大銀行のマーケットシェアは 54.4% を維持していたが、これらの大銀行が2023年に注目を集めた免除債券を含む債券の最大の発行銀行であるため、資金が流出したことを意味するものではない。

BTG Pactual 銀行や XP社 などの最大の投資プラットフォームに関連する資産の中で、そのシェアは 1 年の間に 5.4% から 7.1% に上昇し、BTG Pactualの資産がほぼ 850 億レアル増加して3,669億レアルに達している。ランキングではサンタンデール・アセットの3,264億レアルを抑えて5位を占めた。

5大銀行間の2023年の投資と償還の収支はマイナス1,916億レアルを記録、実際に純資金調達を行ったのはブラデスコ銀行のみで132億レアルだった。しかし、イタウー銀行が80%の株式を保有し、代理店とイオンプラットフォームを活用するキネアは、昨年518億レアルを集め、その資産は1,394億レアルに達し、ランキングを5つ上げて10位となった。

Sicredi社の資産は226 億レアル、、Reag Investimentos社及びReag Gestão社の 合計資産は 201 億レアル、Opportunity社 は20,8億レアル、 SulAmérica社  67 億レアル、Safra社 は 6,5億レアル及び Mapfre Investimentos社の資産は 26億レアルとなっている。

独立系企業の中では、純償還額120億レアルのVerde、SPX Capitalは117億レアル、JGP社は20億レアルを記録している。

2020年~2023年までのブラジル国内の5大銀行のマーケットシェア推移

2023 年の個人向け国債残高は109億3,400万レアルを記録 (2024年1月29日付けヴァロール紙)

2023年12月のブラジル国債の個人向け取引は60万件に達しており、国債購入金額は32億3,000万レアルに対して、償還金額23億800万レアルを記録している。

昨年12月のブラジル国債の純発行残高は8億4,800万レアルを記録している。2023年のブラジル国債の純発行残高は109億3,400万レアルを記録している。2023年末のブラジル国債残高は前年比22%増加の1,282億レアルに達している。

昨年12月のブラジル国債の個人購入者は前月比3万5,780人増加の247万9,000人、1,000レアル以上の国債購入比率は全体の63,2%に達しているが、平均購入金額は5.376,50レアルとなっている。

ブラジル国債の償還期間の満期に関しては、主に5年から10年が全体の53.5%を占めており、次いで1年から5年は33.8%、10年以上は12.7%となっている。

発行済みブラジル国債の償還期間では1年から5年物は全体の44,4%、1年未満は13,5%、償還期間が5年は42,1%を占めている。

昨年12月のブラジル国債ではSelic連動国債は、全体の70.3%を占めた。次に、インフレ指数連動もの は20.6%)、とプレフィックス連動もの は9%を占めている。

インフレ連動の国債残高は全体の48.7%、続いて Selic 連動国債 は37.6%、固定金利型国債は 13.7%を占めている。

昨年1年間のブラジル国債取引件数は前年比6,2%増加の715万件、平均取引金額は6.522,38レアル、ブラジル国債取引の投資者数は前年比16,5%増加している。

 

2023 年のブラジルのクレジット総額は前年比6.8%増加予想(2024年1月18日付けヴァロール紙)

正式な2023年度のクレジット関連指標は1月26日にブラジル中央銀行から発表されるが、ブラジル銀行協会連盟(Febraban)によると、2023年のクレジット部門伸び率は、個人向けクレジット部門が牽引して前年比6.8%増加を予想している。

2023年の個人向けクレジット部門伸び率は前年比8.9%と大幅増加を記録した一方で、法人向けクレジット部門伸び率は3.6%増加に留まっている。

昨年12月の融資先が自由に選択できる法人向け自由クレジット部門伸び率は、キャッシュフローライン及び四半期末と年末の購入によるプラスの季節性の恩恵を受けて2.4%増加を予想している。一方個人向け自由クレジットは、12月の商品購入で0.5%増加、キャッシュカード残高が増加した。

個人及び企業向けの信用ストックは6年連続で増加、2020年から2022年にかけて2桁の増加が見込まれているが、昨年からは二桁台の金利継続の影響でクレジット部門の伸び率は、勢いを失っているとブラジル銀行協会連盟(Febraban)のIsaac Sidney会長は指摘している。

昨年12月には、手形や売掛金の割引、請求書の見込などのキャッシュフローラインが大幅に増加したこともあり、企業のフリーリソースを活用した事業がコンセッションの増加を牽引すると予想される一方で、個人向け自由クレジット部門は、13か月目サラリーによるクリスマス商戦向けクレジットカードによる支出も予想を下回っていると見られている。

政策誘導金利Selicの二桁台の高止まり、不正会計発覚の小売大手「ロージャス・アメリカーナス」問題、一般家庭の負債増加による不渡り率の増加などの要因で、昨年のクレジット部門伸び率は、減速傾向を示しているものの終わり近づいているとブラジル銀行協会連盟(Febraban)経済担当のRubens Sardenberg理事は説明している。

2023 年12月のB3株式出来高はマイナス13,6%を記録(2024年1月16日付けヴァロール紙)

2023 年12月のサンパウロ証券取引所B3の1当たり平均株式出来高は、前年同月比マイナス13,6%に相当する252億9,000万レアルと二桁台の落込みを記録している。また前月比ではマイナス7,9%.を記録していた。

昨年12月のサンパウロ証券取引所B3の株取引口座数は、前年同月比マイナス2%まで減少、個人取引者登録数はマイナス1%に相当する49万人に減少している。

昨年12月末のサンパウロ証券取引所B3の上場企業数は、446社とと2022年12月末の448社よりも2社減少している。また平均時価総額は13%増加の4兆6,700億レアルを記録している。

店頭部門では、昨年12月の債券の新規発行額が1.6%増加の1兆7,000億レアルとなり、債券発行残高はほぼ12%増加の6兆6,000億レアルに達している。

 

 

2023 年のブラジル国内のM&A 案件は過去10年間で最高の落込みを記録(2024年1月11日付けヴァロール紙)

RGS Partners社の2023年のブラジル国内における企業買収・吸収合併(M&A)調査によると、昨年のM&A件数は前年比37.0%と大幅減少を記録、過去10年間で最大の落込みを記録している。

昨年のブラジル国内における企業買収・吸収合併(M&A)件数は、前年比37.0%減少に相当する126件に留まり、落込み比率は過去10年間で最大の落込み比率を記録している。

昨年のブラジル国内における企業買収・吸収合併(M&A)による資金調達総額は、前年比41.0%減少の1,260億レアル、2021年比では58.0%減少を記録、2015年並みの記録に留まっている。

2023年のブラジル国内における企業買収・吸収合併(M&A)調査では、国内または国際代理店によってブラジル市場で実施または発表された、M&A 成立価格が5,000万レアルを超える合併・買収、非株式公開、「スピンオフ」および「分社化」を含めたもの。

このM&A調査では、すべてのセクターでM&A取引数が減少しており、 昨年のテクノロジー分野のM&A取引数が 37 件で首位を占め、次にエネルギー分野が 22 件で続いている。次に鉱工業部門の18 件。 ヘルスケア分野は11件 、素材・原料分野のM&A取引数は僅か2 件が登録されている。

また2023年のブラジル国内における企業買収・吸収合併(M&A)調査では、健康保険プラン事業Amil社による110億レアルのM&A案件は別格として、全体的にすべての分野でのM&A案件による資金調達金額は減少傾向を示している。

昨年M&A案件で最も資金調達した分野は、素材分野で250億レアルだった。 2位はエネルギー分野と公益事業分野で総額220億レアルに達している。続いて小売業分野が 190 億レアル、また鉱工業分野が 170 億レアルで続いている。

テクノロジー分野は取引件数ではトップであったが、取引件数は 37 件で、資金調達総額は150 億レアルであった。

また昨年の教育関連分野のM&A案件はわずか 2 件で、合わせて約 3 億レアルに留まり、教育関連分野のM&A案件としては、過去 10 年間で最低の資金調達金額に留まっている。

RGS の調査によると、ブラジル国内企業の取引件数は 67 件と、外国資本が関与する取引の合計 59 件よりも多かった。しかし、外国資本企業のM&A案件取引の740億レアル方が国内企業の取引の530億レアルよりもはるかに多くの資本調達を記録している。

2023 年のブラジルのスタートアップ企業は過去5年間最低の僅か19億ドルの資金調達に留まった (2024年1月10日付けヴァロール紙)

オープンイノベーションプラットフォームDistritoの調査によると、ブラジルのスタートアップ企業は、2023年の資金調達は前年比56.8%減少の僅か19億ドルに留まり2018年以来最悪の結果となった。

2023年のブラジルのスタートアップ企業の資金調達ラウンドは455件あり、年間で51.1%減少している。ラテンアメリカ全体でも前年比55%減少の31億2,400万ドルに留まっている。資金調達ラウンドは746件であった。

昨年のラテンアメリカのスタートアップ企業の資金調達の内訳は、fintech関連は136件、retailTech関連は65件及びhealthTech関連は 54件であった。

また昨年のラテンアメリカのスタートアップ企業のfintech関連企業の資金調達総額は10億ドル、energytech関連は2億1,310万ドル、サプライチェーン関連の資金調達総額は2億340万ドルを記録している。

昨年のラテンアメリカのベンチャーキャピタル市場の資金調達は、先進諸国の金利高や不安定な海外情勢による投資意欲の減衰に伴って取引数の減少から明らかなように、非常に困難な状況を反映していた。

Sling Hub社 による別の調査でも、昨年12月10日までのデータを考慮すると、ラテンアメリカのスタートアップ企業は2023年を通じて748回の株式ラウンドで33億ドルを調達した。暫定結果によると、年間比較では調達額が50%減少し、ラウンド数が21%減少している。

昨年の最大の資金調達を行ったスタートアップ企業としては、QI Tech 社の2 億ドル、Gympass 社の8,500 万ドル、Nomad社の 6,000 万ドルが挙げられる

ラテンアメリカのスタートアップエコシステムでは、2023年に行われた合併・買収(M&A)は合計146件の交渉で、そのうち112件がブラジルで行われたが、前年比42%減少している。

 

昨年のブラジル中央銀行は1999年以降で初めて為替介入せず(2024年1月9日付けヴァロール紙)

2023年のブラジル中央銀行は年初から農畜産物や原油を中心とした輸出の好調でドルに対するレアル通貨名緩やかな上昇及びレアル通貨に対するボラティリティ低下で1999年以降で初めて新規入札を介した為替介入を実施しなかった。

2023年初めのドルに対するレアルの為替はR$ 5,27であったが、国際コモディティ価格が安定し聞きたにも拘らず、輸出量の増加に反比例するようにレアル高の為替に傾き、昨年末のレアル通貨はR$ 4,85までレアル高が進んでいた。

昨年のブラジル中央銀行は外国為替市場で、外国為替スワップ契約や現金ドルの売買を通じて新たなオークションは開催しなかった。さらに、ブラジル中銀は買い戻し約束付きのドル売りの新規ラインオークションも開催しなかった。

昨年のブラジルは1999年に変動相場制を採用し始めて以来、ブラジル通貨を防衛するために金融市場のストレスや激しいボラティリティの瞬間に為替介入を積極的に行ってきた経緯があった。

ルーラ政権発足の昨年初めにブラジルの経済政策に関する喧騒があり、8月から10月にかけて外部環境がさらに悪化したにも関わらず、ブラジル通貨の為替レートのボラティリティは例年よりもはるかに低く、為替介入を正当化するほどの機能不全に陥った為替レートは見られなかったとWarren Investimentos社チーフストラテジストのSérgio Goldenstein氏は指摘している。

外部環境と年末のアメリカの中央銀行の態度が軟化したことが為替レートの上昇を助けた。しかし、アメリカでの銀行破綻や長期金利の高止まりなどの阻害要因もあったが。通貨の変動を抑えるための重要なポイントは大幅な貿易黒字であり、為替レートがこのより活発な貿易の流れに固定されていなかったら、これらすべてはブラジルでより大きな影響を及ぼしていたと元国庫庁長官でOriz Partners社のCarlos Kawall取締役は説明している。

ブラジル中央銀行のデータによると、2023年の為替フローは114億ドルとプラスとなり、2012年以来最大の資本流入となった。この結果は、商業口座を通じた490億ドルの純流入から導き出されたものである一方、金融口座からの資金流入は2023年に増加した。

為替変動相場制採用の1999年~2023年までの為替介入件数の推移

2023 年のポウパンサ預金の純引出総額は878億1,900万レアルを記録 (2024年1月8日付けヴァロール紙)

今月8日のブラジル中央銀行の発表によると、2023年のポウパンサ預金は、引出総額が預入総額を878億1,900万レアル上回り、大幅な赤字を計上している。 また昨年12月のポウパンサ預金は、137億7,100万レアルの大幅な赤字を計上していた。

政策誘導金利Selicが依然として二桁台に留まっているために、ポウパンサ預金からの資金引上げが続いており、2023年末のポウパンサ預金残高は9,830億3,300万レアルと2022年末の9,989億4,300万レアルよりも大幅に減少している。昨年12月のポウパンサ預金の利払い総額は、53億9,600万レアルを記録している。

2023年のポウパンサ預金から不動産クレジット(SBPE)向け資金提供総額は723億9,300万レアル、昨年12月の資金提供額は102億5,400万レアル、昨年末の不動産クレジット(SBPE)向けクレジット残高は7,470億8,100万レアルに達している。

2023年のポウパンサ預金から農村クレジット(SBPR)向け資金提供総額は154億2,500万レアル、昨年末の農村クレジット(SBPR)向けクレジット残高は2,359億5,200万レアルを記録している。

2023年11月のブラジルの経常収支は15億5,300万ドルの赤字計上 (2024年1月3日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の発表によると、2023年11月のブラジルの経常収支は15億5,300万ドルの赤字計上、前年同月の2022年11月のブラジルの経常収支は、16億4,700万ドルの赤字であった。

昨年11月のブラジルの過去12か月間の累積経常収支は、GDP比1,56%に相当する336億5,500万ドルの赤字を計上している。

昨年11月の海外投資家による対内直接投資残高は77億8,000万ドル、前年同月の対内直接投資残高は75億8300万ドルを僅かに上回っている

昨年11月のブラジルの過去12か月間の累積対内直接投資残高は、GDP比2,68%に相当する577億1,800万ドルに対して前年同期のGDP比4,01%を大幅に下回ったが、累積経常収支残高を十二分にカバーできる対内直接投資残高を記録している。

昨年11月の海外投資家によるブラジル国内の金融関連投資は、41億8,700万ドルと前年同月の28億1,100万ドルを大幅に上回っている。

そのうちブラジル国債などの債券市場への投資残高は26億400万ドル、8 億 3,300 万ドルの純流入を記録している。一方サンパウロ証券取引所B3やニュヨーク証券取引所を介した株式市場投資は17億3,800万ドルの黒字を記録している。

昨年11月の海外投資家による利益・配当金送金総額は36億7,700万ドルと前年同月の31億4,000万ドルと約5億ドル上回っている。また今年初め11か月間の累積利益・配当金送金総額は401億5,900万ドルを記録している。

 

 

最終フォーカスレポートは今年のインフレ指数を4,49%に下方修正(2023年12月18日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートは、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の4,51%から4,49%に下方修正している。

2024年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の3,93%に据置いたが、2025年の広範囲消費者物価指数(IPCA)も3,50%に据置いている。

ブラジル中央銀行は、先週政策誘導金利Selicを12,25%から11.75%に下方修正、2024年末のSelic金利は9,25%に据置、2025年末のSelic金利も8,50%に据え置いている。

ブラジル中銀の今年のIPCA指数の中央目標値を3.25%、2024年及び2025年の中央目標値を3.00%、許容範囲は±1.50%を設定している。

今年のGDPの伸び率は、前回予想同様に2,92%に据置。2024年のGDPの伸び率は、前回予想の1,51%に据置、2025年のGDPの伸び率は前回予想の2,00%に据置いている。

バロール紙が71社の金融機関とコンサルティング会社から集めた事前の平均予想のマイナス0. 2%を大幅に上回る伸び率を記録。最低予想はマイナス0. 6%、最高予想は0,5%増加であった。

レアル通貨に対するドルの為替は前回同様にR$ 4,95からR$ 4,93に上方修正、2024年はR$ 5,00に据置、2025年はR$ 5,10からR$ 5,08に上方修正している。

的中率が最も高いトップ5は、今年末のインフレ指数IPCAを前回予想の4,41% から4,47%に上方修正している。また来年のIPCA指数は前回同様3,33%、2025年のIPCA指数も3,25%に据置いている。

また今年末のドルの為替は前回同様R$ 4,90、2024年末はR$ 4,80、2025年末はR$ 4,80にそれぞれ据え置いている。