9月末のブラジルのクレジット残高は5兆5,750億レアル (2023年11月7日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の発表によると、2023年9月末のブラジルのクレジット残高は、0,8%増加の5兆5,750億レアル、過去12カ月間では8%増加を記録している。

また9月末の融資先が自由に選択できる自由クレジット残高は0,8%増加の3兆2,830億レアル、大型プロジェクトなどの低金利で融資先が限定されている限定クレジット残高は、0,8%増加の2兆2,920億レアルを記録している。

9月末の個人向け自由クレジット残高は、0,3%増加の3兆3,790億レアル、法人向け自由クレジット残高は、1,6%増加の2兆1,960億レアルを記録している。

ブラジル中央銀行では今年のクレジット部門伸び率は前年比7,3%増加を予想、そのうち自由クレジット部門伸び率は5,7%増加、限定クレジット部門伸び率は9,6%増加を予想、個人向けクレジットは9,9%増加、法人向けクレジットは3,4%増加を予想している。

ブラジル中央銀行の発表によると、営業日数の増減など特定の期間の特殊性を除いた季節調整後の9月の新規クレジットは2.3%増加、そのうち個人向けクレジット部門伸び率は0,5%増加、法人向けクレジットは3,8%増加、自由クレジットは3,7%増加した一方で、限定クレジット部門はマイナス5,2%と大幅な落ち込みを記録している。

 

今年9 月のブラジルの経常収支は13億7,500万ドルの赤字計上 (2023年11月6日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の発表によると2023年9 月のブラジルの経常収支は13億7,500万ドルの赤字計上したが、昨年同月の経常収支69億4,000万ドルの赤字の五分の一まで縮小している。

今年9 月の過去12か月間の累積経常収支は、GDP比1,92%に相当する398億3,200万ドルの赤字を計上している。

ブラジル中央銀行の最終四半期インフレレポート (RTI)では、今年のブラジルの経常収支は360億ドルの赤字を予想している。

今年9 月の海外投資家による対内直接投資残高は、37億5,200万ドルと昨年同月の96億2,800万ドルから大幅に縮小している。

今年9 月の過去12か月間の累積対内直接投資残高は、GDP比2,89%に相当する600億4,200万ドルと昨年同月のGDP比3,91%を大幅に下回っている。

今年9 月の海外投資家による株式などの金融関連投資残高は14億1,400万ドルの黒字を記録したが、昨年同月は32億8,600万ドルの赤字を記録していた。

今年9 月の海外投資家による確定金利付き投資は18億9,100万ドルを記録、ブラジル中央銀行では、今年の海外投資家によるブラジルの株式投資残高は100億ドルを見込んでいる。

今年9 月の外資系企業による本国への利益・配当金送金は、33億6,900万ドルと昨年同月の50億6,400万ドルを大幅に下回っている。昨年の送金総額は420億ドルであった。

今年10月の海外投資家の株売り越し残高は28億7,000万レアル (2023年11月3日付けヴァロール紙)

サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)が0,54%上昇した10月31日の海外投資家によるサンパウロ証券取引所(B3)の株式投資金引上げ残高は1,520万レアルを記録している。

今年10月の海外投資家の株売り越し残高は28億7,000万レアルに達している一方で、今年初め10か月間の株式買い越し残高は63億7,000万レアルを記録している。

金融機関投資家による10月31日の売り越し残高は7810万レアル、10月の金融機関投資家による売り越し残高は24億5,000万レアル、今年初め10か月間の売り越し残高は333億5,000万レアルを記録している。

個人投資家による10月31日の売り越し残高は6140万レアル、10月の個人投資家による買い越し残高は20億9,000万レアル、今年初め10か月間の個人投資家による買い越し残高は103億6,000万レアルの大幅な黒字を記録している。

海外投資家のブラジル国債所有比率が再び上昇傾向(2023年10月26日付けヴァロール紙)

2023年9月の海外投資家によるブラジルの連邦公的債務(DPF)比率は9.9%に達し、8月の9.25%、7月の9.22%と2カ月連続で前月を上回っている。

今年9月の海外投資家によるブラジルの連邦公的債務(DPF)比率9.9%は、2022年2月に記録した10.0%以降では最高の占有率を記録している。

今年9月の海外投資家による連邦政府の対内債務残高(DPMFi)は5,800億レアルを記録、9月の連邦政府の対内債務残高(DPMFi)は、5兆8,340億レアルと8月の6兆270億レアルよりも1930億レアル減少を記録している。

金融機関関連の海外投資家のブラジル国債残高は、798億9,000万レアルに達しており、連邦政府の対内債務残高(DPMFi)の28.55%と最大の比率を占めている。

国庫庁公的債務業務担当のRoberto Lobarinhas調査官は、今後も海外投資家がブラジル国債への投資を増やし続けるかどうかは現時点では不明であるが、ブラジル国債の保有者の多様化は、債務管理にとって有益であると説明している。

主に海外投資家が7月に満期を迎えた保有する固定利付ブラジル国債を、すぐにポートフォリオを再構築し、現在は2桁近くになっているとLobarinhas調査官は説明した。

財務省は連邦公的債務(DPF)が9月末で前月比3.02%減少の6兆750億レアルに達したと説明している。 9月末の連邦公的債務(DPF)6兆750億レアルは、国庫庁の年間ファイナンス計画(PAF)の2023年度の公的債務残高の目標許容範囲の6兆4,000億レアル~6兆8,000億レアルを下回っている。

 

 

大銀行の第3四半期の純益は前四半期よりもアップ予想(2023年10月23日付けヴァロール紙)

第 3 四半期の銀行の決算発表は、過去数回に比べて明るい内容になる傾向がある。今年上半期に不正会計発覚の小売大手「ロージャス・アメリカーナス」事件から生じた問題の後、法人に対するクレジットは再び一段と強さを示す一方、個人による債務不履行は安定化の兆しを示し、さらには下降傾向の始まりを示す可能性さえ表れてきている。

金融アナリストらは、国内最大手の銀行のうち、イタウ・ウニバンコ銀行とブラジル銀行(BB)が今後も好調を維持し、同時にブラデスコ銀行とサンタンデール銀行が最悪期を脱した兆しを見せていると予想している。

Valor社が大手銀行7行を対象に実施した調査によると、大手上場銀行の7月から9月までの平均合計利益は250億9,500万レアルとなり、前四半期比3%増加する見通し。前年第 3 四半期比では1.2% のわずかな増加予想。いつものように、スペイン資本のサンタンデール銀行の決算発表は25 日となっている。

今年1月から6月にかけて、インフレは特に低所得世帯の支払い能力に影響を及ぼし、債務不履行や貸倒引当金が増加した。現在、インフレとSelic金利は下降サイクルに突入している。

イタウーBBAは、個人のクレジット延滞率は改善が見られ始める可能性があるが、法人のクレジット延滞率はまだ若干増加すると予想、同銀行は「今年上半期は企業と個人が低調だったが、クレジット分野とポートフォリオの伸びは加速すると予想している。

XP銀行では、第 3 四半期は前期に見られたものと似ており、信用ポートフォリオは健全に成長し、デフォルト率は緩やかな上昇を示しており、すでにピークに達している可能性があるとみている。

金融アナリストらは、リボルビング金利の上限が導入された場合、最も損失を被る傾向があるのは、クレジットカードへの依存度が高いインテル銀行やヌーバンク銀行などになるだろうと予想している一方で、ブラジル銀行とイタウー銀行はそれほどダメージを受けいないと予想している。

サンタンデール銀行の第3四半期の純益は25億300万レアルが見込まれており、前四半期ベース比では8.4%増加、前年同期比19.8%減少が見込まれている。

ブラデスコ銀行の第3四半期の純益は前四半期比1.4%増加の45億8,400万レアル、前年同期比では12.2%減少が見込まれている。

一方、イタウー銀行の第 3 四半期の純益は前四半期比3.0%増加の 90 億 500 万レアル、前年同期比では11.5%増加で記録更新が予想されている。ゴールドマン・サックスでは、イタウー銀行の収益性(ROE)は21%で、収益の増加、効率の向上、リスクコストの比較的安定した水準となると予想している。

ブラジル銀行の第 3 四半期の純益は前四半期比2.5%増加の90 億 300 万レアル、前年同期比では7.7% 増加予想されている。

Nubankの第 3 四半期の純益は前四半期比20,2%増加の3億1,570万ドル、前年同期比では4.000%増加予想となっている。

4大銀行の今年第 3 四半期の純益の前四半期比及び前年同期比のパーセンテージ

今年9月のクレジット部門伸び率は0.8%増加予想(2023年10月19日付けヴァロール紙)

ブラジル銀行協会連盟(Febraban)によると、2023年9月のクレジット部門伸び率は、法人向け自由クレジット部門が牽引して前月比0.8%増加が予想されているが、正式な発表は今月27日が予定されている。

今年9月の法人向けクレジット部門伸び率は1.2%増加、個人向けクレジット部門伸び率は0.6%増加が見込まれている。

また今年9月の融資先が自由に選択できる法人向けクレジット部門伸び率は、1.4%増加が見込まれている。

今年9月の融資先が限定されるクレジット部門の伸び率は0.8%増加予想、特に2023/24年収穫期の農業生産支援計画(Plano Safra:プラノ・サフラ)並びに社会経済開発銀行(BNDES)の限定クレジットが牽引している。

今年9月の融資先が自由に選択できる個人向け自由クレジット部門伸び率は、僅か0.3%の伸び率に留まると予想されている一方で、個人向け限定クレジット部門伸び率は、農業生産支援計画及び住宅購入向けクレジットが牽引して0.9%増加が見込まれている。

ブラジル銀行協会連盟(Febraban)調査によると、個人信用や自動車融資などの最も安全な手段は増加する一方、よりリスクの高リボルビングクレジットは勢いを失うはずで、これは金融機関側の一定の警戒を反映している可能性がある。

今年のクレジット部門伸び率は、政策誘導金利の切下げサイクル突入にも拘らず、高止まりしている延滞率や一般家庭の負債増加で8月に発表した8.9%に対して、現在では7.9%へも下方修正が余儀なくされているとFebrabanのRubens Sardenberg理事は指摘している。

今年9月の新興国からの投資引上げ総額は138億ドルに達している (2023年10月13日付けヴァロール紙)

世界70か国の450銀行や投資ファンドで構成される国際ファイナンス協会(IIF)の発表によると、2023年9月の新興国からの投資引上げ総額は138億ドルに達しており、8月に続いて2カ月連続で引揚げ総額が投資総額を上回っている。

9月の新興国からの投資引上げ総額138億ドルの内訳は、新興国からの株式市場からの投資引上げ総額は120億ドル、国債関連は18億ドルを記録している。

新興国からの株式市場からの投資引上げ総額120億ドルの内訳では、不動産関連市場が崩壊の危機に瀕している中国からは44億ドル、その他の新興国からは75億ドルが逃避している。また中国の国債関連商品から44億ドルの投資引上げが記録されている。

一方、他の新興市場には26億ドルが流入したが、金融政策の将来の軌道を巡る最近の市場の混乱とソブリン債利回りの上昇により、新興国市場へのポートフォリオ・フローのパフォーマンスが妨げられていると国際ファイナンス協会(IIF)では指摘している。

新興国債の見通しは金融情勢の状況と密接に関係しているが、金利は長期にわたって高止まりするとの見方が一般的であり、その結果、新興国債のパフォーマンスが低下していると国際ファイナンス協会(IIF)では指摘している。

新興国のインフレ率が徐々に目標に戻りつつあり、経済政策の不確実性の低下が通貨のボラティリティの安定に役立っていると指摘している。しかし、インフレ圧力により米国の連邦準備制度理事会(FRB)がより積極的な姿勢をとれば、この有利なシナリオは変わる可能性がある。

短期的には、為替レートのボラティリティの低下によりキャリートレードの魅力が高まり、外国人投資家が新興現地通貨建て債券から恩恵を受けるようになっている。

しかし、国債利回りの上昇により、新興国の中央銀行が通貨の変動を引き起こすことなく成長を促進する余地が少なくなっているため、新興国の公的債務についてはより慎重になる可能性がある。

今年のクレジット部門伸び率は7,6% 、来年は8,1% 増加予想(2023年10月9日付けヴァロール紙)

ブラジル銀行協会連盟(Febraban )では、2023年のブラジル国内のクレジット部門伸び率は前回同様に7,6%を予想、2024年の伸び率は、政策誘導金利の利下げサイクル突入及び延滞率の安定で前回予想の7,9%から8,1%に上方修正している。

ブラジル中央銀行が8月に発表したデータでは、一部の企業信用分野に前向きな評価をもたらし、これが企業のポートフォリオの予想成長率の上方評価にも寄与したはずだとブラジル銀行協会連盟の経済・健全性規制・リスク担当ディレクターのRubens Sardenberg氏は指摘している。

今年の融資先が自由に選択できる自由クレジット部門伸び率は、前回予想の6,3%から6,4%に微調整したが、融資先が限定される限定クレジット部門伸び率は、9,3%から9,2%に下方修正されている。

また今年の自由クレジット部門の法人向けクレジット部門伸び率は、1,7%から2,3%に上方修正されたが、個人向け自由クレジット部門伸び率は、9,8%から9,1%に下方修正されている。

今年の個人向け限定クレジット部門伸び率は、10,6%から10,2%に下方修正されたが、法人向けクレジットは7,2%から7,3%に上方修正されている。

2024年のクレジット部門伸び率は、限定クレジット部門が牽引して8,1%増加予想、一方自由クレジット部門伸び率は、8,6%から8,4%に下方修正されている。

今年のクレジット部門の延滞率は4,9%、来年の延滞率は4,5%予想、また今年末のSelic金利は11,75%、来年末のSelic金利は10,25%が予想されている。

今年9月のポウパンサ預金は58億3,500万レアルの赤字計上(2023年10月6日付けヴァロール紙)

今月6日のブラジル中央銀行の発表によると、2023年9月のポウパンサ預金は、引出総額が預入総額を58億3,500万レアル上回り、大幅な赤字を計上している。

今年8月のポウパンサ預金は、引出総額が預入総額を100億7,500万レアル上回って大幅な赤字を計上していた経緯があった。

今年初め9か月間のポウパンサ預金の累積預入総額は、3,061億5,300万レアルに対して、累積引出総額は3,119億8,800万レアル、赤字総額は59億300万レアルを記録していた。

今年初め9か月間のポウパンサ預金で黒字を計上したのは、唯一6月の25億9,500万レアルの黒字、最も引出総額が預入総額を上回ったのは、今年1月の336億3,100万レアルの赤字であった。

今年9月末のポウパンサ預金残高は9,683億2,800万レアル、今年9月のポウパンサ預金の利払いは61億4,510万レアル、不動産クレジット(SBPE)向けポウパンサ預金は55億6,200万レアル、農村クレジット(SBPR)向けポウパンサ預金は2,728億2,400万レアルが利用されている。

中銀は今年のクレジット部門の名目伸び率は7.7%から7.3%に下方修正(2023年9月28日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行発表の最終四半期インフレレポートによると、2023年のブラジル国内のクレジット部門のインフレ指数を考慮しない名目伸び率は前回予想の7.7%から7.3%に下方修正している。

今年の法人向けクレジット部門伸び率は前回予想の4.4%から3.4%と大幅な下方修正を行った一方で、個人向けクレジット部門伸び率は前回同様9.9%に据置いている。

また今年の融資先が自由に選択できる自由クレジット部門伸び率は前回予想の6.3%から5.7%に下方修正したが、融資先が自由に選択できない限定クレジット部門伸び率は前回同様9.6%増加に据置かれている。

また2024年のクレジット部門伸び率は8.5%増加予想、そのうち個人向けクレジットは9.2%、法人向けクレジットは7.4%、自由クレジットは7.9%、限定クレジット部門伸び率は9.3%それぞれ増加が予想されている。

名目上のクレジット部門増加の加速とインフレ鈍化の見通しは、来年のクレジット部門残高の実質成長がさらに活発になると四半期インフレレポートは示唆している。