アマゾン河の水上輸送は旱魃で輸送制限を余儀なくされている(2023年9月21日付けヴァロール紙)

アマゾナス州及びアマゾン河は干ばつの影響を受けてアマゾナス州内の貨物の水上輸送に悪影響が出始めており、ブラジル国内の一大生産拠点のマナウスフリーゾーンの貿易に影響を及ぼすことが懸念されている。

通常は乾季の影響で毎年10月から 12月にかけてアマゾン河の水位は低下するが、今年は10月以前から水位低下が始まっているために、今後更なる水位低下による悪影響が憂慮されている。

現在、マデイラ河の河口付近の地域ではアマゾン河の水上交通がすでに制限されており、喫水11.5メートルの定期船は満載航行できなくなり、夜間の交通も遮断されている。

今後1~2週間以内に、船舶がアマゾン河の重要な区域を通過できなくなるリスクがあり、イタコアチアラ市に近いマデイラ河の入り江に加えて、タボカル地域には別の問題のある地点が存在している。

アマゾン河の水位は非常に速いペースで低下しており、昨年の同時期の1日あたりの水位低下は15センチだったが、今年はその2倍の1日あたり約31センチ減少している。

干ばつがそれほど深刻ではなかった 2022 年には、水上輸送能力の損失は 40% であったが、現在では 60% に達する可能性があるとブラジルカボタージュ船主協会(Abac)のLuis Resano筆頭理事は説明している。

アマゾン河の水位 は8メートル未満になる可能性があると推定しており、この水位低下は、この地域で最後の大規模な干ばつが発生した2010年の干ばつ時に達した水位とブラジルカボタージュ船主協会(Abac)は指摘している。

大型水上輸送の代替として小型船舶やトラックやフェリーによる河川航路の利用など代替手段を模索したとしても、輸送能力は大幅に減少し、輸送コストの大幅上昇は避けられないと指摘している。

海上輸送コストの上昇はすでに発生しており、2週間前から海運会社はドライ料金の請求を開始、コンテナ1個あたり3,000レアルから始まり、現在は1万レアルに達している。そして、1週間前、航行制限を予見して10月中旬まで予約を受け付けなくなったとCosta Brasil社のMárcio Salmiエグゼクティブ・ディレクターは説明している。

Costa Brasil社では浅い喫水でも航行できるトラックとフェリーを組み合わせた、道路と川の代替手段の強化を目指してきたが、貨物輸送の容量が小さく、50% 割高になるが、トラックだけで代替輸送が需要を満たすことは不可能と指摘している。

この状況は地域内のあらゆる種類のコンテナ貨物の供給に影響を及ぼし、マナウスフリーゾーンからブラジル国内の他の地域への物流に悪影響を与える可能性があり、またちょうど商業需要がピークに達する時期に発生しており、ブラック フライデーやクリスマスなどの年末商戦向けの在庫を抱える時期に差し掛かっている。

海上輸送ルートはマナウスから出発し、アマゾン河に沿って海岸まで移動し、ペセム (CE)、スアペ (PE)、サルバドール、リオデジャネイロ、 サントス (SP)、イタポア (SC) などの港湾に貨物を輸送する。

ブラジルカボタージュ船主協会(Abac)によると、今年第2四半期にはマナウスフリーゾーンで20フィートコンテナで5万620TEUがアマゾン河で輸送され、4万9.960TEUが陸揚げされた。

 茶色はアマゾナス州の旱魃の影響を受けると予想される港湾を抱える州

 

今年上半期のブラジルの観光業界売上は14,9%増加の1124億レアル(2023年8月16日付けヴァロール紙)

サンパウロ州商業・サービス・観光連盟(Fecomercio SP)の発表によると、2023年上半期のブラジルの観光業界の売上は、前年同期比14,9%増加の1124レアルを記録して2015年以降では最高の売上を記録している。

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、2023年6月のサービス部門提供量(生産性指標)は、前月比0.2%増加と5月の1.4%増加から大幅に減少したにも拘らず、Covid-19 パンデミック開始時の220年2月の水準を12.1%上回っているが、依然として過去最高水準であった2022年12月の水準を1.5%下回っている。

しかし今年上半期のブラジルの観光業界での売上では航空機輸送部門が牽引、上半期の航空会社の売上は前年同期比22,9%と大幅増加を記録している。

航空機による旅客数がCovid-19 パンデミック以前よりもすでに増加していることを示唆しており、これは昨年と比較して航空旅行の平均航空券が減少していることによって説明される。ちなみに、この現実は、今後数カ月間の同部門の収益の継続的な増加を鈍化させる傾向があるとFecomercioSPでは説明している。

今年上半期のレンタカー会社の売上は前年同期比22.4% 増加している。さらに、すべてのホテル チェーンを含む宿泊部門の収益も23.8% と大幅増加を記録している。

一方で、今年上半期の輸送部門でマイナスを記録したのは道路による陸上輸送部門でマイナス4,9%を記録している。FecomercioSP によると、今後の見通しとしては、ブラジルの主要都市でのレジャー旅行と企業イベントの再開の両方が活発化して、下半期も業績が堅調に推移する傾向が見込まれている。

下半期の業績が堅調な見通しは、ここ数カ月で雇用率の上昇とインフレの低下を記録したブラジル経済の改善と一致しており、一般消費者が観光関連商品に多くの消費が見込まれているとFecomercio-SPは指摘する。

 

エンブラエル社の第2四半期の純損失は9,620万レアル (2023年8月14日付けヴァロール紙)

商業航空機とエグゼクティブジェット機の販売量が力強く回復した中で、エンブラエル社の2023年第2四半期の純損失は、前年同期比87%減少に相当する9,620万レアルを記録している。

エンブラエル社の第2四半期の純売上は、商用ジェット機の売上が56,5% 、エグゼクティブジェット機の売上が39,1% とそれぞれ大幅増加したために26%増加の63億6,000万レアルを記録している。

エンブラエル社の第2四半期の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、第 1 四半期の13倍以上に相当する 7億2,410万レアルを記録している。

6月末のエンブラエルの純負債は70億レアルと、3月末の72億3,000万レアルから若干減少、同社は第2四半期に47機のジェット機を納入し、そのうち17機が商用機、30機がエグゼクティブ機(小型機19機、中型機11機)で、2022年の同時期と比べて47%増加している。

エンブラエル社の第2四半期の民間航空機部門売上は前年同期比56%増加の23億2,000万レアルに達し、しかし、粗利益率は一時的な影響で13.2%から12.9%に低下した。

エグゼクティブ・アビエーション部門の純収益は39% 増加の 18 億 5,000 万レアル。しかし、粗利益率も 22.2% から 19.7% に低下している。

防衛部門の収益は 4 億 1,070 万レアルで、上半期の収益認識の遅れにより 1 年間で 28% 減少。粗利益率は昨年第2四半期の28.2%増加から一転してマイナス1%を記録している。

サービスとサポート部門では、エンブラエルの売上高は7%増加の16億8,000万レアルで7%の成長、粗利益率はマイナス31.8%に相当する24.3%に留まった。

今年上半期の国内便需要は6.2%増加(2023年7月13日付けヴァロール紙)

国際航空運送協会(IATA)の発表によると、2023年上半期のブラジル国内便需要に相当する1 km あたりの旅客収入RPKは、Covid-19 パンデミック前の水準を6.2%上回るまで回復してきている。

今年上半期の国内便の需要は、パンデミック発生1か月後の2020年4月に記録したマイナス95%と底を打った時期と比較しても大幅な回復を記録している。

今年上半期のブラジル大手の航空会社のGol社, Latam社並びにAzul社の航空機搭乗客は10.2%増加、国内便の需要はパンデミック前の水準を7.6%上回っている。また大手3社の航空便数も11.8%増加している。

6月の旅客需要は前年同月比14.8%増加しており、今はブラジル国内市場を拡大する時期だとブラジルの国際航空運送協会(IATA)のDany Oliveira取締役は強調している。

6月は月間ベースでの搭乗客増加率としては、依然として低迷していた2021年のベースと比べて需要が26%増加した2022年8月以来最高となっているとDany Oliveira取締役は説明している。

また航空会社がより多くの座席を市場に投入し、需要再開に賭けていることをデータが示しているとブラジルのIATA代表のDany Oliveira取締役は強調した。

航空業界は税制改革法案の内容に注視してきたが、観光業界が、税率引き下げができるグループのホテルセグメントが特権グループに加わったことに驚愕している。

税制改革法案では航空業界では、地域航空のみが税制恩典にあずかることができる。競合他社のアズール社は同社傘下の地域航空部門であるアズール・コネクタが税制恩恵を受ける傾向にあるため、この決定は舞台裏でGol社並びにLatam社を不快にさせている。

航空会社の場合、税率はまだ議論中であるが仮に税率 25% とした場合、各企業の平均で年間 37 億レアルの増税が見込まれると試算されている。税制改革法んのテキストは今後上院議会で審議される予定で、シナリオの逆転を目指して航空業界の注目が集中すると予想されている。

今年上半期のSantos Brasil 社のコンテナ荷動きはマイナス13.0%と大幅に減少(2023年7月6日付けヴァロール紙)

港湾ターミナルの取扱量トップのSantos Brasil社の2023年6月のコンテナ取扱量は、前年同期比マイナス7.1%の9万7,200コンテナに留まったが、内訳は満杯コンテナは6万7,400コンテナ、2万9,400コンテナは空コンテナ、9,300コンテナは港湾ターミナルに保管されていた。平均コンテナ積載量は前年同月比マイナス22.8%に相当する11.5トンに留まっていた。

Santos Brasil社の6月のコンテナ取扱量9万7,200コンテナのうちTecon Santos社の港湾ターミナルのコンテナ取扱量は8万6,300コンテナ、Tecon Imbitubaは4,600コンテナ、Tecon Vila do Condeは6,100コンテナであった。

Santos Brasil社の6月の自動車輸送量は、前年同月比マイナス34.2%に相当する2万799台、そのうち輸出台数は1万8,778台、輸入台数は2,021台であった。

今年上半期の累積コンテナ取扱数は、前年同期比マイナス13.0%に相当する56万2,200コンテナ、そのうち39万7,600コンテナは満杯コンテナ、16万4600コンテナは空コンテナ、5万9,000コンテナは港湾ターミナルに保管されていた。

今年は上半期の累積自動車取扱台数は、マイナス17.4%に相当する11万8,800台、そのうち輸出は10万5,100台、輸入車は1万3,600台であった。

 

今年上半期の道路輸送関連機器販売はマイナス2,77% (2023年7月5日付けヴァロール紙)

全国道路機器メーカー協会 (Anfir)の発表によると、2023年上半期の道路輸送関連機器・車両販売は、銀行金利の高止まりやクレジットなどの延滞率の増加で前年同期比マイナス2,77%を記録している。

しかし連邦政府による今年下半期の予想を上回る国内総生産伸び率の上方修正に伴って、道路輸送機器の売り上げが伸びる可能性が指摘されている。

今年上半期の累計道路輸送関連機器の新車登録台数は、前年同期の7万5,000台に対して7万3,000台に留まった。

今年上半期の特に鉱業部門やインフラ部門、農畜産向けの道路輸用重量車両部門のトラックやトレーラー販売は、4,63%増加の4万2,000台と昨年同期の4万200台を大幅に上回った。

今年上半期のステンレスタンク販売は104%増加、サイロ関連製品は77%増加した一方で、木材やコンテナキャリアを輸送するための機器は、前年同期比マイナス32.5%とマイナス22%に留まった。全国道路機器メーカー協会 (Anfir)では、今年の道路輸送向け重量機器販売は 7万5,000台を見込んでいる。

業界で「ボディ・オン・シャーシ」と呼ばれる今年上半期の軽セグメント部門は、大都市中心部での貨物の流通の影響が大きく、前年同期比マイナス11.3%の3万900 台を記録した。

今年上半期で最も減少したのは、土木建設で広く使用されているコンクリートミキサー製品で前年同期比マイナス21.4%と大幅な減少を記録している。

全国道路機器メーカー協会 (Anfir)の年初時点の予測では、2023年には14万台の輸送機器の販売が予想されていたが、新たな予想では、12月までに13万5,000台の輸送機器の販売が予想されている。

エンブラエル社は商用ジェット機の需要がCovid-19 パンデミック前の水準に回復するのは2024年(2023年6月20日付けヴァロール紙)

エンブラエル社によれば、今後 20 年間で商用ジェット機分野の成長は、アジア太平洋地域の旅客キロあたりの収入は、ヨーロッパと北米の合計を超えると予想している。

エンブラエル社は、パリ航空ショー期間中に、2042年までの民間航空機納入に向けた今後20年間の市場展望を明らかにした。いわゆる「市場展望」では、次期最大150席の新型ジェット機とターボプロップ機の需要が牽引すると予想している。

エンブラエル社よれば、旅客キロ当たりの収入(RPK)で測定した世界の旅客輸送量は、2024年までに2019年の水準に戻ると予測している。回復は「パンデミック、地政学、経済情勢からの長期にわたる低迷からの回復が牽引すると見込んでいる。

エンブラエル社によれば、世界の RPK は 2042 年まで年間平均 3.2%増加すると予想。航空機の数に関しては、2042年までに最大150席の新型航空機が1万1,000機導入されると予測、そのうち8,790機がジェット機、2,210機がターボプロップ機と予想。これらの新しい航空機の販売価格は約 6,500 億レアルに達すると予想している。

地域別の成長率比較では、アジア太平洋地域は年間平均4.4%増加で最も高いRPK成長率が見込まれ、次いでラテンアメリカの年間4.1%増加が続くと予想している。

今後 20 年間の成長により、アジア太平洋地域はヨーロッパと北米を合わせた RPK シェアを超えると予想している。

モデル別では、北米がジェット機の30.6%需要、アジア太平洋地域がターボプロップ機の41%の需要を牽引すると予想している。

RUMOの5月の輸送量は前年同月比7.0%増加(2023年6月12日付けヴァロール紙)

2023年5月のRUMO社の貨物輸送は、前年同月比7.0%増加の67億トン(TKU)を記録した一方で、前月比では2.9%減少を記録している。

5月の貨物輸送67億トン(TKU)のうち、農畜産物輸送は56億トン、特に大豆は36億トン、大豆かすは9億7,600万トン、粗糖輸送量は4億5,900トンを記録している。

また5月のRUMO社の貨物輸送のうち工業製品関連輸送量は7億8,800万トン、4億7,900万トン、コンテナ輸送は3億1,300万トンであった。

Rumo社は、毎月第 6 営業日ごとに、同社の輸送量の結果を示す表を Web サイトに公開している。

 

今年第1四半期のエンブラエル社の純益は3億6,830万レアルの赤字計上(2023年5月4日付けヴァロール紙)

「空飛ぶクルマ」と呼ばれるような電動の垂直離着陸(eVTOL)機を手掛けるスタートアップ企業Eve Urban Air Mobility社の赤字計上の影響を受けて、2023年第1四半期のエンブラエル社の純益は、昨年同期の1億7070万レアルの赤字の2倍以上に相当する3億6,830万レアルの赤字計上を余儀なくされている。

しかし今年第1四半期のエンブラエル社の純売上は、21.0%増加の37億3,000万レアルを記録、特に軍用機や防衛事業が好調に推移している。

今年第1四半期の利息および税引前利益 (Ebit)は、昨年同期の2億99万レアルの赤字から2億7,070万レアルの赤字に悪化している。

しかしエンブラエル傘下のEve Urban Air Mobility社の1億2,310万レアルの赤字を除くと1億6,390万レアルの赤字で、Ebitはマイナス4.4%に留まる。

今年第1四半期の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、昨年同期の110万レアルの赤字から5290万レアルの赤字と大幅に増加している。

今年第1四半期のエンブラエル社のキャッシュフローは、マイナス20億7,000万レアルと昨年同期のマイナス4億2,510万レアルを大幅に上回っている要因として、第2四半期の多数のジェット機納品のための支出となっている。

今年3月末の同社の負債総額は53%増加の57億8,000万レアル、また商用ジェット機の追加納品による純売上は10億3,000万レアルを記録している。

 

2022年の免税店Dufryの純益はCOVID-19パンデミック中の赤字から一転して6,240万ドルの黒字計上(2023年3月7日付けヴァロール紙)

スイス資本の空港免税店 Dufry社の2022年の純益は、COVID-19パンデミックの影響で海外旅行客が劇的に減少していた2021年の3億8,540万スイスフランコの赤字から6,240万ドルに相当する5,820万スイスフランコの黒字を計上している。

空港免税店 Dufry社の昨年の売上総額は前年比76.1%と大幅増加の68億⒎000万スイスフランコと海外旅行の活性化に比例して大幅に回復してきている。

売上粗利率は、2021 年の 56.5% から 2022 年には 61% に上昇、海外旅行客の強い需要、積極的かつ改善されたカテゴリー管理、新しい製品ラインナップ、地理的およびチャネル ミックスの変化が牽引しているとDufry社は説明している。

昨年のDufry社の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、8.8%に相当する6億620万スイスフランコを記録している。

Dufry社 は、今年第 2 四半期の終わりまでに予定されている買収取引の完全な完了により、イタリア国内の道路網および空港ケータリング会社である Autogrill社 の統合を予定している。