ガソリン価格上昇でレンタカー需要が減少(2021年10月20日付けヴァロール紙)

ガソリン価格の上昇が顕著になってきた今年6月以降のUberや99などの配車アプリサービスなどのレンタカー契約を取りやめた運転手は、既に3万人に達しているとブラジルレンタカー協会(Abla)では指摘している。

一方配車アプリサービス向けなどのレンタカー業界では、今年6月~9月迄の月間平均では3万3,664台の新車を購入しているが、世界的な半導体不足による新車購入台数は、Covid-19パンデミック前の2019年同期比では25%減少している。

配車アプリサービス業界の運転手数は、燃料価格が安価なレベルに戻れば再度増加、もしくは運転手が再度レンタカーによる実務ができるレベルまで、配車アプリ会社が料金改正すればとブラジルレンタカー協会(Abla)のPaulo Miguel Junior会長は説明している。

今年初め配車アプリサービス業界の運転手がレンタカーを利用していた人数は20万人に達していたが、Covid-19パンデミックピーク時の昨年4月~5月は、約80%も減少した経緯があったが、昨年末には回復していた。

しかし今年6月以降にガソリン価格が上昇したために、今年初め配車アプリサービス業界の運転手がレンタカーを利用しているのは17万人に留まっている。

また配車アプリサービス業界むけの新車納期の比較では、自動車メーカー向け半導体不足問題で、通常の新車納期は約90日間であったが、今では新車納期は240日~300日を要している。

配車アプリサービス業界のレンタカーの平均使用年数は15ヶ月であったが、半導体不足による新車不足で平均使用年数は23ヶ月まで伸びており、正常化するのは、半導体供給不足が解決する2023年迄要すると予想されている。

配車アプリサービス業界では、今年の新車購入台数は前年比5.56%に相当する38万台が見込まれているが、Covid-19パンデミック前の2019年の新車購入台数は62万台に達していた。

ブラジルレンタカー協会(Abla)は、昨年末に今年の新車購入台数を80万台、2022年も同様の数字を示唆していたが、世界的な半導体不足の影響で大幅な下方修正を余儀なくされている。

今年10月10日迄のレンタカー業界は31万台の新車を購入、伝統的に自動車生産台数の20%がレンタカー業界に流れていた。現在のレンタカー業界の自動車所有台数は、前年同期比6.26%増加の107万台となっている。

今年初め8か月間の航空貨物輸送量は過去の記録更新(2021年10月5日付ヴァロール紙)

民間航空庁(Anac)の発表によると、2021年1月~8月のブラジルの国際航空貨物による累計輸送量は、前年同期比13.5%増加に相当する62万5,700トンに達し、統計を取り始めた2000年からでは、過去最高の輸送量を更新している。

今年初め8か月間の航空貨物の輸送量が増加した要因として、航空運賃が最も安価な海上貨物輸送向けコンテナ不足で、運賃の最も高い航空貨物による輸送を余儀なくされていたが、先進諸国を中心としたCovid-19対応ワクチン接種拡大に伴って、海上輸送に移行すると予想されている。

今年初め8か月間の航空貨物並びに一般旅客機を用いた貨物のベリー便の売上は、海上輸送によるコンテナ不足で航空貨物の利用増加で、既に2019年を売り上げを突破している。

今年8月の国際航空貨物輸送で、ブラジル市場のリーダ-Latam社並びに系列のLan Chile社, Absa社並びにLan Cargo社のマーケットシェアは16.4%でトップシェアを確保、2位は米国資本Atlasの12.2%、3位にはKorean Air Lines社で5.0%のマーケットシェアを擁している。

チリに本社を置くLatam社の第2四半期の航空貨物の売上は、前年同期比37.5%増加の3億⒎000万ドルを記録した一方で、一般旅客便の売上は、77.0%下落の4億5,500万ドルと依然として落ち込んでいる。

11月の感謝祭翌日の第4金曜日から週末にかけてクリスマス向けの激安セールが開催されるブラックフライデー並びに年末のクリスマス商戦で、年末にかけて南米での航空貨物は特需が予想されるが、既に航空貨物の積載量は90%を突破している。

国際航空運送協会(IATA)の発表によると、今年の航空貨物の輸送量は、2019年比8.0%増加を予想、2022年はCovid-19パンデミック前の水準を13.0%上回ると予想している。また今年の航空旅客需要は、2019年の水準の40%に留まると予想、2022年の航空旅客需要は、Covid-19パンデミック前の61.0%に回復すると予想している。

コンテナ船不足や運賃高騰で輸送ロジスティクス混乱は来年まで継続(2021年8月20日付ヴァロール紙)

Covid-19パンデミックの影響で、コンテナ船不足による海上輸送ロジスティクスの混乱状況は、最低でも2022年迄継続すると予想されており、コンテナ船不足は、海上輸送運賃の高騰及び数か月間の船荷の遅延を誘発すると予想されている。

新型コロナウィルス(COVID-19)の世界的感染拡大で、世界中の海上輸送の物流部門は、コンテナ船不足及びばら積み船(ドライバルク船)、タンカー、自動車船といった全ての船種の海上貿易に悪影響を及ぼしており、特に年末商戦向けの荷動きが激しくなる第3四半期の海上輸送部門は、カオス状況に陥ると見込まれている。

特にブラジルと中国間の海上輸送運賃は、過去最高水準まで高騰している。今年7月の中国からの輸入ルートの平均海上輸送運賃は、昨年7月の7.35倍まで高騰を記録しているとLogcomexは説明している。

上海-サントス港の20フィートコンテナの海上輸送運賃は、昨年8月の1500ドルから1万1000ドルに達して過去最高を記録したが、海上運賃の高騰はしばらく続くと予想されている。

中国からの輸入品貨物の海上輸送運賃の高騰だけに留まらず、今年3月からヨーロッパからのコンテナ貨物の海上輸送運賃も3倍に高騰している。

米国からの海上輸送は正常運航していたが、過去数週間にアジアから北米への海上輸送の玄関口である米国西海岸の港湾で、コンテナ取扱量の増加が続いており、メキシコ湾岸からのコンテナ貨物の海上輸送運賃にも影響が出始めている。

今年3月に起きたスエズ運河の正栄汽船(愛媛県今治市)所有の大型コンテナ船「エバーギブン」座礁事故による100日間の運航停止、中国の貨物取扱量が3位の宁波市Ningbo港湾での労働者のCOVID-19感染による港湾ターミナルの1週間以上の閉鎖などの要因で、現在の世界の海上輸送は巨大な暴風圏に突入している状況に陥っている。

米国の経済回復が牽引して世界経済の回復に伴って、世界貿易の活性化で海上輸送による貨物取扱量の増加で、海上輸送運賃の高騰及び遅延が発生しているとSolve Shipping社のLeandro Barreto氏は指摘している。

大手海上貨物取扱企業は、海運業者と海上輸送運賃で長期契約を結んでいるためにそれ程影響は受けないが、短期のスポット契約の海上輸送運賃が高騰しているとHapag-Lloyd社のLuigi Ferrini副社長は指摘している。

第2四半期の航空旅客需要が拡大(2021年8月13日付けヴァロール紙)

2021年第2四半期のブラジル国内の航空需要回復に伴って、各航空会社の売上は増加、純益は増加若しくは赤字減少を記録して、Covid-19パンデミックによる大打撃からの回復傾向を示している。

Azul航空, Gol航空並びにLatam航空の搭乗客は、Covid-19パンデミックの影響で一時90%以上の減少を記録していたにも関わらず、COVID-19対応ワクチン接種率の上昇に伴って、航空需要が回復してきている。

Azul航空の今年第2四半期の純益は11億6,200万レアルを記録、昨年同四半期の31億4,000万レアルの大幅赤字から一転して黒字を計上して業績が改善している。しかしデリバティブ取引並びに為替による決算を除いた純益は、前年度期比マイナス21.5%の11億6,800万レアルの赤字となっている。

Azul航空の第2四半期の搭乗客数は、前年同期比422.5%増加の448万5,000人を記録したものの、Covid-19パンデミック発生前の2019年同期比では、依然としてマイナス31.5%を記録している。

Latam航空の第2四半期の純益は、前年同期比マイナス13.5%と僅かな柄改善したものの、依然として7億6,900万レアルの赤字を計上している。搭乗客数は、前年同期比903%増加の640万人を記録、2019年同期比では依然としてマイナス62.0%を記録している。

Gol航空第2四半期の純益は、前年同期の19億9,000万レアルの大幅赤字から6億4,290万レアルの黒字に転換している。しかしデリバティブ取引並びに為替による決算を除いた純益は、前年度期比56.2%増加の12億レアルの赤字を計上。搭乗客数は前年同期比366%増加の290万人を記録したものの、2019年同期比では依然としてマイナス64.0%を記録している。

Latam航空は、COVID-19対応ワクチン接種率の増加に伴って、月を追うごとにブラジル国内便数を増加しているが、Azul航空による吸収合併の噂が絶えない。同社は8月には、Covid-19パンデミック以前の2019年8月同様に毎日418便の運航を目指している。

一方Gol航空は、昨年第2四半期は毎日1,000便以上の運航をしていたにも拘らず、今年第2四半期の運航便は、半分以下の460便と慎重に航空需要を見極めている。

Azul航空のAbhi Manoj Shah副社長は、COVID-19対応ワクチン接種率の増加に伴って、エアーチケット代が高いビジネスマンの航空機利用拡大を予想、Covid-19パンデミック前のビジネスマンの需要は60%を占めていた。

エンブラエル社はフラッパー社とUAM市場開発でパートナーシップを発表(2021年7月22日付けエスタード紙)

パイロット操縦による垂直離着陸機(eVTOL)やドローン使用の空中輸送でのアーバン・エア・モビリティ(Urban air mobility)による都市交通システムは、今後の交通渋滞解消の切り札と期待されている。

エンブラエル社傘下の都市交通システムソルーションを事業の柱とするEve社は、独立したプライベートオンデマンド航空プラットフォームで、ラテンアメリカ地域向けのVTOL (Vertical Take-Off and Landing:垂直離着陸機)投入による都市交通網の共同開発で、Flapper社とのパートナシップ締結を発表した。

Eve社は、ブラジルの大都市のサンパウロ市、リオデジャネイロ市、ベロオリゾンテ市、チリのサンティアゴ市、コロンビアのボゴタ市、メキシコのメキシコシティ市など南米の主要都市で、フラッパー社に対して年間最大2万5,000時間のフライトを提供する予定となっている。

このパートナーシップ契約は、EVE社からフラッパープラットフォームに対して、最大25機の垂直着陸(EVA)車両を持ち込む可能性が記載されている。

EVE社からフラッパー社へのVTOL(電動垂直離着陸機、俗称:空飛ぶクルマ)提供は、ラテンアメリカ地域の都市交通の需要拡大に繋がり、またブラジル、メキシコ、コロンビア並びにチリの大都市圏の二酸化炭素排出削減に結びつくとEve社のAndre Stein社長は説明している。

世界の10大都市圏でのヘリコプター運航の6都市は、ラテンアメリカ地域に集中しており、今後もヘリコプターに替わる電動垂直離着陸機の需要拡大が見込めるとFlapper社のPaul Malicki社長は指摘している。

ウーバードライバーは、ガソリン価格の値上げで顧客の選好み傾向(2021年7月20日付けエスタード紙)

過去5日間でペトロブラス石油公社は、石油派生品の国際コモディティ価格の上昇に伴って、石油精製所のガソリンの卸売価格を6.0%、ディーゼル燃料価格を3.7%それぞれ値上げしている。

配車アプリのウーバータクシーの利用客の間では、タクシードライバーによる搭乗キャンセルや待機時間の延長などサービス悪化に対して不満が増加してきており、要因としてガソリン価格値上げで、タクシードライバーの収益悪化を防ぐために顧客の選好みを余儀なくされている。

2015年以来配車アプリの料金は据え置かれている一方で、ガソリン価格は、幾度となく値上げされているために、ガソリン代も捻出できない場合も多々あり、タクシーの減価償却も儘ならないとサンパウロ配車アプリドライバー協会(Amasp)のEduardo Lima会長は、窮地を訴えている。

2016年にウーバーテクノロジー社に対して、ドライバーの詳細な経費の明細を提示して窮地を訴えたにも関わらず、ウーバーのドライバーは自由に労働日、労働時間が自由に選択でき、要領よく場所や時間の選択をすればより大きな収益が得られると回答している。

またウーバーテクノロジー社は、COVID-19対応ワクチン接種キャンペーン拡大、レストランや商業施設の営業再開で、特にピーク時のウーバータクシー利用の待ち時間増加を正当化している。