パラナ州水道公社の中央・海岸部の上下水道プロジェクト入札案件は3社コンソーシアムが落札(2023年7月13日付けヴァロール紙)

7月14日にサンパウロ証券取引所B3で開催されたパラナ州水道公社(SANEPAR)の3分割された上下水道のパラナ州中央・海岸部向けの官民パートナーシッププロジェクト(PPP)方式入札は、Aegea社, Perfin社及びKinea社連合のコンソーシアムが落札した。

パラナ州水道公社(SANEPAR)が運営しているパラナ州中央・海岸部向け16都市を含む民営化官民パートナーシッププロジェクト(PPP)の投資総額は12億レアル、契約期間は24年2カ月間の長期契約となっているが、2033年までの上下水道完備が義務付けされている。

落札したコンソーシアム以外にもAcciona社が割引価格30.43%に相当する3.20レアルを提示、Iguá社は割引価格28.48%に相当する3.29レアルを提示、MLC Infra Construção社, Cembra Engenharia, Dang Construtora社, Castilho Engenharia社並びにConstruferri Saneamento社で構成されるParanaense de Saneamentoコンソーシアムは、割引価格が10%に相当する4.14レアルを提示したが、落札には至らなかった。

Aegea社は全てのブラジル国内の上下水道の民営化プロジェクト入札に大きな割引価格で参加しており、南部地域ではすでに落札して大型事業を開始しているが、パラナ州では初めて落札に成功した。

落札したコンソーシアムを構成していたPerfin社及びKinea社は、南大河州上下水道公社(Corsan)の入札では4.15レアルを提示して落札している。

パラナ州水道公社(SANEPAR)の3分割された上下水道プロジェクトの入札にかけられていない残り西部地域プロジェクト及び中央・東部地域プロジェクトの公示内容を公開、投資総額は47億レアルが見込まれている。

2024年末までの公表済みのインフラ部門の民営化入札の最低投資総額は1260億レアル (2023年7月13日付けヴァロール紙)

ブラジル・インフラ基幹産業協会(Abdib)の調査によると、ブラジル国内のインフレ整備プロジェクト向けの2024年末までの新規コンセッション向の最低投資総額は1260億レアルに達すると見込んでいる。

インフレ整備プロジェクト向けの2024年末までの新規コンセッションには、電力エネルギー送電網、国道舗装、民間港湾ターミナル、都市交通、上下水道整備などの大型インフラ整備プロジェクトが大半を占めている。

上下水道向けインフラ整備部門ではサンパウロ州水道会社(Sabesp)やミナス州水道公社(Copasa)、サンパウロ州カンピーナス市のViracopos空港、リオ州のSantos Dumont 空港及びGaleão空港などは民営化プロジェクトのリストに含まれているが、監視対象資産のリストに含まれるとブラジル・インフラ基幹産業協会(Abdib)は指摘している。

8月のブラジル中央銀行のCopom委員会での政策誘導金利Selicの引下開始、下院議会を通過した税制改革法案の上院での審査開始など最近のブラジルのマクロ経済傾向は海外投資家の投資意欲をそそる傾向となっている。

インフラ整備部門には莫大な投資が必要であり、長期間を要する資金回収には、インフラ整備部門向けの堅実な法整備や中期クレジット金利などのファクターが非常に重要となり、税制改革など構造改革の進展は海外投資家にとってもろ手を挙げて歓迎されている。

長期投資が必要なインフラ整備プロジェクトにとって、Selic金利の引き下げサイクル突入の兆候及び税制改革の承認は長期的な金利曲線に影響を与えるとTendências Consultoria社のEric Brasilパートナーは指摘している。

2022 年 3 月から 12 月にかけて大統領選挙、不安定な国際情勢、高金利、製造コストの上昇などインフラ整備プロジェクトの入札中止などで海外投資家にtっても非常にリスクの高い状況が続いていた経緯があったとブラジル・インフラ基幹産業協会(Abdib)のRoberto Guimarães取締役は説明している。


2023年及び2024年に予定されているインフラ整備プロジェクト入札案件(単位 10億レアル)

労働力と資材不足が国道建設向け投資の脅威(2023年6月26日付けヴァロール紙)

今年のブラジル国内の国道建設向け連邦政府及び民間企業を合わせた投資総額は300億レアルに達する可能性がある。

しかしブラジル国内経済の減速とCovid-19 パンデミックの影響による停滞期間を経て、膨大な投資を必要としている国道建設部門は、インフラ整備プロジェクトの専門家不足と穿設資材不足によるボトルネックのリスクを抱えている。

国道建設向け投資の大半を占める約200億レアルは運輸省の予算から賄われる。 国家運輸インフラ省 (Dnit) は、管理する道路網の復旧と保全を実施する請負業者を雇用するという使命を担っている。

ブラジル高速道路コンソーシアム協会(ABCR)の試算によると、今年、大規模なコンソーシアムグループが投資計画ではさらに110億レアルが含まれている。 この金額は、10年前に達した歴史的価値である107億レアルを超えている。

特に 2020 年から 2022 年の期間に締結された 17 件のプロジェクト契約に起因しており、そのうち 7 件は契約期間が30 年、投資総額は 488 億レアルに達するが、その大半の投資は最初の数年間に集中しています。 さらに10件は、連邦政府にとって戦略的と考えられる国道道路の複線化を目的とした公共事業となっている。

過去10年間の歴史的一連の高速道路プロジェクトの中で、高速道路への民間投資がピークに達する可能性があるとABCRのMarco Aurélio Barcelos会長は指摘している。

Covid-19パンデミック期間中は世界中の労働力組織の変化で、産業や土木建設部門に困難をもたらした。「Covid-19パンデミックの真っ最中に、ブラジルの失業率はほぼ14%に達した。 インフラ整備部門の労働者は、仕事が噴霧したために、他の産業部門に移動したために、マンパワー不足をきたしている。

運輸省ではあらゆる市場の動きに注意を払っており、インフラ整備部門の投資再開は生産チェーンに影響を与えると指摘している。

2010年~ 2022年の連邦政府及び民間企業の道路建設向け投資残高の推移(単位10憶レアル)

Sabesp民営化を2024年7月までに実施へ

サンパウロ州政府が6月6日、サンパウロ州水道会社(Sabesp)の民営化に関する計画の枠組みを決定した。サンパウロ州環境インフラ・ロジスティクス局のナタリア・レゼンデ局長によると、2024年7月までに民営化計画を完了する予定としている。

6日にサンパウロ州政府と民営化に向けた調査を担当する国際金融公社(IFC)の間で締結された日程に基づくと、民営化計画の策定は3段階に分けて進められる。

まず2023年7月中旬までの「フェーズ・ゼロ」では民営化により期待される効果、すなわち料金の値下がりや上下水道の普及に向けた投資の前倒しのような、前提となる効果に対する分析が行われる。

同様に、このフェーズでは売却モデルも決定する。現政権では当初から、エレトロブラスと同様のモデル、すなわち州政府の持ち株を希釈する形で投資家を呼び込み、結果的に経営権を失う形での民営化を表明してきた。ただしレゼンデ局長は、最終的にどのような判断が下されるかについて言及を避けた。

これに続く「フェーズ1」では、2024年の年明けまでに事業構造の構築を行う。「この段階では、『バリュエーション(valuation:企業価値評価)』と事業性の検討、法律面からの検討、必要となる規制の策定、詳細な投資の計画といった作業を進める」。

州内各市との交渉も、このフェーズで集中的に進める。サンパウロ市を含む様々な市との契約でSabespが売却された場合に事業契約を破棄する条項が存在することを考慮して州政府は、Sabespが事業を展開するおよそ370市で、契約期間の延長や民営化に向けた承認の取り付けなど、契約の再交渉を進める。

この契約の再交渉は市長選の前に行われるため、複数のアナリストがこのプロセスが最も大きな困難に直面すると予想している。政党の方針や民営化への反射的な拒絶反応を示す有権者への配慮といった懸念がその背景にある。ただし一部のアナリストは、民営化によって確保される資金が現在の市政の成果とPRできることを考慮すると、むしろ追い風と受け止めている。

レゼンデ局長によると、「これまで多くの市と協議しており、州政府と歩調を合わせて民営化を推進するという方向にあると認識している。また協議の効率性を確保するため、交渉に関するガバナンスも確立させる方針だ」という。

これに続く「フェーズ2」が最終フェーズで、2024年の年初から7月中旬までを想定している。この段階では、意見招請と公聴会、投資家との協議を進めるロードショーが行われる予定。選択した民営化モデルに応じて、株式の売り出しまたは事業入札が実施される。

また比較的短期間で民営化を完了させることにレゼンデ局長は、実現可能な日程という見方を示した。「市場や銀行、ファンド、インフラ会社との協議は既に行われてきた。競って民営化に応募があるようにしたい」という。(2023年6月7日付けバロール紙)

サンパウロ州は今後数年間に亘ってインフラ整備部門の投資を積極的に誘致(2023年3月27日付けヴァロール紙)

アメリカ銀行 (BofA)の調査によると、今年1月に就任したTarcísio de Freitas 州知事(Republicanos)は、道路、上下水道、港湾などのインフラ整備部門の民営化コセッション入札を積極的に展開すると予想している。

アメリカ銀行 (BofA)の Rogério Araújoアナリストは、フレイタス州知事の任期が終了する2027年末までに最低でも7カ所の高速道路コンセッション入札が実施されると見込んでおり、 CCR社や Ecorodovias社は虎視眈々と狙っている。

北部環状道路Rodoanel Norte の民営化入札が成功裏に終了したことは、よく構造化された入札プロセスに企業が関心を持っていることを示しており、今後数年間で、ViaOesteコンセッション、Renoviasコンセッション、およびインフラストラクチャ プロジェクトのコンセッションが予定されている。

フレイタス州知事 (共和党) がジャイール・ボルソナロ前政権のインフラストラクチャー大臣だったときに、積極的に民営化コンセッションプログラムを推進していた経緯があった事をアメリカ銀行は指摘している。

サンパウロ州水道会社(Sabesp) の民営化は、ブラジル国内では何年もの間、最も期待されていた事業の 1 つであり、 サンパウロ州水道会社(Sabesp)はラテンアメリカで最大の上下水道衛生施設であり、民営化された場合、市場の統合者になる可能性がある。

 

今年2月のセメント販売は前年同月比7.7%減少(2023年3月9日付けヴァロール紙)

全国セメント工業組合(SNIC)の発表によると、経済動向の指標の一つである2023年2月のセメント販売は、前年同月比7.7%減少の440万トンに留まっている。

今年2月のブラジル国内の地域別セメント販売では、北東部地域のセメント販売は14.2%と最も落ち込みが激しく、北部地域のセメント販売も12.4%それぞれ二桁台の落込みを記録している。

今年1月のセメント販売は490万トンを記録した一方で、2月のセメント販売は、営業日数が大幅に減少した影響で前月比10%以上の落ちこみを記録している。2月の1日平均のセメント販売は前月比9.8%減少の22万1,000トンに留まっている。

今年初め2か月間のセメントの累積販売は前年同期比0.9%減少の930万トン、今年2月の過去12カ月間の累積販売は前年同期比2.2%減少の6,260万トン、全国セメント工業組合(SNIC)では、2023年のセメント販売を前年比1.0%増加の6,400万トンと予想している。

全国セメント工業組合(SNIC)では、今年のセメント販売は高止まりするインフレや金利で先行き不透明感が強い一方で、2009年のルーラ政権の経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設”私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida”の新規プログラムに期待が寄せられている。

 

現在の不透明やブラジル国内の経済シナリオでも、セメント産業は、インフラ整備や住宅建設などを中心に連邦政府の基幹産業プログラム再開如何にかかっていると全国セメント工業組合(SNIC)のPaulo Camillo Penna会長は期待している。

南大河州政府は年内の空港及び道路コンセッション入札を予定(2023年2月28日付けヴァロール紙)

南大河州政府は2023年以内にパッソ・フンド空港及びサント・アンジェロ空港の民営化コンセッション入札の準備に取り掛かると州政府民営化コンセッション担当の Pedro Capeluppi長官は示唆している。

今年下半期に予定されている2カ所の州立空港の民営化コンセッションの公示公開を予定しているが、民営化コンセッションの投資総額は8,550万レアルが見込まれている。

また南大河州政府は総延長距離が859キロメートルに及ぶ2カ所の州道路の民営化コンセッションの投資総額は80億レアルが見込まれているが、公示公開は下半期が見込まれている。

州道路の民営化で、利用者には適正価格で最高のサービスを提供すると28日に開催された州政府イベント P3CPedro Capeluppi長官は説明している。

インフラ業界は、8日のブラジリアで発生したテロ行為に対して今後の投資を憂慮(2023年1月9日付けヴァロール紙)

インフラ部門の企業にとって、今月8日の過激なボルソナリストによるブラジリア市で実行されたテロ行為は、国内外の投資家にブラジル国内の投資に関する先行き不安を訴えており、治安当局の監視強化を訴えている。

昨年10月末の大統領選の結果に抗議するジャイール・ボルソナロ候補の支持者は今月8日に、ブラジリア市で一部が暴徒化し、連邦議会や大統領府、最高裁に侵入して壊滅的な破壊行為を行い1500人以上の逮捕者を出している。

今月1日に就任したルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領は、首都を混乱に陥れた野蛮な行為について、極右勢力による「テロ行為」だと非難している。

すでにブラジル国内に巨額の投資している投資家や新規参入者にとっての根本的な問題は、法的な安全性の確約がなければ今後の投資に支障をきたするとブラジル・インフラ基幹産業協会(Abdib)のVenilton Tadini会長は指摘している。

ブラジル国内の道路、空港、港湾ターミナル、および鉄道セクターから構成されるブラジル・インフラ基幹産業協会(Abdib)では、国内外投資家の今後の投資に関する不安払拭が不可欠であると強調している。

我々は、民主主義国家が支持する対話と行動が、常に社会平和を維持するための最良の方法であると確信しているとブラジル・インフラ基幹産業協会(Abdib)のVenilton Tadini会長は説明している。

シーメンスグループは2027年までに売上倍増計画(2022年12月12日付けヴァロール紙)

ドイツ資本のシーメンスグループは、ブラジル国内での2020年以降の売上は79.0%と驚異的な売上を記録しており、2027年までに売上倍増計画を立てている。

シーメンスは、近年事業再編に取り組んでおり、特にエネルギーなどの事業分野を再編成、親会社の焦点はインフラストラクチャと製造業、健康分野などが牽引、シーメンスは依然として強固なコングロマリットであり、26年のキャリアを持つブラジルの子会社であるアルゼンチン人のパブロ・ファバ社長は説明している。

ファバ社長はバロール社とのインタビューで、テクノロジー、電化、モビリティ、持続可能なエネルギーの世界的な変化を指摘し、シーメンス エナジーを例に出している。

2020 年のエネルギー分野の分割後、シーメンス ブラジルは事業の再編成を実施。 今年の受注残は23億レアルを見込んでいるが、2027年末には50億レアルの受注残を見込んでいるとFava 社長は説明している。

2020 年移行の収益は年間平均で約 34% 増加、2年間で79% 増加したために成長計画を上方修正している。 今年9 月 30 日のシーメンス エナジーを除くブラジル国内での売上は、42 億レアル。 受注残高は 50 億レアルに達している。

ブラジルの成長ポテンシャルの可能性は非常に大きく、インフラストラクチャ、衛生、エネルギー(デジタル化)、港湾、アグリビジネス(エタノールセグメントに重点)、機械などの分野への機器、サービス、および「ソリューション」の供給を含むとファバ社長は説明している。

 

2027年迄の新規コンセッション投資は1,730億レアルに達するか(2022年11月19日付けヴァロール紙)

ブラジル・インフラ基幹産業協会(Abdib)の調査によると、ブラジル国内のインフレ整備プロジェクト向けの2027年迄の新規コンセッション向け投資総額は1,731億レアルが見込まれている。

2027年迄の新規コンセッション向け投資総額1,731億レアルのうち962億レアルは、2019年までに入札が終了しているインフレプロジェクト向け投資の一方で、769億レアルは今後数年以内に入札が予定されている新規プロジェクト向け投資となっている。

ブラジルのボトルネックとなっているインフラ整備部門向けの2030年迄の年間平均投資額は、3,740億レアルが必要最低限とブラジル・インフラ基幹産業協会(Abdib)の Venilton Tadini会長は指摘している。

過去 4 年間に開催されたインフラ整備向け入札はすでにプラスの影響をもたらしている。 2021 年の投資総額 1,482 億レアルに対して、2022年は前年比10%増加に相当する1,630億レアルが見込まれている。

今後数年間の新たなインフラ部門向け民間投資は、2014年の投資ピークの2,075億レアルには達しないと予想されている。

2023年1月に発足するルーラ次期政権にとって、民間部門の投資が遅れている高速道路、鉄道、港湾、空港、都市交通の分野を含む運輸および物流部門は、インフラ投資部門を牽引すると予想されている。また電力エネルギー部門及び通信部門のインフラ投資は既に民間部門が投資を行っている。

2023年のインフラ整備部門の政府及び民間部門の新規コンセッション向け投資総額は476億レアル、2024年は603億レアルをAbdibの Venilton Tadini会長は予想している。