今年第1 四半期のセルラー販売は11% 減少も売れ筋は低価格帯(2023年7月18日付けヴァロール紙)

コンサルタント会社IDC Brasil社の調査によると、2023年第1 四半期のセルラーやスマートフォン販売台数は前年同期比11,1% 減少、売上金額は32,8%減少の152億レアルに留まっている。

今年第1 四半期のセルラーの平均販売価格は24,4%減少、スマートフォンの平均販売価格は24,9%減少に相当する2.116レアルから1.589レアルに減少している。

今年初めの一般消費者は前年同期比と比較してファイナンス状況悪化で低価格帯への移行を余儀なくされたために、各セルラーメーカーでは低価格帯のセルラーの大量販売戦略への切替を余儀なくされたとIDC Brasil社アナリストのAndréia Chopra氏は説明している。

今年第1 四半期のセルラーの最も販売が好調であった平均価格帯は、700レアル~999レアルに留まった一方で、5Gセルラー販売は前四半期比31%と大幅増加を記録している。

IDC 社はまだ第 2 四半期のセルラー販売結果を発表していないが、今年第1 四半期のセルラー販売台数とほぼ同等と予想で前年同期比では減少を予想、下半期のセルラー販売は、上半期に比べれば改善が見込まれるにもかかわらず、下半期は非常に厳しい状況になる傾向を予想している。

2022年7月から12月にかけて、スマートフォンの販売台数は、高金利と消費者インフレの影響に加え、ブラックフライデーとクリスマスとワールドカップが近いことが年末の売上に直接影響した時期で、過去数年間で最悪記録となっていた。

今年第1 四半期の模造や密輸セルラーの販売台数は前年同期比20,8%減少したにも拘らず、依然としてブラジル国内市場では大きなマーケットシェアを占めているとChopra氏は指摘している。

スマートフォンの価格競争力が高まったことで、テキストメッセージや音声通話の基本機能を備えた最もシンプルなモデル「feature phones」の今年第1 四半期の販売は、前年同期比19.3%減少の43万2900台に留まり、マーケットシェアは僅かに4.4% に留まった。

 

ブラジル国内の不動産建設関連スタートアップ企業は、1,000社を突破も伸び率は鈍化傾向(2023年5月10日付けヴァロール紙)

不動産および建設分野に特化したベンチャーキャピタル会社である Terracotta Ventures社が作成した第 7 回 Map of Construtechs and Proptechs によると、2022 年にブラジルで不動産および建設セグメントのスタートアップ企業数は前年比11.8%増加の 1,068社に達している。

調査開始の2021年のブラジルで不動産および建設セグメントのスタートアップ企業数は、前年比13.8%増加していた。

2022 年にブラジルで不動産および建設セグメントのスタートアップ企業数は、前年比11.8%増加と前年の13.8%増加より減少した要因として、業界が成熟した印であり、なにも悲観することではないとTerracotta者共同設立者のMarcus Anselmo氏は説明している。

Covid-19 パンデミックやロシアによるウクライナ侵攻、世界的なインフレや金利上昇、国際コモディティ価格の上昇などの要因で、2022年は投資不足と大量解雇により、あらゆる部門のスタートアップにとって困難な年であり、プロップテックやコンストラテックにも影響を及ぼした。

2022 年のスタートアップ企業への投資総額は、前年の 58 億 3000 万レアルから 56% 減少に相当する25 億 5,000 万レアルへと大幅な減少を記録している。

2022年の投資総額のうち、14億レアルは不動産クレジット事業を展開するクレディタス社1社にのみ割り当てられた。 2 番目に大きな投資額は、建設システムのブラジル・アオ・クボ向け投資で7,400 万レアルであった。

2021年の58億3,000万レアルの投資総額のうち、新興企業に投じられたのは僅か6億3,400万レアルのみで、残りは主にLoft社及びQuintoAndar社向けに投資された。ロフトとキントアンダルに投じられた。

不動産のスタートアップ市場がさらに成熟するにつれて、既に不動産市場で有名なスタートアップ企業への投資は減少するとTerracotta者は予想している。

2021年の不動産関連のスタートアップ企業の倒産比率は13.7%であったが、2022年には5.2%に低下しているが、倒産を余儀なきされたスタートアップ企業の92% はまだ製品開発中の「プレシード」段階に留まっていた。

今年も業務向けソリューションや不動産分野向け金融ソリューションなどの分野が引き続き増加するとMarcus Anselmo氏は予測している。金融分野では、労働力向け融資と建設そのものが注目を浴びると予想されている。

今年のコンピュータやタブレットPC市場は回復予想(2023年4月27日付けヴァロール紙)

2023年のノートブック、デスクトップやタブレットPCの法人及び個人向け販売は、1,240万台が予想されており、2021年のコンピュータ販売の前年比マイナス11.0%から反転すると予想されている。

今年は、現在より穏やかな経済シナリオを考慮しても、コンピューター関連の売上は、前年比で最大 10% 増加する可能性が見込まれている。

今年の好調なコンピューター販売予想は、ジェツリオ・ヴァルガス財団情報テクノロジーセンター(FGVcia)による企業における情報技術の使用に関する第 34 回調査の結果であり、小売業を含む中・大企業2,660社の回答を分析している。

2022年のコンピューター販売は大幅な前年割れを記録していたが、今年のブラジル国内経済が余り好ましくないシナリオにも関わらず、回復するとジェツリオ・ヴァルガス財団情報技術担当のFernando S. Meirelles教授は説明している。

昨年のブラジル国内では2億1,500万台のコンピューター、2億4,900万台のスマートフォンが使用されており、昨年のコンピューターは一人1台、スマートフォンは一人1.2台使用されており、世界平均の0.87台、0.97台をそれぞれ上回っている。

昨年のブラジル国内のテレビ販売台数は、コンピューターやタブレットの販売台数に匹敵。 昨年のテレビ販売は 1,200 万台で、ブラジル国民の 1 人あたり 1.3 台のテレビ普及率となっている。

 

大企業はイノヴェーション技術習得でスタートアップ企業買収(2022年10月19日付けエスタード紙)

100 Open Startups社の統計によると、2021年7月から今年6月迄の1年間の大企業によるイノヴェーションテクノロジー企業の買収案件トップは、 Ambev社並びにSuzano社が占めている。

ブラジル国内のベンチャー キャピタル ファンドがスタートアップ企業への投資を減らす一方で、大企業はスタートアップ企業とのパートナーシップに賭けて、外部環境でより多くのイノベーションを確保を積極的に行っている。

2021 年 7 月から今年 6 月までの間に、スタートアップ企業を採用した企業数は前年同期比 30% 増加、技術提携のパートナーシップ関係を結んだ企業数は 60% 以上増加。 この期間の契約総額は 27 億レアルに達し、ブラジルは世界でもオープン イノベーション モデルのトップに位置付けられている。

しかしイノヴェーション技術に関してヨーロッパでは依然として P&Dプログラム、米国ではベンチャーキャピタルが依然として幅を利かせているが、ブラジルではスタートアップ企業買収によるオープンイノベーションが先行していると 100 Open Startup社共営者の Bruno Rondani氏は説明している。

ブラジルのように2万5,000 を超えるスタートアップ企業と 4,400社を超える企業と ビジネスを行っているエコシステムは世界でも唯一と説明している。

2016 年の創業以来、企業とスタートアップを結びつける消費財セクター、食品、建設、不動産、金融サービスセクターに重点を置いて、提携した取引は 94 倍に増加している。

今年初め9か月間に340社のスタートアップ企業と573件のビジネス取引を展開して、前年比65%の大幅増加を記録と大手飲料企業 Ambev社技術タンディレクターの Eduardo Horai氏は説明している。

Ambev社のスタートアップ企業とのパートナーシップによるプロセスを改善するソリューションは、 100 万の販売ポイントにサービスを提供するフィンテックはBees Banの立ち上げに繋がっている。もう 1つの重要なビジネスは Lemon energia で、バーやレストランが電気代を削減し、同時に再生可能エネルギーを消費するのを支援するスタートアップと説明している。

冷たいビールを手頃な価格で 30 分で配達するZé Delivery はパンデミックの最中に急成長し、昨年だけでも、このZé Deliveryシステムは 300 都市に拡大、6,100 万回以上宅配され、月間アクティブユーザー数が 400 万人に達している。

大手パルプメーカー Suzano社は、事業のソルーションは社内でなく時短のために社外に求めており、275社のスタートアップ企業と369件のイノベーション技術開発でタイアップ、3000万レアルの純益を生み出し、また75プロジェクトを抱えていると Suzano社デジタル技術担当の Jefferson Ticianelliディレクターは説明している。

2022年の大企業のスタートアップ活用ランキング
1º) Ambev
2º) Suzano
3º) ArcelorMittal
4º) Raízen
5º) BASF
6º) IBM
7º) Stefanini
8º) Unimed Brasil
9º) Vivo
10º) Bradesco

Ranking 2021
1º) Ambev
2º) ArcelorMittal
3º) BMG
4º) BASF
5º) Nestlé
6º) Stefanini
7º) Natura
8º) Unimed Brasil
9º) Raízen
10º) Suzano

一般家庭の40%以上がテレビを通してインタネットにアクセス(2022年9月16日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭の情報通信テクノロジーサンプル調査(Pnad TIC)によると、2021年のブラジル国内の一般家庭のテレビを通したインターネトアクセス比率は、44.4%と2019年の32.3%よりも12%以上増加を記録している。尚2020年の情報通信テクノロジーサンプル調査(Pnad TIC)は、Covid‐19パンデミックの影響で実施されていなかった。

また2021年のネットで配信されている動画配信サービスをテレビで視聴するストリーミングの利用状況は8.7%に留まっているが、2019年は5.2%、2016年の利用比率の1.6%から4倍増加を記録している。

2021年の一般家庭のテレビを通したインターネトアクセスの世帯数は、2,914万7,000世帯と2019年の1,927万8,000世帯と比較して約51.2%に相当する約1,000万世帯の増加を記録している。

また一般家庭のテレビを通したインターネトアクセス調査開始の2016年の世帯数は、11.7%に相当する560万世帯であったが、5年間で4倍増加の急増を記録している。

インターネットへのアクセスデバイス調査では、セルラーは2019年及び2021年共に99.5%と依然としてトップを占めているが、2019年のマイクロコンピューターは45.2%と辛うじて2位を維持していたが、2021年には、テレビを通したインターネトアクセスが42.2%と逆転している。

インターネットで動画配信サービスを視聴しているストリーミングの利用状況は、2016 年の 1.6% から 2019 年には 5.2%、2021 年には 8.7% に上昇してきており、利用する一般家庭の増加傾向を示している。

今年のコンピューター販売は大統領選挙やサッカーワールドカップなどの影響で低迷予想(2022年7月13日付ヴァロール紙)

10月の大統領選挙や11月のサッカーワールドカップ開催によるイベントは消費者の気をそらす可能性があるために、今年下半期のコンピューター販売は低迷する可能性が指摘されている。

コンサルタント会社 IDC社の調査によると、2022年第1四半期のブラジル国内のコンピューター販売は前年同期比6.0%増加を記録しているにも関わらず、今年下半期のコンピューター販売は、大統領選挙やサッカーワールドカップ開催の影響を受けると IDC Brasil社アナリストの Daniel Voltarelli氏は指摘している。

COVID-19パンデミックによる労働形態の変化に伴ってコンピューター需要が急増して、昨年の前例のない程の販売増加に比べて、今年のブラジル国内のコンピューター販売は、前年比3.2%減少に相当する846万台に留まるとIDC Brasil社では予想している。

2019年のブラジル国内のコンピューター販売は、前年比3.0%増加の585万台を記録。 COVID-19パンデミック開始の影響で、ホームオフィス形態の労働環境への移行に伴って、2020年の販売台数は前年比9.4%増加の640万台に達していた。

IDC社は2023年のブラジル国内のコンピューター販売は、前年比マイナス2.1%の828万台、2025年のコンピューター販売は、750万台に留まると予想している。

世界のコンピューター販売は、2021年の前年比14.8%と二桁台の急増の34,900万台を記録していたが、2023年は前年比マイナス0.9%の34,600万台、2024年は1.45%増加の35,100万台、2025年は前年比0.6%微増の35,300万台を予想している。

 

スタートアップ企業Vtex社は193人解雇

オンライン販売向けテクノロジー専門のスタートアップ企業のVtex社は、コスト削減のために193人の従業員の解雇を発表したが、過去数カ月間にわたってテクノロジー関連のスタートアップ企業の従業員解雇が相次いで発生している。

Vtex社のコスト削減のための193人の従業員解雇は同社の総従業員1,765人の約11.0%に相当するが、同社は世界32カ国に19カ所の事務所を構えており、ブラジル国内には4支店を擁している。ラテンアメリカ諸国、米国やヨーロッパでも事業を展開している。

同社は2000年にエンジニアのMariano Gomide de Faria氏並びにGeraldo Thomaz氏が共同で設立、2020年には評価額が10億ドルを超える未上場のスタートアップ企業のユニコーンとなり、2021年7月にニューヨークでの上場時には37億5,000万ドルと評価されたが、昨日のVtex社の時価総額は僅か8億2,330万ドルと上場時の4分の1以下まで下落している。

今年第1四半期の同社の赤字は1,670万ドル、昨年同期も1,200万ドルの赤字を計上していた。今年第1四半期の売上は前年同期比33.7%増加の3,470万ドル、売上の内訳は契約収入は3,260万ドル、サービス収入は210万ドルであった。

先週、オンライン販売向けサービスのInfracomme社は、テクノロジー開発部門の100人の従業員の解雇を発表。また今年2月から4月にかけて、ユニコーン社社Quinto Andar, Facily社並びにLoft社は相次いで従業員の解雇を発表、2月にはLivUp社は事業再構築のために全常行員の15%に相当する従業員の解雇を行っていた経緯があった。

今年のコンピュータ販売は前年比10%増加予想(2022年5月26日付けヴァロール紙)

2021年のブラジル国内のコンピューター販売は前年比27.0%増加の1,400万台を記録、コンピューターメーカーでは今年の販売は昨年を下回ると予想しているが、ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)では前年に10%増加を予想している。

ジェツリオ・ヴァルガス大学のFernando S. Meirelles教授は、Covid‐19パンデミック当初からコンピューター向け半導体などの部品供給不足に陥っていたが、部品供給が充分であれば昨年のコンピューター販売は1,450万台に達していた可能性はあるが、1,600万台には届かなかったと予想している。

ブラジル国内では2億1,600万台のコンピューターが使用されており、今年はブラジル国民全てにいきわたると予想されている。

ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の情報センターによる第33回情報テクノロジー使用状況調査によると、国内のスマートフォン市場は2億4,200万台、総人口の113%に達して、一人当たり1.1台のスマートフォン所有に相当、ブラジルは世界平均の人口の91%を上回っているが、米国の136%を下回っている。

Coty社, Claranet社, Cencosud社並びにCantu Store社が相次いでIPOから撤退 (2022年1月20日付ヴァロール紙)

今月20日にCoty社, Claranet社, Cencosud社並びにCantu Store社は、相次いで 有価証券取引委員会(CVM)に申請していた年内の新規株式公開IPOの停止を通告している。

上記の4社は、既に有価証券取引委員会(CVM)にIPOの停止を通告していたMonte Rodovias社, Ammo Varejo社, Dori Alimentos社, Environmental ESG社, Vero Internet社並びFulwood社の6グループに次いで、年内の新規株式公開を諦めている。

昨年11月にブラジル国内での新規株式公開中止を発表していたフランス資本Coty社は、世界的に有名なブランドGucci及びBurberryを擁しており、ブラジル国内ではブランド品Monange, Cenoura & Bronze並びにBozzanoを擁している。

一方、Claranet社は、ブラジル人を主要な幹部とする英国のクラウドコンピューティングサービスプロバイダー。チリ資本のCencosud社は,ブラジル国内ではCencosud Brasil Comercialを擁しているが、昨年4月にブラジル国内での新規株式公開の先送りを発表していた経緯があった。

2007年にパラナ州に設立されたオンラインタイヤストアであるCantuStore社は、昨年10月にIPO申請用紙を提出していたにも関わらず、株式公開企業になるプロセスをキャンセルしている。

Claro社, Vivo社並びにTim社は5G入札で主要な周波数帯域を落札 (2021年11月4日付けエスタード紙)

ブラジルの第5世代移動通信システム(5G)の入札は、11月4日に実施、700 MHz, 2,3 GHz, 3,5 GHz並びに26 GHZの4種類の異なる周波数帯域のライセンスが競売にかけられた。

ブラジルの4大セルラー会社のうちブラジル通信業界から撤退したOi社を除くClaro社, Vivo社並びにTim社は5G入札で主要な周波数帯域を落札、大手3社はブラジル国内の音声およびモバイルデータ市場の98.3%を独占する。

第5世代のモバイルインターネット(5G)の供給に最適とされる3,5 Ghz の全国4ブロックのうち3ブロックをライバル企業の社, Vivo社並びにTim社が落札している。

通信大手Claro社は、3,5 Ghz帯域のB1ブロックを最低価格を5.0%上回る3億3,800万レアルで落札、Vivo社はB2ブロックを最低価格を30.69%上回る4億2,000万レアルで落札、Tim社はB3ブロックを最低価格を9.22%上回る3億5,100万レアルで落札している。

3,5 Ghzの5Gコンセッション期間は20年間、各ブロックを落札した企業は、州都向け5G通信は2022年半ばまでに通信設備を完了する必要があるが、その他の地方都市は、人口規模に従って2029年末までに完了しなければならない。