ラテンアメリカのスタートアップ企業に世界中の投資家が注目(2021年10月18日付けヴァロール紙)

昨年のCovid-19パンデミックにも拘らず、ラテンアメリカのスタートアップ企業向け投資は、東南アジアを上回り、海外投資家の注目を集めいている。

ラテンアメリカ地域での中古車の購入、アパートの賃貸契約や商業銀行の口座開設手続きは、煩雑なブロクラシーや無気力な官僚制度の前に、低所得層にとってはなかなか手が届かなかった。

しかしスタートアップ企業による最新テクノロジーや簡易ソフト開発の活用で、ラテンアメリカなどの新興国の低所得者層にも低価格でのアクセスが可能となってきている。

2020年のラテンアメリカ地域のスタートアップ企業への投資総額は41億ドルに達し、東南アジア地域のスタートアップ企業への投資総額33億ドルを上回っている。

また昨年のラテンアメリカ地域のスタートアップ企業への投資総額はアフリカ、中近東、東欧、中欧地域を上回っているとGlobal Private Capital Associationは指摘している。

今年上半期のラテンアメリカ地域のスタートアップ企業への投資総額は65億ドルに達し、インドのスタートアップ企業への投資総額83億ドルとそれ程違わない魅力的な投資先となっている。

2013年に創業したNubankのコロンビア人のDavid Vélez氏がサンパウロで口座開設するのに6か月間を要したが、今ではデジタル銀行では最大の顧客を擁している。

ラテンアメリカ地域で最も市場価値が高いメルカド・リブレ社は、「南米のアマゾン社」と呼ばれているが、時価総額は790億ドルに達すると見込まれている。

今年9月にソフトバンクのラテンアメリカ地域担当のボリビア人Marcelo Claure代表は、2019年の50億ドルの投資ファンドに続いて、30億ドルの投資ファンドを発表している。

メキシコのスタートアップ企業で、メキシコとアルゼンチンの中古車市場を破壊したKavak社は、メキシコのスタートアップ企業では初めてのユニコーン企業であり、時価総額は87億ドルに達すると見込まれている。

チリ発フードテック系スタートアップ企業のノット・カンパニー(NotCo)が2020年1月から植物由来のハンバーガーパティを発売すると発表、同社は2015年11月にチリ人起業家3人によって設立されたスタートアップで、自社の人工知能(AI)を搭載した機械学習ソフトウエア「Guiseppe(ジュゼッペ)」を用いて、既存の動物性原材料を使用する食品を植物性食品のみで代替した製品の開発、販売。同社は既に米国やカナダに進出している。

インターネットプロバイダーの新規株式公開が数珠つなぎ(2021年7月8日付けエスタード紙)

今月中に地域インターネットサービスプロバイダー数社は、サンパウロ証券取引所(B3)での新規株式公開(IPO)で資金調達をして、事業の拡大やマーケットシェア拡大などを積極的に進める計画を立てている。

ブラジル国内最大のリージョナルプロバイダーBrisanet社は、既にIPO前に50億レアルに達する資金調達が確約されており、リオ州に本社を置くAtmos Gestão社並びにXP Gestão Asset社は12億5000万レアルの投資を行うと見込まれている。

またリージョナルプロバイダーUnifique社は、新規株式公開で22億レアルに資金調達を見込んでおり、Fourth Sail Capital社やAZQuest社がUnifique社のIPOでの資金調達オペレーションを牽引する。

またサンパウロ州に本社を置くリージョナルプロバイダーDesktop社は、今月19日に新規株式公開で7億レアルに資金調達を目指しているが、調達資金の大半は事業拡大に投資する。 Brisanet社、Unifique社並びにDesktop社は、IPOによる自己資金で競業他社の買収を視野に入れた事業拡大を目論んでいる。

IPOを予定しているBrisanet社、Unifique社並びにDesktop社のコンペチターは、これら3社のIPOによる資金調達状況を分析後にIPOを予定している。

プライベートエクイティVinci Partners社傘下のプロバイダーVero社は、今年10月予定の新規株式公開での15億レアルの資金調達のために、主幹事銀行を選定して契約している。

リオ州プロバイダーSumicity社を傘下に置くEB Fibra社、北東部地域プロバイダーのMob Telecom社、第サンパウロ圏のプロバイダーVipTelecom社もIPOの可能性を示唆している。