ゲルダウ社は不当な中国製輸入鉄鋼製品に対するセーフガード要請(2024年2月21日付けヴァロール紙)

大手鉄鋼メーカーのゲルダウ社は、中国からの生産コストを下回る不当に安価な鉄鋼製品の過剰な輸入増加及びブラジル国内の販売不振の影響を受けて生産調整を余儀なくされている。

ゲルダウ社は、過去数カ月間に同社の総従業員の5,5%以上に相当する1,000人の従業員の解雇を余儀なくされたが、今後数週間で新たな人員削減と生産能力閉鎖を検討している。

またゲルダウ社では、中国鉄鋼メーカーによる鉄鋼製品輸出における生産コストを下回る価格設定に相当する「ダンピング」行為に対する中国政府への正式な調査要請を進めることを決定した。

昨日ゲルダウ社のGustavo Werneck社長はブラジル政府が不当な中国製鉄鋼製品に対して輸入関税の25%引上げの必要性を訴えており、早急な対応策導入をブラジル政府に要請している。

ゲルダウ社が過去数カ月間に総従業員の5,5%以上に相当する1,000人の従業員の解雇を余儀なくされたのは、ブラジル政府の不当輸入品に対する対抗措置導入が遅れているためと説明しており、早急なセーフガード導入を強調している。

ゲルダウ社およびウジミナス製鉄の評価では、Gecex及びCamexで構成される外国商工会議所執行部の決定した2022年の5種類の鉄鋼製品の12% ~16%への輸入関税引下ではセーフガードの効果はないと指摘している。

ブラジル鉄鋼院(IABr)では中国製輸入鉄鋼製品に対する25%の輸入関税の要請、もう一つの可能​​性は輸入割当の導入であり、ゲルダウ社およびウジミナス製鉄はダンピング調査を要請する際の戦略を明確にするために話し合っている。

ブラジル鉄鋼院(IABr)によると、昨年のブラジルの鉄鋼製品輸入は、500万トンで過去最高の輸入量を記録していた。昨年12月の輸入鉄鋼製品のブラジル国内のマーケットシェアは25%に達し、2024年もこの比率が継続する可能性を指摘している。

中国製輸入熱間圧延製品などの最新のダンピング調査では、可能性が判明したにもかかわらず、他の鉄鋼製品分野が影響を受ける可能性があると考慮されたために、関税の適用には至らなかった。さらに、この種のダンピング調査の平均期間は18カ月であり、この分野の緊急のニーズを満たしていない。

ゲルダウ社はオープンな自由貿易主義を支持しているが、ブラジル鉄鋼業界の状況は限界を超えている。中国輸入製品との競争は平等ではなく、公平ではないと同社のGustavo Werneck社長は指摘している。また税制改革がブラジルコストによって生じた歪みを短期的に修正するという考えは誤りであり、この点に関してブラジル政府が最初に採用した措置は結果的に競争条件を悪化させる結果となったと指摘している。

中国からの不当な鉄鋼製品輸入の拡大にも拘らず、2024年の国内の鉄鋼メーカーの投資は当初予定の 60億レアルを変更しないが、ブラジル政府が他国同様のセーフガードを発令しなければブラジルの鉄鋼業界は益々立ちいかなくなると指摘している。

2023年のゲルダウ社の純益は前年比マイナス34,3% の75億4,000万レアルに留まる (2024年2月21日付けヴァロール紙)

ブラジル鉄鋼メーカーのゲルダウ社の2023年の純益は、世界的な鉄鋼製品の供給過剰と価格低迷の中での鉄鋼販売の減少と、レアルに対するドル安の為替の影響を受けて、過去番目の業績を記録していた前年比ではマイナス34,3% の75億4,000万レアルに留まっている。

2023年の純売上は前年比マイナス16,4%の689憶レアル、粗鋼生産はマイナス8,8%に相当する1,156万トン、粗鋼製品販売はマイナス4,9%の1,132万トンに留まっていた。

同社の Gustavo Werneck社長は昨年は主に北米での業績により、健全なバランスシートと堅実な財務結果が見られる年となった」と評価。また同氏は「われわれは資産の成長と競争力に焦点を当て、持続可能な開発の新たなサイクルに引き続き注力していく」と説明している。

2023年のゲルダウ社の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、前年比マイナス34,5%の135億レアルに留まっている。

ゲルダウ社の昨年第4四半期の純利益は、前年同期比マイナス51.8%に相当する5億8,680万レアルとなったが、これは当期の減収と12月のアルゼンチンの為替レート切り下げが業績に悪影響を及ぼしたことを反映している。

ゲルダウ社の昨年第4四半期の純売上はマイナス18,1% の147億レアル、Ebitdaはマイナス43,8%に相当する20億4,000万レアルを記録していた。

ゲルダウ社の昨年第4四半期の粗鋼生産量は前年同期比マイナス6.2%の269万トンに留まった要因として、一部の設備のメンテナンス停止により稼働率は64%に低下した。粗鋼製品販売量はマイナス0.6%の266万トンだった。

大手工作機械メーカーROMI社の昨年第4四半期の純益は41%の大幅減少(2024年1月30日付けヴァロール紙)

大手工作機械メーカーROMI社の2023年第4四半期の純益は前年比41%の大幅減少の5120万レアルに留まったが、2023年の純益も前年比23,7%減少の 1億6400万レアルに留まっている。

昨年第 4 四半期の調整後の純利益は前年同期比マイナス50,8%に相当する 3,670 万レアルに留まった要因として主に鋳物および機械加工製品部門の業績の影響を受けていた。 2023年の調整後の純利益は前年比マイナス41.1%の1億1,420万レアルを記録している。

昨年第 4 四半期の純売上は前年同期比マイナス27,9%に相当する3億8660万レアル、2023年の純売上は前年比マイナス23%に相当する12 億レアルに留まっている

ROMI社の昨年第 4 四半期の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、前年同期比マイナス46,7%に相当する7370万レアルに留まっている。

2023年のEbitdaは前年比マイナス28,8%に相当する2億2920万レアル、調整後の基準を使用すると、EBITDA は マイナス53.8% の5,770 万レアル、調整後のマージンは 14.9% となり、昨年より 8.4 ポイント低下した。調整後の基準によると、2023年のEBITDAは前年比マイナス40.7%の1億7,720万レアルとなった。

 

 

今年11月のブラジルの粗鋼生産は前年同月比3.8%増加の270万トン(2023年12月15日付けヴァロール紙)

ブラジル鉄鋼院(IABr)の発表によると、2023年11月のブラジルの粗鋼生産は、前年同月比3.8%増加の270万トンを記録、また圧延鋼生産は5.7%減少の180万トン、販売用半製品の生産は32.1%増加の79万9,000トンを記録している。

今年11月のブラジル国内の鉄鋼製品販売は、前年同月比2.1%減少の160万トン、鉄鋼製品の見かけ消費量は、2.5%増加の200万トンを記録している。

今年11月のブラジルの鉄鋼製品輸出は19.9%増加97万1,000トン、輸出金額は5,7%増加の7億2,300万ドルを記録している。

一方今年11月のブラジルの鉄鋼製品輸入は9.2%増加の35万6,000トン、輸入金額は7.0%減少の4億200万ドルに留まっている。今年初め11か月間の粗鋼の累積生産は、前年同期比7.1%減少の2,930万トンに留まっている。

また今年初め11か月間の圧延鋼の累積生産は、前年同期比8.5%減少の2,010万トン、今年初め11か月間の半製品の累積生産は、20.4%増加の880万トンを記録している。

今年初め11か月間のブラジルの鉄鋼製品販売は5.0%減少の1,800万トン、見かけ上の消費は、0.5%増加の2,200万トンを記録している。

今年初め11か月間のブラジルの鉄鋼製品輸入は49.9%増加の450万トン、輸入金額は20.7%増加の54億ドルを記録している。

今年初め11か月間のブラジルの鉄鋼製品輸出は0.9%減少の1,090万トン、輸出金額は8.6%減少の92億ドルであった。

今年初め10カ月間のブラジルの粗鋼生産は8% 減少(2023年11月23日付けヴァロール紙)

ブラジル鉄鋼院(IABr)によると、2023年初め10カ月間のブラジルの粗鋼生産は、前年同期比マイナス8% 減少を記録した一方で粗鋼販売は5,3%減少を記録している。

今年初め10カ月間のブラジルの粗鋼生産は、2,660万トンと昨年同期の2890万トンを230万トン下回っている。また前記同様ブラジル国内の粗鋼販売は、1,640万トンと昨年同期の1,730万トンを90万トン下回っている。

一方で今年初め10カ月間のブラジルの粗鋼輸入量は、前年同期比54,8%増加の415万トンと大幅に増加したが、粗鋼輸出量は2,5%減少の990万トンに留まっている。また今年初め10カ月間のブラジル国内の粗鋼消費は、0,3%微増の1,999万8,000トンに留まっている。

今年の粗鋼輸入量は498万トン、2024年は598万トンとそれぞれ大幅な増加をArcelorMittal Brasil社のJefferson De Paula社長は予想している。

ブラジル鉄鋼院(IABr)のMarco Polo de Mello Lopes会長は、輸入粗鋼製品に対する9,6%の輸入関税が継続すれば国内鉄鋼メーカーは鉄鋼生産の減少を余儀なくされると示唆、また国内市場を席捲している中国製粗鋼製品に対する25%の輸入関税を連邦政府に要求している。

ブラジルの鉄鋼製品輸入に対する課徴金が他国と比べて乖離しており、米国と欧州連合は25%の割当枠を採用しており、メキシコも同じ割合で実施し、チリでも評価中である。ブラジルの輸入税は9.6%でこの地域の他の市場が中国鉄鋼に対して閉鎖的であることを考慮すると、セーフガードは非常に低いと警告している。

2023年の国内鉄鋼メーカーの投資総額は125億レアルに対して、2024年から2027年の4年間の投資総額は480億レアルをブラジル鉄鋼院(IABr)のMarco Polo de Mello Lopes会長は見込んでいる。

 

今年第3四半期の大手工作機械メーカーROMI社 の純益は4440万レアルに留まる (2023年10月24日付けヴァロール紙)

大手工作機械メーカーROMI社の2023年第3四半期の純益は、前年同期比31,4% と大幅減少の4,440万レアルに留まり、製造業部門の投資回復が遅れている。

また今年第3四半期の同社の純売上も、前年同期比31,5%の大幅減少の2億7,280万レアルに留まっている。

今年第3四半期のROMI社の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、前年同期比39.4%減少の5,570万レアルに留まっている。

同社の第 3 四半期の受注残高は、前年同期比 31.7% 減少の 5 億 5,720 万レアル。受注残高の最大の下落要因として鋳物および機械加工製品で77%下落の5,630万レアルに留まっている。

同社の総受注高のうち、2 億 4,120 万レアルは Romi Machines 部門によるもので、38% 減少を記録した一方で、残りの 2 億 5,970 万レアルは Burkhardt and Weber Machines (BW)の受注残高で47.6%増加 を記録している。

第 3 四半期に販売された製品およびサービスの原価コストは、前年同期比 26.6% 減少の 1 億 9,200 万レアルに留まり、第 3 四半期の財務結果は、 前年同期比9.6%減少の440 万レアルの黒字を計上している。

今年第 3 四半期の Romi社 の純営業収益は、前年同期比31.6% 減少の2 億 7,780 万レアルで、そのうち、1 億 9,390 万レアルはMáquinas Romi社、2,930 万レアルはMáquinas BW、その他の 4,940 万レアルは鋳物および機械加工部品部門から計上している。

同社は決算報告書に添えられたコメントの中で、2023年の第3四半期は、国内市場と海外市場の両方において、引き続き投資環境が不安定であると示唆している。

また同社は、景況感指数は地域的および世界的な地政学的および経済的不安定を反映して変動するシナリオを示していると説明。その一方で、ブラジルにおける金利低下とインフレ抑制の最近の兆候は、市場全体の信頼感にプラスの影響を与え、新規投資を促進する可能性があると説明している。

第 3 四半期中に、製造業部門経営者の景況感指数 (ICEI) の変動が観察され、10 月には分岐点となる50ポイントを上回る 50.5 ポイントに達している。

製造業部門の企業経営者は現在、厳しい投資環境に直面しているが、より複雑な環境の中でも指数を通じて楽観的な見方をしていると同社は強調している。

今年の輸入鉄鋼製品は記録更新予想(2023年10月24日付けヴァロール紙)

ブラジル鉄鋼院(IABr)によると、今年のブラジルの鉄鋼製品輸入は、500万トン以上に達する可能性があり、過去最高の輸入量に達する可能性がある。

ロシア、韓国、トルコと同様に、1年前と比較してブラジルの鉄鋼製品輸入は138%増加しており、平板鋼、長鋼、特殊鋼およびその他のタイプの鉄鋼製品輸入は 58% 増加している。

ブラジルの鉄鋼製品輸入の過去最高の記録はGDP伸び率が7%を記録した2010年の440万トンとなっているが、今年初め9か月間の累計鉄鋼製品輸入は既に373万トンに達している。今年最終四半期の月間平均鉄鉱石品輸入は40万トンが見込まれているために、500万トンを突破する可能性がある。

今年9月のブラジル国内メーカーの粗鋼生産は前年同月比5.9%減少、今年初め9か月間の累計鉄鋼生産は前年同期比5.4%減少を記録している。

今年4月からの輸入鉄鉱石品の急増はブラジル国内鉄鋼メーカーの脅威となっており、特に不動産・建設業界が不振に陥っている中国からの安価な鉄鋼製品の輸入が急増、9月に輸入された54万4,900トンのうち、56%が中国製品であった。中国は、経済が消費しない余剰を生み出すために、安定したペースで生産し、年間1億トンを輸出しているという事実を隠していないとブラジル鉄鋼院(IABr)のMarco Polo de Mello Lopes会長は指摘している。

コンペチターは、実際の原価よりも低い価格を設定しているため、マイナスのマージンで操業している製鉄所の大部分は中国鉄鋼メーカーであり、さらに、中国政府は地元の雇用を保証することを重視して、企業に補助金や奨励金を提供していると指摘している。

これらの状況を考慮して、我々がブラジル政府に求めているのは、1年間、25%の輸入関税という緊急保護措置とロペス氏は説明。緊急保護措置の目的はブラジル国内市場でのマーケットシェアを維持することだと説明している。 

今年9月の見かけ上の鉄鋼製品の国内消費に占める輸入鉄鋼製品のマーケットシェアは23.2%に達し、2013年から2023年の平均である12.3%のほぼ2倍を記録している。

ブラジルの鉄鋼製品輸入に対する課徴金が他国と比べて乖離しており、米国と欧州連合は25%の割当枠を採用しており、メキシコも同じ割合で実施し、チリでも評価中である。ブラジルの輸入税は9.6%でこの地域の他の市場が中国鉄鋼に対して閉鎖的であることを考慮すると、セーフガードは非常に低い。そして、サンタカタリーナ港経由で流入する鉄鋼の 40% はほぼゼロとなり、ICMS が 12% から 4% に減少すると説明している。

9月のブラジルの粗鋼生産量はがウジミナスの主高炉4月から改修工事の影響で9.3%減少の253万トンに留まっており、今年の最新の予測は前年比5.0%減少の3,240万トンが予想されている。今年9月のブラジルの鉄鋼製品輸出は1.4%微増、今年初め9か月間の追啓では4.4%減少、今年の輸出は0.3%減少の1190万トンが見込まれている。

 

輸入鋼材急増で投資シナリオに向かい風(2023年9月26日付けヴァロール紙)

ブラジル鉄鋼協会(IABr)の発表によると、2023年のブラジル国内の粗鋼生産は前年比マイナス05%に相当する3,240万トンに留まるよ予想している。またブラジル国内の粗鋼販売はマイナス6%に相当する1,910万トンが見込まれている。

今年のブラジル国内の鉄鋼製品消費はマイナス2,6%に相当する2,290万トンが予想されている。

今年初め8か月間の累積粗鋼生産は前年同期比マイナス8,3%の2,130万トンにとどまり、鉄鋼メーカーの平均設備稼働率は約40%に留まると予想されている。

一方で、今年初め8か月間の累積輸入鉄鋼製品は49,5%増加の320万トンと急増しており、輸入鋼材のマーケットシェアが拡大してきている。

公正な競争慣行に導かれていない中国国有企業から輸入された鉄鋼製品がブラジル国内で氾濫してマーケットシェアを脅かしているArcelorMittal社のJefferson De Paula社長は警鐘を鳴らしている。

中国の鉄鋼メーカーは不振を極めている国内の建設業向け需要の減少を受けて、補助金付きで余剰生産分を海外市場に振り向けるだろうと指摘している。

ブラジルの2024年の鉄鋼生産は前年比3%程度の若干の回復を予想しているが、さらに堅調な成長が見込まれるのは2024年以降だとゲルダウ社のGustavo Werneck社長は指摘している。

ブラジル国内の鉄鋼製品の消費の落ち込み並びに輸入品急増は、まさに完璧な嵐と呼ぶにふさわしい状況であり、全世界が中国の鉄鋼製品の急増に対してセーフガードで防御しているが、輸入制限を課していないのはブラジルだけとブラジル鉄鋼協会(IABr)のMarco Polo de Mello Lopes会長は指摘している。

ブラジル鉄鋼メーカーの増産には、新たな財政枠組みや税制改革、金利の低下、大衆住宅建設“私の家、私の暮らし”(MCMV)プログラム、新たな成長加速プログラム(新PAC)の再開などの公共政策などで歯車が買い合いだすと大きな前進に繋がると指摘している。

ブラジル鉄鋼業界は 今年中に 25 億ドルの投資を計画しており、そのポートフォリオには 2024 年から 2027 年までに総額 95 億ドルのプロジェクトが含まれている。

これらの投資リソースは、鉄鋼メーカーの粗鋼生産能力の向上、生産プロセスの近代化、エフィシエンシー向上を目的としており、温室効果ガス排出量に直接影響を与える。

ブラジルの鉄鋼メーカーで最大の投資プログラムはアルセロールミタルによるもので、2022年から2027年までに総額250億レアルの投資が見込まれている。

この総額のうち重要な部分である114億レアルは、昨年、セアラ州にある年間生産が300万トン規模のCompanhia Siderúrgica do Pecém(CSP)の買収に充てられた。

アルセロールミタル社は平板鋼100万トン、棒鋼150万トンの生産能力を拡大する計画で、この増産拡張が完了すると、総生産能力は 1,760 万トンに達する。

 

今年8 月の世界の粗鋼生産は、中国経済減速も2,2% 増加を記録(2023年9月25日付けヴァロール紙)

世界63カ国が加盟するベルギーのブリュッセルに本部がある世界鉄鋼協会(WSA)の発表によると、2023年8 月の世界の粗鋼生産は、前月比2,2%増加の1億5,260万トンを記録している。

今年初め8か月間の累積粗鋼生産は、前年同期比0,2%微増の12億5,600万トン、今年8月の中国の粗鋼生産は前年同月比3,2%増加の8,640万トンであったが、建設業やインフラ部門の粗鋼生産は減少しているにも拘らず、7月の粗鋼生産は9,000万トンを突破していた。

中国は国内市場の販売減少を補うためにブラジルをターゲット市場の一つとして、鉄鋼完成品の輸出ペースを高めているが、年間の粗鋼輸出ペースは1億トンとなっている。

今年初め8か月間の中国の累積粗鋼生産は、前年同期比2,6%増加の7億1,290万トン、今年8月のインドの粗鋼生産は、前年同月比17,4%増加の1,190万トン、今年初め8か月間のインドの累積粗鋼生産は10,5%増加の9,220万トンを記録している。

今年のインドの粗鋼生産は1億4,000万トンを見込んでいるが、国内経済が好調に推移しており、また同大な鉄鉱石の埋蔵量を擁するインドは外資系企業に国内への投資を積極的に働きかけている。

一方今年8月のブラジルの粗鋼生産はマイナス5,9%の272万トン、今年初め8か月間のブラジルの累積粗鋼生産はマイナス8,3%の2,130万トンに留まっている。

ブラジルは国内の鉄鋼需要の低迷に加え、ウジミナス製鉄所の最大高炉が改修工事を受けた4月以来の生産停止の影響を受けている。

今年の農業・建設・鉱業向け産業車両生産は前年比7,4%増加予想(2023年9月11日付けヴァロール紙)

全国道路用具製造業者協会 (Anfir)の発表によると、今年の農業機械・建設機械・鉱業などの向け産業車両生産は前回予想の13万5000台から14万5000台と1万台の上方修正を行っている。

今年下半期のブラジル国内経済が予想を上回る伸び率が期待されており、大衆住宅建設“私の家、私の暮らし”(MCMV)プログラムや投資総額が1兆7,000億レアルに達する新経済成長加速プログラム(PAC-3)による需要が見込まれているが、2022年の産業車両販売台数の15万4,700台には届かない。

Selic金利の低下の開始と、より多くの貨物の輸送を可能にする重量車両販売が好調に推移しており、また2023年第2四半期(4~6月期)の国内総生産(GDP)の成長率が、前期と比較して0.9%増加を記録したことも市場関係者を楽観視させている要因となっている。

この部門の最大手企業では大型と呼ばれるトレーラーおよびセミトレーラーのセグメントが当初予想を上回る成長を担うと指摘。当初計画の7万5,000台に対し、8万5,000台が販売されるとAnfir協会のJosé Carlos Spricigo会長は予想している。

今年初め8か月間の産業車両の累積販売台数は前年同期比4,8%増加の5万7,970台、今年の販売台数は8万7,000台が見込まれている。

今年初め8か月間の「ボディ・オン・シャーシ」として知られる軽車両の新車登録台数は前年同期比マイナス15,66% に相当する4万800台、今年は 6万台前後が予想されている。

今年初め8か月間の全産業車両の累積新車登録台数は前年同期比マイナス4,75%に相当する9万8,800台に留まている。

2024年は投資総額が1兆7,000億レアルに達する新経済成長加速プログラム(PAC-3)が牽引して全産業車両の生産及び販売は好調に推移すると予想されている。