今年2月のブラジルの粗鋼生産は前月比9.1%減少(2023年3月16日付けヴァロール紙)

ブラジル鉄鋼協会(IABr)の発表によると、2023年2月のブラジル国内の平板鋼、棒鋼、特殊鋼などを含めた鉄鋼製品生産は前月比9.1%減少の250万トンに留まっている。

今年2月のブラジル国内の鉄鋼製品販売は 7.2%減少の150 万トンに留まった。 輸出は10%増加の110万トン。 鉄鋼製品の国内販売と輸入を合わせた見かけの消費量は、9.9%減の180万トンに達した。 鉄鋼製品輸入は 13.8% 減少の32万5,000トンに留まっている。

今年初め2か月間の累積鉄鋼製品生産は前年同期比5.8%減少の530万トン、前記同様鉄鋼製品の国内販売は2.6%増加の310万トン、また鉄鋼製品輸出は4.9%減少の200万トン、鉄鋼製品輸入は16.5%増加の70万2,000トン、鉄鋼製品消費は2.4%増加の370万トンを記録している。

ブラジル鉄鋼協会(IABr)発表の鉄鋼業界の信頼指数は、インフレや金利で先行き不透明感が強い一方で、2009年のルーラ政権の経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設”私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida”の新規プログラムが依然として不透明となっているために、僅か32.7ポイントに留まっている。

2022年のブラジル国内のアルミ消費は前年比0.7%減少の157万トン(2023年3月6日付けヴァロール紙)

ヴォトランチン金属グループ傘下のブラジルアルミ会社(CBA)は、2022 年はアルミニウム消費の冷え込みが特徴的であったが、アルミの需要は引き続き健全なレベルにあると説明している。

ブラジルアルミ生産協会(Abal)の発表によると、2022年のブラジル国内のアルミ派生品消費は前年比0.7%減少の157万トンを記録したが、2023年のアルミ消費は前年比3.5%増加を予想している。

2022年第 4 四半期に消費財セクターは前四半期比増加したが、建設業界は高止まりしているインフレ指数及び給付金支給減少で先行き不透明である一方で、包装関連向け消費は堅調に推移している。

昨年第4四半期のアルミ輸入は前四半期比で増加、中国のアルミ需要拡大でアルミ製品の原料コストが上昇した一方で、メーカーの収益は圧迫されている。

今年1月の世界の粗鋼生産は前年同月比マイナス3.3%(2023年2月22日付けヴァロール紙)

63カ国の約170鉄鋼メーカーが加盟しているベルギーのブリュッセルに本部のある世界鉄鋼協会(Worldsteel)の発表によると、2023年1月の世界の粗鋼生産量は、中国の粗鋼生産が回復しているにも関わらず、前年同月比マイナス3.3%の1億4,530万トンに留まっている。

今年1月の中国の粗鋼生産量は前年同月比2.3%増加の7,950万トンと世界の粗鋼生産の約55.0%を占めている。

2022年の中国の粗鋼生産は、COVID-19パンデミックゼロ政策の導入による主要都市のロックダウンや不動産業界の問題発覚による粗鋼需要の収縮で前年比マイナス2.2%を記録していた。

今年1月の世界の粗鋼生産トップ10のうち8か国で前年同月比マイナスを記録、ドイツはマイナス10.2%と二桁台のマイナスを記録、韓国マイナス9.8%、ロシアはマイナス8.9%を記録している。

またインド、日本、米国、ブラジルもそれぞれマイナスを記録したが、世界8位の粗鋼生産を誇るトルコはマイナス17.6%、2月初めに大震災に見舞われた影響で、道路、鉄道や港湾などのインフラ設備が壊滅的なな影響を受けているために、2月の粗鋼生産は大幅な減産が見込まれている。

今年1月のブラジルの粗鋼生産は、前年同月比マイナス4.9%の280万トンと世界鉄鋼協会(Worldsteel)は発表している。一方今年1月のイランの粗鋼生産は、前年同月比27.7%と大幅増加の270万トンを記録して、トルコを抜いて9位に上昇している。

昨年のブラジル国内の平板鋼販売は前年比3.9%増加と若干予想を下回った(2023年1月24日付けヴァロール紙)

ブラジル鉄鋼卸売業者協会(Inda)の発表によると、2022年のブラジル国内の鉄鋼卸売業者による厚板、冷間、熱間圧延や亜鉛メッキ材などの鋼板販売は、前年比3.9%増加に留まって、ブラジル鉄鋼卸売業者協会(Inda)予想の前年比4.0%~4.5%増加を若干下回った。

昨年1年間の鉄鋼卸売業者による厚板、冷間、熱間圧延や亜鉛メッキ材などの鋼板販売は予想を下回ったが、圧延鋼販売は前年比10%増加、亜鉛メッキ鋼板は10.3%増加を記録している。

昨年12月の鉄鋼卸売業者の鋼板販売は前年同月比マイナス1.7%増加の25万7,000トン、前月比ではマイナス11.6%と二桁台の減少を記録している。

昨年のブラジル国内の建設業界、黄色物向け機械・装置業界、農業機械やトラック部門は平板鋼の需要を支えたが、自動車業界向け鋼板販売は半導体不足や電子部品不足で需要が低迷していた。

昨年12月の鉄鋼卸売業者はブラジル国内の市況低迷で前月比マイナス14.5%に相当する24万2,800トンの鋼板購入に留め、また前年同月比でもマイナス2.3%に留まっていた。

鉄鋼卸売業者の昨年1年間の鋼板類購入は373万トンに留まったが、亜鉛メッキ材は13.1%と二桁増加、厚板鋼板は6.9%増加を記録していた。

昨年12月の鉄鋼卸売業者の鋼板類の在庫は81万7,000トンと3.2ヶ月の在庫に相当しており、正常在庫を僅かに上回るレベルに留まっている。

ナショナル製鉄所に追従してコンペチターは今年初めに10%前後の値上げを敢行(2023年1月5日付けヴァロール紙)

ナショナル製鉄所(CSN) は2023年年頭に自社の鉄鋼製品の値上げを発表したが、コンペチターのアルセロールミッタル・ツバロン製鉄、ウジミナス製鉄所は追従する形で自社の鉄鋼製品の値上げを決定している。

ナショナル製鉄所(CSN)では自社鉄鋼品の価格を平均10%前後の値上げを行うが、熱間圧延鋼、冷間圧延鋼、コイル、パッケージング用錫メッキ材料、亜鉛メッキおよび塗装済み材料などの製品ラインに適用される。

鉄鋼業界関係筋によると、ArcelorMittal Tubarão は、エスピリット・サント州のセーラ製鉄所及びサンタ・カタリーナ州のサン・フランシスコ・ド・スル製鉄所で製造する熱間圧延、冷間圧延、およびコーティングされたコイル製品を今月4日から約10%の値上げを実施している。

またブラジル国内の自動車メーカー用の平板供給の主なサプライヤーのウジミナス製鉄所は、今月16日から鉄鋼製品の種類によるが、9.0%~12.0%の値上げを実施すると供給先の顧客に通達している。

ミナス州内の鉄鋼メーカーは、今年1月初めから自動車メーカー向けの鉄鋼製品の値上げを発表しているが、その他の産業界向けの鉄鋼製品値上げは4月に予定されている。

鉄鋼メーカーと自動車メーカーとの値上げ交渉は昨年までは年1回であったが、鉄鋼製品生産向け原料である鉄鉱石や石炭の国際コモディティ価格変動や国際市場の価格変動により、今後は半年に1回の交渉に変更されている。

この年2回の値上げ交渉の説明には、世界的なシナリオの不安定性や、ドル為替に対するレアルの変動も含まれるが、主に中国からの輸入品と比較して国産品のプレミアムに影響を与える。

CSN は来年初めから鉄鋼製品販売価格を10%値上げ(2022年12月15日付けヴァロール紙).

鉄鋼価格は、過去 30 日間にわたって世界的に全般的な回復を示しており、これに伴い、ナショナル製鉄所CSNは、2023年1月1日から自社の鉄鋼製品の10%値上げを同社営業担当重役のLuiz Fernando Martinez氏は示唆している。

過去30日間の米国、ヨーロッパおよび中国での鉄鋼製品価格は回復傾向を示し、利益率回復に繋がっている。しかし2023年のブラジル国内の政治経済情勢は不透明にも関わらず、来年のブラジル国内の鉄鋼製品需要の回復を見込んでいる。

米国の国内の鉄鋼製品需要は、インフラ整備部門の投資プランの見直し、自動車部門を直撃している半導体の供給問題の正常化などの要因で、2023年7月のトン当たりの粗鋼価格は800ドルから820ドルに達すると予想されている。

中国ではこれほど多くの鉄鋼メーカーが損失を被ったことは過去に一度もなく、利益率と業績を回復したいという熱意があるとマルティネス氏は指摘している。

来年第1四半期及び第2四半期は、ブラジル国内の粗鋼の需要回復が見込まれており、現在の1トン当たりのブラジル国内の粗鋼価格は575ドルから585ドルで推移、プレミアムは11.0%前後で推移している。

CSNは来年1月1日から1トン当たりの鉄鋼製品価格を10%値上げ、プレミアムは12.0%を維持するとマルティネス氏は説明している。

ブラジルの鉄鋼製品の輸入は依然としてCSNにとって大きな障害になっているが、保護主義を擁護するわけではないが、競争力に関しては対称的であるとマルティネス氏は指摘している。

今年10月の中国の粗鋼生産は11.0%と二桁台の増加を記録(2022年11月22日付けヴァロール紙)

64カ国の約170鉄鋼メーカーが加盟しているベルギーのブリュッセルに本部のある世界鉄鋼協会(Worldsteel)の発表によると、2022年10月の中国の粗鋼生産は、前年同月比11.0%増加の7,980万トンを記録している。

中国の粗鋼生産が2021年下半期から減少傾向になった要因として、中国政府による二酸化炭素排出削減政策の強化及び今年初めからのCOVID-19パンデミック対応のCOVID-19ゼロ政策の対応が生産減少に繋がっていた。

しかし今年下半期から中国政府はCOVID-19パンデミック対応のゼロ規制プログラムの緩和政策の導入及び大口消費の建設業部門の活性化が中国の粗鋼生産の大幅な増加に繋がっている。

今年初め10か月間の中国の累計粗鋼生産は、前年同期比僅かマイナス2.2%に相当する8億6,060万トンまで回復していると世界鉄鋼協会(Worldsteel)は指摘している。また今年10月の世界の粗鋼生産は、中国の回復に伴って1億4730万トンと昨年同月並みの粗鋼生産に回復している。

今年10月の世界の粗鋼生産比較では、米国、日本、ロシア、韓国、ドイツ、トルコ及びブラジルは前年同月比マイナスを記録した一方で、粗鋼生産が世界2位のインド、およびイランは増加を記録している。

今年10月のブラジルの粗鋼生産は前年同月比マイナス4.5%の280万トン、今年初め10か月間の累積粗鋼生産はマイナス5.2%の2,870万トンに留まっている。

ウジミナス製鉄所の第3四半期の純益は66%減少の6億850万レアル(2022年10月28日付けヴァロール紙)

ウジミナス製鉄所の2022年第3四半期の純益は、前年同期比66.3%減少の6億850万レアル、前記同様に売上は6.55%減少の84億3,000万レアルに留まっている。

また同社の今年第3四半期の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、前年同期比65.5%減少の8億6,690万レアルを記録している。

同社の今年第3四半期の純益及び売り上げが減少した要因として、今期の鉄鉱石の国際コモディティ価格は、前年同期比で大幅に減少、また鉄鋼製品の販売量も減少を記録している。

今年第3四半期のファイナンス決算は、昨年同期の4億2,000万レアルの赤字から一転して1億7,100万レアルの黒字を計上している。

今年9月末の同社の純負債総額は、前四半期比111.8%増加の9億6,450万レアル、特にレアル通貨に対するドルの為替の変動で運転資金は8.2%減少の51億レアルとなっている。

今年第3四半期の粗鋼生産は前年同期比28.5%減少の66万トン、圧延鋼生産は15.0%減少の103万トン、鉄鋼製品販売は11.9%減少の104万トン、国内販売は14.0%減少した一方で、自動車業界向けは2.0%増加、製造業部門向けは8.0%増加していた。

ウジミナス社の今年第3四半期の鉄鉱石生産は前年同期比並みの251万トン、今年初め9か月間の鉄鋼製品販売は7.0%減少の224万トン、今年第4四半期の目標鉄鋼製品販売は、85万トン~95万トンを見込んでいる。

今年9月の世界の粗鋼生産は前年同月比マイナス3.7%(2022年10月25日付ヴァロール紙)

. 64カ国の約170鉄鋼メーカーが加盟しているベルギーのブリュッセルに本部のある世界鉄鋼協会(Worldsteel)の発表によると、2022年9月の世界の粗鋼生産は、前年同月比3.7%増加の1億5,180万トンを記録している。

. 今年9月の世界の粗鋼生産の半分以上を生産する中国の粗鋼生産量は、前年同月比17.6%増加の8,700万トンと世界全体の57%に相当する粗鋼を生産している。中国に次ぐインドの粗鋼生産は1.8%微増、世界10位のイランは26.7%増加を記録している。

今年9月の粗鋼生産比較では、トップ10のうち日本、米国、ロシア、韓国、ドイツ、トルコ及びブラジルの7ヶ月前年同月比マイナスを記録、ブラジルはマイナス11.7%の270万トンに留まっている。

今年初め9か月間の世界の粗鋼生産は前年同期比マイナス4.3%の14億500万トンに留まっており、特に中国の粗鋼生産は、国内の建設不動産問題によるインパクトで粗鋼生産が大幅に減少、今年初め9か月間の中国の粗鋼生産は前年同期比マイナス55.6%に相当する7億8,080万トンと半減している。

今年初め9か月間のブラジルの粗鋼生産はマイナス5.3%の2,590万トンに留まっている一方で、昨年同期の粗鋼生産は3,610万トンと過去最高を更新していた経緯があった。

今年の世界の鉄鋼需要はマイナス2.8%予想(2022年10月19日付けヴァロール紙)

64カ国の約170鉄鋼メーカーが加盟しているベルギーのブリュッセルに本部のある世界鉄鋼協会(Worldsteel)の発表によると、2022年の世界の粗鋼需要は、世界的なインフレ及び金利の上昇の影響を受けて、前年比マイナス2.8%に相当する1億⒎970万トンに留まると予想されている。

2021年の世界の鉄鋼需要は前年比2.8%増加を記録していたが、世界の鉄鋼生産の85%を担う世界鉄鋼協会(Worldsteel)の今年4月~9月の短期見通し(SRO)レポートによると、2023年の鉄鋼需要前年比1.0%増加の1億8150万トンを見込んでいる。

今年の世界の鉄鋼需要のマイナス2.8%予想の要因として、世界的なインフレ及び金利の高止まり、中国経済の停滞が牽引しているが、2023年はインフラストラクチャー向け鉄鋼需要が微増すると予想している。

世界的なインフレ、米国の金融引き締め政策、中国経済の停滞及びロシアによるウクライナ侵攻などが世界の鉄鋼需要の足枷になっていると世界鉄鋼協会(Worldsteel)経済委員会委員長で Techint社グループ傘下の Ternium社の Máximo Vedoya社長は指摘している。

今年初め8か月間の中国の鉄鋼需要は、前年同期比マイナス6.6%と年初予想のマイナス4.0%を大幅に上回っており、2023年の中国の鉄鋼需要はインフラ向け新規プロジェクト及び住宅市場の回復が期待されている。