Atlas Lithium社は2025年からリチウム生産開始予定(2023年9月19日付けヴァロール紙)

ブラジル人Marc Fogassa氏が率いる米国鉱業会社Atlas Lithium社は、2024年中頃からミナス州ベロ・オリゾンテ市から600 kmの遠隔地のJequitinhonha渓谷でリチウム鉱などの鉱山開発に着手する。

Atlas社は2011年にカリフォルニア州で設立、1年後にはフロリダ州Boca Raton市内に移動、今年1月にナスダックに上場、現在はリチウム鉱山以外にニッケル、チタン、グラファイト、希土類の埋蔵量がある鉱山を所有している。

同社によると、石油精製所向けの炭酸リチウム相当LCEの世界需要は、2033年には350万トンに達すると予想されているが、今年はLCE換算で100万トン未満が見込まれている。リチウムの主な用途は電気自動車用のバッテリー製造向けとなっている。

昨年は、リチウムの価格が急騰し、水酸化リチウム(精製物質)1トン当たり8万4,000ドルを突破した。しかし、2023年には再び下落し、ゴールドマン・サックスのデータによると、現在中国では2万7,000ドル台で推移している。Atlasが製造する予定のリチウム含有量が5.5~6%のスポジュメン精鉱は、2022年11月には8,000ドルに達した後、現在1トン当たり約2,700~3,000ドルで取引されている。

現金生産コストは、濃縮物1トン当たり300ドル未満に収まると見込んでおり、露天掘り鉱山から抽出されたスポジュメン鉱物からバッテリーグレードのリチウム精鉱を年間30万トン生産する計画となっている。

Atlasプロジェクトは、リチウム渓谷の深さ250メートルまでの地表で露出したリチウム鉱を抽出する最後のプロジェクトになる。残りは地下採掘が計画されているが開発コストが大幅に上昇する。鉱山開発地域はAraçuaí市とItinga市およびその周辺の 54 種類の240 km2に及ぶの鉱物権益 を擁している。

現在、同社は埋蔵量を測定するための掘削試験を行っている。最終報告書は2023年末に予定されているが、同社によれば、技術的・経済的実現可能性調査は2024年半ばに公表される予定になっている。

同社のCEO兼会長によると、地質学を専門とする企業が実施した冶金学的検査では、掘削から得られたサンプルの平均リチウム含有量が6.04%となっている。 リチウム市場では、含有量が 5.5% からのリチウム材料を購入できる。既に自動車メーカーからの問い合わせが続いていると説明している。

Fogassa氏は今後10年間でリチウム市場は非常に堅調になると見ている。同氏によると、カリフォルニア州では第2四半期に販売された新車の25%が既に電気自動車で2025 年の予想を2年も早く達成している。

このプロジェクトの初期投資は、1億ドル以上かかり、リチウム鉱生産は2025年下半期に開始予定、プロジェクトに必要なその他の支出を含めると、2億ドルに達する可能性がある。

ゲルダウ社はミナス州内で今後40年間以上に亘って含有量の高い鉄鉱石開発に着手予定 (2023年8月9日付けヴァロール紙)

鉄鋼メーカーのゲルダウグループは、ミナス州での新規プロジェクトとして、今後40年間に亘って含有量が 65%に達する鉄鉱石を年間平均550 万トン生産予定であり、その投資予算は32億レアルに達すると見込まれている。

独立系企業 SRK Consulting社 は、ゲルダウ社のオウロ・ブランコ製鉄所に近いオウロ・プレト地域に位置するミゲル・バーニエ(Miguel Burnier)鉱山の埋蔵量の認証レポートを完成させた。この報告書は、採掘権のある鉱床に4億7,600万トンの鉄鉱石の確認埋蔵量と推定埋蔵量があることを示唆している。

ゲルダウの鉄鉱石採掘開発事は、グループのブラジル事業部門の一部として再構築と拡大が進められており、同社のグスタボ・ヴェルネック最高経営責任者(CEO)はバロール社のインタビューで、新プロジェクトはすでに鉄スクラップの75%を使用して鉄鋼生産事業を運営しているグループに更なる競争力をもたらし、二酸化炭素排出レベルの削減により事業の持続可能性を高めることを目的としていると説明している。

オウロ ブランコ製鉄所の競争力強化には、木炭を使用するこの製鉄所とミナス州内の他の 3 つの小規模な工場のニーズを満たす新しい採掘モデルへの投資が含まれていると同社の取締役は説明している。

これらの製鉄所での優先事項は、より多くの価値を付加し、完成品の供給を増やすことだと強調する。現在ではすでに構造プロファイル、熱間圧延、厚板を製造している。

ゲルダウ社財務担当のRafael Japur副社長は、このプロジェクトで鉄鉱石のペレット化、さらには直接還元装置 (DRI) への投資の長期的な可能性が繋がると指摘している。

総額32億レアルに達する投資は、新しい採掘場、破砕および濃縮ユニット、13kmの鉄鉱石運搬用パイプライン、10kmの非利用鉄鉱石運搬用パイプライン、および製鉄所の脱水ステーションなどの設備建設に充てられる。

ゲルダウ社財務担当のRafael Japur副社長は、鉄鉱石含有量を現在の62%から65%に高めるだけで、年間20万トンのCO2が削減につながると説明。またSRK社 によると、抽出された原鉱石の品位は 35% ~ 37% で、処理すると 65% のレベルまで濃縮されると説明している。

このプロジェクトは将来へのてことなり、競争力をもたらし、オウロ・ブランコ製鉄所の脱炭素化に貢献し、ディビノポリス工場、バラン・デ・コカイス工場、セテ・ラゴアス工場での生産拡大を可能にする。

昨夜、ゲルダウ社は今年第2四半期の貸借対照表を発表。純利益は50%減の21億レアル、純収益は21%減の182億レアル、EBITDAは43%減の38億レアルであった。

7月のセメント販売はマイナス0,7% 、今年初め7 カ月間ではマイナス1,8% (2023年8月7日付けヴァロール紙)

全国セメント工業組合(SNIC)の発表によると、経済動向の指標の一つである2023年7月のセメント販売は、前年同月比マイナス0,7%の549万トンと6月のセメント販売の1,3%増加から一転して減少に転じている。

今年初め7 カ月間の累計セメント販売は前年同期比マイナス1,8%の3,570万トン、7月の1日当たりの平均セメント販売はマイナス0,5%の23万3,000トンを記録している。

今年7月の過去か月間の累積セメント販売は前年同期比マイナス1,7%に相当する6,200万トンに留まっている。今年7月の地域別セメント販売では北東部地域のセメント販売は前年同月比6,5%増加、南東部地域も1,5%増加した一方で、南部地域のセメント販売はマイナス10,4%と二桁台の落込みを記録している。今年初め7 カ月間の累計セメント販売では唯一北東部地域が1,2%.増加を記録している。

全国セメント工業組合(SNIC)では、今年のブラジル国内のセメント販売は、前年比マイナス1%を予想している。

全国セメント工業組合(SNIC)では、高止まりする金利やクレジット部門の与信強化、大衆住宅建設を再度経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設“私の家、私の暮らし”(MCMV)プログラムの遅れがセメント販売にブレーキをかけていると指摘している。

しかしSnicでは、税制改革、財政枠組み、停止したインフラ工事の再開、金利低下サイクルの始まりなどにより、今後数カ月間の建設セクターの見通しは明るいと指摘している。

今後のSelic金利の引き下げの継続に伴って、ブラジル国内のセメント販売は上昇に転じると全国セメント工業組合(SNIC)のPaulo Camillo Penna会長は楽観的な見方をしている。

 

ヴァーレ社の今年第2四半期の鉄鉱石生産は前年同期比6.3%増加 (2023年7月19日付けヴァロール紙)

資源大手ヴァーレ社の2023年第2四半期の鉄鉱石生産は、パラー州カラジャス鉱山の北山脈のS11D鉱山の鉄鉱石生産が記録を更新した影響で前年同期比6.3%増加の7,870万トンを記録している。今年第2四半期のS11D鉱山の鉄鉱石生産は前年同期よりも260万トン増加の1,910万トンに達している。

また今年第2四半期のヴァー社所有のミナス州の鉄鉱石生産も好成績を残しており、南東部システムの鉄鉱石生産は前年同期の1,950万トンを11.4%上回る2,180万トンを記録している。

また今年第2四半期のヴァー社所有のミナス州の南部システムの鉄鉱石生産は前年同期比8.5%増加の1,680万トンを記録、南部システムの鉄鉱石は地理的条件が整っているリオ州の港湾から輸出される。

ヴァーレ社の今年の鉄鉱石生産は3億1,000万トン~3億2,000万トンが予想されている。今年第2四半期の鉄鉱石生産は7,870万トンに対して、鉄鉱石販売は6,330万トンと生産量よりも1,540万トン少なかった。

今年第2四半期の含有量が高い1トン当たりの鉄鉱石の平均コモディティ価格は前年同期比マイナス13.1%に相当する98.5ドルに留まっている。

ヴァーレ社では数年前から、鉄鉱石の生産拡大ではなく、より多くの収益を確保する含有量の高い鉄鉱石生産に重点を置く戦略を優先してきている一方で、ヴァーレ社は鉱山の環境ライセンス取得における困難に直面しており、2019年1月のブルマジーニョでの悲劇の後、さらに困難になった経緯があったが、同社は昨日、ミナス州内の「トルト」ダムの運営ライセンス認可を取得している。

ヴァーレ社から分社化して新会社設立を進めている金属分野の業績も好調に推移。 今年第2四半期の銅生産量は前年同期比41%増加の7万8,800トンに達し、ニッケル生産量は7.9%増加の3万6,900トンで、今年の銅生産量33万5,000トンから37万トンの目標を維持する一方、ニッケルについても目標16万トン~ 17万5,000 トンを見込んでいる。

 

ヴァーレ社はトルト鉱山廃水用ダム向け運営ライセンス取得(2023年7月3日付けヴァロール紙)

資源大手ヴァーレ社は、ミナス州環境事務局の環境政策国家評議会から、Brucutu鉱山の複合施設内のトルト鉱山廃水用ダム向け運営ライセンスを取得した。

ヴァーレ社の発表によると、トルト鉱山廃水用ダムの段階的な操業開始で、高シリカ製品を高品質の製品に置き換えることにより、ヴァーレの鉄鉱石ポートフォリオの平均品質が大幅に向上し、鉄鉱石ペレットやブリケットなどの凝集塊の生産量が増加することが可能になる。

鉄鉱石混合の改善で、鉄鉱石の価格にさらに高いプレミアムを付けることが可能となり、2023年に3,600万~4,000万トン、2026年に5,000万~5,500万トンの鉄鉱石ペレットを生産する見通しとなっている。

ヴァーレ社はこの複合施設には濾過プラントがあり、生成される廃棄物のほとんどを処理し、副産物として砂を生産することに加えて固体状態での堆積を可能にし、それによってダムへの依存を減らすことができると説明している。

ゲルダウ社はミナス州の鉱業部門に2025年までに32億レアルの投資予定(2023年6月15日付けヴァロール紙)

鉄鋼メーカーゲルダウ社はミナス州オウロ・プレート郡に所有するミゲル・ブル二エール鉱山の鉄鉱石生産を年間550万トンに引き上げるために、2025年までに32億レアルの投資を予定している。

ゲルダウ社CEOのGustavo Werneck氏は、ミゲル・ブル二エール鉱山で生産される鉄鉱石は、グループ傘下の製鉄所に送られ、国内の粗鋼生産の原料となるが、製造コスト削減で価格競争力の強化につながる。

この32億レアルに達する投資は、ミゲル・ブルニエ鉱山での鉱石採掘能力の拡大、オウロ・ブランコ(MG)の製鉄所に生産物を直接輸送するパイプラインの建設、および工場内で鉱石を処理するための設備の購入に使用される。

ミゲル・ブル二エール鉱山で生産される鉄鉱石生産の一部はバラン・デ・コカイス(MG)、ディビノポリス(MG)、セーテ・ラゴアス(MG)の各製鉄所にも供給される。

含有量が62.0%の鉄鉱石を原材料として使用すれば、低品質の鉱石に比べて必要なエネルギーが少なくなり、鉄鋼生産における炭素排出量が少なくなる可能性があると説明している。

Sigma Lithium社はリチウム生産許可取得で輸出開始か(2023年4月10日付けヴァロール紙)

カナダ資本 Sigma Lithium社は、ミナス州政府環境機関からリチウム鉱の操業許可を取得、ブラジルでは初めてとなるリチウム鉱生産を開始、ミナス州内の Araçuaí鉱山及び Itinga鉱山で今月から操業開始、輸出は5月から予定されている。

第 1 段階で、年間 27 万トンのリチウム濃縮物を生産予定、他の 2 つのフェーズは、6 月または 7 月に操業開始2024 年半ばには、年間76万6,000トンのリチウム鉱の生産が見込まれている。

シグマ社はリチウム鉱の販売と輸出の準備完了、産業プラントはすでに委託、検査を稼働している。今月から海外の顧客に最初の出荷を行うための蓄積を開始。 リチウムの主な市場は、ヨーロッパと米国に加えて、中国を中心としたアジアとなっている。

同社は製品の流通ロジスティクスも変更、 バイーア州イリェウス港からの輸出ではなく、エスピリット・サント州ビトリア港に変更。 ビトリア港は距離は少し遠いが、大型の倉庫施設があるために変更している。

Sigma社 のリチウムプロジェクトは、第 1 段階で 12 億レアルの投資を見積もっている。 フェーズ 2 と 3 では、追加で 10 億レアルが予算化され、新しい施設と組立作業のための機器だけで 1 億 5,500 万ドルが見込まれている。

先月、電気自動車メーカーのテスラ社が、自動車メーカーが自動車のバッテリー用の原材料を確保するための世界的な競争に合わせて、リチウム生産者の支配権を握ることに関心を持っているというニュースが流れたが、 Sigma社は支配権売却を否定している。

ブラジル国内で最も貧しい地域の 1 つである Jequitinhonha渓谷地域は膨大なリチウム鉱の埋蔵が確認されているが、世界的にはオーストラリア、カナダ、チリ、アルゼンチンが依然として技術的投入を支配しており、 .ブラジル国内でも100% 持続可能なプロセスから生まれるプレミアムな製品が必要となっている。

2022年のVotorantim Cimentos 社の純益は30%減少も売上は16%増加(2023年3月15日付けヴァロール紙)

ヴォトランチンセメント社Votorantim Cimentos の2022年の純益は、売上が16.0%増加したにも拘らず、生産コストの上昇の影響を受けて、 前年比30%減少の11億レアルに留まっている。

同社のグローバル ファイナンシャル担当のBianca Nasser ディレクターは、純益の大幅な減少の要因として、近年の企業買収及び大幅な減価償却を指摘。 昨年ヴォトランチンセメントは、 全世界で 前年比1.0%減少に相当する3,680 万トンのセメントを販売している。

同社の昨年の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、前年比6.0%減少の49億レアル、 Ebitdaマージンは5.0%減少の19.0%に留まっている。

昨年の純益減少は生産コスト上昇が影響しているが、世界のヴォトランチンセメントの売上は、生産コスト転嫁による販売価格増加で前年比16.0%増加の258億レアルに達している。

同社の昨年のブラジル国内の売上は前年比23.0%増加の127億レアル、Ebitda は2.0%増加の24億レアルを記録している。ヴォトランチンセメントは世界11カ国で生産販売を行っている。

昨年のヴォトランチンセメントの北米での売上は前年比4.0%増加の74億レアル、 Ebitdaは16%減少の16億レアル、米国およびカナダでの売上は増加したが、Ebitda減少はインフレコスト及びドルに対するレアル通貨下落が牽引している。

ヨーロッパ、アジア及びアフリカの昨年の売上は16.0%増加の34億レアル、 Ebitdaは20%増加の6億⒎600万レアル、ユーロが下落したにもかかわらず、インフレコストを緩和した価格管理が寄与している。

昨年の同社のラテンアメリカ地域の売上は、ウルグアイでの新規競合参入とボリビアでのデモが原因で、17.0%減少の8億1,200万レアル、Ebitdaは42%減少の1億3,800万レアルに留まっている。

今年のセメント販売は高止まりするインフレや金利で先行き不透明感が強い一方で、2009年のルーラ政権の経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設”私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida”の新規プログラムが依然として不透明となっているために、昨年並みの横ばいになる可能性をBianca Nasser ディレクターは指摘している。

 

ブラジルの今後5年間の鉱業部門投資総額は504億ドル(2023年2月7日付けヴァロール紙)

ブラジル鉱業協会(Ibram)の発表によると、ブラジル鉱業部門の2023年~2027年の短期投資5か年計画の投資総額は、2022年~2026年の投資総額を24.8%上回る504億ドルに達すると発表している。

今後5か年の鉱業投資総額504億ドルのうち65億ドルは、環境保全プロジェクトに投資されるが、2022年~2026年の環境保全投資総額42億ドルを23億ドル上回る投資が予定されている。

また鉄鉱石向け投資は前5か年計画比24.0%増加の169億2,000万ドル、銅鉱石開発向け投資は255%増加の44億⒎000万ドル、ニッケル鉱開発向け投資は60%増加の23億4,000万ドルが見込まれている。

ブラジル国内での最大の投資先は、パラー州で32.1%増加の139億⒎000万ドルと投資全体の約28%のウエートを占めている。

また今後5か年のミナス州向け投資は26.3%増加の114億4,000万ドル、バイア州は23.6%増加の102億4,000万ドル、アマゾナス州向け投資は5.8%増加の25億ドルが見込まれている。

2022年の鉄鉱石の販売は前年比26.0%減少の2,500億レアル、生産量は12.0%減少の10億500万トンに留まったとブラジル鉱業協会(Ibram)では発表している。

2022年のブラジルの鉄鉱石販売が大幅に減少した要因として、中国の需要低下及び鉄鉱石の国際コモディティ価格の24.8%下落、また亜鉛鉱は2.0%、銅鉱石は5.9%、錫鉱石は5.1%それぞれ価格減少していた。

昨年のブラジルの鉄鉱石生産は3.8%減少の3億5,820万トン、輸出額は27.9%減少の416億⒎000万ドル、昨年のブラジルの鉱物関連輸入は25.4%増加の112億ドル、貿易収支は37.6%減少の305億1,000万ドルの黒字を計上している。

資源大手ヴァーレ社の2022年の鉄鉱石生産は目標を下回る3億1,000万トンに留まる(2023年2月1日付けヴァロール紙)

鉄鉱石輸出で世界を牽引するブラジル資本ヴァーレ社の2022年の鉄鉱石生産は前年比1.6%減少の3億779万トンに留まり、生産目標にしていた3億1,000万トンを若干下回った。

昨年末のヴァーレ社の短期生産目標として、2023年の同社の鉄鉱石生産は3億1,000万トン~3億2,000万トンに設定、2026年は3億4,000万トン~3億6,000万トンに設定、3億6,000万トンを突破するのは2030年以降を見込んでいる。

昨年のヴァーレ社の鉄鉱石生産が目標を下回った要因として、パラー州カラジャス鉱山の Serra Norteシステムにおける環境ライセンス認可の遅れ、またカラジャス鉱山 Serra Sul地域に位置するS11D鉱山の難航している鉄鉱石生産の一方で、順調なミナス州の鉄鉱石生産及び他社からの鉄鉱石の買入が生産減少の歯止めとなった。

ヴァーレ社は昨年末に年間4 億トンの鉄鉱石生産量を追求しないことを明らかにした要因として、2019 年のミナス州ブルマジーニョ鉱山のフェイジョン1鉱滓用ダムの決壊事故による安全優先の生産を決定している。

ヴァーレ社の鉱業会社としての目標は、ますますガス排出量の削減を支援する鉄鋼メーカー向けの鉄ソリューションのプロバイダーを目指している。

ヴァーレ社の昨年第4四半期の含有量が62%以上の高含有量の鉄鉱石生産は前年同期比24.2%増加の8,120万トンを記録している。

同社の昨年第4四半期のニッケル生産は1.3%減少の4万⒎400トン、昨年1年間のニッケル生産はカナダに擁するSudbury 鉱山及びパラー州Onça Puma 鉱山の生産回復で前年比6.4%増加の17万9,100トンを記録している。

またヴァーレ社の昨年第4四半期の銅生産は前年同期比14.5%減少の6万6,300トン、昨年1年間の累積では、パラー州moinho de Sossego 鉱山のメンテナンスの延長の影響で前年比14.7%減少の25万3,100トンに留まっている。