不透明な中国経済並びにEvergrande Groupの破綻危機で鉄鉱石価格が下落(2021年9月20日付ヴァロール紙)

過去15か月間に亘って1トン当たりの鉄鉱石の国際コモディティ価格は100ドルを上回っていたが、中国の不動産開発大手、恒大集団(Evergrande Group)が、巨額の債務を抱えて経営破綻に直面しているニュースで、鉄鉱石価格は100ドルを割っている。

また中国の鉄鉱石需要の低下に伴って、過去15か月間に亘って100ドル以上の鉄鉱石価格は、100ドルを下回っており、今年初めから既に42%も下落している。

Fastmarkets MB指標によれば、含有量が62%の中国青島港での取引価格は8.8%減少の92.98ドルまで下落しており、2020年5月14日以降では最安価格を記録している。

Evergrande社は、中国最大級の民間企業で、不動産開発大手。280以上の都市で事業を展開しており、中国政府が推し進めてきた改革開放路線の下、ここ数十年間、不動産開発事業で急成長してきた。

Evergrande社が倒産すれば、鉄鋼需要の大きな建設業界に大きな影響が見込まれており、中国の鉄鋼需要の先行き不透明感が上昇すると見込まれている。

今年9月の鉄鉱石の国際コモディティ価格は39.5%下落、今年5月の鉄鉱石価格を240ドルを記録したが、既に61%も下落を記録している。また、中国政府は、二酸化炭素排出削減目標を達成するため、国内の製鉄所の稼働率を下げる取り組みを拡大してきている。

CSN Cimentosは有機的成長目指してセメント工場建設(2021年9月13日付ヴァロール紙)

CSNグループを率いる実業家ベンジャミン・スタインベック氏は、ブラジルの経済成長を牽引する可能性があるブラジル国内のインフレ部門及び建設部門の成長に楽観的な見方をしており、これらの部門の大型投資拡大を見据えて、セメント工場の建設を予定している。

CSN Cimentos社は、過去3か月間の12億ドルを投資して、ブラジル国内のLafargeHolcim社及びElizabeth Cimentos社の資産を買収、またブラジル国内の南部地域及び北部地域でのマーケットシェア拡大を目的に新規のセメント工場建設を予定している。

CSN Cimentos社は、LafargeHolcim社の買収以外に、ブラジル国内の南部地域、北部地域、北東部地域並びに中西部地域での有機的成長を図る戦略を練っているとCSNグループを率いるスタインバック氏は説明している。

CSN Cimentos社によるLafargeHolcim社の買収では、累積損失とのれんの間に、8億レアルのプラスのインパクトを同社ファイナンス担当のMarcelo Cunha Ribeiro取締役は説明している。

Dentro da CSN, a aquisição eleva a relevância do negócio do cimento em termos de geração de caixa dentro do grupo para cerca de 10% no próximo ano, além de possibilitar a chegada da CSN Cimentos a novos mercados, como Centro-Oeste.
Conforme o executivo, o grupo acredita que o processo de análise do negócio no Cade não será tão complexo. Assim como indicou Steinbruch, projetos de crescimento orgânico desenhados pela companhia antes da compra das operações do grupo Holcim serão mantidos e executados e a aquisição amplia as possibilidades. A integração de reservas de calcário no Paraná, por exemplo, representa oportunidade de entrada na região Sul.
Conforme o executivo, a Lafarge tem 10,3 milhões de toneladas de capacidade efetiva no país, mas diante da estratégia de buscar rentabilidade em detrimento de volume, a taxa de ocupação das fábricas gira em torno de 70% atualmente. O plano da CSN é combinar rentabilidade e volume a partir de agora. “Claro que isso não será feito imediatamente”, comentou, indicando que a ideia é chegar mais próximo das 9 milhões de toneladas de produção efetiva mais adiante.
Lafarge社のブラジル国内のセメントの年間生産は1,030万トン、平均設備稼働率は70%前後、今後は収益性の向上で年間900万トンのセメント生産を目標にしている。

8月のセメント販売は1.1%増加の590万トン(2021年9月9日付ヴァロール紙)

全国セメント工業組合(SNIC)の発表によると、経済動向の指標の一つである2021年8月のブラジル国内のセメント販売は、前年同月比1.1%増加の590万トン、1日の平均セメント販売は前年同月比マイナス1.0%の24万4,300トン、前月比では1.5%増加を記録している。

今年初め8か月間の国内のセメント販売は、前年同期比11.4%増加の4,340万トンを記録したが、今年初め7か月間の前年同期比のセメント販売増加率13.4%を2.0%下回っている。

高止まりする失業率、一般家庭の所得減少及び負債増加の影響で、今年8月の個人による自宅の住宅建設及びリフォーム向けセメント需要は減少に転じている。

一方新築住宅の建設ラッシュ及び新築住宅販売のリリース軒数は継続して増加傾向、またインフラ整備プロジェクト向けセメント需要は堅調に推移している。今年8月の過去12か月間の累計セメント販売は6,477万7,000トンを記録している。

セメント業界では、電力エネルギー料金の上昇、またドルの為替に連動している火力発電所向け原材料の国際コモディティ価格の上昇に危機感を抱いており、今年初め8か月間の旱魃による電力エネルギー料金は既に40%上昇している。

今年初め8か月間のセメント生産に不可欠なコークス価格は既に72.0%高騰、火力発電所向け消費財は125%も高騰、またディーゼル燃料、石灰石、セメント袋なども生産コストを押し上げている。

今年初め8か月間の鉱物関連ロイヤリティによる歳入は66億レアル(2021年9月2日付エスタード紙)

国家鉱業庁(ANM)の発表によると、2021年初め8か月間の鉱物関連ロイヤリティ収入は、大半の期間の鉄鉱石などの鉱物の国際コモディティ価格が高値を維持していたために66億レアルに達し、昨年同期の60億レアルを10%程上回っている。

今年上半期の1トン当たりの鉄鉱石の平均国際コモディティ価格は、184,17ドルで推移、昨年上半期の平均国際コモディティ価格91.59ドルの2倍以上の価格を記録、またレアル通貨に対するドル高の為替並びに記録を更新する鉄鉱石の生産もロイヤリティ収入増加を牽引している。

今年初め8か月間の鉱物関連ロイヤリティ収入を牽引したのは、ブラジル国内の鉄鉱石の主要産地のパラー州のロイヤリティ歳入は31億レアル、ミナス州は30億レアルを記録したが、8月のミナス州のロイヤリティ歳入はパラー州を上回った。

特にヴァーレ社による今年初め8か月間のロイヤリティによる歳入は36億レアル、またヴァーレ社傘下のMBR社によるロイヤリティ歳入は、4億6,100万レアルを記録している。

またAnglo American社による今年初め8か月間のロイヤリティによる歳入は4億5,200万レアル、ナショナル製鉄所傘下のCSN Mineração社のロイヤリティ歳入は、1億2,400万レアルを記録している。

今年8月のロイヤリティによる歳入総額は、鉄鉱石の国際コモディティ価格のボラティリティに晒されたにも関わらず、昨年同期の価格を大幅に上回った影響で、前年同月比123%増加の10億9,000万レアルを記録している。

鉄鉱石の国際コモディティ価格下落は、鉱業部門の第3四半期の収益を圧迫(2021年8月24日付ヴァロール紙)

今年8月から鉄鉱石の国際コモディティ価格の急激な価格減少の影響を受けて、鉄鉱石を生産するブラジルのヴァーレ社、ナショナル製鉄CSN及びウジミナス製鉄の第3四半期の収益圧迫が憂慮されている。

含有量が62%の鉄鉱石の1トン当たりの国際コモディティ価格は、今年5月に237ドルを記録したが、既に42%以上の下落を記録した影響で、ヴァーレ社の時価総額は1,000億レアル以上下落している。

昨日23日の鉄鉱石の国際コモディティ価格は2.7%減少の136.71ドル、8月の初め23日間だけで既に24.7%急落を記録、今年は既に14.8%下落している。世界的な鉄鋼需要の減少に伴って中国の鉄鋼生産の減少開始及び石炭の国際コモディティ価格上昇が鉄鋼メーカーのコスト上昇に繋がっている。

鉄鉱石の国際コモディティ価格の下落で、各鉄鋼メーカーの今年第3四半期の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、大きなダメージを受けるとItaú BBA社アナリストのDaniel Sasson氏は指摘している。

CSN社並びにUsiminas社は、鉄鉱石の生産部門のEbitdaに占める非常が非常に大きく、約55%~60%を占めている。一方Usiminas社のテックお席生産に占めるEbitdaの比率は35%~40%が見込まれている。

5月の鉄鉱石価格に比較して、1トン当たりの100ドル下落しても依然として適正価格を維持しているとDaniel Sasson氏は説明している。ヴァーレ社は今年の業績が好調で、1株当たり25ドル、今年のEbitdaは407億ドル、来年のEbitdaは325億ドルをそれぞれ予想されている。

今年のヴァーレ社の鉄鉱石生産は、3億2,500万トンに上方修正されており、2022年の鉄鉱石生産は、3億5,500万トンが見込まれている。

株式市場関係者は、CSN社の平均株価は48レアル、今年のCSN社の鉄鉱石部門のEbitdaは、5月の238ドルをピークとした鉄鉱石価格高騰で前年比78%増加、全体の58%を占めると見込まれている。

今年第2四半期の1トン当たりの平均鉄鉱石価格は200.47ドルであったが、今年7月1日から8月23日迄の191.61ドルに下落したが、1年前の昨年第3四半期は118.08ドルを依然として大幅に上回っている。

ヴォトランチンセメントは来年IPOに再度挑戦(2021年8月11日付けエスタード紙)

ヴォトランチンセメント社は、8年前にサンパウロ証券取引所で新規株式公開を試みたにも関わらず、投資家の注目を集めることができずに、IPO中止を余儀なくされていた経緯があった。

ヴォトランチンセメント社のMarcelo Castelli社長は、来年中の同社のIPOに再度挑戦を表明しているが、IPO時期や株価の設定など詳細は依然として明らかにしていない。

来年中の同社のIPOは、ニューヨーク並びにサンパウロでの同時の新規株式公開をMarcelo Castelli社長は示唆している。ヴォトランチンセメント社は、ブラジルのセメント業界のリーダーであり、世界6位のプレーヤーの地位を確保している。

今年は建設不動産業界にとって建築ブームにも拘らず、ヴォトランチンセメント社のコンペチターは、サンパウロ証券取引所B3での新規株式公開の先送りを余儀なくされている。

CSN Cimentos社は、今年7月に予定していたIPOの先送りを発表したが、InterCement社は、同社が希望する株式販売価格が設定していた最低価格を下回ったためにIPOを取りやめた経緯があった。

昨日発表のヴォトランチンセメント社の今年第2四半期の純益は、前年同期の1億5,300万レアルの赤字から一転して、6億9,200万レアルの大幅黒字を記録している。

今年の鉱物関連ロイヤリティの臨時歳入は、前年比30%増加の90億レアル予想(2021年7月22日付けエスタード紙)

ブラジル鉱業協会(Ibram)の統計によると、今年上半期の鉱物関連ロイヤリティによる臨時歳入総額は、前年同期比111.7%と倍増以上の44億8,000万レアルに達している。

今年の鉱物資源の需要が中国の好調な経済が牽引して、鉄鉱石を中心に国際コモディティ価格の上昇及びレアル通貨に対するドル高の為替で、下半期も上半期同様に大きな需要が継続するとブラジル鉱業協会(Ibram)のWilson Brumer会長は予想している。

今年下半期の鉱業部門の売上は、上半期同様の1,500億レアル予想で、年間の売上は3,000億レアルを予想、鉄鉱石の国際コモディティ価格は、年末まで1トン当たり200ドル~220ドルを維持するとWilson Brumer会長は予想している。

今年の中国のGDP伸び率は8.5%が見込まれており、今年の中国の粗鋼生産は10億トンに達するが、来年の中国の鉄鉱石需要は、今年並みに留まると予想している。

今年下半期に予想されている旱魃による水力発電所の電力危機対応の節電や節水は余儀なくされるが、各鉱業企業は電力エネルギー確保のために、各社は太陽光発電や風力発電も代替えエネルギー部門に投資してきているために、鉱業部門への電力エネルギー危機は、今年の鉱物生産には影響を及ぼさないとブラジル鉱業協会(Ibram)では見込んでいる。