負債を抱える59万人が債務再交渉プログラムで18億レアルの債務返済交渉 (2023年11月6日付けヴァロール紙)

6日付けの財務省の発表によると、債務再交渉プログラムo Desenrolaでブラジル人59万人が負っている18億レアルの債務についてすでに再交渉を行っている。

また11月2日までに、負債総額21億レアルに相当する100万件以上の債務が僅か負債総額の10%強に相当する2億6,200万レアルの返済で再交渉されていた。

債務再交渉プログラムo Desenrola は10月9日から交渉開始、現段階ではクレジットカードなどの銀行債務と、電気、水道、衛生、小売業など他の分野からの延滞請求が含まれている。

債務再交渉プログラムo Desenrolaは負債を抱えているブラジルの一般消費者が信用を取り戻すための実行可能かつ持続可能な交渉を提供していると財務省では説明している。

一般消費者が抱えるこれらの負債は、FGO によって保証され、頭金なしで現金または資金調達で最長 60 か月以内にでの返済が可能となる。月利は最大 1.99% で、最初の分割払いは 59 日以内に行われる。

債務再交渉プログラムo Desenrolaのフェーズ 2 では、7 月から 10 月にかけて 205 億レアルが再交渉され、280 万件の契約が再交渉、220 万人の顧客に恩恵をもたらした。

 

 

最終フォーカスレポートは来年のインフレ指数を再度上方修正(2023年11月6日付けヴァロール紙)

6日発表のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2024年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の3,90%から3,91%.に上方修正したが、2025年のIPCAは前回同様3,50%に据置いている。2023年のIPCAは前回予想の4,63%に据え置いている。

今年末の政策誘導金利Selicは、前回同様11,75%に据置いた一方で、2024年のSelic金利は9,25%、2025年のSelic金利も8,75%それぞれ据置いている。

ブラジル中銀の今年のIPCA指数の中央目標値を3.25%、2024年及び2025年の中央目標値を3.00%、許容範囲は±1.50%を設定している。

今年のGDP伸び率は、前回予想の2,89に据置、2024年のGDP伸び率は1,50%、2025年のGDP伸び率も前回同様1,90%に据置いている。

ブラジル地理統計院(IBGE)は9月1日、2023年第2四半期(4~6月期)の国内総生産(GDP)の成長率が、前期と比較して0.9%増加を記録したとする国民経済統計を発表した。

Valor社の74社のコンサルタント会社や金融機関対象の調査によると、今年のGDP伸び率の最低予想はマイナス0,8%、最高予想は1,1%増加、平均予想は0,3%増加であった。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替は前回同様R$ 5,00に据置、2024年末はR$ 5,05、2025年末のドルの為替はR$ 5,10にそれぞれ据え置いている。

9月の鉱工業部門生産は前月比0,1%増加(2023年11月1日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、2023年9月の鉱工業部門生産は前月比0,1%増加に留まった。

Valor Data社が29社のコンサルタント会社及び金融機関対象の調査では、最低予想がマイナス0,4%、最高予想が0.8%増加、平均予想の0,2%増加を若干下回っている。

今年9月の鉱工業部門生産は前前同月比0.6%増加、Valor Data社の調査では最低予想はマイナス0.2%、最高予想は2.3%増加、平均予想0.7%増加は若干上回っている。

今年9月の過去12カ月間の鉱工業部門の累積生産は前年同期比並みで推移、今年初め9か月間の鉱工業部門の累積生産は前年同期比マイナス0.2%を記録している。

今年9月の鉱工業部門生産は過去最高水準を記録した2011年5月よりもマイナス18.1%の水準に留まっており、Covid-19 パンデミック直前の2020年2月を依然としてマイナス1.6%の水準に留まっている。

今年9月の鉱工業部門の4部門のうち3部門で前月比マイナスを記録、また調査対象の25セクターのうち18セクターで増加を記録している。資本財部門は前月比マイナス2.2%、前年同月比ではマイナス12.9%と二桁台の落込みを記録している。

今年9月の耐久消費財部門は前月比マイナス4.3%、前年同月比マイナス3.0%を記録している。前記同様非耐久消費財部門はマイナス1.4%、2.8%増加を記録している。また鉱工業部門生産の55.0%を占める中間財部門生産は唯一0.3%増加を記録、前年同月比では1.2%増加している。

過去1年間の鉱工業部門の月間生産推移

過去1年間の過去12カ月間の鉱工業部門の累積生産推移

今年第3四半期の平均失業率は7.7%(2023年10月31日付けヴァロール紙)

31日発表のブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、2023年第3四半期の月間平均失業率は7.7%に減少、2014年に記録した失業率6.9%以降では最低の失業率を記録している。

2023年第3四半期の月間平均失業率7.7%は、2023 年第 2 四半期の8%並びに2022 年同時期の8.7% の両方を下回った。 また6月から8月終了の四半期は7.8%だった。

Valor Dataっ社が21社のコンサルタント会社や金融機関対象の調査では、最高の失業率7.9%、最低の失業率7.6%、平均失業率予想は7.75%であった。今年第3 四半期の14歳以上の労働者人口の中で失業中の人口は830万人であった。

今年第3 四半期の失業中の人口830万人は、第 2 四半期比では3.8% に相当する33 万 1,000 人減少、2022 年の同時期と比較して 12.1%に相当する110 万人減少している。これは2015年3月から5月に終了した移動四半期の失業者数の830万人以来最低の失業者数となった。

今年7月から9月までの四半期の就業人口(従業員、雇用主、公務員)は9,980万人で、調査が開始された2012年以降では最大の就業人口を記録している。

今年第3四半期の労働者数は前四半期比0.9%に相当する92万9,000人増加、前年同期比では0.6%に相当する56万9,000人の増加を記録している。今年第3 四半期の労働者の平均収入は前年同期比 1.7% に相当する49レアル増加の増加の2,982 レアルとなった。

2012年3月から2023年9月迄の失業率の推移

2012年3月から2023年9月迄の朗雄同社の平均賃金の推移

10 月のインフレ指数のIGP-M は予想を下回る0,50% (2023年10月30日付けヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)のインフレ調査によると、2023年10月の住宅賃貸料調整基準となるインフレ指数の総合市場物価指数(IGP-M)は、前月の0,37%を大幅に上回る0,50%を記録している。

Valor Data社の17社の金融機関やコンサルタント会社対象の調査では、最低予想は0,38%、最高予想は0,76%.平均予想の0,54%を若干下回った。

今年初め10か月間の累計総合市場物価指数(IGP-M)はマイナス4.46%、10月の過去12カ月間の累計総合市場物価指数(IGP-M)はマイナス4,57%を記録している。

2022年10月の総合市場物価指数(IGP-M)は0.97%、昨年10月の過去12カ月間の累計総合市場物価指数(IGP-M)は6.52%であった。

主要な国際コモディティの生産者指数は上昇を続けており、牛の生産者指数はマイナス10.11から6.97%、VHP粗糖はマイナス2.70%から12.88%、牛肉の生産者指数はマイナス4.55%から3.85%それぞれ大幅に上昇している。

これらの生産者指数の上昇は、小売最終製品の価格に影響を与える品目に部分的に影響を及ぼし、消費者物価指数の食品グループで観察されたデフレのマイナス0.60%からマイナス0.39%を緩和する効果に繋がっている.

60%のウエイトを占める1 月の総合生産者物価指数 (IPA-M) は、10月に0.60%の上昇を記録し、9月の0.41%の上昇を上回ったとジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)では説明している。0.60%の上昇に寄与した主な要因は、加工食品のサブグループであり、同期間にその割合は -0.74% から 0.49% に上昇している。

10 月の中間財グループのインフレ指数は 0.69% 上昇し、前月に記録した 1.50% の上昇に比べて鈍化した。インフレ指数の鈍化に影響を与えた主な要因は、生産用の燃料および潤滑油のサブグループであり、その割合は 15.04% から 2.32% の上昇に留まっている。

原材料段階での10月のインフレ指数は  1.06% の増加を記録して、9 月に観察された 0.38% のデフレから反転している。

IGP-M の 30% を占める10月の消費者物価指数 (IPC-M) は9月と同率の0.27%、指数を構成する 8 グループのうち、5 グループは変動率が増加し、2 グループは減少し、1 グループは前月と同じ率を維持した。

10月の総合市場物価指数(IGP-M)の10%のウエートを占めるブラジル建設コスト指数 (INCC-M)は、9月の0.24%から0.20%と若干減少している。

過去1年間の総合市場物価指数(IGP-M)の月間推移

過去1年間の過去12か月間の累計総合市場物価指数(IGP-M)の月間推移

今年9月並びに10月の総合市場物価指数(IGP-M)を構成するグループ別の増減

 

最終フォーカスレポートは2024 年末のSelic金利を9,25% に上方修正(2023年10月30日付けヴァロール紙)

30日発表のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2024年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の3,87%から3,90%に上方修正したが、2025年のIPCAは前回同様3,50%に据置いている。2023年のIPCAは前回予想の4,65%から4,63%に下方修正している。

今年末の政策誘導金利Selicは、前回同様11,75%に据置いた一方で、2024年のSelic金利は9,00%から9,25%、2025年のSelic金利も8,50%から8,75%それぞれ上方修正している。

ブラジル中銀の今年のIPCA指数の中央目標値を3.25%、2024年及び2025年の中央目標値を3.00%、許容範囲は±1.50%を設定している。

今年のGDP伸び率は、前回予想の2,90%からに2,89%下方修正、2024年のGDP伸び率は1,50%、2025年のGDP伸び率も前回同様1,90%に据置いている。

ブラジル地理統計院(IBGE)は9月1日、2023年第2四半期(4~6月期)の国内総生産(GDP)の成長率が、前期と比較して0.9%増加を記録したとする国民経済統計を発表した。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替は前回同様R$ 5,00に据置、2024年末はR$ 5,05、2025年末のドルの為替はR$ 5,10にそれぞれ据え置いている。

9月の中央政府の財政プライマリー収支は115億4,800万レアルの黒字計上(2023年10月26日付けヴァロール紙)

2023年9 月のブラジルの中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府のインフラ指数を差引いた実質財政プライマリー収支は、115億4,800万レアルの黒字計上している。

今年9月の中央政府の実質財政プライマリー収支の115億4,800万レアルの黒字は、統計を取り始めた1997年初めからでは7番目の黒字を記録している。

今年9月の過去12カ月間の累積財政プライマリー収支は、GDP比0.7%に相当する714億レアルの赤字を計上している。

連邦政府の今年の財政プライマリー収支は、2,315億レアルの赤字以内に収めることを目標にしている一方で、財務省並びに計画予算省は、1,414億レアルの赤字を予想している。

2022 年 9 月の財政プライマリー収支は 109 億レアルの黒字。 2022 年財政プライマリー収支は、GDP比0.5%に相当する541 億レアルを黒字であった 。

今年9月の国庫庁の財政プライマリー収支は、327億レアルの黒字を計上した一方で、社会保障院は210億8,900万レアルの赤字、中央銀行は9,300万レアルの赤字を計上している。

今年初め9か月間の中央政府の累計財政プライマリー収支は933億レアルの赤字を計上、そのうち国庫庁は1,558億レアルの黒字計上、社会保障院は2,488億レアルの赤字、中央銀行も3億6,700万レアルの赤字を計上している。

今年9月の中央政府の純歳入は、前年同月比10.7%増加の1,702億レアルであった。一方今年9月の中央政府の純歳出は、前年同月比11.5%増加の1,586億レアルを記録している。

今年初め9か月間の中央政府の累計歳入総額は、前年同期比マイナス3.8%の1兆3,950億レアルに対して、累計歳出総額は、5.2%増加の1兆4,880億レアルを記録している。

日系ブラジル人のブラジルへの仕送りが年々減少傾向(2023年10月24日付けヴァロール紙)

10年少し前までは日本在住の日系ブラジル人のブラジルへの送金総額は米国に次いで2位であったが、今では9位と大幅に後退している。

ブラジル中央銀行の統計によると、2010年の日本からブラジルへの送金額は4億1,210万ドルで、米国の7億8,580万ドルに次いで2位であった。しかし 2022年、日本の居住者はブラジルに1億700万ドルを送金したが、米国からの送金総額は10倍以上に相当する22億ドルがに達している。

早稲田大学の経済学者で研究者のエリック・ウラモト氏は、約21万人の在日ブラジル人がイタリアやフランスなどブラジル人コミュニティの規模が小さい国に比べて送った資金が少ないため、最近のデータは注目を集めていると指摘している

2005年の在日ブラジル人は30万人に達していたが、この数字は、日本が外国人労働者の自国への帰還を支援する政策を開始した2008年から2009年の世界的危機の後、在日ブラジル人は大幅に減少したとウラモト氏は指摘している。

一般的に日本に行くブラジル人はもはや一時的に働くために国を変え、後で帰国する計画を立てている単独の人々の「デカセギ」ではなく、家族を伴う労働者であると専門家は指摘している。

一時的な移民運動から恒久的な移民運動への移行に伴い、国際システムにおける強い通貨である円、あるいはドルで資金を維持することが在日ブラジル人にとっての選択肢だったのかもしれない、とウラモト氏は説明している。

2018年以降、日系人の第4世代である「四世」の永住ビザ取得規則ははるかに複雑になったとJacques Zylbergeld氏は指摘。たとえば、ビザの有効期間は現在最長 5 年であり、日本語の基本的な理解を証明する必要がある。

日本政府は日系四世の要件の緩和を検討しており、現状では年間4,000人のブラジル人を受け入れる予定だったが、これまで受け入れたのは200人未満に留まっているとZylbergeldは説明している。

ブラジル人は日本国内の外国人労働者の7.4%に相当する13万5,200人、フィリピン人の11.3%、中国人の21.2%、ベトナム人の25.4%に次ぐ4位に後退している。 2010年10月時点では、日本で働く外国人労働者の17.9%に相当する11万6,400人と、存在感の強い中国人の44.2%に次いで2位であった。

日本在住のブラジル人の5万3,100人が製造業部門に従事、5万800人はサービス業に従事していた。「四世」に対するビザ要件が緩和される可能性で、日本からブラジルへの送金が若干回復する可能性があるとZylbergeldは説明している。

 

 

 

 

第2四半期の4州政府は財政責任法(LRF)が定めた制限を上回っている。(2023年10月23日付けヴァロール紙)

北大河州、ロライマ州、アクレ州、ミナス・ジェライス州政府は、州公務員の人件費総額と純経常収益(RCL)の関係について、第2四半期の財政責任法(LRF)が定めた制限を上回っている。

このデータは、財務省が今週月曜日23日に発表した、各州政府とブラジリア連邦直轄地に焦点を当てた財政運営報告書から抜粋されている。

財政責任法(LRF)によって設定された 49% の上限比率は、北大河州州では、上限比率を9%近く上回る 57.76% に達しておりでした。次いでロライマ州は51.61%、アクレ州は49.92%、ミナス・ジェライス州政府は49.62%とそれぞれ上限比率を突破している。

純連結負債の場合では、財政責任法(LRF)の 2 倍という制限を超えた州はなかった。南大河州政府はこの制限に最も近づき、連結純負債は財政責任法(LRF)の189%に達しており、2022年末時点では199%であった。

南大河州政府に次いで2位はリオ州政府の連結純負債は財政責任法(LRF)は、168%から185%に上昇している。

リオ州政府に加えて、サンパウロ州政府、アマゾナス州、ロライマ州政府のみが、依然として限界には程遠いものの、比率の増加が記録されたが、他の州政府では低下している。

このデーターには、財政責任法(LRF)と比較して裁判所命令の件数が最も多い3つの州、南大河州は31%)、ブラジリア連邦直轄地は22%、ロンドニア州は22%と示されている。

今年8月のGDP伸び率は前月比0.6%減少(2023年10月23日付けヴァロール紙)

ゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(FGV/Ibre)のGDP伸び率モニター調査によると、2023年8月のGDP伸び率は前月比0.6%減少を記録している。

今年8月のGDP伸び率は前年同月比2.5%増加、6月から8月の四半期のGDP伸び率は前年同期比2.8%増加している。また今年8月の過去12カ月間の累積GDP伸び率は、前年同期比3.0%増加を記録している。

今年8月のGDP伸び率は前月比0.6%減少した要因として、大豆などの農畜産物の生産減少並びに主に機械・装置部門の業績不振により、住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)部門のGDP伸び率の後退はさらに深刻化しているとゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(FGV/Ibre)のJuliana Treceコーディネーターは指摘している。

6月から8月の四半期の家族向け消費は3.1%増加。 3月から5月の四半期以降の家族向け消費は若干の変化が見られるものの、家計消費の伸びは安定している。ここ数四半期では、サービス部門の消費がその寄与を減らしている一方、耐久製品の消費が総消費に占める割合が増加している。

6月から8月の四半期の国内総固定資本形成(FBCF)部門のGDP伸び率は5.0%減少した。 2022年4月終了の四半期以来初めて、建設部門が後退したが、国内総固定資本形成(FBCF)への寄与度が-0.2ポイントと小さいことは、年初からこの部門で観察された大きな後退を正当化するものではないとJuliana Treceコーディネーターは指摘している。

6月から8月の四半期の商品とサービスの輸出が10.6%増加。 年間を通じて輸出の好調は農産物と鉱物採掘の輸出の伸びによって説明されている。

6月から8月の四半期の輸入総額は4.6%減少。 中間財の輸入が主にこの減少の原因となっているが、同期間にはサービスの輸入も減少していた。

今年初め8か月間のブラジルの累計 GDP が 7 兆 398 億 300 万レアル、8月の投資率は17.5%で、2000年以降の歴史的平均をわずかに上回った。