タルシジオ州知事はSPのストライキは民営化を継続するというサンパウロ州政府の信念を強化(2023年10月3日付けヴァロール紙)

サンパウロ州政府のタルシジオ・デ・フレイタス州知事(共和党)は、3日早朝からのストライキは公社の民営化、利権、アウトソーシングに反対してメトロ、サンパウロ都市圏鉄道会社(CPTM)、サンパウロ州水道会社(Sabesp)の労働者と労働組合が行ったストライキを攻撃し、この動員は「違法」であると強調している。

タルシジオ州知事は、今回のストライキは地下鉄とCPTM路線の民営化を評価するというサンパウロ州政府の信念を強化するものであり、両公社の売却は2022年の州知事選挙でサンパウロ州民によって承認されていただろうと説明している。

同州知事は今日のストライキを「政治的・イデオロギー的利益」と2024年の市町村選挙と関連付けて政治問題化し、また、ギリェルメ・ボウロス連邦下院議員(Psol)のサンパウロ市長選への立候補前についても間接的に批判した。

またタルシジオ州知事は、今回のストライキは我々が正しい道を進んでいるという確信を強めたと述べている。

タルシジオ州知事は記者団に対し、我々が実施する調査次第ではメトロとCPTM路線は民営化または認可される可能性があると説明している。

ま同州知事は、2022年の地方統一選挙期間中、サンパウロ州公社の民営化を擁護し、州公社の民営化は世論調査で承認されていたと繰り返し強調している。

タルシジオ州知事はメトロ、サンパウロ都市圏鉄道会社(CPTM)、サンパウロ州水道会社(Sabesp)の労働者と組合の運動を厳しく批判し、ストライキの権利濫用と指摘している。

この10月のストライキは終了後に、組合側は11月のストライキを計画している可能性があり、これがストライキ権の濫用に他ならないと指摘している。

タルシジオ州知事は2024年の市長選挙を見据え、今回のストライキは来年の選挙との関連性が否定できないと指摘、今後もこうしたストライキ運動が繰り返されることを憂慮している。今回は4回目のストライキの試みで、2回目は短期間に実行され、明らかに政治的動機があると示唆している。

連立与党のリカルド・ヌーネス市長(MDB)を支持しているタルシジオ州知事は、残念ながら、今日では労働組合と政党が混同されている。特定の政党によるこれらの組合が支配されており、対話の意欲がまったくないことをすでに示している政党と説明した。

そして彼らは、来年の地方選挙での勝利を求めている。サンパウロ州政府と話し合いたくない人物が統治するサンパウロ市の先行きを心配しており、サンパウロ市長選に立候補が噂されているギリェルメ・ボウロス連邦下院議員(Psol)の名前は言及しなかった。

9月の企業経営者の景況感指数(ICE)は94,1ポイントと前月比では0,7ポイント減少(2023年10月2日付けヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、2023年9月の企業経営者の景況感を計る企業経営者の景況感指数(ICE)は94,1ポイントと前月比では0,7ポイント減少と4カ月連続で前月比割れを記録している。

景況感は分岐点の100ポイントを依然として大きく下回っているが、セクターごとに結果は不均一であり、サービスセクターおよび建設セクターの現状認識は一定の回復力を示しているが、鉱工業セクターおよび商業セクターは減速段階を示唆している。

建設セクターを除くすべてのセクターで期待は楽観的ではなくなっており、建設セクターでは今後数カ月は引き続き良好な事業環境が予想されている。

半年先の企業の悲観的な見方は通常、翌月の投資や雇用の決定を予測する変数であるため、懸念されているとFGV Ibre統計部門のAloisio Campelo Jr部長は指摘している。

今年9月の企業経営者の景況感低下は、今後数カ月に関する見通しの悪化が原因となっており、見通し信頼感指数(IE-E)は2.1ポイント低下の93.1ポイントとなっている。

9月の企業経営者の見通し信頼感指数(IE-E) の全ての構成要素が低下し、特に 3 か月間の需要指標は1.9 ポイント低下、また6 か月先のビジネス傾向は2.1 ポイント低下している。9月の現況景気指数 (ISA-E)は0.9ポイント上昇し、94.5ポイントとなった。

FGV Ibre が作成した企業経営者の景況感指数(ICE)は調査の対象となる産業、サービス、商業、建設の 4 つのセクターの信頼指数を統合している。

9月には主要4セクターのうち3セクターで信頼感が低下したが、唯一の例外は建設セクターであった。鉱工業セクターの信頼感指数は3か月連続で低下し、2020年7月以来の最低水準となる91.0ポイントに達している。

サービスセクターの信頼感指数は0.5ポイント低下して96.9ポイント、商業セクターの信頼感指数は1.6ポイント低下して92.2ポイントとなった。逆に建設業セクターの景況感は2.2ポイント上昇し98.1ポイントとなり、4セクター中で最高水準となった。

9月には企業経営者の景況感指数(ICE)を構成する49セグメントのうち43%で景況感が上昇したが、その広がりは前月の51%よりも低下した。

 

最終フォーカスレポートによると、2024年のIPCAは3,87%に微修正 (2023年10月2日付けヴァロール紙)

2日のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2023年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回同様に4,86%に据置いた。

2024年のIPCAは前回予想の3,86% から3,87%に微調整したが、2025のIPCA指数は前回同様3,50%に据置いている。

今年末の政策誘導金利Selicは前回同様11.75%に据置、2024年末は9.00%、2025年末のSelic金利は8.50%それぞれ据え置いている。

ブラジル中銀の今年のIPCA指数の中央目標値を3.25%、2024年及び2025年の中央目標値を3.00%、許容範囲は±1.50%を設定している。

今年のGDP伸び率は前回同様2,92%を予想、2024年のGDP伸び率は1,50%、2025年のGDP伸び率も前回同様1,90%に据置いている。

ブラジル地理統計院(IBGE)は9月1日、2023年第2四半期(4~6月期)の国内総生産(GDP)の成長率が、前期と比較して0.9%増加を記録したとする国民経済統計を発表した。

ヴァロール紙が74社のコンサルタント会社並びに金融機関対象の調査によると、今年第2四半期のGDP伸び率の最低予想はマイナス0.8%、最高予想は1.1%増加、平均予想は0.3%増加であった。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$ 4,95、2024年末は前回予想のR$ 5,00からR$ 5,02に微調整したが、2025年末の為替はR$ 5,10に据置いている。

過去12カ月間及び今後の12カ月間のSelic金利の推移及び予想

過去12カ月間及び今後の12カ月間のGDP伸び率の推移及び予想

過去12カ月間及び今後の12カ月間のドルの為替の推移及び予想

今年8月のブラジルの財政プライマリー収支赤字は228億3,000万レアルを計上(2023年9月29日付けヴァロール紙)

9月29日のブラジル中央銀行の発表によると、2023年3月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府及び州政府と市町村で構成される地方政府を合わせたブラジル政府の財政プライマリー収支は、228億3,000万レアルの赤字を計上している。

今年8月の中央政府の財政プライマリー収支は、261億8,200万レアルの赤字を計上した一方で、地方政府の財政プライマリー収支は、24億8,500万レアルの黒字を計上、公社も8億6,600万レアルの黒字を計上している。昨年8月のブラジルの財政プライマリー収支は、302億7,900万レアルの赤字を計上していた。

ブラジル政府の財政プライマリー収支には、ペトロブラス石油公社(Petrobras)、ブラジル中央電力公社(Eletrobras)、ブラジル銀行(BB)及び連邦貯蓄金庫(Caixa)などの公立銀行の決算は含まれていない。

今年8月の過去12カ月間の累積財政プライマリー収支は、GDP比0.70%に相当する730億7,100万レアルの赤字を記録、今年7月の過去12カ月間の累積財政プライマリー収支は、GDP比0.77%であった。

今年初め8か月間の累積財政プライマリー収支は、790億90万レアルの赤字を計上しているが、前年同期は1,200億5,600万レアルの黒字を計上していた経緯があった。

今年8月の利払いを含むブラジルのインフレ指数を考慮しない名目財政プライマリー収支は、1,065億6,100万レアルの赤字を記録したが、前年同月の名目財政プライマリー収支は、659億700万レアルの赤字であった。

また今年8月の過去12カ月間の累積名目財政プライマリー収支は、GDP比7.3%に相当する7624億5,100万レアルの赤字を計上、今年7月はGDP比6.95%の赤字を計上していた。

今年8月の連邦政府の名目公的負債総額は、GDP比74.4%に相当する7兆7,720億レアル、今年7月の名目公的負債総額はGDP比74.8%であった。

 

今年6月~8月の四半期の月間平均失業率は7.8% (2023年9月29日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の継続的全国家庭サンプル調査(Pnad Continua)の調査結果を発表によると、2023年6月~8月の四半期の月間平均失業率は、7.8%と5月~7月の前四半期の平均失業率8.3%を0.5%下回る大幅な減少を記録している。

今年6月~8月の四半期の月間平均失業率7.8%は、2015年2月の四半期に記録した平均失業率の7.5%以降では最低の失業率を記録している。

Valor社が29社のコンサルタント及び金融機関対象の調査では、最低予想は7.7%、最高予想は7.9%、平均予想の7.8%と結果が一致している。

今年6月~8月の四半期の14歳以上の月間平均失業者数は840万人、前四半期比では、5.9%に相当する52万8,000人の減少に相当している。また前年同期比では、13.2%に相当する130万人の減少を記録している。

今年6月~8月の四半期の労働者人口は、前四半期比1.3%に相当する130万人増加の9,970万人に達している。また前年同期比では、0.6%に相当する64万1,000人増加を記録している。

 

 

2022年3月から2023年6月までのの平均失業率の推移

今年8 月の中央政府の財政プライマリー収支赤字は263億5,000万レアル計上 (2023年9月28日付けヴァロール紙)

2023年8 月のブラジルの中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府のインフラ指数を差引いた実質財政プライマリー赤字は、263億5,000万レアル計上、統計を取り始めた1997年初めからでは過去4番目の赤字幅を記録している。

今年8月の過去12カ月間の累積財政プライマリー収支赤字は、GDP比0.69%に相当する709億レアルを記録している。

今年の中央政府の財政プライマリー目標は最大2,315億レアルの赤字だが、財務省と計画予算省は1,414億レアルの赤字に留まると予想している。

2022年8月の中央政府の財政プライマリーは、503億5,600万レアルの赤字を計上していたにも関わらず、2022年の中央政府の財政プライマリーは、GDP比0.5%に相当に相当する541億レアルの黒字を計上していた。

今年8月の国庫庁は、65億1,900万レアルの赤字を計上、社会保障院INSSも197億1,800万レアルの赤字を計上、中央銀行も1億1,300万レアルの赤字を計上していた。

今年初め8か月間の中央政府の累積財政プライマリー収支は、1,045億レアルの赤字を計上したが、国庫庁は1,234億レアルの黒字を計上した一方で、社会保障院は2,277億レアルの赤字、中央銀行も2億7,400万レアルの赤字を計上していた。

8月の中央政府の純収入は、前年同月比マイナス7.1%に相当する1,347億レアルに対して、支出総額はマイナス18.5%に相当する1,611億レアルを記録している。

今年初め8か月間の純歳入総額は、マイナス5.5%に相当する1兆2,250億レアル、歳出総額は4.5%増加の1兆3,290億レアルを記録している。

 

中銀は今年の経常収支赤字を360億ドル、2024年は370億ドルを予想(2023年9月28日付けヴァロール紙)

28日ブラジル中央銀行の四半期インフレレポート(RI)では、2023年のブラジルの経常収支赤字を前回予想の450億ドルから360億ドルの大幅な下方修正を行っている。また2024年の経常収支赤字も370億ドルに下方修正している。

今年も来年も、貿易収支の堅調な黒字、経常収支赤字を上回る対内直接投資(IDP)の純流入を特徴とする好ましいシナリオが予想されている

今年の経常収支の改善の要因として、輸出額の増加と輸入額の減少の影響を受けて、貿易収支が540億ドルから680億米ドルに改善すると予想されている。

2024年の経常収支の予測では、2023年に比べて輸出が輸入よりも大幅に増加することが見込まれており、貿易収支は記録更新となる710米ドルに達する見通しとなっている。

しかしながら、これに伴う経常赤字の減少は、サービス部門の赤字増加によって相殺される一方、第一次所得支出は若干減少すと見込まれている。

 

9月の鉱工業部門の企業経営者の企業経営者景況感指数(ICI)は、前月比マイナス0,4ポイントの91,0ポイントと3カ月連続で前月割れを記録(2023年9月27日付けヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、2023年9月の鉱工業部門の企業経営者の景況感を計る企業経営者景況感指数(ICI)は、前月比マイナス0,4ポイントの91,0ポイントと3カ月連続で前月割れを記録して2020年7月に記録した89,8ポイント以降では最悪の水準位落込んでいる。

今年7月~9月の四半期の平均企業経営者景況感指数(ICI)は、前四半期比でマイナス1,0ポイントの91,4ポイントに減少している。

今年第3四半期の平均企業経営者景況感指数(ICI)の落込みは、最終四半期の企業経営者景況感指数(ICI)も憂慮されている要因として、金利の高止まり、一般家庭の過度な負債、鉱工業部門の高止まりしている在庫、消費財を中心とした国内需要の減少が鉱工業部門の足かせになっている。

中間財の生産に関連する部門からの外需の影響を受けて、現状に対する企業経営者の認識は改善しているものの、短期的に信頼感を改善するにはまだ不十分であるとFGV IbreエコノミストのStéfano Pacini氏はコメントしている。

9月の調査対象となった19セクターのうち11セクターでは信頼感が低下。この結果は、今後数カ月に関する予想の悪化にもかかわらず、現状のより良い評価を反映している。

9月の企業経営者の現状景況感指数(ISA)は、1,2ポイント増加の89,7ポイントを記録した一方で、先行き景況感期待指数(IE)は、マイナス2,0ポイントの92,4ポイントと2023年2月に記録した91,4ポイント以降では最低を記録している。

現在の鉱工業部門の需要水準を示す指標は横ばいで、0.1ポイント変動の91.6ポイントを記録している。

.鉱工業部門の在庫水準は、1.6ポイント上昇して115.2ポイントと再び悪化し、業界が依然としてCovid-19 パンデミックによるロックダウンの影響に苦慮していた2020年6月の118.6ポイント以来最悪の結果となった。この指標が 100 ポイントを超える場合、業界が過剰若しくは望ましい以上の在庫を抱えていることを示している。

鉱工業部門の雇用の推進力を測る指標は、4.0ポイント低下して97.0ポイントとなり、2023年4月に記録した96.5ポイント以来最悪の結果となり、また生産予測を測る指標は2.7ポイント低下の92.0ポイントとなり、2022年11月に記録した91.1ポイント以来最悪の結果となった。

逆に、今後6か月の景気動向は0.5ポイント上昇の88.4ポイントとなり、2021年9月に記録した102.7ポイント以来100.0ポイントを下回ったままとなっている。

また鉱工業部門の設備稼働率は、0,9ポイント増加の81,7ポイントと依然として低い水準に留まっている。

今年8 月の純企業設立軒数は17万8,000社 (2023年9月26日付けヴァロール紙)

26日のブラジル商工開発省の企業マップ調査によると、2023年8 月の企業設立数は36万4,000社に対して、閉鎖企業数は18万5,400社、純企業設立軒数は17万8,000社を記録している。

今年5月~8月までの4か月間の純企業設立軒数は64万4,500社、今年初め8か月間の純企業設立軒数は123万社に達している。

今年8月末の企業総数は2,180万社に達しているが、零細・小企業は全体の93,7%を占めている。

また今年8月末の企業総数2,180万社のうちサービス業関連企業は全体の50,6%を半数以上に達しており、商業部門は31,1%、製造業部門は8,9%、建設業部門は8,1%、その他の業種は1%未満となっている。

最新の速報で示された傾向と一致して、活動している企業の分布におけるサービス活動の割合は徐々に増加しており、2023 年の最初の 4 か月と比較して 0.5% 増加と Mdic は発表している。対照的に、商業部門の企業設立数の割合はわずかに減少傾向となっている。

ブラジルの専門職の給与が大幅に上昇(2023年9月26日付けヴァロール紙)

幹部採用コンサルタント会社が作成したMichael Page 2024年の報酬調査では、ブラジルの専門職の給与が高いことが判明、調査対象の15 セグメントのうち 13 セグメントで、前年比では平均給与の増加が判明している。

Michael Page 2024年の報酬調査では、15 セグメントの1.453職種を対象にブラジルの専門職給与の分析が行われた。

調査対象の15 セグメントのうち保険、秘書、情報技術、物流、人事、マーケティング、法律、販売、金融、農業、エンジニアリング、建設、銀行業務部門の給与の上昇が判明している。

しかし小売業部門とヘルスケア部門の給与は、前年並みで推移していることが判明している。

調査対象の専門職の 82% で昇給が見られましたが、12% では前年並みの給与に留まった。一方前年よりの給与が下がった専門職は6%であった。

特に給与が大幅に上昇したセグメントとして、ロボットプロセスオートメーション(テクノロジー)のスペシャリスト職の平均給与が100%増加。石油化学部門(エンジニアリング)の品質マネージャー職の平均給与が 25% 増加。またCFO (財務) の平均給与も21% 増加している。

ブラジル国内経済はまだ比較的不安定で、緩やかな回復の兆しがあり、この回復はたとえ弱気であっても企業や投資家に自信をもたらし、より多くの雇用と収入を生み出すとMichael Page社CEOのRicardo Basaglia氏はコメントしている。