Copomは、議事録で次回のSelic金利の0,5引下げを示唆 (2023年9月26日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行(BC)の金融政策委員会(Copom)は、26日発表の議事録の中で、前回の声明に関連する変更はなく、次回のCopom会合での0.5%ポイントの利下げシグナルを維持した。

Copomでは次のステップに関して、次回会合で0.50%ポイントの利下げが行われるという予想に全会一致で同意し、これがインフレ解消プロセスに必要な金融収縮政策を維持するのに適切なペースであると評価している。

Copm議事録には、先週の会合でSelic金利を13.25%から12.75%に引き下げるに至った議論の詳細が記載されている。

金融政策委員会(Copom)では、予想されるディスインフレの動向に対する信頼感をさらに高める相当なポジティブサプライズが必要となるために、Selic金利の0.5ポイント以上の引き下げは可能性が低いと意見が一致している。

金融緩和サイクルの切下げ率に関するCopom委員会のシグナルにも変化はなく、長期にわたる切下げサイクルの延長は、インフレの今後の展開、特に金融政策や経済活動に最も敏感な要素、インフレ期待、特に長期のもの、インフレ予測に依存することが強調された。

Copom委員会は、インフレ率を目標に収束させるという確固たるコミットメントを維持し、サイクルの延長は中央銀行の法的義務を反映するものであることを強調している。

 

9月の企業経営者の景況感指数(Icei) は、29セクターのうち21セクターで前月比マイナスを記録(2023年9月25日付けヴァロール紙)

製造業部門の企業経営者対象の全国工業連盟(CNI)調査によると、2023年9月の企業経営者の景況感指数(Icei) は、調査対象の29セクターのうち21セクターで前月比マイナスを記録している。

この企業経営者の景況感指数(Icei) 調査は、9月1日から13日にかけて1,988人の加盟企業経営者対象に実施。小規模企業は778社、中規模企業は719社、大規模企業は491社であった。

9月の企業経営者の景況感指数(Icei)が悪化したのは、自動車セクター、建設業向けサービスセクター、プラスティック材料セクター、家具セクター、金属セクターなどとなっている。

一方で9月の企業経営者の景況感指数(Icei)が改善したセクターでは、保守サービスセクター、機械・電気関連材料セクター、機械・装置セクター、紙・パルプセクター、皮革セクター、履物・アクセサリーセクターであった。

8月は、製造業界の信頼感は金利低下の始まりに前向きに反応したが、金利は依然として高水準にあり、経済活動や信用に悪影響を及ぼしているとCNI経済分析担当のMarcelo Azevedo部長は指摘している。

また経済の現状に対する認識の悪化だけでなく、今後6カ月間の見通しのせいでもあり、信頼感の低下は広範囲かつ強烈だったとMarcelo Azevedo部長は説明している。

9月にはブラジル全土で製造業界の企業経営者の信頼感が低下。中西部地域は-2.9ポイント)、北部地域は-2.5ポイント、北東部地域は-2.2ポイント地域でマイナスを記録している。

一方南東部地域は-1,3ポイント、南部地域の製造業界の企業経営者の信頼感指数は-1,2ポイントと他の地域よりも落ち込みは少なかった。

. 小規模企業の信頼感は 2.3 ポイント低下し、52.2 ポイントから 49.9 ポイントになった。 50 ポイント未満のデータは自信の欠如分岐点を示している。この指標は中規模企業は-1.8ポイント、大規模企業は-1.5ポイント低下した。

 

 

最終フォーカスレポートは2025年までのインフレ、Selic金利、為替を据え置き(2023年9月25日付けヴァロール紙)

25日のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、今年のGDP伸び率は前回予想の2,89%から2,92%に上方修正したが、2024年のGDP伸び率は前回同様1,50%に据置いたが、2025年のGDP伸び率は1,95%から1,90%に下方修正している。

2023年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の4,86%に据置、2024年も3,86%。2025年のIPCA指数も3,50%に据置いている。

また今年末の政策誘導金利Selicは前回同様11.75%に据置、2024年末は9.00%、2025年末のSelic金利は8.50%それぞれ据え置いている。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替は前回同様R$ 4,95、来年はR$ 5,00、再来年の為替もR$ 5,10にそれぞれ据え置いている。

ブラジル地理統計院(IBGE)は9月1日、2023年第2四半期(4~6月期)の国内総生産(GDP)の成長率が、前期と比較して0.9%増加を記録したとする国民経済統計を発表した。

ヴァロール紙が74社のコンサルタント会社並びに金融機関対象の調査によると、今年第2四半期のGDP伸び率の最低予想はマイナス0.8%、最高予想は1.1%増加、平均予想は0.3%増加であった。

連邦政府の今年8月の実質歳入は前年同月比マイナス4.14%の1,727億8,500万レアル(2023年9月21日付けヴァロール紙)

21日に国庫庁の発表によると、連邦政府の2023年8月のインフレ指数を差引いた実質歳入総額は前年同月比マイナス4.14%の1,727億8,500万レアルに留まっている。

また今年初め8か月間の累積実質歳入総額は、前年同期比マイナス0.83%に相当する1兆5,170億レアルを記録している。

今年8月及び今年初め8か月間の実質歳入総額は、8月としては統計を取り始めた1995年以降では、2022年8月に次ぐ歳入総額を記録している。

今年8月のインフレ指数を差引かない名目歳入総額は、前年同月比0.27%微増を記録している。

8月の連邦政府のインフレ指数を差引いた基礎的財政収支対象経費からロイヤリティ収入等の臨時歳入を除いた実質一般歳入総額は、マイナス3.33%の1,670億3,600万レアル、今年初め8か月間の累積実質一般歳入総額は、0.69%増加の1兆4,430億レアルを記録している。

また今年8月の国庫庁の石油ロイヤリティなどの実質臨時歳入総額は、前年同月比マイナス22.92%の57億4,900万レアル、今年初め8か月間の累積実質臨時歳入総額は、マイナス23.22%の745億8,100万レアルとなっている。

今年初め8か月間の免税や支払い延長による累積歳入免除総額は、938億6,400万レアルと前年同期を222億3,800万レアル上回っている。

今年初め8か月間の累積歳入免除の内訳は、ディーゼル燃料向け消費に関する社会保障賦課金(Cofins)並びに社会統合基金(PIS)向け免税総額は252億5,000万レアル、工業製品税(IPI)は152億レアル、給与関連免税は54億6,400万レアルであった。

また健康保険プラン関連は21億1,300万レアル、利益分配に対する課税関連は20億8,500万レアル、資本資産の加速減価償却は14億9,500万レアル。その他には、零細・小企業向け簡易税務申告(Simples Nacional)は422 億 5,700 万レアルの免税額を記録している。

 

中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) は、政策導入金利(Selic)の0.5%切下げ決定

20日開催のブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) は、政策導入金利(Selic)を現行の13.25%を0,50%引き下げて12.75%に決定した。

ヴァロール社が140社の金融機関及びコンサルタント会社対象の調査では、139社が0.5%の切下げを予想していたが、唯一1社だけが0.25%の切下げを予想していた。

声明では「予想されるシナリオが確認されれば、COPOM委員会では全会一致で次回会合で同規模の縮小を予想し、これがディスインフレプロセスに必要な金融収縮政策を維持するのに適切なペースであると評価する」と強調した。

Copom委員会はまた、長期にわたる金利緩和サイクルの全体的な規模は、インフレ圧力の今後の展開、特に金融政策と経済活動に最も敏感な要素、インフレ予測の特に長期的なインフレ期待に依存することを強調すると付け加えている。

1999年のインフレ目標設定以来、最も積極的な利上げサイクルを経て、Selic金利は8月までの12か月間、年率13.75%を維持していた。2021年3月から昨年8月まで、当局の金融政策により金利は11.75%ポイント上昇していた

8月2日開催のブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) では、政策導入金利(Selic)を13.75%を0,50% 引き下げて13,25%に決定したが、議事録では次回の会合では同規模の引き下げを予想していると示唆していた経緯があった。。

2020年8月5日のブラジル中央銀行のCopom会議で2,25% から2%に引き下げたが、3年ぶりのSelic金利の引き下げを実施していた。

また20日午後、米連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレ抑制のための利上げを見送り、政策金利の誘導目標を5・25%~5・5%の据置を決定。インフレ上昇率は依然として高水準だが、金融引き締めによる経済への悪影響が懸念されており、利上げの効果と副作用を慎重に見極める必要があると判断して利上げを見送った。利上げ見送りは今年6月以来2会合ぶり、2022年3月に始まった今回の利上げ局面では2回目となっている。

Portal MoneYou社の調査によると、インフレ指数を差引かない名目Selic金利12.75%に対して、ブラジルのインフレ指数を差引いた実質金利6.4%は、メキシコの実質金利6.61%に次いで世界2位の高金利に後退、3位はコロンビアの5.1%となっている。

世界の名目金利の比較では、ブラジルの名目Selic金利12.75%は6位。トップはアルゼンチンの118%, トルコ25%, ハンガリー14%, コロンビア13,25% 、ロシアは 13%で5位にランク付けされている。

2021年1月以降のSelic金利の推移

7月の経済活動指数(IBC-Br)は前月比0,44%増加(2023年9月19日付けヴァロール紙)

19日ブラジル中銀発表の2023年7月のGDP伸び率の先行指標となる経済活動指数(IBC-Br)は、前月比0,44%増加、6月のIBC-Brは0.22%増加後に0.63%増加に修正されている。

Valor Data社の調査では最低予想値マイナス0,10%、最高予想値1,10%、平均予想値の0,60%を下回っている。

7月の12過去か月間の累計経済活動指数(IBC-Br)は前年同期比3,12%増加、今年5月~7月の四半期の月間平均経済活動指数(IBC-Br)は4月~6月の平均月間経済活動指数(IBC-Br)よりも0,40%下回っている。

IBC-Br の計算方法は、ブラジル地理統計院(IBGE) が計算する国内総生産の計算方法とは異なり、毎月の頻度の BC 指標は、経済活動の進化をより頻繁にモニタリングすることを可能にし、四半期ごとの頻度の国内総生産 (GDP) は、より包括的な状況を説明している。

財務省は今年のGDP伸び率を3.2%と大幅に上方修正(2023年9月18日付けヴァロール紙)

財務省は2023年のブラジルのGDP伸び率を前回予想の2,5% から3,2% と大幅に上方修正した一方で、2024年のGDP伸び率は前回同様2,3%に据え置いている。

財務省による2023 年のGDP伸び率の見直しは第 2 四半期の GDP 結果を反映したものであり、その増加率は第 1 四半期と比較して 0.9%増加、年率換算では 3.4% と大幅な伸び率が予測されている。

財務省がGDP伸び率予測を引き上げたその他の要因としては、2023年に予想されるブラジル国内の農産物の収穫量の増加、第3四半期に一部の先行指標で良好な結果が観察されたこと、第4四半期の中国経済の回復期待などが挙げられる。

今年のブラジルのGDP伸び率の上方修正は、すべてのセクターで改善されており、農業セクターについては、予測が 13.2% から 14.0% に修正された。鉱工業セクターのGDP伸び率は前回予想の 0.8% から 1.5% に増加し、サービスセクターは 1.7% から 2.5% に上方修正されている。

今年のブラジルの公式インフレ率である広範囲消費者物価指数(IPCA)は4.85%に据え置いたが。来年の予測は7月時点では3.3%から3.40%と若干上方修正している。

今年の給与調整の指標となるインフレ指数の累計全国消費者物価指数(INPC)は、前回予想の4,48%から4,36%、2024年は前回予想の3.44%から3.21%に修正している。

ゼツリオ・バルガス財団(FGV)の今年の総合物価指数(IGP-DI)は、以前に予想されていた2.21%のデフレに対して、3.00%のデフレが見込まれている。 2024 年の予測は前回予想の3.63% から4.00% に修正されている。

 

 

 

 

 

最終フォーカスレポートによると、今年のIPCAは4,86% 、来年は3,86% (2023年9月18日付けヴァロール紙)

今年末の政策誘導金利Selicは前回同様11.75%に据置いたが、2024年末は9.00%、2025年末のSelic金利は8.50%それぞれ据え置いている。

また今年のGDP伸び率は2,64%から2,89%、2024年は1,47%から1,50%とそれぞれ上方修正した一方で、2025年のGDP伸び率は2,00%から1,95%に下方修正している。

2023年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の4,93%から4,86%と僅かに下方修正している。

また2024年のIPCA指数を前回予想の3,89%から3,86%に下方修正したが、2025年のIPCA指数は前回同様3,50%に据置いている。

ブラジル中銀の今年のIPCA指数の中央目標値を3.25%、2024年及び2025年の中央目標値を3.00%、許容範囲は±1.50%を設定している。

ブラジル地理統計院(IBGE)は9月1日、2023年第2四半期(4~6月期)の国内総生産(GDP)の成長率が、前期と比較して0.9%増加を記録したとする国民経済統計を発表した。

ヴァロール紙が74社のコンサルタント会社並びに金融機関対象の調査によると、今年第2四半期のGDP伸び率の最低予想はマイナス0.8%、最高予想は1.1%増加、平均予想は0.3%増加であった。

. フェルナンド・ハダジ財務相は、今年第2四半期のGDP伸び率が0.9%増加を記録したには記念すべきことであり、またブラジル中央銀行のロベルト・カンポス・ネット総裁は今年のGDP伸び率は3.0%に接近すると予想している。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$ 5,00からR$ 4,95、2024年はR$ 5,02から R$ 5,00それぞれ微調整したが、2025年は前回同様R$ 5,10に据置いている。

 

民間企業の労働者の50.8%は5人までの小企業に勤務(2023年9月15日付けヴァロール紙)

15日発表のブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、2022 年の民間企業の労働者の50.8%は5人までの小企業に勤務していることが判明している。

2012年から開始された民間企業の労働者実態調査では、2012年の5人までの小企業の従業員の比率は46%、2013年の予備2014年の比率は45.9%と若干減少したが、2015年以降は47.0%以上で推移しているが、Covid-19 パンデミック時の2020年及び2021年の実態調査は中断させていた経緯があった。

2022 年の民間企業の5人までの小企業の労働者比率50.8%は4,140万人の労働者に相当、家政婦を除く民間企業の労働者総数は8,150万人となっている。

2022年の調査では、5人までの小企業の労働者比率50.8%に次いで多いのは、従業員数が51人以上の民家員企業で比率は27.8%、労働者総数は2270万人となっている。

また従業員数が6人から10人までの民間企業の労働者の比率は9.5%、11人から50人までの労働者の比率は12.0%となっている。

2022年の州別調査では、調査対象の27州のうち18州で5人までの従業員比率が全国平均の50.8%を上回っていた。5人までの従業員比率が60%上回ったのは11州であった。

しかしロンドニア州では民間部門労働者の72%が従業員5人までの民間企業に勤務している一方で、ブラジリア連邦直轄地では41%と最低比率。次いでサンパウロ州は41.4% となっている。

2012年~2022年までの民間企業の規模別従業員比率の推移

7月のサービス部門提供量は0.5%増加(2023年9月14日付けヴァロール紙及びIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、2023年7月のサービス部門提供量(生産性指標)は、前月比0.5%増加と3カ月連続で増加を記録、5月は1.5%増加、6月は0.2%増加を記録していた。

今年7月のサービス部門提供量(生産性指標)は、前年同月比3.5%増加、過去12カ月間の供量は6.0%増加、今年初め7か月間の供量4.5%増加を記録している。

Valor Data社が23社のコンサルタント会社及び金融機関対象の調査では、最低予想はマイナス0.2%、最高予想は1.5%増加、平均予想の0.4%増加を若干上回った。

今年7月のサービス部門提供量は、Covid-19 パンデミック直前の2020年2月の水準を12.8%上回っている一方で、過去最高水準を記録した2022年12月の水準を0.9%下回っている。

今年7月のサービス部門のインフレ指数を考慮しない名目売上総額は前月比0.2%増加の、前年同月比4.6%増加、調査対象の27州のうち13地域で増加を記録、特にリオ州は1.4%増加、ゴイアス州は5.6%増加、バイア州2.9%、マット・グロッソ州3.0%、セアラ州は3.3%増加を記録している。

一方ブラジルア連邦直轄地はマイナス2.9%、サンパウロ州マイナス0.1%、南大河州マイナス0.6%、エスピリット・サント州マイナス1.8%を記録している。

7月のサービス部門の部門別の調査対象では5部門のうち3部門で増加を記録、輸送部門は前月のマイナス0.4%から0.6%増加に転じている。一般家庭向け部門のサービス提供量は1.0%増加、今年初め7か月間の累計では4.9%増加。その他のサービス部門は前月のマイナス0.4%から0.3%増加に転じている。

また教育・研究機関などの公共サービス部門はマイナス1.1%、情報・通信サービス部門は前月に続いてマイナス0.2%と後退している。

2023年5月~7月の月間、今年初め7か月間、過去12か月間の部門別、セクター別のサービス部門提供量推移

2021年9月以降のサービス部門提供量の月間推移