7月の連邦政府の公的債務残高はマイナス0,8%の6兆1420億レアル(2023年8月29日付けヴァロール紙)

国庫庁の発表によると、2023年7月の連邦政府の公的債務残高は、前月比マイナス0,8%の6兆1420億レアルと僅かながら縮小している。

今年7月の連邦政府の対内債務残高は、マイナス0,74%に相当する5兆9130億レアルの一方で、対外債務残高はマイナス2,17%.に相当する2289億6000万レアル、ドル換算では482億9000万ドルとなっている。

国債の発行額は1,344億レアルに相当、償還総額は2,270億8,000万レアル、純償還額は926億8,000万レアルを記録している。

この純償還総額のうち、898 億 6,000 万レアルは国内連邦公債 (DPMFi) の純償還を指し、28 億 2,000 万レアルは対外連邦公債の純償還を指す。

今後12か月間に償還期間を迎える国債発行額は、発行残高の18,21%と先月の19,71%よりも大幅に減少している。

ブラジル国債の平均償還期間は4,06年と先月の3,98年よりも増加、世界の国債平均償還期間は、ブラジル国債の償還期間を大幅に上回る先月の5,31年から5,4年に伸びている。

 

8月のインフレ指数IPCA-15は電力料金値上げが牽引して予想を上回る0.28%を記録(2023年8月25日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)が7月16日から8月15日までの30日で計測する8月の拡大消費者物価指数(IPCA-15)は、7月のマイナス0.07%から一転して0.28%増加を記録している。

Valor Data社が35社のコンサルタンと会社及び金融機関対象の調査では、8月の拡大消費者物価指数(IPCA-15)の最低予想0.1%増加、最高予想0.25%、平均予想0.16%、実際は最高予想0.25%を上回る0.28%増加を記録している。

8月の拡大消費者物価指数(IPCA-15)の0.28%増加を牽引したのは、電力エネルギーの4.59%の値上げであり、0.18ポイントに相当するインパクトに結び付いている。

8月の過去12カ月間の累計拡大消費者物価指数(IPCA-15)は、4.24%と7月の3.19%増加よりも大幅に上昇、今年初め7か月間の累計拡大消費者物価指数(IPCA-15)は、3.38%増加を記録している。

Valor Data社が29社のコンサルタンと会社及び金融機関対象の調査では、8月の過去12カ月間の累計拡大消費者物価指数(IPCA-15)の最低予想は4.03%、最高予想は4.21%、平均予想は4.12%であった。ブラジル中央銀行の今年のIPCA-15の中央予想値は3.25%、許容値は∓1.50%が見込まれている。

8月の拡大消費者物価指数(IPCA-15)の前月比の調査対象の9部門のうち6部門で増加を記録、住居部門は前月のマイナス0.94%から1.08%増加、前記同様に家庭用品部門はマイアス0.40%から0.01%、健康・パーソナルケア部門は0.07%から0.81%、個人消費部門は0.38%から0.60%、教育部門は0.11%から0.71%それぞれ増加を記録している。

一方8月の拡大消費者物価指数(IPCA-15)で前月比マイナスを記録したのは、食品・飲料部門は前月のマイナス0.40%からマイナス0.65%、何時五部門は0.04%からマイナス0.03%、輸送部門は0.63%から0.23%それぞれ減少を記録している。

インフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA-15)は、ブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)の予想として先行して発表、1最低サラリーから40最低サラリーの所得層を対象に調査、ブラジリア連邦直轄地とゴイアニア市の地方自治体に加えて、9大都市圏を対象に調査されている。

2022年8月~2023年8月のIPCA-15の月間増減推移

2022年8月~2023年8月のIPCA-15の月間中央目標値、上限値、過去12カ月間の累計IPCA-15指数の推移

2023年8月のIPCA-15の部門別の増減

歳出上限法に替わる財政均衡法案が可決(2023年8月23日付けUOLサイトより抜粋)

.22日夜、下院議会では歳出上限法に替わる新財政均衡法案が可決されたが、ルイス・イナシオ・ルーラ大統領のサイン待ちとなっている。

この新財均衡法案の承認はルーラ政権とフェルナンド・ハダジ財務相当の勝利であり、圧倒的多数の賛成票を獲得した要因として、アルトゥール・リラ下院議長(PP/AL)の各政党党首への根回しによる政治的手腕が光っている。

この新財政均衡法案は下院で賛成379票、反対64票という大賛成票で承認され、すでに新規則に基づいて政府が2024年予算(PLOA)を提出できるのに間に合うように承認された。

しかし下院での投票が締め切られたこの新財政均衡法案には、与党が強固に通したかったインフレ指数に連動した政府の支出を認める上院に挿入される抜粋を承認するという要求は除外されている。

さらに、新財政均衡法案の承認後に政府にとって最も難しい部分が待ち構えており、承認された法案テキストでは、連政府の財政収支を赤字から脱却し、2024年に基礎的財政赤字をゼロにすることが規定されている。連邦政府の財政収支赤字解消にはまだ約1,000億レアルが不足していると見込まれている。

来年の連邦政府の財政プライマリー収支がGDP比0.25%の赤字を許容するルールの許容範囲を考慮しても、2024年の財政赤字目標について金融市場で懐疑的な見方があるのは否定できない。

来年の財政プライマリー収支赤字をゼロを達成するために、ハダジ財務相は今後どのような措置を計画しているのか?

  • 専用ファンドおよび国内ファンドへの課税
  • オフショアファンドへの課税
  • JCP(資本利息)の控除の終了
  • 租税資産管理理事会(Carf)のキャスティング投票
  • スポーツ賭博の規制
  • 海外からの物品購入に関する新ルール

企業経営者の景況感指数(Icei) は、調査対象の29セクターのうち23セクターで前月比増加を記録(2023年8月22日付けヴァロール紙)

製造業部門の企業経営者対象の全国工業連盟(CNI)調査によると、2023年8月の企業経営者の景況感指数(Icei) は、調査対象の29セクターのうち23セクターで前月比増加を記録して回復傾向を示している。

またブラジル国内の4地域対象の8月の企業経営者の景況感指数(Icei) では、南部地域の除く3地域で回復を記録している。この企業経営者の景況感指数(Icei) 調査は8月1日から9日にかけて1963人の加盟企業経営者対象に実施された。

冶金、金属製品、家具、自動車の4業種セクターは前月に似に推移していたが、20セクターで景況感指数が上昇している。

調査対象の29セクターのうち8つのセクターで景況感指数が後退し、その中で繊維セクターは自信感から自信喪失の一線を越える52ポイントから49.3ポイントと分岐点を割込んでいる。履物セクターは、ICEI は 52.1 ポイントで安定している。

景況感指数結果に影響を与えた要因の中には、8月初めに発表された最初の政策誘導金利Selic引き下げが挙げられる。小売業、サービス部門、正規雇用市場における好業績に加えて、今後の金利切下げサイクル突入が見込まれていると全国工業連盟(CNI)エコノミストのLarissa Nocko氏は指摘している。

調査対象の製造業部門で最も景況感指数が高いセクターは、香水、クリーニング、個人衛生セクターで59.6ポイント。非金属鉱物セクターの56.8 ポイント。メンテナンスと保守セクター56.5 ポイント。そしてバイオ燃料セクターは56.2ポイントに上昇している。

8月の信頼感指数が低いセクターとして木材セクターは、7 月の 44.2 ポイントから 8 月の 43.8 ポイントに低下。ゴム製品セクターは44.8ポイントから44ポイントに上昇し。皮革および人工皮革製品セクターは、前津津よりも2 ポイント低下して 46.7 ポイントとなった。

地域別の景況感指数調査では、中西部地域は、3.1ポイント増加。北東部地域でも力強い進歩があり、2.3 ポイント上昇し、南東部地域でも2.2 ポイント上昇した。

南部地域では景況感指標の改善がより緩やかで1.1ポイント上昇、北部では0.9ポイント上昇。南部地域だけが指標 49.9 ポイントで、カットオフラインに非常に近く、50 ポイントに近づいている。

 

 

7月の国庫庁の実質歳入総額は前年同月比4.20%減少(2023年8月22日付けヴァロール紙)

22日の国庫庁の発表によると、2023年7月の国庫庁のインフレ指数を考慮した実質歳入総額は、税法改正と非典型的な支払い、特に一般歳入のうち法人所得税(IRPJ)と純利益に対する社会分担金(CSLL)の減少の影響で前年同月比4.20%減少に留まっている。

税務当局によると、一般歳入以外の臨時歳入と税法改正により、今年7月の歳入総額は前年同月比38億3,000万レアル減少の2,018億2,900万レアル。インフレ指数を考慮しない名目歳入総額はマイナス0.39%に留まった。

また7月の一般歳入総額はマイナス0.74%に相当する1871億1700万レアル、名目歳入総額は3.23%増加を記録。1月から7月までの累積減少は燃料税に対する免税などの影響で279億レアルを記録している。

これらの一般歳入以外の臨時歳入の減少を考慮しなければ、1 月から 7 月までの実質歳入総額は前年同期比4.69% 増加、7 月の実質歳入総額は 1.35% 増加に結び付いていたと国庫庁では指摘している。

7月の歳入実績は前年同月と比較した輸出量と為替レートの減少によって説明されると国庫庁分析・予測担当のMarcelo Gomideコーディネーターは強調している。

7月の歳入は法人所得税(IRPJ)と純利益に対する社会分担金(CSLL)で14.90%減少、輸入に関連するIPIは11.83%減少、一方で税務当局が管理するその他の歳入での増加を浮き彫りにした。この結果は主に、ゼロ訴訟プログラムによる 10 億レアルを超える利益と、同じく 10 億レアルを超える原油輸出に課せられた輸出税によるもの。

1月から7月までの累積歳入総額はの中で、社会保障院INSSの歳入は6.75%、キャピタルゲインは28.12%及び所得税は6.24%それぞれ大幅に増加している。

 

 

 

 

最終フォーカスレポートによると今年のインフレ指数は4.84%から4.90%に上方修正(2023年8月21日付けヴァロール紙)

21日のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2023年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の4.84%から4.90%に上方修正している。

2024年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前回同様3.86%に据置、また2025年の広範囲消費者物価指数(IPCA)も前回同様3.50%に据置いている。

今年末の政策誘導金利Selicは前回同様11.75%に据置、2024年末のSelic金利は9% 、2025年末のSelic金利は8,50%とそれぞれ前回同様に据置いている。ブラジル中銀の今年のIPCA指数の中央目標値を3.25%、2024年及び2025年の中央目標値を3.00%、許容範囲は±1.50%を設定している。

今年のGDP伸び率は2,29%に据置、2024年のGDP伸び率は前回予想の1.30%から1.33%に上方修正した一方で、2025年のGDP伸び率は前回同様1.90%に据置いている。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$ 4.93からR$ 4,95に微調整、2024末の為替は前回同様R$ 5,00 に据置、2025年末の為替は前回同様にR$ 5,09に据置いている。

 

 

ルーラ政権支持率が60%に上昇(2023年8月16日付けヴァロール紙)

Genial銀行の委託を受けたクエスト社の調査では、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領の業績に対する支持率が上昇傾向にあることを示唆。 今年4月以降、労働者党PTの業績を肯定的に評価する人の割合は51%から60%に上昇し、最高レベルの支持率を獲得している。

一方で、ルーラ政権に対する非支持率は4月の42%から35%と大幅に減少している。また調査対象の5.0%は無回答となっている。

8月10日~14日にかけて実施された調査では、ルーラ政権にとって新たな1ページとなる結果で、調査分析したすべてのセグメントにおいて初めて、支持率が不支持率を数値的に上回る高結果となっている.

2022年の大統領選挙でルーラ氏の得票数が当時のジャイール・ボルソナロ大統領(PL)よりも少なかった南東部地域の支持率が55%、南部地域の支持率が59%にそれぞれ上昇している。

ルーラ大統領が最も人気のある地元の支持基盤である北東部地域の支持率は、 72% の高支持率を維持している。

また、最低賃金の5倍以上の収入を持つ有権者の支持率は49%に対して不支持率は48%、福音派の支持率は50%に対して、不支持率は46%とたとえ僅差であっても支持が不支持を上回った。

常にルーラ候補の女性の支持率が男性に支持率を上回っていたが、最後の調査では女性の支持率は60%に対して男性の支持率は59%に達し、技術的には互角の支持率を獲得している。

ルーラ大統領の政権運営調査では、肯定的に評価しているとの回答は前回調査の37%から42%に上昇。経験運営を否定的に評価している人は24% 。さらに政権運営が普通と回答したのは 29% であった。

ルーラ政権の政治的取り組みでで、最も優れた成果を上げたのは、農業向けクレジット提供のサフラプランで79%、と債務再交渉プログラムのo Desenrolaで70%に支持を得ている。税制改革に対する評価を主張する人は37%だった。

調査対象の回答で最も懸念事項として、犯罪と暴力という項目が「重大な問題」のランキングでトップの96%、次いで高金利が87%、人種問題80%、フェイクニュース及び失業がそれぞれ79%であった。Quaest社のルーラ政権支持率調査は2,029人に対面でインタビューを実施、回答誤差は∓2.2%が見込まれている。

 

第2四半期のブラジル国内の27州対象の月間平均失業率は8%、僅か8州で前四半期比減少(2023年8月15日付けヴァロール紙及びIGBEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の継続的全国家庭サンプル調査(Pnad Continua)の調査結果を発表によると、2023年第2四半期の27州対象の前四半期比の月間平均失業率は8%、僅か8州の失業率が前四半期比で減少を記録している。

今年第2四半期のブラジルの平均失業率は8%と第1四半期の平均失業率8,8%から0.8%の減少を記録している。今年第2四半期の失業率が最も高かったのはペルナンブーコ州の14,2%に対して、失業率が最も低かったのはローライマ州の2,4%であった。

今年第2四半期のブラジル国内の製造業部門を牽引するサンパウロ州の失業率は、7,8%と第1四半期の平均失業率8,5%から0.7%減少を記録している。

農畜産業が牽引する中西部地域の今年第2四半期の平均失業率は、第1四半期の平均失業率7%から5,7%と大幅に減少している。

今年第2四半期の男性の平均失業率は6,9%に対して、女性の平均失業率は9,6%と大幅な誤差が依然として生じている。また白人の平均失業率は6,3%と平均失業率を大幅に下回っている一方で、黒人の平均失業率は10%、褐色は9,3%とそれぞれ平均を大幅に上回っている。

2023年第1四半期及び第2四半期の各州の平均失業率の推移

 

2023年第1四半期及び第2四半期の各州の

2023年第2四半期の各州の自営業者の比率

2023年第2四半期の各州の正規雇用労働者の比率

今年の中央政府の財政プライマリー収支は前回予想のGDP比79%から79,15%に相当する1,046億200万レアルの赤字(2023年8月14日付けヴァロール紙)

財務省のプリズム財政レポート(Prisma Fiscal )を基にした財務省エコノミストの2023年度の中央政府の財政プライマリー収支は、前回予想のGDP比79%から79,15%に相当する1,046億200万レアルの赤字が見込まれている。

また2024年の中央政府の財政プライマリー収支は、前回予想の819億3,000万レアルから848億2,500万レアルの赤字拡大が予想されている。

金融市場は今年末のブラジルの公的債務残高をGDP比0.1%ポイント引き上げた。また来年末ブラジルの公的債務残高をGDP比についても予想をGDP比0.15%ポイント引き上げた。

今年末時点のGDPに対する連邦政府公的債務残高の予測は常に中央値であり、7月時点のGDP比76.09%から8月時点のGDP比76.19%までの範囲となっている。 2024 年の場合、同じ期間内で推定値は GDP比79% から GDP比79.15% まで変化している。

2023年の中央政府の財政プライマリー収支赤字の見通しは、992億6,200万レアルから1,046億200万レアルに増加。 2024 年の場合、赤字予測は 819 億 3,000 万レアルから 848 億 2,500 万レアルに増加している。

2023年の連邦政府の歳入は前回予想の2兆3530億レアルから2兆3,510億レアルに増加。純歳入の場合、 1 兆 9,260 億レアルから 1 兆 9,210 億レアル に微減。同様に、総経費は 2 兆 200 億レアルから 2 兆 220 億レアルに増加している。

 

6月の経済活動指数(IBC-Br)は、前月比0,63%増加(2023年8月14日付けヴァロール紙)

14日ブラジル中銀発表の2023年6月のGDP伸び率の先行指標となる経済活動指数(IBC-Br)は、前月比0,63%増加して、5月の経済活動指数(IBC-Br)のマイナス2,00%から移転して増加に転じている。

Valor Data社によるコンサルタント会社及び金融機関対象の6月の経済活動指数(IBC-Br)調査では、最低予想はマイナス0.9%、最高予想は1.1%増加、平均予想は0.65%増加であった。

6月の過去12カ月間の累積経済活動指数(IBC-Br)は3,35%増加、6月の累積経済活動指数(IBC-Br)は前年同月比2,10%増加している。今年第2四半期の月間平均経済活動指数(IBC-Br)はマイナス0,21%を記録している。

IBC-Br の計算方法は、ブラジル地理統計院(IBGE) が計算する国内総生産の計算方法とは異なり、毎月の頻度の BC 指標は、経済活動の進化をより頻繁にモニタリングすることを可能にし、四半期ごとの頻度の国内総生産 (GDP) は、より包括的な状況を説明している。

2022年6月~2023年6月までの月間経済活動指数(IBC-Br)の推移

 

2022年6月~2023年6月までの過去12カ月間の累計経済活動指数(IBC-Br)の推移

 

2022年6月~2023年6月までの各四半期の月間平均経済活動指数(IBC-Br)の推移