7日早朝、下院本会議は第2ラウンドで、税制改革のPEC(憲法改正案)の基本条文を承認に必要な票数308票を大幅に上回る375票対113票で承認した。過去30間にわたって議論されてきた税制改革がようやく前進するめどがつくブラジルにとって非常に重要な歴史的出来事となった。
与党のルーラ政権の歴史的勝利の瞬間であり、税制改革は過去30年間にわたって議論されてきたが、ボルソナロ前政権では国会で進展することはなかった。 現在の税制は 1960 年代に創設されたままであった。
税制改革の第一法案テキストは賛成382票に対して、反対118票と余裕をもって承認されたが、ボルソナロ前大統領所属のPL党とNovo党は反対していた。
Arthur Lira下院議長 (PP-AL)はこの提案の承認に向けた主要な調停役を担い、また PEC報告者のアギナルド・リベイロ下院議員(PP-PB)とともに、税制改革テキスト承認に向けた政治駆引きでは各政党、州知事、主要市長との調整に手腕を発揮した。
サンパウロ州のタルシジオ・デ・フレイタス州知事(Republicanos共和党)も重要な役割を果たしたが、これにより、ジャイール・ボルソナロ前大統領及びボルソナロ前大統領を支持するボルソナリスト議員らの間で軋轢が生じる結果となった。
各政党の投票では、ボルソナロ前大統領支持のPL党の20下院議員がボルソナロを裏切った一方で、与党のPT党の100%の下院議員は税制改革法案に賛成票に投じている。政府支持者は税制改革法案の下院通過に祝福、反対に投じた議員はネットワーク上で不満を表明、リラ下院議長は改革法案通過を称賛し、ボルソナロ氏に「勝利者が権力を握る」と示唆した。
ボルソナロ前大統領と政治的繋がりのある主要な4人の州知事も、税制改革テキストに好意的な立場を表明。 リオデジャネイロ州知事のクラウディオ・カストロ(PL)。 パラナ州知事、ラチーニョ・ジュニア(PSD)。 ミナスジェライス州知事のロメウ・ゼマ(Novo)、ブラジリア連邦直轄地のイバネイス・ロシャ知事。
下院議会での税制改革法案投票を成立させるために、リラ下院議長は本会議場でのハイブリッドセッションを保証する法律を編集した。つまり、既に選挙地に戻った下院議員が遠隔地から法案に投票できる事にした。
フェルナンド・ハダジ財務相の税制改革法案に対する姿勢は、報告書がインタビューした議員らの補佐役としての指導者らから称賛された。 フェルナンド・ハダジ財務相は国会議員に対して、税制改革法案テキスト内容を説得するため頻繫に関係各所に通った。
税制改革法案の下院議会での投票に先立ち、ルーラ大統領(PT)は税制改革に関する投票を支持。 「我々は全員と交渉しており、法案は承認されるだろう。それは全ての人がもろ手を挙げて納得できることではないし、ハダジ財務相が望んでいることでも、私が望んでいることでもないが、そんなことは問題でない」と強調していた。
税制改革法案テキストではIPI (連邦税)、PIS (連邦税)、Cofins (連邦税)、ICMS (州税)、および ISS (市税) の 5 つの税金が廃止される。
2つの IVA (付加価値税) が新たに創設される。1 つは物品・サービス税 (IBS) で、州の ICMS と地方自治体の ISS に代わるもの。 そして物品・サービス拠出金(CBS)は、連邦税であるPIS、Cofins、IPIを広範に統合し、生産チェーン内で完全に累積するわけではなく、つまりカスケード課税を行わないもの。
税徴収先が変更される。 税金は、現在のように生産地ではなく、商品またはサービスの消費地)で課税される。 輸出と投資に対する税が軽減される。
また選択税が創設される。 タバコやアルコール飲料など、健康や環境に有害な商品やサービスの生産、販売、輸入に焦点を当てている。 マナウス自由貿易地域を維持するために使用される。