国際通貨基金は今年のブラジルの公的負債総額はGDP比88,4% 予想(2023年4月12日付けヴァロール紙)

国際通貨基金(IMF)では、今年のブラジル政府の公的負債総額は、昨年のGDP比85,9% から2.5%上昇の88,4%に達すると予想している。

またブラジル政府の公的負債総額は今後の5年間連続で増加すると予想、2028年のブラジルの公的負債総額はGDP比96,2%に達すると予想している。

国際通貨基金(IMF)による今年のブラジルの公的負債総額は新興国の平均であるGDP比68,8%を大幅に上回っており、調査対象の35ヵ国のうちではウクライナのGDP比98,3%、エジプトのGDP比92,9%に次ぐGDP比88,4%が予想されている。

国際通貨基金の発表データでは、ブラジル財務省が 3 月末に発表した新しい財政枠組みの詳細についてはコメントしていないが、もうすぐ国会で審議される歳出上限法が改訂されていることのみを指摘している。

ブラジルの財政に関する IMF の予測では、新しい財政枠組みの最終的な影響が考慮されていない。 IMF は、ブラジル当局と異なる基準で公的債務総額を計算している。ブラジル中央銀行のコンセプトによると、今年 1 月の総債務は GDP の 73.1% で、昨年 12 月の GDP の 73.4% を僅かに下回っている。

ブラジル財務省の予測では、ブラジルの公的債務総額は、財政プライマリー収支、金利レベル及びGDP伸び率を考慮しており、2026 年にの公的債務総額はGDP 比73.56% ~GDP 比77.34% を予想している。

IMFでは2026年のブラジルの公的債務総額はGDP比95,2%と昨年10月の予想であるGDP比93,2%から上方修正、2026年にはGDP比96,2%に達すると予想している。

IMF のテキストによると、ブラジルの2020 年の公的債務総額はGDP 比96.8% に達したが、2021 年はGDP 比90.7%と 2022 年には GDP 比 85.9% にまで減少している。

IMF は、昨年のブラジルの財政プライマリーは GDP比 1.3% の黒字を計上したが、今年は GDP比 2% の赤字、になると推定しています。 2024 年はGDP比 1% の赤字が予想されている。

今年3月のインフレはガソリン価格の値上げが牽引して0.71%を記録(2023年4月11日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2023年3月のブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、2月の0.84%から0.71%に減少したが、3月の最低のIPCA指数は2020年3月の0.07%、最高のIPCA指数は2022年3月の1.62%であった。

Valor Data社の36金融機関やコンサルタント会社対象の調査によると、3月の最低IPCA予想は0.69%、最高は0.85%、平均IPCA指数は0.77%であった。

今年3月の過去12か月間の累積IPCA指数は、2月の5.60%から4.65%と約1.00%減少、 Valor Data社の最低予想は4.63%、最高予想は4.80%、平均予想は4.71%であった。 3月の過去12か月間の累積IPCA指数は2021年1月に記録した4.56%に次ぐ低い水準であった。

3月の過去12か月間の累積IPCA指数は、ブラジル中央銀行の今年のインフレの中央目標値3.25%を大幅に上回っている。また2024年及び2025年は3.00%、許容値は±1.50%に設定されている。

連邦政府は、2022年6月に制限されていた燃料価格と電力エネルギーへの課税を再開。ガソリンは8.33%上昇し、IPCA指数を0.39ポイント押上げ、電力エネルギーは2.23%上昇している。

3月のIPCA指数算出に使用された 9 アイテムのうち、7 アイテムは前月よりも減少、 食品および飲料は前月の (0.16% から 0.05% と減少、住宅は 0.82% から 0.57% 、健康およびパーソナルケア 1.26% から 0.82% 、個人的支出 は0.44% から 0.38% とそれぞれ減少している。

また教育 は6.28% から 0.10%、コミュニケーション は0.98% から 0.50%とそれぞれ減少している。住居関連は2月のからマイナス0.27%、衣類はマイナス0.24%から0.31%とそれぞれ逆転している。

3月の輸送セクターは、2月の0.37% から 2.11% と大幅に上昇、3月の IPCA指数 の 0.71% 上昇を牽引、0.43% ポイントのインパクトに繋がっている。8.33%値上がりしたガソリンのインパクトは0.39ポイントであった。今年3月の過去12か月間の累積IPCA指数は、2月の8.44%から7.78%と大幅に減少している。

2022年3月~2023年3月の月間IPCA指数の推移

2022年3月~2023年3月の月間IPCA指数の平均及び許容値の推移

2023年3月のIPCAのグループ別増減

大統領就任100日のルーラ新政権手腕承認は33%に対して不承認は30%と拮抗(2023年4月10日付けヴァロール紙)

サンパウロ州のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領就任100日後の政治手腕評価は承認が33%に対して、不承認は30%と拮抗している一方で、ブラジル全国の調査では承認が38%に対して、不承認は29%とDatafolha社の調査で判明している。

またサンパウロ州の労働者党PTに対する政権運営評価では、普通と回答したのは34%に対して、全国平均30%、判らないと回答したのは3%であった。

ルーラ政権100日の手腕調査は、サンパウロ州内の16歳から65歳の1,806人とのインタビューからはじき出され、、調査誤差は±2.0%、全国調査は126都市の2,028人とのインタビューからはじき出されている。

ルーラ大統領の政治手腕調査では、サンパウロ州と全国調査では大差はなく、意見の分裂は、二極化した大統領選挙プロセスを反映したままであり、ルーラ候補はボルソナロ候補とは僅か1.8 パーセントの僅差で大統領に選出されていた。

サンパウロ市の大都市圏では労働者党 PT のルーラ大統領への支持、内陸部ではボルソナロへの支持が勝っており、ボルソナロ前大統領が支持したタルシジオ・デ ・フレイタス州知事 (共和党員Republicanos ) の支持の構図は同様となっている。

ルーラ大統領の支持が勝っていたサンパウロ大都市圏の調査内容は、ルーラ政権の手腕は最高・良いは37%、普通は33%、最悪・悪いは26%、前記同様に全国調査では29%、35%、32%となっている。

労働者党PT のルーラ大統領候補に投票したサンパウロ出身者の評価は、州平均だけでなく、全国平均よりも肯定的であり、大統領選挙でルーラ候補に投票した人の 68% が優れている/良い、27% が普通、3% が悪い/最悪と評価している。前記同様に一方のルソナロ候補に投票した人の評価は8%、33%、56%となっている。

サンパウロ州のルーラ政権100日の評価で期待以下と回答したのは56%と全国平均評価の51%を上回っており、前記同様に28%は予想通り、予想以上は11%、18%、28%は予想の範囲内と回答、全国評価では25%であった。

3期目のルーラ政権の優先事項は、新ボルサ・ファミリアプログラムによる貧困層向けの給付金支給及び2019年~2022年のジャイール・ボルソナロ政権時に“ブラジルシンボルカラー大衆住宅 緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラムに改名して大衆住宅建設を再度経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設“私の家、私の暮らし”(MCMV)プログラムに戻すことであるが、依然として高止まりするインフレや高金利などの影響でブラジル経済が依然として空回りしている。

2 月にサンパウロ州の北部海岸で 65 人の犠牲者がでた被害地域を視察、ルーラ大統領はイデオロギーや政党が異なるもタルシジオ知事と協力して行動し、支援支持を表明していた。

タルシジオ候補に投票した人の48%は、 ルーラ政権を悪い/最悪と評価。 普通は 33% 、最高・良いと回答したのは15%となっている。

100日が経過したタルシジオ州知事の政権運営評価では、最高・良いと回答したのは44%、普通は39%、最悪・悪いと回答したのは11%となっている。期待以下と回答したのは45%、期待通りは37%、期待以上と回答したのは12%となっている。

中銀は今年のインフレ指数を5.98%に上方修正(2023年4月10日付けヴァロール紙)

10日ブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2023年のブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5.96%から5.98%に上方修正している。

また2024年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、4.13%から4.14%と若干上方修正したが、2025年のIPCAは前回同様に4.00%に据え置いている。

2023年末の政策導入金利(Selic)は12.75%に据置、2024年は10.00%、2025年末のSelic金利は9.00%それぞれ据え置いている。

中銀の今年のインフレ指数の中央目標値は3.25%、2024年及び2025年は3.00%、許容値は±1.50%に設定されている。

また今年のGDP伸び率は0.90%から0.91%に微増した一方で、2024年のGDP伸び率は1.48%から1.44%、2025年のGDP伸び率は1.80%から1.76%それぞれ下方修正している。

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2022年のブラジルの国内総生産GDP伸び率は前年比2.9%増加したが、昨年第4四半期のGDP伸び率はマイナス0.2%を記録していた。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替は前回同様R$5.25 、2024年末はR$5.30からR$5.27 とレアル高に修正、2025年末のドルの為替は前回同様R$5.30に据え置いている。

Selic金利予想の推移

2023年及び2024年のGDP伸び率の予想推移

ハダジ財務相は税制改革ではSimples Nacional 及びマナウスフリーゾーン向け税制恩典は変更なし(2023年4月6日付けヴァロール紙)

ルーラ新政権で最優先事項の税制改革は、連邦税、州政府や市町村の地方自治体の州税や市税を含む簡易税制体系を目指しているが、フェルナンド・ハダジ財務相は、Simples Nacional 及びマナウスフリーゾーン向け税制恩典プログラムは影響を受けないと強調している。

中小企業の特別納税システム「スーペル・シンプレス(Supersimples)」は、連邦政府と議会の間でプログラムを維持し、変更しない点で合意しているとハダジ財務相はBandNewsとのインタビューで説明している。

またインタビューでマナウスフリーゾーン向け税制変更について質問を受けた時、ハダジ財務相はプログラムを変更する可能性を否定、また大学促進プログラム(ProUni) やサンタ・カーザ慈善病院向けの国庫庁による補助金削減を否定するなど他のプログラムについても説明した。

今年のSimples Nacional 及びマナウスフリーゾーン向け税制恩典による免税総額は、今年の免税総額の30%に相当する1430億レアルに達する。

国庫庁の歳入増加ための税制措置は大企業に焦点を当てることを強調、商品流通サービス税(ICMS)を介して州政府によって付与された補助金を削減する可能性の終焉を再び擁護、連邦税の純益に対する社会納付金(CSLL)や個人所得税(IRPJ)について触れている。

連邦政府は、債務を清算するという選挙公約である「Desenrola」を立ち上げることができるようにするために、ソフトウェアの開発を含む運用上の問題を克服しようとしている。プロジェクトの準備は、銀行業務集中サービス会社(Serasa) などの信用分析と決定を行う企業の参加にも依存しているとハダジ財務相は説明している。

ブラジル連邦政府が、アマゾン奥地の開発を図るために1967年に設立したマナウスフリーゾーン(ZFM:Zona Franca de Manaus)では、家電並びに二輪、時計などの外資系工場の進出により、現在までブラジル経済の発展に大きく寄与している。

マナウスフリーゾーンは、特に南東部地域の製造業部門を誘致するために、魅力的な税制恩典政策を導入、2014年の憲法改正でその期限が2023年から50年間延長され、2073年までと定められていた。

ZFMの税恩典は、連邦税として輸入税(II)、工業製品税(IPI)、社会統合基金・公務員厚生年金および社会保険融資負担金(PIS/COFINS)の減免、さらには法人所得税(IRPJ)の減免、州税では商品流通サービス税(ICMS)の減免、ZFMに進出する企業が恩典を享受するには、製造する製品ごとに実質的な現地調達義務を定めた基礎製造工程(PPB)基準を満たすことが必要となっている。

しかし2009年のマナウスフリーゾーンの税制恩典比率はブラジル全体の17.1%を占めていたが、他州の零細企業に対して簡易で低率の税制体系が適用されるSIMPLES NACIONAL 適用の拡大で、2018年には8.5%まで減少している。

今年1月の鉱工業部門生産は調査対象の15地域のうち8地域でマイナスを記録(2023年4月6日付けヴァロール紙)

6日のブラジル地理統計院(IBGE)の地域別鉱工業部門生産調査(PIM-Regional)によると、2023年1月のブラジル国内の調査対象の15地域のうち8地域で前月比マイナスを記録している。

今年1月のブラジルの鉱工業生産は前月比マイナス0.3%、昨年12月の鉱工業部門生産量は前月比同率から悪化していた経緯があった。

今年1月の地域別鉱工業生産の前月比の比較では、南大河州はマイナス3.4%、サンパウロ州はマイナス3.1%、マット・グロッソ州の鉱工業部門生産はマイナス2.0%それぞれ大幅に落ち込んでいる。

今回の地域別の鉱工業部門生産調査の変更点として、北大河州、マラニョン州、南マット・グロッソ州の3州の地域データが加味されている。新たに加わった3地域は前年同月比のみのデーターを擁していた経緯があった。

また今年1月の地域別鉱工業生産の前月比の比較で大幅増加したのはアマゾナス州の11.5%、ミナス州9.8%それぞれ増加した一方で、大幅なマイナスを記録したのはマット・グロッソ州マイナス14.6%、北大河州マイナス10.5%、バイア州はマイナス10.3%と二桁台の落込みを記録している。

2023年1月の地域別鉱工業部門生産の前月比、前年同月比、今年の累計、過去12カ月間の累計の推移リスト

今年2月のサンパウロ市のホームレスは全国の25%に相当する5万2000人(2023年4月5日付けヴァロール紙)

2023年のサンパウロ市の財政予算は、960億レアルとブラジルで最高の予算が見込まれている一方で、サンパウロ市内のホームレス総数は、ブラジル全国の25%に相当する5万2,200人に達している。

この路上生活者数のデータは、ミナス連邦大学のホームレス人口に関するブラジル公共政策によって実施された調査の一部であり、またこの調査は、今年 2 月の単一登録簿 (CadÚnico) からのデータに基づいている。

またサンパウロ州内のホームレス総数は、全国の42%に相当する8万6,700人に達している。今年のサンパウロ州の財政予算は3,170億レアルが見込まれている。

今年2月のブラジル全国のホームレス総数は20万6,000人、昨年11月からの4か月間でホームレス人口は7.4%急増しており、ホームレスは加速度的に増加傾向を示している。

ホームレス人口の増加は、ブラジル国内の貧困の増加だけでなく、社会的不平等の悪化にも関連しており、ブラジル国内で最も裕福な南東部地域には、全国のホームレスの 62% が集中しているとAndré Luiz Dias教授は指摘している。

ホームレスは、主に黒人や教育レベルの低い人々が大半を占めており、路上生活をしている人口の半分は初等教育を終了していない。 ホームレスの 10 人に 7 人が黒人であり、ミナス州では、ホームレスの80%は黒人が占め、バイーア州では 93%を占めている。 これは単なる偶然ではなく、ブラジルでは、これは構造的な人種差別に直接関係しているとAndré Luiz Dias教授は指摘している。

統計に表れないホームレスの数はさらに増える可能性がある。 ミナス連邦大学の調査員は、35% の過少報告があると推定している。 路上生活者に関するデータは、市役所から単一登録簿 (CadÚnico)を通じて連邦政府に報告される。 この情報に基づいて、連邦政府はこのホームレスに食事サービスなどを提供するために地方自治体にリソースを移している。

過去10年間でホームレス人口が大幅に増加している。 2012 年には、単一登録簿 (CadÚnico)によるホームレスは1万2,700 人であったが、 2018 年は 13万8.7 00人でした。 パンデミックの最初の年である 2020 年には 19万4,800 人に増加、現在は 20万6,044 人に達している。

 

2022 年の国勢調査ではブラジル国内の先住民は165万2,000人(2023年4月4日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の2022年度の国勢調査によると、ブラジル国内の先住民数は、2010年の前回調査時の89万6,917人を84.2%上回る165万2,876人と大幅な増加を記録している。

昨年の国勢調査では、連邦高速道路警察 (PRF) の支援を受けて先住民族のヤノマミ族地域で国勢調査を収集するために、連邦高速道路警察 (PRF) は調査員輸送を支援し、ヘリコプターを貸し出し、国勢調査員の安全を確保しましたが、この調査地域では許可を得ていない金採鉱夫や麻薬密売人が横行していた危険地帯となっていた。

先住民数の165万2,876人はまだ暫定的な数字であり、調査結果が進むと変更される可能性があるが、2 月末、IBGE は 7 か月の作業を経て国勢調査データの収集を終了している。

IBGEの国勢調査 によると、2万7,144 人がロライマ州とアマゾナス州の一部を構成するヤノマミ先住民族の保護区に登録されており、ロライマ州には 1万6,864 人、アマゾナスには 1万,280 人の先住民が登録されている。 この合計 2万7,144 人には、連邦高速道路警察 (PRF) のエージェントとヘリコプターの支援を受けて、より遠隔地で登録された 5,600 人の先住民が含まれている。

2022 年の人口統計調査は、インフラストラクチャー、天然資源へのアクセス、教育、健康などの分野で村やコミュニティに関する情報を収集するために、先住民グループの政治指導者にアンケートを実施した初めての調査であり、 調査目標は、これらの村やコミュニティの状況を示す前例のない地図を作成するとなっている。

さらに、調査結果は、前回の国勢調査で前例のない方法で収集、前回調査のブラジルに存在する305の民族グループと274種類の先住民言語数を更新する可能性も指摘されている。

IBGE によると、今回の国勢調査には連邦高速道路警察に加えて、計画予算省が調整する法務省と公安省、国防省、先住民族および保健省、国立インジオ保護財団(Funai)および軍隊が参加している。

今年3月の企業経営者景況感指数(ICE)は、2.2ポイント上昇の91.4ポイント(2023年4月3日付けヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、2022年3月の企業経営者の景況感を計る企業経営者景況感指数(ICE)は、2.2ポイント上昇の91.4ポイントと分岐点の100ポイントを大きく割っている。

しかし今年3月の企業経営者景況感指数(ICE)の91.4ポイントは、2022年11月に記録した91.5ポイント以降では最高を記録、今年第1四半期の平均月間の企業経営者景況感指数(ICE)は、5回連続の減少から一転して0.2ポイント上昇を記録している。

今年第1四半期末の経済活動のシナリオがまだ弱いことを示しており、米国とヨーロッパでの銀行危機のリスクに大きく関係する 3 月の経済の不確実性が高まったにも関わらず、今年下半期に関してブラジル企業経営者の悲観論は減少している。

3 月の企業経営者景況感指数(ICE)の上昇は、主に4月の見通しの改善によるところが大きく、企業経営者の現状景況感指数(ISA-E) は 1.0 ポイント上昇して 90.9 ポイントになり、見通し信頼感指数(IE-E)は、 5.1 ポイント上昇して 93.0 ポイントと、2022 年 10 月 の95.9 ポイント以来の最高水準となり、その結果、IE-E は 2022 年 3 月以来初めて ISA-E を上回った。

企業経営者景況感指数(ICE)は、製造業、サービス業、商業並びに建設業の信頼度指数を統合したものであり、今年3月のサービス業、製造業並びに商業部門の企業経営者景況感指数(ICE)は上昇したが、建設業は前月並みであった。

3 月には、企業経営者景況感指数(ICE) を構成する 49 のセグメントの 61% で景況感が上昇し、スプレッドは前月よりわずかに減少している。

最終フォーカスレポートは今年のインフレ指数を5.96%に上方修正(2023年4月3日付けヴァロール紙)

3日ブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2023年のブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5.93%から5.96%に上方修正している。

2024年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回同様4.13%、2025年のIPCA指数も前回同様に4.00%にそれぞれ据え置いている。また2023年末の政策導入金利(Selic)を12.75%、2024年末のSelic金利は10.00%、2025年末のSelic金利は9.00%に据え置いている。

中銀の今年のインフレ指数の中央目標値は3.25%、2024年及び2025年は3.00%、許容値は±1.50%に設定されている。今年のGDP伸び率は前回同様0.90%に据え置いている。また2024年のGDP伸び率は1.40%から1.48%、2025年のGDP伸び率は1.71%から1.80%それぞれ上方修正している。

今月2日のブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2022年のブラジルの国内総生産GDP伸び率は前年比2.9%増加したが、昨年第4四半期のGDP伸び率はマイナス0.2%を記録していた。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替は前回同様R$5.25 、2024年末及び2025年末のドルの為替も前回同様R$5.30に据え置いている。