今年の中央政府の財政プライマリー収支赤字はGDP比1.3%予想(2023年2月15日付けヴァロール紙)

上院独立税制監査院(IFI)の税制レポートによると、2023年の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支赤字はGDP比1.3%が見込まれている。

2023 年の中央政府の財政プライマリー収支は支出予測に影響を与えるマクロ経済シナリオと主要歳入の変化により、1 月に比べて僅か22 億レアル減少に留まった要因として、5月からの最低サラリー引上げも一因に挙げられる。

公的債務への支出を除く一次的支出が、今年の国内総生産 (GDP) の 0.7% に相当する割合で増加し、来年も安定していると上院独立税制監査院(IFI)は予測している。

今年と来年のインフレ予測を上方修正。 2023年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数 (IPCA) を前回予想の 5.3% から 5.6% 、2024 年のIPCA指数は 3.7% から 3.8% に上方修正している。

 

ルーラ政権は最低サラリー及び所得税免税額の引上げを決定(2023年2月15日付けヴァロール紙)

ルーラ新政権は、労働者にとって記念すべきメーデーの5月1日から大統領選挙公約の現在の最大サラリー1302レアルを1320レアルの引き上げを決定した。

また低所得者層の個人所得税の免税枠拡大するために、2024 年から免除枠が最低賃金の 2 倍 に相当する2,640レアルで合意するような優先順位の指示をフェルナンド・ハダジ財務相は出している。

昨夜、最低サラリーの再調整について質問されたハダジ財務相は、「決定はル-ラ大統領次第だ」と明言を避けていた経緯があった。財務省経済チームは、すでに最低サラリー引上げによる財政へのインパクトについて調査しているにも関わらず、ルーラ大統領には詳細な調査結果は届いていない。

ルーラ大統領の補佐官は、2023年にまだ有効な支出上限に準拠するために支出を調整し、再調整に必要な財政的余裕を見つける必要があるため、発表はまだ実現に近づいていないと警告している。 財政支出上限法では、連邦政府は前年のインフレ指数を超える財政支出は出来ない。

今年のブラジルの国内総生産GDP伸び率は、伸びる兆候がないために1.0%以下に留まると予想されており、貧困層の生活向上には厳しいが、ルーラ大統領は5月1日のメーデーに照準を合わせて最低サラリーの引上げ実施を模索している。

またルーラ大統領が大統領選挙中に盛んに選挙スローガンとして訴えていた個人所得税の5,000レアル迄の所得税免税をする余裕は財政がひっ迫しているために難しいが、税制改革前の実施の必要性を訴えている。

連邦政府の経費削減を伴うとしても、最低サラリーの再調整は金融市場に不信感を抱かせている。 Ryo Asset社チーフ エコノミストのGabriel Leal de Barrosパートナーは、現在の 最低サラリー1,302レアル を 1,320レアル に引上げる財政コストは、今年5 月から 12 月にかけて約 48 億レアルに達すると計算している。

ルーラ元政権時代の最低サラリーの再調整率算出方法は、前年のインフレ率と 2 年前の国内総生産 (GDP) 成長率から算出されていたが、その計算方法では現在の最低サラリーは1,302レアルを大幅に上回る1,396レアルと Luiz Marinho労働・雇用相は指摘している。

最終フォーカスレポートは2024年末のインフレ指数を4.0%に上方修正(2023年2月13日付けヴァロール紙)

13日発表のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートは、今年のブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を前回予想の5.78%から5.79%に微増調整している。

また2024年の広範囲消費者物価指数(IPCA)も前回予想の3.93%から4.00%、2025年のIPCA指数も3.50%から3.60%に上方修正している。

今年末の政策導入金利(Selic)は前回予想の12.50%から12.75%、2024年末は9.75%から10.0%にそれぞれ上方修正したが、2025年末のSelic金利は前回同様9.00%に据え置いている。

中銀の今年のインフレ指数の中央目標値は3.25%、2024年及び2025年は3.00%、許容値は±1.50%に設定されている。

今年のGDP伸び率は、Selic金利の上方修正に反して前回予想の0.79%から0.76%に下方修正している。また2024年のGDP伸び率は前回同様に1.50%に据え置いたが、2025年のGDP伸び率は1.89%から1.85%に下方修正している。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.25%に据置、2024年末及び2025年末の為替も前回同様R$5.30に据え置いている。

昨年12月のサービス部門提供量は前月比3.1%増加、昨年1年間では8.3%増加を記録(2023年2月10日付けIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、2022年12月のサービス部門提供量(生産性指標)は前月比3.1%と大幅増加、昨年1年間のサービス部門の累積提供量は前年比8.3%増加を記録している。

昨年のサービス部門の累積提供量レベルは、Covid‐19パンデミック直前の2020年2月の水準を14.4%上回っており、ブラジル国内のサービス部門はCovid‐19パンデミックから完全に回復しているとブラジル地理統計院(IBGE)アナリストのLuiz Almeida氏は説明している。

2022年のサービス部門の累積提供量を牽引したのは、輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は前年比13.3%と二桁台の伸び率を記録、昨年は農業生産増加だけでなく、観光事業部門の再開で、貨物輸送や旅客輸送の増加に繋がった。

また昨年のサービス部門の累積提供量を牽引したのは、教育・研究機関などの公共サービス部門提供量は前年比7.7%増加、特にレンタカーサービス、エンジニアリングサービス、電子決済ソリューションサービス、見本市、会議、コンベンション部門のプロモーション部門が牽引していた。

昨年のサービス部門の累積提供量を牽引した3 番目は、一般家庭向けサービス部門の累積提供量は24.0%と二桁台の伸び率を記録、レストラン、ホテル、ビュッフェ、ケータリング、体調管理などのセクターが牽引。 情報・通信サービス部門は3.3%増加を記録していた。

昨年のサービス部門の累積提供量で唯一マイナスを記録したのは、その他のサービス部門の累積提供量は前年比マイナス2.1%を記録、証券仲介、取引所および組織化された店頭市場の管理、契約または手数料の資金管理などの補助的な金融サービスの不振が影響している。

昨年12月のサービス部門提供量の前月比3.1%増加したが、調査対象の5部門のうち4部門で増加を記録、特に輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は前月比2.5%増加、その他のサービス部門は10.3%増加、教育・研究機関などの公共サービス部門提供量は3.0%増加、一般家庭向けサービス部門は2.4%増加、唯一情報・通信サービス部門はマイナス2.2%を記録している。

昨年1年間のサービス部門提供量の州別比較では、特にサンパウロ州は9.7%増加、ミナス11.2%、リオ4.0%、南大河州11.3%、ペルナンブーコ州11.2%、パラナ州4.4%、マット・グロッソ州は13.8%それぞれ増加を記録したが、唯一ブラジリア連邦直轄地はマイナス1.6%を記録していた。

2013~2022年のサービス部門提供量の年間伸び率推移

2022年の鉱工業部門生産は調査対象の15地域のうち8地域で増加を記録(2023年2月10日付けIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の調査によると、2022年12月のブラジルの鉱工業部門生産の前月比の調査では、調査対象の15地域のうち10地域で増加を記録、また2022年1年間の鉱工業部門生産は調査対象の15地域のうち8地域で増加を記録している。

昨年12月の州別鉱工業部門生産の前月比でマイナスを記録したのは、パラー州のマイナス9.1%が最大の落ち込みを記録、次いでエスピリット・サント州はマイナス8.4%、生産減少要因として鉄鉱石の採掘産業セクターの後退、次いで原油、ペレット化または焼結鉄鉱石、天然ガス、非金属鉱物製品、冶金などが足枷となっている。

パラナ州の鉱工業生産がマイナス4.2%を記録した要因として、 石油デリバティブ部門のディーゼル燃料と燃料油の生産が減少が足枷となった。サンタ カタリーナ州のマイナス4.3%の要因として水着などのテキスタイル部門を調査アナリストのベルナルド アルメイダ氏は指摘している。

また昨年1年間の鉱工業部門生産が前年比でマイナスを記録したのは、セアラー州はマイナス4.9%、ペルナンブーコ州マイナス2.3%、ミナス州マイナス1.3%、北東部地域マイナス1.0%を記録している。

昨年1年間の鉱工業部門生産が前年比で大幅な増加を記録したのは、穀倉地帯を抱えているマット・グロッソ州は19.4%と大幅な増加を記録、特に冷凍、生鮮または加工牛肉、バガス、ふすま、その他の大豆油抽出の残留物などの食品部門、コークス、石油製品、エチルアルコールなどのバイオ燃料などの燃料部門が牽引していた。

昨年1年間の鉱工業部門生産が前年比でプラスを記録したのはリオ州は4.6%増加、アマゾナス州3.8%、バイア州2.4%、ゴイアス州1.4%、南大河州は1.1%とそれぞれ1.0%以上増加を記録した一方で、サンパウロ州は僅か0.2%の微増に留まっている。

2022年の鉱工業部門生産の州別伸び率の比較

今年1月のインフレ指数IPCAは0.53%増加(2023年2月9日のヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2023年1月のブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、0.53%増加を記録している。

Valor Data社が41社のコンサルタント及び金融機関対象の調査では、今年1月のIPCA指数の最高予想は0.66%増加、最低予想は0.48%、平均予想は0.57%と実際の0.53%よりも若干高めの予想であった。

今年1月の過去12カ月間の累積IPCA指数は5.77%と昨年12月の5.79%よりも0.2%減少、前記同様にValor Data社が41社のコンサルタント及び金融機関対象の調査では、最高予想5.90%、最低予想5.72%、平均予想は5.82%と実際のIPCA指数5.77%よりも若干高めの予想となっている。ブラジル中央銀行の今年の目標IPCA指数は3.25%、許容範囲は±1.50%に設定されている。

今年1月のIPCA指数調査は9セクターで調査されており、住宅関連セクターは昨年12月の0.20%から0.30%、前記同様に家財道具セクターは0.64%から0.70%、輸送セクターは0.21%から0.55%、身の回り品セクターは0.62%から0.76%、教育セクターは0.19%から0.36%、通信セクターは0.50%空2.09%それぞれ増加を記録している。

一方食品・飲料セクターは昨年12月の0.66%から0.59%、衣類セクターは1.52%からマイナス0.27%、保健衛生・パーソナルケアセクターは1.60%から0.16%とそれぞれ減少を記録している。

今年1月のIPCA指数の0.53ポイント増加のインパクト指数としては、食品・飲料セクターのインパクト指数は0.13ポイント、内食セクターは0.60ポイントを記録したにも拘らず、昨年12月の0.71ポイントよりも減少している。

今年1月の食品セクターのうち、ジャガイモの値上がりは14.14%、トマト3.89%、果物3.69%、精米3.13%それぞれ値上りした一方で、玉葱はマイナス22.68%、部分鶏肉マイナス1.63%、食肉はマイナス0.47%とそれぞれ値下がりしていた。また外食は0.57%増加、特に軽食は1.04%値上りでインパクト指数は0.02ポイントであった。

また輸送セクターは0.55%増加、燃料セクターは0.68%増加、内訳はガソリン価格は0.83%、エタノールは0.72%それぞれ値上りした一方で、ディーゼル燃料はマイナス1.40%、自動車用ガスはマイナス0.85%とそれぞれ値下げ利を記録していた。

住宅関連セクターは0.30%増加した要因として、上下水道代が1.44%値上りしており、特にベロ・オリゾンテ市の上下水道代が12.73%、ブラジリア連邦直轄地は8.29%、カンポ・グランデ市は5.56%値上りしていた経緯があった。

ブラジル地理統計院(IBGE)の今年1月のIPCA指数の16地域対象の調査のうち14地域で前月比増加を記録、サルバドール市は昨年12月の0.39%から今年1月は1.09%、ヴィトリア市は0.65%から0.92%、ベロ・オリゾンテ市0.71%から0.82%、サンパウロ市0.62%から0.68%、リオ市は0.33%から0.43%それぞれ増加した一方で、リオ・ブランコ市は1.32%から0.67%、アラカジュ市は0.66%から0.63%それぞれ減少している。

2023年1月のIPCA指数構成のセクター別増減

2022年1月から2023年1月までの月間の過去12か月間の累計IPCA指数の推移及び上下許容範囲

税制改革は2段階で実施と財務省のAppy特別長官が示唆(2023年2月8日付けヴァロール紙)

ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ政権で税制改革を担当する財務省のバーナード・アピー特別長官は、今週の水曜日に、税制改革は 2 段階で実施されると説明している。

税制改革の第一段階として消費税、第2段階として所得税の再編成として、おそらく給与関連の税改正が優先される。消費財の税制改革は 新しい税制の移行期間中は増税は行われないと説明している。

初めに消費財関連の税制改革に着手する理由として、既に国会での消費税改革案ははるかに進んで成熟しているため、所得税改革に先行して消費財改革に着手する理由を「Renova BR」が主催する議員との昼食会でAppy氏は説明している。

ブラジルでは消費税の税率がすでに高く設定されているために、現状維持の税率で消費税の税制改革に着手できると説明。課税をよりよく精査することが可能な税制は所得と資産であると強調している。

現在の税が付加価値税 (VAT) に置き換えられる移行期間中、税負担の増加は認められないと説明。 将来起こり得ることは、一部の州知事が州立法議会とともに、税率を上げる可能性をAppy特別長官は指摘している。

Appy特別長官 は、現在進行中の憲法修正案 (PEC 45) の作成者の 1 人であり、 別の上院で議論された憲法修正案のPEC 110 は、Luiz Carlos Hauly (PSDB-PR) 元議員 によって作成された。

ルーラ大統領はBNDES銀行による輸出向けクレジット拡大を擁護(2023年2月7日付けヴァロール紙)

6日ルーラ大統領は、社会経済開発銀行(BNDES)のアロイジオ・メルカダンテ新総裁の就任式で、同銀行による過去の海外で実施されたブラジルの土木工事プロジェクトへの資金提供について、正当性を強調した。

またルーラ大統領は、キューバとベネズエラ政府によるBNDES銀行ローンの不払いはジャイール・ボルソナロ政権と両国の関係悪化が不払いに繋がったと指摘したが、しかし、この両国のローン不払いは、ルーラ政権とジルマ・ローセフ政権時に既に発生していた経緯があった。

ルーラ大統領の声明は、ブラジル政府が海外での事業やサービスに資金を提供するためにBNDES銀行を活用しようとしている兆候を示唆している。

今年1 月 22 日のアルゼンチン政府訪問時には、ルーラ大統領は、BNDES銀行がVaca Muertaガスパイプライン建設プロジェクトへの資金提供する用意があると発表していた。

BNDES銀行は、ラテンアメリカ地域並びにカリブ海地域の15 か国に対して、ブラジル企業にエンジニアリング サービス向けの資金を提供して、利益を生み、雇用増加に繋がったとルーラ大統領は強調している。

キューバやベネズエラ政府からのローン支払い欠如は、ジャイール・ボルソナロ政権時代にローン支払いを請求しないために国際関係を絶ったことが事実であり、キューバやベネズエラ政府はBNDES銀行への支払を再開すると確信していると説明した。

ルーラ大統領はまた、鉱工業部門や中小企業を対象とするクレジット拡大政策を擁護、またもう1つのクレジット拡大の優先分野はグリーン経済分野を示唆している。

BNDES銀行のメルカダンテ新総裁は、同銀行はブラジル国内だけでなく近隣諸国も対象にブラジル企業の海外進出を牽引する役割を担っていると説明。 この声明は、副大統領であり、BNDES銀行が関与しているジェラルド・アルキミン開発相も支持している。

我々は過去のBNDES銀行について議論するために集まったわけではなく、未来のBNDES銀行を構築するための議論をするためにおり、それは、環境に優しく、包括的、技術的、デジタル、工業化されたものとメルカダンテ総裁は強調している。

ルーラ大統領は、BNDES銀行がブラジルや近隣諸国の経済成長と発展を促進する役割に緊急に戻る必要があると弁護。 州政府や地方自治体に返済能力がある限り、融資を恐れる必要はない。2008年の金融危機のとき、BNDES銀行のクレジットがいなければ、ブラジルは沈没していた。BNDES銀行は資金を利用できるようにしたので、ブラジルは一番最後に世界金融危機に突入し、最初に金融危機から脱出できたとルーラ大統領は強調している。

BNDES銀行は2002 年に370 億レアル、2010 年に 1,680 億レアルのクレジットを供与、2013 年には 1,900 億レアルに増加したが、ボルソナロ政権時の2021年には、640 億レアルまで縮小、教育やインフラ分野を含めてBNDES銀行は機能を失っていたとルーラ大統領は説明している。

 

 

中銀の最終フォーカスレポートはSelic金利の引下げサイクルは予想より遅れると示唆(2023年2月6日付けヴァロール紙)

中銀の通貨政策委員会(Copom)の最終フォーカスレポートによると、今年のブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5.74%から5.78%に上方修正、2024年は3.90%から3.93%に上方修正したが、2025年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は3.50%に据え置いている。

また今年末の政策導入金利(Selic)を前回同様12.50%に据え置いたが、2024年末のSelic金利は9.50%から9.75%、2025年末は8.50%から9.00%それぞれ上方修正している。

中銀の今年のインフレ指数の中央目標値は3.25%、2024年及び2025年は3.00%、許容値は±1.50%に設定されている。

今年のブラジルの国内総生産GDP伸び率は前回予想の0.80%から0.79%と若干下方修正、2024年のGDP伸び率は1.50%、2025年のGDP伸び率は1.89%それぞれ据置いている。

また今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.25。2024年末及び2025年末のドルの為替は前回同様R$5.30に据置いている。

昨年12月の鉱工業部門生産は前月並みも1年間ではマイナス0.7%に減速(2023年2月3日のIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、2022年12月の鉱工業部門生産量は前月比同率で推移したにも拘らず、昨年1年間の鉱工業部門の累計生産量は前年比マイナス0.7%を記録、Covid‐19パンデミック後の回復が遅れている。

また昨年12月の鉱工業部門生産量は前年同月比マイナス1.3%、昨年第4四半期の鉱工業部門の平均生産量は0.5%増加している。

昨年12月の鉱工業部門生産量を牽引したセクターは、石油派生品・バイオ燃料セクター3.4%増加と3カ月連続で増加を記録、医薬品関連セクター9.1%増加を記録している。

また金属セクターは5.6%、自動車・トラック・輸送機器セクターは1.3%、衣類・アクセサリーセクター8.0%、情報機器・電気製品・光学機械セクター4.7%、皮革・履物・旅行用品セクターは6.7%それぞれ増加を記録している。

一方昨年12月の鉱工業部門生産量がマイナスを記録したセクターは、食品セクターマイナス2.6%、金属セクターマイナス5.1%、その他の化学製品セクターマイナス3.2%、機械・装置セクターマイナス3.6%、鉱業セクターマイナス1.1%、飲料セクターはマイナス2.8%であった。

昨年12月の鉱工業部門生産量は前月比同率、前年同月比マイナス1.3%、昨年1年間の累計はマイナス0.7%を記録、前記同様に資本財部門の生産量は1.8%、0.9%、マイナス0.3%、中間財部門はマイナス2.1%、、マイナス2.6%、マイナス0.7%であった。

また消費財部門生産は2.2%、1.4%、マイナス0.8%、そのうち耐久消費財部門は4.1%、マイナス5.8%、マイナス3.3%、非耐久消費財部門は3.2%3.1%、マイナス0.2%を記録している。

2010年12月~2022年12月の鉱工業部門生産量の推移