今年1月のインフレ指数IPCA-15は0.55%上昇(2023年1月24日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、昨年12月16 日~今年1月15 日までの30 日間に計測された2023年1月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA-15)は、昨年12月の9.52%に続いて0.55%上昇を記録している。

今年1月の過去12か月間の累積IPCA-15指数は、昨年12月の5.90%から5.87%と若干減少したが、 Valor Data社の調査結果の平均値5.84%を若干上回っている。ブラジル中央銀行の今年のインフレ指数の目標中央値3.25%、許容値は±1.50%に設定されている。

今年1月の IPCA-15指数の部門別比較では、健康・パーソナルケア部門は1.10%増加、インパクト指数は0.14ポイント、食品・飲料部門は0.55%、インパクトポイントは0.12ポイントとなっている。

一方今年1月の IPCA-15指数で値下がりを記録したのは、ガソリンはマイナス0.59%、電力エネルギー料金はマイナス0.16%を記録している。

インフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA-15)は、ブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)の予想として先行して発表、1最低サラリーから40最低サラリーの所得層を対象に調査、ブラジリア連邦直轄地とゴイアニア市の地方自治体に加えて、9大都市圏を対象に調査されている。

ブラジルとアルゼンチンは共通通貨創設で協議開始(2023年1月24日付けヴァロール紙)

23日、ブエノス・アイレス市を訪問中のブラジルのルーラ大統領は、アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領と共通通貨の創設に向けた協議を開始した。

アルゼンチンとの共通通貨の創設は、昨年から継続している米ドル高で世界各国に痛みをもたらしているために、米ドル依存の軽減に繋がるとルーラ大統領は説明している。

また金融部門や貿易部門に活用できるバーチャル共通通貨の創設を推し進めるが、運用コストや外部脆弱性の低減につながると有益性を指摘している。

しかしブラジル政府のフェルナンド・アダジ財務相は記者団に対し、共通通貨創設案の影響を過大視しない考えを表明。アルゼンチンの米ドル不足が両国間の貿易の足かせになっており、政府首脳は解決策となりうる案を模索しているものの、ブラジルの通貨レアルが廃止されるわけではないと強調した。

創設される共同通貨はデジタル通貨であり、一般国民が使用するものではないが、新共同通貨はただ単に両国間貿易を促進するための政策にフォーカスされたものではないと説明している。

ルーラ大統領とフェルナンデス大統領の共同書簡には、「我々は、金融と商業の流れの両方に使用でき、運用コストと外部の脆弱性を削減できる共通の南米通貨に関する議論を進めることを決定した」と記載されている。

前日の英国の「フィナンシャル・タイムズ」とのマッサ財務相のインタビューでは、新共同通貨は、ユーロ圏に次ぐ、世界で2番目に大きい通貨統合に繋がると批判的なコメントがでていた。

これに対して、ルーラ大統領、フェルナンデス大統領、アダジ財務相、マッサ財務相は、月曜日のブエノス・アイレスでの公式声明の大部分を、レアル通貨もアルゼンチンペソ通貨も継続する説明に追われた。

最終フォーカスレポートは、今年のインフレは5.48%、来年は3.84%予想(2023年1月23日付けヴァロール紙)

23日発表の中銀の最終フォーカスレポートによると、今年のGDP伸び率は前回予想の0.77%から0.79%増加と若干上方修正した一方で、来年のGDP伸び率は1.50%増加に据え置いている。

今年のブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5.39%から5.48%に上方修正、2024年のIPCA指数は3.70%から3.84%に上方修正している。

また今年末の政策導入金利(Selic)を前回同様12.50%に据え置いた一方で、2024年末のSelic金利は9.25%から9.50%、2025年末のSelic金利は 8.25%から8.50%それぞれ上方修正している。

中銀の今年のインフレ指数の中央目標値は3.25%、2024年及び2025年は3.00%、許容値は±1.50%に設定されている。

ブラジル地理統計院(IBGE)が昨年12月初めに発表した2022年第3四半期のGDP伸び率は前四半期比0.4%増加を記録していた。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替は前回同様R$5.28に据え置かれたが、2024年末及び2025年末もR$5.30に据え置かれている。

的中率が最も高いトップ5の今年末のIPCA指数は前回予想の5.44%から5.61%に上方修正している。また来年のIPCA指数は3.47%から3.58%に上方修正したが、2025年は3.00%に据え置いている。また今年末のドルの為替はR$5.40、2024年末はR$5.41 ,2025年末はR$5.65それぞれ据え置いている。

 

 

ルーラ大統領は低所得層擁護で所得税徴収ロジック変更を示唆(2023年1月19日付けヴァロール紙)

18日ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領は、企業経営者と対立する所得税変更では喧嘩も辞さないと強調して、5,000レアル以下の所得層を擁護するためには、ブラジルの所得税徴収のロディック変更の必要性を強調している。

労働者党PTのルーラ大統領は、株式配当金などを受け取っている富裕層に対する所得税の増税は不可欠であり、今はその時であると富裕層に対して、所得税ロディック変更の理解を求めている。

またルーラ大統領は、インフレ指数を上回る最低賃金の支払いを保証するために、できるだけ早く税制改革を実施する必要があるというフェルナンド・ハダッド財務相の声明を支持を表明している。

ブラジルで本当に所得税を払っているのは、給与明細を持っている正規労働者であり、給与は天引きされるために、脱税できない。 3,000レアルの低所得者は、株式配当金などで月10万レアルを得ているにも拘らず、所得税を払っていない富裕層よりも税金を払っているとルーラ大統領は指摘している。

わが労働党のエコノミストの中には、5,000レアルまでの労働者の源泉徴収所得税を免除すると、国庫庁の源泉徴収所得税は60%減少すると反対意見を述べているが、所得税のロディックを変更して、低所得層に対する所得下税免税及び減税の一方で、富裕層の所得税率アップで、所得税による歳入減少を抑えられるとルーラ大統領は説得している。

またルーラ大統領は大統領選挙キャンペーンの一環として、最低給与のインフレ指数以上の引上げを強調していたが、現時点で唯一の最低給与の保証額は1,302レアルであるが、労働者党PTの象徴的な記念日である5月1日のメーデーまでに1320レアルの最低給与額の引上げを模索している。

しかしフェルナンド・ハダド財務相の責任下にある財務省内との交渉は依然として行き詰まっている。 国会によって昨年承認された今年の予算では、今年の最低1,320レアルを予見しているが、中央労働組合はR$ 1,342レアルを要求しており、これは財政支出のバランスと相容れない。

最低給与の引上げ問題についてルーラ大統領は、この問題は税制改革に関連しており、ブラジル経済を好転させることができるのは、最低給与引上げを重視するという経済政策だけだと示唆している。

最低給与をインフレ指数よりも高くすることは可能であり、これは所得分配する最良の方法であり、 ブラジルのGDP伸び率に伴って、最低給与の増加率を合わせるとハダジ財務相は説明している。

2022年9月~11月の四半期の月間平均失業率は2014年同時期以降では最低の8.1%まで減少(2023年1月19日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の継続的全国家庭サンプル調査(Pnad Continua)の調査結果を発表によると、2022年9月~11月の四半期の月間平均失業率は、8.1%と昨年6月~8月の前四半期の8.9%から0.8%と大幅に減少している。

また昨年9月~11月の四半期の月間平均失業率8.1%は、前年同期の11.6%から3.5%と大幅な失業率の減少を記録、Covid‐19パンデミック対応のワクチン接種拡大による経済活動の正常化による回復が顕著になってきている。

昨年9月~11月の四半期の月間平均失業率8.1%は、同四半期の比較では2014年同期に記録した6.6%の低失業率以降で最低の失業率を記録、また昨年8月~10月の四半期の月間平均失業率8.3%よりも0.2%減少している。

Valor Data社による27社のコンサルタント会社及び金融機関対象の昨年9月~11月の四半期の月間平均失業率調査によると、最低失業率予想は7.8%、最高8.5%、平均失業率予想は8.1%と同様の結果が出ている。

昨年9月~11月の四半期の14歳以上の月間平均失業者数は870人万人を記録しているが、昨年6月~8月の前四半期の失業者数よりも9.8%に相当する95万3,000人減少、また前年同期比では29.5%に相当する370万人の減少を記録している。

昨年9月~11月の四半期の民間企業従業員、企業経営者並びに公務員などの労働者総数は、昨年6月~8月の前四半期比0.7%に相当する68万人増加して2012年以降では最高の労働者数を記録している。

昨年9月~11月の四半期の労働者の平均サラリーは前四半期比3.0%に相当する81レアル増加の2,787レアルを記録、また前年同期比では7.1%に相当する186レアル増加している。

2022年のアマゾン地域の熱帯雨林の違法伐採は過去15年で最悪(2023年1月18日付けヴァロール紙)

18日のアマゾン人間環境研究所(Imazon)の発表によると、2022年のアマゾン地域の熱帯天然雨林の違法伐採は1万573平方キロメートルに達し、2008年の調査開始以降では最大の違法伐採面積を記録している。

また昨年のアマゾン地域の1日当りの平均熱帯雨林消滅面積は、3,000カ所のサッカー場面積の消滅に相当しており、ルーラ新政権にとっては、早急な違法伐採取締が急務となっている。

ジャイール・ボルソナロ前政権期間の2019年~2022年の4年間の違法伐採面積は3万5,193平方キロメートルに達し、州面積が2万1,000平方キロメートルのセルジッペ州及び2万7,000平方キロメートルのアラゴアス州の面積を上回っているとアマゾン人間環境研究所(Imazon)は指摘している。

2019年~2022年の4年間の違法伐採面積3万5,193平方キロメートルは、2015年~2018年の前政権の違法伐採面積1万4424平方キロメートルの150%増加を記録している。

ルーラ新政権はアマゾン地域の森林保護を優先すると約束しており、これが私たちの衛星監視システムによって報告された最後の森林破壊記録に留まることを願っているとアマゾン人間環境研究所(Imazon)調査員のビアンカ・サントスはコメントしている。

2022年12月の熱帯雨林の違法伐採面積は、前年同月比105%増加に相当する287平方キロメートルに達し、12月としては過去最悪の違法伐採面積を記録している。

2022年のアマゾン地域の違法伐採面積の80%に相当する8,443平方キロメートルの連邦政府の管轄で前年比では僅か2.0%増加に留まっていた。

しかし昨年のアマゾン地域の違法伐採面積のうち州政府管轄は、前年比11.0%増加の1,130平方キロメートル、残りの 9% は、非管轄が特定できない区域は1,000平方キロメートル、市区町村の0.2平方キロメートルであった。

昨年12月は、牧畜、土地投機、違法な鉱物採掘、先住民族の土地での森林伐採、保全部隊の監視が緩んでいる間に、森林伐採の野放図な競争が繰り広げられていたと、同研究所アマゾン監視プログラムのコーディネーターのカルロス・ソウザ・ジュニア氏が指摘している。

2020 年 4 月のジャイール・ボルソナロ政権の閣僚会議で、リカルド・サレス前環境相が、covid-19 パンデミックはアマゾン地域での牧畜拡大などのチャンスと述べたと噂が広がっていた経緯があった。

 

 

2022年のGDP伸び率は3.0%増加予想も昨年第4四半期は僅か(2023年1月17日付けヴァロール紙)

ゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(FGV/Ibre)の国内総生産統計担当のコーディネーターでエコノミストのClaudio Considera 氏は、2022年のGDP伸び率は3.0%増加を見込んでいる。

2022年11月のGDP伸び率は前月比0.1%増加、前年同月比2.0%増加、昨年9月~11月の四半期のGDP伸び率は前年同期比2.6%増加を記録している。

昨年第4四半期のGDP伸び率は、最も低い伸び率が予想されているが、2022年の正式なGDP伸び率は、3月2日にブラジル地理統計院IBGEから発表される。

昨年の第 3 四半期までのGDP伸び率はIBGE による統計修正と、昨年1年間を通してのサービス部門の回復により、GDP伸び率は3.0%増加を確保が、2023 年のGDP伸び率は、世界的なインフレ及び金利の高止まり、先行きが見通せないロシアとウクライナの戦争の終焉、中国の不透明なCOVID-19対策や停滞する中国経済などマイナス要因が大半を占めている。

ブラジルGDP全体の6割以上を占めるサービス部門が昨年11月までの年間を通じて好調を維持しており、これは、本日発表された FGVのGDPモニターでは、サービス部門の昨年11 月までの 過去12 か月間の伸び率は 4.3%の高い増加率を記録している。

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、2022年11月のサービス部門提供量(生産性指標)は、前月比同率も10月のマイナス0.5%から増加を記録、Covid‐19パンデミック前の2020年9月の水準を10.7%上回っている一方で、過去最高であった2022年9月の水準を0.5%下回っている。

また昨年11月の住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)部門のGDP伸び率は前月比マイナス1.2%、一般家庭消費もマイナス2.3%を記録して2021年3月に記録したマイナス4.5%に次ぐ低率を記録している。

2022年第4四半期のGDP伸び率は、実質賃金の目減り、一般家庭の消費意欲を削ぐ高止まりするインフレ指数などの要因で0.1%~0.2%の微増に留まると予想されている。

今年のGDP伸び率のパフォーマンスを改善する要因として、ルーラ大統領選挙公約の最低賃金のインフレ指数以上の引上げによる貧困層の購買力の強化については、新政権の経済班によって議論されている。

また今年のGDP伸び率を押し上げるためには公共投資の活性化が不可欠となっているが、特に 1 月 8 日の連邦管区での過激派による攻撃の後、各州政府州は連邦政府に対して、投資家が安心できる法的保証を提供する必要性を強調している。

最終フォーカスレポートは、今年のGDP伸び率を若干下方修正(2023年1月16日付けヴァロール紙)

16日のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートは、今年のGDP伸び率を前回予想の0.78%から0.77%と若干下方修正している。

また2024年のブラジルのGDP伸び率は前回同様に1.50%に据え置いている。一方2022年のGDP伸び率は前回予想の3.03%から3.02%に微修正している。2022年のブラジルの正式なGDP伸び率及び昨年第4四半期のGDP伸び率は3 月 2 日にブラジル地理統計院(IBGE)から発表される。

2023年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前回予想の5.36%から5.39%と若干上方修正されたが、2024年の IPCA指数は3.70%に据置、2025年は3.30%から3.50%に上方修正されている。

今年末の政策導入金利(Selic)は前回予想の12.25%から12.50%に上方修正されたが、2024年末のSelic金利は9.25%に据置、2025年末のSelic金利は8.00%から8.25%に上方修正されている。

今年の連邦政府のIPCA指数の中央目標値は3.25%、2024年及び2025年は3.00%、許容範囲は±1.50%に設定されている。また今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.28%に据置、2024年末及び2025年末のドルの為替はR$5.28に据え置かれている。

的中率の最も高いトップ5の今年末のIPCA指数は5.12%から5.44%と大幅に上方修正された一方で、2024年末のIPCA指数も3.45%から3.47%に若干上方修正された一方で、2024年末のIPCA指数は3.18%から3.00%に下方修正されている。

またトップ5の今年末のドルの為替は前回予想のR$5.25からR$5.40、2024年末はR$5.26からR$5.41、2025年末はR$5.30からR$5.65に修正されている。

 

2022年11月のブラジル国内の鉱工業部門は調査対象の15地域のうち6地域でマイナスを記録(2023年1月13日付けヴァロール紙)

13日のブラジル地理統計院(IBGE)の地域別鉱工業部門生産調査(PIM-Regional)によると、2022年11月のブラジル国内の調査対象の15地域のうち6地域で前月比マイナスを記録している。

昨年11月のブラジルの鉱工業部門生産は前月比マイナス0.1%微減、地域別ではパラー州は前月比マイナス5.2%、ペルナンブーコ州はマイナス2.0%、南大河州はマイナス1.3%、リオ州マイナス0.9%、ゴイアス州はマイナス0.3%を記録している。

ブラジル全国の鉱工業部門を牽引する昨年11月のサンパウロ州の鉱工業部門生産は前月比3.1%増加、前年同月比7.3%増加、昨年11月の過去12カ月間の累積鉱工業部門生産はマイナス0.4%を記録している。

一方昨年11月の鉱工業部門生産が増加したのは、パラナ州の8.5%増加、エスピリット・サント州7.6%、セアラー州4.3%、マット・グロッソ州3.8%、バイア州3.5%、ミナス州2.2%、サンタ・カタリーナ州0.3%、アマゾナス州は0.1%それぞれ増加を記録している。

また昨年11月の鉱工業部門生産の前年同月比の比較では、調査対象の15地域のうち5地域で増加を記録、特にサンパウロ州は7.3%増加、リオ州6.0%、ミナス州4.7%、ゴイアス州4.2%、アマゾナス州1.8%それぞれ増加、ブラジル平均は0.9%増加であった。一方減少したのはパラー州はマイナス16.5%、パラナ州マイナス12.2%とそれぞれ二桁台の減少を記録している。

2022年11月のブラジルの鉱工業部門生産の地域別比較表