今年第3四半期のIBC-Br伸び率は1.36%増加、9月は0.05%増加(2022年11月14日付けヴァロール紙)

14日中銀発表の2022年9月のGDP伸び率の先行指標となる経済活動指数(IBC-Br)は、8月のマイナス1.13%から一転して増加に転じたものの僅か0.05%増加に留まっている。

Valor Data社の9月の経済活動指数(IBC-Br)の最低予想はマイナス1.10%、最高予想は0.80%増加、平均予想は0.20%増加と実際の増加率0.05%増加を上回っていた。

今年第3四半期のIBC-Br伸び率1.36%増加は前年同期比4.00%増加、9月末の過去12か月間の累計 IBC-Br伸び率は2.34%増加、今年初め9か月間の累計IBC-Br伸び率は2.93%増加を記録している。

今年第3四半期の月間IBC-Br伸び率は、7月は1.68%と大幅に増加を記録していたが、8月は一転してマイナス1.13%を記録、9月は金融業界の予想を下回る0.05%増加に留まった。

今年1月のIBC-Br伸び率はマイナス0.58%、2月は0.91%増加、3月は1.12%増加、4月はマイナス0.46%、5月はマイナス0.20%と2ヶ月連続でマイナスを記録していたが、6月は0.74%増加、7月も1.68%増加と2ヶ月連続で増加していた。

ブラジル中央銀行が発表するIBC-Br の計算方法は、ブラジル地理統計研究所 (IBGE) が計算する国内総生産GDP伸び率とは異なり、毎月の頻度で発表される BC 指標は、経済活動の進化をより頻繁に監視することを可能にし、四半期ごとの頻度を持つ国内総生産 (GDP) は、経済のより包括的な全体像を表している。

9月のサービス部門提供量は前月比0.9%増加(2022年11月11日付けIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、2022年9月のサービス部門提供量(生産性指標)は前月比0.9%増加、Covid‐19パンデミック前の2020年2月の水準を11.8%上回っており、過去最高を記録した2014年11月の水準を上回る迄回復してきている。

今年9月のサービス部門提供量(生産性指標)は前年同月比9.7%増加、今年初め9か月間の累計サービス部門提供量(生産性指標)は前年同期比8.6%増加、9月の過去12カ月間の累計サービス部門提供量(生産性指標)は、8月の9.6%増加から8.9%増加に縮小している。

9月のサービス部門提供量(生産性指標)は、大枠の5部門のうち3部門で前月比で増加を記録、特にその他のサービス部門は、前月のマイナス5.0%から一転して6.7%の大幅増加を記録、情報・通信サービス部門は3ヶ月連続の2.0%増加、一般家庭向けサービス部門は1.0%増加と7カ月連続で増加を記録、教育・研究機関などの公共サービス部門は0.2%微増に留まった。

一方9月のサービス部門提供量(生産性指標)でマイナスを記録したのは、輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量はマイナス0.1%、その他のサービス部門はマイナス0.3%であった。

9月のサービス部門提供量(生産性指標)の前年同月比では9.7%増加と19カ月連続で増加を記録、大枠5部門のうち5部門で増加を記録、特に輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は15.3%増加、情報・通信サービス部門は6.0%、教育・研究機関などの公共サービス部門は6.9%、 一般家庭向けサービス部門は17.8%増加、その他のサービス部門は2.6%増加を記録している。

今年初め9か月間のサービス部門の累計提供量(生産性指標)は前年同期比8.6%増加、調査対象の166セクターの内65.7%に相当するセクターで増加を記録している。

特に輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は14.1%増加、一般家庭向けサービス部門は30.3%増加、教育・研究機関などの公共サービス部門は7.6%増加、情報・通信サービス部門は3.2%増加している。

9月のサービス部門提供量(生産性指標)の州別の前月比調査では、27地域のうち19地域で増加を記録、リオ州0.7%、サンタ・カタリーナ州2.6%、南大河州1.0%、サンパウロ州は0.1%増加を記録している。

10月の公式インフレ指数IPCAは3ヶ月連続のデフレから一転して0.59%のインフレ(2022年11月10日付けIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2022年10月のブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、 7月の-0,68%、8月の-0,36% 及び9月の-0,29%と3ヶ月連続のデフレから一転して0.59%のインフレに転じている。

今年初め10か月間の累積広範囲消費者物価指数(IPCA)は4.70%、10月の過去12か月間の累積は6.47%と9月の7.17%から大幅に減少している。昨年10月の広範囲消費者物価指数(IPCA)1.25%の半分以下まで減少している。

10月の広範囲消費者物価指数(IPCA)のセクター別調査では、調査対象の12セクターのうち8セクターでインフレを記録、飲料・食品セクターは9月のマイナス0.51%から一転して0.72%増加で、広範囲消費者物価指数(IPCA)の0.16%のインパクトに相当している。

次いで保健衛生・パーソナルケアセクターは1.16%増加で0.15%のインパクト、輸送セクターは0.58%で0.12%のインパクト、これら3セクターの合計は73%のインパクトに結びついている。

一方10月の広範囲消費者物価指数(IPCA)でデフレを形成したセクターとして、通信セクターはマイナス0.48%とマイナス0.03%のインパクト、教育セクターはマイナス0.18%、身の回り品セクターはマイナス0.57%を記録していた。

9月の鉱工業部門生産は調査対象の15地域のうち12地域でマイナスを記録(2022年11月8日付ヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の調査によると、2022年9月のブラジルの鉱工業部門生産は前月比マイナス0.7%を記録、調査対象の15地域のうち12地域でマイナスを記録している。

今年9月のブラジル国内の鉱工業部門生産の前月比で大きな落込みを記録したのは、サンタ・カタリーナ州のマイナス5.1%、パラナ州マイナス4.3%、パラー州マイナス3.7%、サンパウロ州はマイナス3.3%とそれぞれマイナス3.0%を上回った。

またゴイアス州はマイナス2.9%、マナウスフリーゾーンを擁するアマゾナス州はマイナス2.9%、エスピリット・サント州マイナス2.2%、ミナス州マイナス1.7%、バイア州マイナス1.3%、リオ州マイナス1.1%、マット・グロッソ州マイナス0.4%、南大河州はマイナス0.2%を記録している。

一方今年9月の鉱工業部門生産の前月比でプラスを記録したのは、セアラー州は3.7%と大幅増加、ペルナンブーコ州2.0%増加、北東部地域野高校部門生産は前月比0.6%増加を記録している。

今年9月の鉱工業部門生産は前年同月比0.4%増加、15地域のうち8地域で増加を記録、今年第3四半期の鉱工業部門の月間平均生産はマイナス0.3%、調査対象の15地域のうち11地域でマイナスを記録している。

今年初め9か月間のブラジルの鉱工業部門生産は前年同期比マイナス1.1%を記録、調査対象の15地域のうち8地域でマイナスを記録、特にパラー州はマイナス8.8%、エスピリット・サント州はマイナス4.9%を記録、また9月の過去12か月間の鉱工業部門生産は前年同期比マイナス2.3%、 調査対象の15地域のうち9地域でマイナスを記録している。

来年初めの労働市場に黄信号点灯(2022年11月8日付ヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の先行雇用指数(IAEmp)調査によると、2022年10月の先行雇用指数(IAEmp)は、8月及び9月の増加から一転して減少に転じ、4月以降では最低の79.8ポイントを記録している。

今年10月の先行雇用指数(IAEmp)は、前月比4.0ポイント減少の79.8ポイントと分岐点の80ポイントを割り込み、今年1月に記録した5.3ポイントに次ぐ落込み幅を記録して、来年の雇用悪化が憂慮されている。

10月の先行雇用指数(IAEmp)は9月迄の増加傾向から一転して減少傾向に転じ、2023年初めの労働市場の黄信号点灯を示唆しているとジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の先行雇用指数(IAEmp)調査責任者のエコノミストの Rodolpho Tobler氏は指摘している。

製造業部門並びに商業部門の先行雇用指数(IAEmp)の悪化に対して、サービス業部門は持ちこたえているが、先行雇用傾向が変化してきており、特に来年初めの雇用悪化が予想されている。

先行雇用指数(IAEmp)は、製造業部門、サービス業部門並びに商業部門の2ヶ月から3か月先の雇用状況の予想を産出しており、10月の先行雇用指数(IAEmp)調査対象の7セクターのうち6セクターで悪化している。

今年10月の先行雇用指数(IAEmp)が前月比4.0ポイント減少の79.8ポイントに悪化した要因として、製造業部門がマイナス4.0ポイントのうちマイナス1.7ポイントを占めており、次いで雇用予想部門はマイナス0.9ポイントを占めている。

先行雇用指数(IAEmp)調査が開始された2008年6月以降の平均先行雇用指数(IAEmp)は85.4ポイント、COVID-19パンデミック直前の2019年12月以前の平均先行雇用指数(IAEmp)は86.9ポイントであった。

 

最終フォーカスレポートは今年のGDP伸び率を2.76%(2022年11月7日付ヴァロール紙)

7日のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2022年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5.61%から5.63%と若干上方修正している。

2023年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前回同様4.94%、2024年の広範囲消費者物価指数(IPCA)も3.50%にそれぞれ据え置いている。
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今年末の政策導入金利(Selic)は前回同様13.75%、2023年末は11.25%、2024年末の政策導入金利(Selic)は8.00%それぞれ据え置いている。

10月26日開催の中銀の通貨政策委員会(Copom)は、政策導入金利(Selic)を出席した理事の全会一致で前回同様の13.75%の据置を決定したが、9月の Copom会議では、2人の理事がSelic金利の引上げを主張していた経緯があった。次回の通貨政策委員会(Copom)は、12月6日及び7日に開催が予定されている。

連邦政府の今年の中央目標値3.5%、2023年は3.25%、2024年は3.00%、許容範囲値は±1.50%に設定されている。

今年のGDP伸び率を2.76%、2023年のGDP伸び率を前回予想の0.64%から0.70%に上方修正したが、2024年のGDP伸び率は前回同様1.80%に据え置いている。

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2022年第2四半期の国内総生産(GDP)伸び率は、1.2%増加の2兆4,040億レアルと昨年第3四半期から4回連続で増加を記録している。今年の第3四半期のGDP伸び率は12月1日に発表される。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.20に据置、2023年末もR$5.20,2024年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.10 に据え置かれている。

 

ルーラ新大統領の選挙公約では、2023年の連邦政府の財政プライマリー収支は4,000億レアルの赤字に達する可能性(2022年11月5日付ヴァロール紙)

来年1月1日に就任するルーラ大統領の経済チーム及び経済大臣の任命前であっても、上限を超える追加費用を保証するための暫定的な憲法改正案 (PEC) の提案は、新政府を弱体化させるとエコノミストのマルコス・メンデス氏は指摘している。

さらに、問題は財政支出上限ルールだけでなく、次期大統領ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ (PT) による選挙公約のブラジル救済(Auxílio Brasil)プログラムを優先し、任期中に他の選挙公約を果たすには、来年の財政プライマリー赤字は 4,000 億レアルに達する可能性がある。

連邦政府が提出した 2023 年の予算案では、すでに財政プライマリー収支の 600 億レアルの赤字が見込まれている。ルーラ新政権のすべての選挙公約が実施されれば、赤字幅は最大で 4,000 億レアルに達する可能性がある。

これにはAuxílio Brasil の月額 R$400 から R$600 への増加に加えて、所得税表の再調整、最低賃金の引き上げ、公務員への再調整などの他の費用が含まれている。 社会プログラムの再構成、およびICMSの喪失に対する州への補償。 また補償なしの所得税表の再調整だけで、すでに1,200億レアルに相当している。

Auxílio Brasil による月額600レアルの支給は上限突破を余儀なくされる。財政支出上限は前年末のインフレ指数で決まり、2022年のIPCA指数を7.2%と計算すればAuxílio Brasil の 400 レアルから 600 レアルへの増加だけでも、2023 年には 520 億レアルの追加費用が発生する。

Fleuryグループは、マーケットシェア拡大で積極的な買収およびPardini 買収によるシナジー効果に期待(2022年11月4日付けヴァロール紙)

画像診断や医療ラボラトリー網FleuryグループのJeane Tsutsui社長は、今年第3四半期の医療業界におけるマーケットシェア拡大の前進に手ごたえを感じており、更なる業界内での買収案件を模索している。

Fleuryグループは過去2年間で10億レアルを投資して、臨床検査ラボラトリーやヘルスケア関連事業を積極的に買収して医療関連分野での事業拡大を図っているが、 Pardini社の買収案件は、日本の公正取引委員会に相当する経済防衛行政評議会(Cade)が買収案件を分析中で承認待ちとなっているが、2023年以降のシナジー効果に期待している。

今年の同社のサービス売上は、堅調に推移して業界内のマーケットシェアを確実に拡大しており、第3四半期の医療サービスの顧客数は、前年同期比20.4%の大幅増加の210万人に達し、また医療検査件数は31.7%増加の2,080万件を記録している。

2023 年の医療業界については、特に人口の高齢化と慢性疾患の増加を考慮すると、医療業界の需要は引き続き旺盛であり、12億レアルに達する資金調達で業界内の買収案件のチャンスが増加している。

同社の第3四半期のモバイル医療サービスは、前年同期比36.6%増加で同社の売上の9.0%を占めており、同社の事業拡大を牽引する可能性を示唆しているとJeane Tsutsui社長は説明している。

Fleuryグループの第3四半期の純益は、前年同期比0.3%微増の9,670万レアルと世界的な金利高にも拘らず、持続的な成長を記録している。

9月の製造業部門の雇用、売上及び設備稼働率は前月比割れを記録(2022年11月4日付けヴァロール紙)

ブラジル全国工業連盟(CNI)の発表によると、2022年9月の製造業部門の売上、雇用並びに設備稼働率は前月比割れを記録、一方、労働者の給与と収入は4か月連続で増加し、今年初め9か月間のうち7か月間で増加している。

今年9月の製造業部門の生産指数は減少したにも関わらず、プラスの影響を与える可能性のある要素として、工業製品の消費を維持できるようにする人口所得の継続的な再構成や、市場の混乱を緩和するサプライ チェーンの再編成、生産コストに対する圧力の軽減などプラスに作用すると、CNIエコノミストのラリッサ・ノッコ氏は指摘している。

今年9月の製造業部門の売上は前月比マイナス0.2%を記録したにも関わらず、2021年11月から増加傾向を示しており、前年同月比では7.9%増加を記録している。

また今年9月の製造業部門の雇用は前月比マイナス0.4%と2カ月連続で減少を記録、2020年下半期から継続する雇用増加からリズムは減少しているものの前年同月比では0.6%増加している。

今年9月の製造業部門の労働者の総収入は前月比0.3%増加して4カ月連続で増加を記録、今年5月から9月までの累積増加率は前年同期比5.5%増加、前年同月比では6.4%増加を記録している。

また今年9月の製造業部門の労働者のインフレ指数を差引いた実質賃金は、前月比0.7%増加と4カ月連続で増加を記録、前年同月比では5.8%増加している。

今年9月の製造業部門の労働者の平均労働時間は前月比マイナス1.1%を記録したが、2021年以降の労働時間は増加傾向を示している。前年同月比の労働時間は3.3%増加を記録している。

今年9月の製造業部門の設備稼働率は前月比マイナス0.1%の80.2%を記録、2021年3月以降の設備稼働率は80%を上回ってCovid‐19パンデミック前の水準を上回っている。

 

9月のブラジルの財政プライマリー収支は107億レアルの黒字計上(2022年10月31日付ヴァロール紙)

2022年9月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府並びに州政府及び市町村で構成される地方政府を合わせたインフラ指数を差引いたブラジル政府の実質財政プライマリー収支は、107億4,600万レアルの黒字を計上している。昨年9月の財政プライマリーは、129億3,300万レアルの黒字を計上していた。

今年9月のブラジル政府の財政プリマリー収支決算には、ペトロブラス石油公社、ブラジル銀行 (BB) 並びに連邦貯蓄金庫 (CEF)などの公立銀行は含まれていない。

今年9月の中央政府の財政プライマリーは111億1,300万レアルの黒字、地方政府は3億2,100万レアルの黒字を計上した一方で、公社の財政プライマリー収支は、6億8,800万レアルの赤字 を計上している。

今年9月の過去12か月間の累計財政プライマリー収支は、GDP比1.93%に相当する1,813億5,800万レアルの黒字を計上、8月はGDP比1.97%であった。

また今年初め9か月間の計財政プライマリー収支は、1,308億200万レアルの黒字を計上、昨年同期は、1,417億1,000万レアルの黒字を計上していた。

今年初め9か月間のインフレ指数を考慮しない名目財政プライマリー収支は、606億1,800万レアルの赤字を計上、昨年同期の名目財政プライマリー収支は、420億1,800万レアルの赤字を計上していた。

今年9月の名目財政プライマリー収支は107億4,600万レアルの黒字を計上、利払いは713億6,400万レアルを記録している。また今年9月の過去12か月間の累積名目財政プライマリー収支は、GDP比4.36%に相当する4,106億3,700万レアルの赤字を計上、8月はGDP比4.20%に相当する赤字を計上、利払いはGDP比6.29%に相当する5,919億9,600万レアルを記録、8月はGDP比6.17%であった。