8月のサービス部門提供量は前月比0.7%増加(2022年10月14日付けIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、2022年8月のサービス部門提供量(生産性指標)は前月比0.7%増加、Covid‐19パンデミック前の2020年2月の水準を10.1%上回っており、過去最高を記録した2014年11月の水準を若干下回るマイナス0.9%のレベルまで回復してきている。

今年8月のサービス部門提供量(生産性指標)は前年同月比8.0%増加、18カ月連続で増加を記録、今年初め8か月間の累計サービス部門提供量(生産性指標)は前年同期比8.4%増加、8月の過去12カ月間の累計サービス部門提供量(生産性指標)は、7月の8.9%増加から9.6%増加と更に上昇している。

8月のサービス部門提供量(生産性指標)は、大枠の5部門のうち3部門で前月比で増加を記録、特にその他のサービス部門は、前月のマイナス5.0%から一転して6.7%の大幅増加を記録、情報・通信サービス部門は0.6%微増、一般家庭向けサービス部門は1.0%増加と6カ月連続で増加を記録している。

一方8月のサービス部門提供量(生産性指標)でマイナスを記録したのは、輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量はマイナス0.2%、教育・研究機関などの公共サービス部門は前月比と同率であった。

8月のサービス部門提供量(生産性指標)の前年同月比では8.0%増加と18カ月連続で増加を記録、大枠5部門のうち4部門で増加を記録、特に輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は、貨物の陸上輸送部門、一般航空旅客部門並びに海上輸送部門が牽引して13.6%と二桁台の増加を記録している。

また教育・研究機関などの公共サービス部門提供量(生産性指標)は7.3%増加、一般家庭向けサービス部門は22.0%増加、情報・通信サービス部門は2.9%増加を記録している。唯一その他のサービス部門はマイナス2.4%を記録している。

今年初め8か月間のサービス部門の累計提供量(生産性指標)は前年同期比8.4%増加、調査対象の166セクターの内66.9%に相当するセクターで増加を記録している。

特に輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は13.8%増加、一般家庭向けサービス部門は32.2%増加、教育・研究機関などの公共サービス部門は7.7%増加、情報・通信サービス部門は2.8%増加、唯一その他のサービス部門はマイナス5.0%を記録していた。

8月のサービス部門提供量(生産性指標)の州別の前月比調査では、サンパウロ州は1.6%増加、ブラジリア連邦直轄地5.0%、ミナス州1.0%、リオ州0.5%それぞれぞ増加を記録した一方で、パラナ州はマイナス7.1%、ゴイアス州マイナス3.4%、南大河州はマイナス1.1%を記録している。

全国工業連合会(CNI)は今年のGDP伸び率を3.1%に上方修正(2022年10月11日付けヴァロール紙)

全国工業連合会(CNI)では、2022年のブラジルのGDP伸び率は、7月の予想の1.4%増加から2倍以上に相当する3.1%増加と大幅に上方修正、今年の鉱工業部門のGDP伸び率も前回予想の0.2%増加から2.0%増加に上方修正している。

今年のGDP伸び率を3.1%増加に上方修正した要因として、ロシアによるウクライナ侵攻による世界的な自動車用半導体などの部品供給問題の徐々の正常化、COVID-19パンデミック対応の中国の主要都市のロックダウンの解除などの海外要因で改善が寄与している。

また建設業部門の回復は、ルーラ政権の経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設”私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida”に替わる“ブラジルシンボルカラー大衆住宅 緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラム向けクレジット拡大が牽引している。

今年のサービス業部門のGDP伸び率は前回予想の1.8%から3.8%と2倍以上の上方修正されており、今後数年に亘って安定したGDP伸び率を維持するためには、税制改革案の上院の憲法改正法案(PEC 110)の早急な承認などをCNIの Robson Braga de Andrade会長は指摘している。

サービス分野での経済活動の活発化が雇用市場を後押しし、雇用者数が大幅に増加したと説明。 今年は昨年を上回る平均収入の増加に繋がっているとCNI の経済担当エグゼクティブ マネージャーのMário Sérgio Telles 氏は説明している。

8月末の労働人口は9900万人に達しており、今年第3四半期の労働市場の回復は顕著で、平均失業率は10.8%から9.3%が予想されており、インフレ指数の減少に伴って実質賃金は1.6%から5.1%への増加が見込まれている。

また今年第3四半期の初めに前政権の家族手当(ボルサ・ファミリア)プログラムに替わるブラジル救済(Auxílio Brasil)プログラムによる給付金支払いの増額、トラック運転手やタクシードライバー向けの給付金は消費需要を引き上げている。

今年のブラジルの貿易は、輸出及び輸入ともに国際コモディティ価格の上昇に伴って増加しており、CNIでは、今年の貿易収支は前回予想の817億ドルから513億ドルに下方修正している。

9月のインフレ指数IPCAは3ヶ月連続でデフレを記録(2022年10月10日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2022年9月のブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、7月のマイナス0.68%、8月のマイナス0.36%に続いてマイナス0.29%と3ヶ月連続でデフレを記録している。

1年前の2021年9月の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、1.16%増加を記録していたが、今年9月はガソリン派生品や電力エネルギー料金値下げなどの要因で、今年7月からデフレに転じている。

今年9月の過去12ヶ月間の累積IPCA指数は、8月の8.73%から7.17%と1.5%以上の大幅減少、2021年9月の過去12か月間の累積IPCAは10.25%、今年7月は10.07%と二桁台のインフレ指数を記録していた。また今年初め9か月間の累積IPCAは4.09%となっている。

今年9月のIPCA指数がマイナス0.29%を記録したが、 Valor Data社が35社のコンサルタント会社及び金融機関対象の調査では、最高予想は0.33%増加、最低予想はマイナス0.41%平均予想はマイナス0.09%であった。

今年9月の過去12ヶ月間の累積IPCA指数7.17%は依然としてブラジル中央銀行の目標中央値3.5%、許容範囲値2.00%~5.00%を大幅に上回っている。Valor Data社の最低予想は7.05%、最高予想7.38%、平均予想7.13%は若干下回っている。

今年9月のIPCA指数がマイナス0.29%を記録した要因として、輸送費がマイナス1.98%で0.41%のマイナスインパクトを記録、ガソリン価格はマイナス8.33%で0.42%のマイナスインパクトに繋がっている。

 

8月の鉱工業部門生産は調査対象の15地域のうち7地域で前月割れを記録(2022年10月10日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の地域別鉱工業部門生産調査(PIM-Regional)によると、2022年8月のブラジル国内の調査対象の15地域のうち7地域で前月比マイナスを記録している。

特に8月のパラー州の鉱工業生産は前月比マイナス6.2%、サンタ・カタリーナ州マイナス4.8%、エスピリット・サント州マイナス3.9%、バイア州マイナス2.8%、ミナス州マイナス1.9%、パラナ州マイナス1.5%、セアラ―州はマイナス0.8%とそれぞれ前月割れを記録している。

一方8月の鉱工業部門生産で前月を上回ったのは、アマゾナス州は7.0%増加、リオ州3.3%、サンパウロ州2.6%、マット・グロッソ州2.1%、ゴイアス州は1.8%、北東部地域1.1%、南大河州は0.1%それぞれ増加を記録しているが、ペルナンブーコ州は前月並みであった。

また今年8月の鉱工業部門生産の前年同月比では、2.8%増加を記録、調査対象の15地域のうち10地域でマイナスを記録、今年初め8か月間の鉱工業部門生産は8地域でマイナスを記録、特にパラー州はマイナス8.1%、セアラー州マイナス4.6%、8月の過去12か月間では12地域でマイナスを記録している。

今年8月の鉱工業部門生産の前年同月比で増加した10地域のうちマット・グロッソ州は29.9%の大幅増加を記録、続いてアマゾナス州は13.4%と二桁増加を記録、リオ州6.4%、南大河州6.3%、北東部地域6.0%、ペルナンブーコ州5.0%、サンパウロ州4.5%、ゴイアス州4.5%それぞれ増加した。バイア州は1.3%増加、サンタ・カタリ-ナ州は0.7%増加とプラスを記録したが、全国平均を下回った。

一方エスピリット・サント州はマイナス12.2%と二桁ぢの落込みを記録、パラ―州マイナス8.7%、セアラー州マイナス4.7%、パラナ州マイナス2.2%、ミナス州はマイナス1.6%を記録している。

最終フォーカスレポートでは今年のインフレ指数を5.74%から5.71%に下方修正(2022年10月10日付けヴァロール紙)

10日発表のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2022年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5.74%から5.71%に下方修正している。

また2023年のIPCA指数は前回同様5.00%に据置いたが、2024年のIPCA指数は前回予想の3.50%から3.47%に下方修正している。

今年末の政策導入金利(Selic)は13.75%、2023年末は11.25%、2024年末のSelic金利は8.00%にそれぞれ据え置いている。

先月の中銀の通貨政策委員会(Copom)では、Selic金利を前回同様の13.75%に据え置いて、切り上げサイクルに終止符を打ったが、依然として1999年以降では最高の金利を維持しているが、インフレ圧力が上昇すれば躊躇することなくSelic金利引き上げを通貨政策委員会(Copom)では示唆している。次回のは今月25日及び26日が予定されている。

今年のIPCAの中央目標値は3.50%、許容上限値は5.00%に設定されているものの3年連続で許容上限値突破すると予想されている。また2023年のIPCAの中央目標値は3.25%、許容範囲は1.75%~4.75%、2024年及び2025年のIPCAの中央目標値3.00%、許容範囲は1.5%~4.5%となっている。

今年のGDP伸び率は前回同様に2.70%に据え置かれたが、2023年のGDP伸び率は0.53%から0.54%に微増、2024年のGDP伸び率は前回同様1.70%に据え置かれている。

9月初めにブラジル地理統計院(IBGE)から発表された今年第2四半期のGDP伸び率は、1.2%増加と予想の0.9%増加を上回った。今年第3四半期のGDP伸び率は12月1日発表が予定されている。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.20 、2023年末は前回同様R$5.20%に据え置かれたが、2024年末はR$5.10からR$5.11%に微調整されている。

的中率が最も高いトップ5の今年のIPCA指数は、前回同様5.80%に据え置かれた。また2023年は5.42%、2024年のIPCA指数は3.50%それぞれ据え置かれている。また今年末のドルの為替はR$5.00 ,2023年及び2024年もR$5.00 に据え置かれている。

 

10月のIGP-M 指数予想は過去1年間で最低(2022年10月10日付けヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)のインフレ調査によると、2022年10月の住宅賃貸料調整基準となるインフレ指数の総合市場物価指数(IGP-M)予想は国際コモディティ関連の卸売価格の減少が牽引してマイナス1.01%が見込まれている。

今年10月の総合市場物価指数(IGP-M)は、9月のマイナス0.80%を下回ると予想、2021年9月に記録したマイナス1.09%以降では最低の総合市場物価指数(IGP-M)を記録すると予想されており、8月から3ヶ月連続でのマイナス予想が濃厚となっている。

現在の国際コモディティ商品の価格の下落は世界経済のペース鈍化に起因しており、すぐに終息する兆しは見えないが、石油輸出国機構 (OPEC) が世界の石油供給を削減すれば石油価格を押し上げる可能性に繋がり、燃料などの石油派生品の国内市場における価格上昇に影響を与える可能性があり、IGP-M上昇に繋がる可能性が指摘されている。

国際コモディティ商品の減少は卸売価格のデフレに繋がっており、鉄鉱石価格はマイナス8.18%、ディーゼル燃料はマイナス4.64%、粗糖マイナス4.21%、自動車用ガソリンマイナス5.07%、牛肉価格はマイナス2.93%減少している。

10 月の最初のプレビューでの IGP-M の継続的な下落は、小売業の継続的なデフレにも助けられた。 IGP-M の 30% を占める消費者物価指数 (IPC) は、9 月の最初のプレビューから 10 月の同じプレビューまで、マイナス0.24% からマイナス0.08% を記録。 小売価格を表す指標は、主に航空券の6.18%の値上がりはそれ程影響なく、それほど激しくはありませんでした。 しかし、CPI は、10 月の最初のプレビューでガソリン価格がマイナス6.54%の値下がりはIGP-M をマイナスに留まている。

8月の鉱工業部門生産は前月比マイナス0.6%(2022年10月5日付けIBGEサイトより抜粋)

2022年8月のブラジルの鉱工業部門生産量は、前月比マイナス0.6%と前月の0.6%増加から反転、前年同月比では6月及び7月のマイナス0.4%から一転して2.8%の大幅増加を記録、今年初め8か月間ではマイナス1.3%、8月の過去12か月間ではマイナス2.7%を記録している。

8月の鉱工業部門の部門及びセクター別生産量調査では、4部門のうち2部門、26セクターのうち8セクターで前月をそれぞれ下回っている。 今年8月の鉱工業部門生産量は、COVID-19パンデミック前の2020年2月の水準よりもマイナス1.5%、過去最高を記録した2011年5月の水準よりもマイナス17.9%に留まっている。

特に石油派生品・バイオ燃料セクター はマイナス4.2%、食品セクターマイナス2.6%、鉱業セクターマイナス3.6%、繊維セクターもマイナス4.6%とそれぞれ大幅な落込みを記録している。

一方今年8月の鉱工業部門生産量のセクターで増加を記録したのは、自動車・トラック・輸送機器セクターは10.8%の二桁増加を記録、機械・装置セクターは12.4%増加、その他の化学製品セクター9.4%増加、医薬品・医療化学品セクターは 9.9%、情報機器・電気製品・光学機械セクター6.0%、その他の輸送機器セクター8.9%、飲料セクターは1.7%それぞれ増加している。

資本財セクター生産量は前月比5.2%増加、前年同月比4.0%増加、今年初め8か月間ではマイナス1.2%、今年8月の過去12か月間の資本財セクター生産量は、前年同期比1.7%増加を記録している。前記同様に中間財セクターはマイナス1.4%、2.1%増加、マイナス1.1%、マイナス2.2%であった。

また消費財セクターはマイナス1.0%、4.0%増加、マイナス1.9%、マイナス5.1%、そのうち耐久消費財セクターは6.1%増加、13.6%増加、マイナス7.2%、マイナス12.9%、非耐久消費財セクターはマイナス1.4%、1.9%増加、マイナス0.6%、マイナス3.0%であった。

今年8月の鉱工業部門生産量の前年同月比は2.8%増加を記録、特にトラック・輸送機器セクターは19.3%増加、その他の化学製品セクターは10.6%増加、コークス、石油派生品・バイオ燃料セクターは5.0%増加、食品セクターは3.2%増加、紙・パルプセクター9.3%増加、飲料セクター8.9%増加、医薬品・医療化学品セクターは9.7%増加、、その他の輸送機器セクター17.4%、情報機器・電気製品・光学機械セクターは7.5%増加を記録している。

ボルソナロ候補者は女性向け来年のAuxílio Brasilプログラムの13ヶ月目サラリー支給を確約(2022年10月4日付けヴァロール紙)

第1次大統領選で48%の支持率を獲得したルーラ候補に対して、43%の支持率で後塵を浴びている現職大統領のボルソナロ候補は、今月末に予定されている大統領選の第2次決選投票に向けて形振り構わぬ戦略を練っている。

4日ボルソナロ候補は、前政権の貧困層向け家族手当(ボルサ・ファミリア)プログラムに替わるブラジル救済(Auxílio Brasil)プログラムでの更なる票取り込むために、特に拒絶反応を示している女性層の支持率を取り込むために、2023年末の女性だけに、Auxílio Brasil プログラムの13か月目サラリーの支払を発表している。

アルボラーダ宮で、ボルソナロ候補は、来年からAuxílio Brasil プログラムに組み込まれている1,700万人の女性に対して、手厚い13か月目サラリーの支払は既に確保したと発表したが、13か月目サラリー支給のファイナンスインパクトや来年度予算に組み込む必要のある財源確保については明言を避けている。

Auxílio Brasil プログラムの1,700万人の女性に対する13か月目サラリーの支払は約100億レアルが見込まれているが、2023年度の予算基本法 (PLOA)には記載されていない。

ルーラ候補並びにボルソナロ候補共に2023年もAuxílio Brasil プログラムによる600レアルの支給を謳っているが、400レアル支給が見込まれている予算との差は520億レアルに達するが、ボルソナロ候補は既にパウロ・ゲーデス経済相が財源を確保しているとコメントしている。

両方の大統領候補が2023年からの公共投資強化を約束している。 さらに2009年のルーラ政権の経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設”私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida”に替わる“ブラジルシンボルカラー大衆住宅 緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラムや大衆薬局“Farmácia Popular ”などの大幅な予算削減を余儀なくされている上に、公務員に給与調整が認められる可能性もあり、義務的な歳出の拡大が不可欠となっている。

9月の企業経営者の景況感は改善も過度の楽観主義は禁物(2022年10月3日付けヴァロール紙)

ゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(FGV/Ibre) の発表によると、2022年9月の企業経営者の景況感指数(ICE) は101.5ポイントを記録して、2021年8月に記録した102.5ポイント以降では最高の景況感指数を記録している。

今後数か月間、ICE 指標が大幅に上昇し続けることは難しく、ビジネスマンの間では「過度の楽観主義」につながると考えてられている。これは、中長期的な視野でのICEの継続性が、より長い期間にわたる経済の軌跡に依存するためであり、それにはまだ疑問が残っているとFGV Ibre の統計管理責任者のAloísio Campelo Jr.氏 は指摘している。

9月の現状景況感指数(ISA) 9月のは8月よりも0.7ポイント上昇の102ポイントを記録、今後数か月間の景況感見通し指数(IE) は 1.0ポイント上昇の100ポイントと分岐点に達している。

9月の商業部門、サービス業部門並びに建設業部門の企業経営者の先行き景況感指数は改善の兆候を示した一方で、鉱工業部門の企業経営者の景況感指数は、世界経済の減速予想で、先行き不透明感の上昇で、国内市場、特に中間財部門の受注減少が危惧されている。

今年第2四半期のGDP伸び率は前四半期比1.2%増加した要因として、従業員が理由なき解雇のときなどに引き出せる積立金であるFGTS(勤続年数保証基金)の特別引出許可や年金・恩給受給者の13ヶ月サラリーの前払いなども追い風となっていた。

しかし今年第4四半期は、既に年金・恩給受給者の13ヶ月サラリーの前払いがすでに行われており、インフレ圧力の低下や雇用の増加にも関わらず、国内経済の過熱化は期待できないと予想されている。

最終フォーカスレポートは今年のGDP伸び率を2.70%に上方修正(2022年10月3日付けヴァロール紙)

3日発表のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2022年のGDP伸び率は前回予想の2.67%から2.70%に上方修正、2023年のGDP伸び率も0.50%から0.53%に上方修正した一方で、2024年のGDP伸び率は、1.75%から1.70%に下方修正している。

9月初めのブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2022年第2四半期の国内総生産(GDP)伸び率は、予想の0.90%を大幅に上回る1.2%増加の2兆4040億レアルと昨年第3四半期から4回連続で増加を記録している。今年第3四半期のGDP伸び率は12月1日発表が予定されている。

ブラジルの公式の2022年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5.88%から5.74%に下方修正、2023年のIPCAは5.00%、2024年のIPCAは3.50%それぞれ前回予想と同様に据え置かれている。

また今年末の政策導入金利(Selic)は13.75%、2023年末は11.25%、2024年末のSelic金利はそれぞれ前回同様の8.00%に据え置かれている。

今年のIPCAの中央目標値は3.50%、許容上限値は5.00%に設定されているものの3年連続で許容上限値突破すると予想されている。また2023年のIPCAの中央目標値は3.25%、許容範囲は1.75%~4.75%、2024年及び2025年のIPCAの中央目標値3.00%、許容範囲は1.5%~4.5%となっている。

また今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.20、2023年末はR$5.20 ,2024年末のドルの為替はR$5.10とそれぞれ前回同様に据え置かれている。

的中率が最も高いトップ5の今年末のIPCA指数は前回予想の6.09%から5.80%に下方修正されている。また2023年のIPCA前回同様の5.42%に据え置かれた一方で、2024年のIPCA指数は3.82%から3.50%と大幅な下方修正されている。

またトップ5の今年末のドルの為替はR$5.00 、2023年末及び2024年末も前回同様R$5.00に据え置かれている。