サンタンデール銀行経済部の2020年~2023年のブラジル国内地域別GDP伸び率予想によると、COVID-19パンデミック以降の中西部地域のGDP伸び率はブラジルを牽引する一方で、北東部地域のGDP伸び率は最低の伸び率に留まると予想している。
また2020年~2023年の南部地域及び北部地域のGDP伸び率はブラジルの平均を上回ると予想している一方で、南東部地域のGDP伸び率は、北東部地域の低いGDP伸び率に次ぐ伸び率に留まると予想されている。
2020年~2023年の中西部地域のGDP伸び率は、農畜産部門が牽引すると予想の一方で、北東部地域のGDP伸び率は、連邦政府による貧困救済プログラムで最も恩恵を被るにも拘らず、最も低にGDP伸び率に留まると予想されている。
今月1日のDatafolha社の大統領選挙調査によると、中西部地域、北部地域及び南部地域ではルーラ候補とボルソナロ候補の支持率はほぼ同率となっているが、南東部地域と北東部地域の支持率はルーラ候補が勝っている。
2021年の北東部地域のGDP伸び率は、COVID-19パンデミック初年度の2020年で失ったGDPは回復できていない唯一の地域であった要因の一つに、同地域最大の経済力を誇るバイア州で自動車メーカーによる工場閉鎖が発生していた。
また自動車社メーカーの閉鎖以外にも2021年~2022年の北東部地域は、連邦政府による大きな貧困層向け給付金支給にも拘らず、同地域の小売業及びサービス業の不振がGDP伸び率の足枷になっている。
大統領選挙問題には触れていないサンタンデール銀行の調査では、北部地域は鉱業、中西部地域は農畜産部門が牽引して2023年のGDP伸び率は、景気サイクルに対する感度が低いため、Selic金利の高止まりによる金融引締め政策の影響が少ないと予想されている。
サンタンデール銀行では、今年第4四半期の農産物の国際コモディティ価格の減速を予測しているが、歴史的な高水準を維持すると予想、またブラジルの今年の穀物生産は豊作が予想されている。
世界的な製造業部門への半導体や部品供給問題や高金利政策の継続の影響で、2023年の南東部地域のGDP伸び率は、前年比0.2%程度の落込みを予想しているが、南部地域及び北東部地域のGDP伸び率は今年並みのGDP伸び率が予想されている。
2020 年~2023 年の南部地域のGDP伸び率は、サンタ・カタリーナ州が牽引して中西部地域に次いで2番目のGDP伸び率が予想されている。2020年のサンタ カタリーナ州のGDP伸び率の落込み幅は最も小さく、2021年のGDP伸び率は3位であった。鉱業部門が牽引する北部地域のGDP伸び率は3位に留まると予想されている。
2021年~2022年のGDP伸び率予想では、パラー州、バイア州及びマラニョン州が最も低い伸び率予想の一方で、2023年はリオ州、サンパウロ州及びエスピリット・サント州が最も低い伸び率に留まると予想されている。
また2021年~2023年の州別GDP伸び率予想ではローライマ州がトップの予想の一方で、バイア州、ペルナンブーコ州、ミナス州及び南大河州のGDP伸び率はマイナスが予想されている。