2022年1月の企業経営者の景況感は2.5ポイント減少、昨年4月以降では最低レベルに達している(2022年2月1日付けヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、2021年1月の産業部門の企業経営者景況感指数(ICE)は前月比マイナス2.5ポイントの91.6ポイントまで減少、Covid-19パンデミックの大幅な影響を受けて過去最低であった2021年4月の89.6ポイント以降では最低の企業経営者景況感指数(ICE)を記録している。

また2021年11月から今年1月迄の四半期の平均企業経営者景況感指数(ICE)は4ヶ月連続で前月割れのマイナス3.0ポイントを記録している。

2021年9月から今年1月迄の5か月間の累計企業経営者景況感指数(ICE)は全ての部門が不振でマイナス10.9ポイントを記録、特にサービス業部門の企業経営者景況感指数は年末まで前月真美で推移していたが、今年1月はオミクロン株の拡大に伴って急落したとIbre/FGV研究所のAloisio Campelo Jr主任は指摘している。

今年1月の企業経営者の現状景況感指数(ISA-E) はマイナス4.5ポイントの91.3ポイントに減少して2021年4月に記録した87.8ポイント以降では最低の現状景況感指数(ISA-E) に落ち込んでいる。

企業経営者の先行き景況感期待指数(IE-E)はマイナス3.0ポイントの91.4ポイントまで減少して、2021年3月に記録した85.2ポイント以降では最低の水準に低下している。

今年1月のサービス業部門の企業経営者景況感指数(ICE)は前月比マイナス4.3ポイント、建設業部門はマイナス3.9ポイント、鉱工業部門はマイナス1.7ポイント、商業部門はマイナス0.4ポイントとそれぞれ前月割れを記録している。

2021年のブラジルの財政プライマリー収支は、7年ぶりに647億レアルの黒字計上(2022年1月31日付けエスタード紙)

ブラジル中央電力公社(Eletrobras)並びにペトロブラス石油公社を除く中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府並びに地方政府(州・市町村)を合わせた2021年のブラジル政府の財政プライマリー収支は、647億2,700万レアルの黒字を計上、過去7年連続の赤字から一転して黒字に転じている。

昨年のブラジル政府の財政プライマリー収支647億2,700万レアルの黒字に対して、2020年の財政プライマリー収支は、Covid-19パンデミック対応の緊急給付金(auxílio emergencial)の再支給などの連邦政府の臨時財政支出の影響で、7029億5,000万レアルの赤字を計上していた経緯があった。

昨年のブラジル政府の財政プライマリー収支は、GDP比0.75%に相当する647億2,700万レアルの黒字を計上したが、黒字計上は、2013年の913億600万レアル以来7年ぶりの黒字計上となっている。

しかし昨年のブラジル政府の財政プライマリー収支の647億2,700万レアルの黒字幅は、ブロードキャストプロジェクションの752億レアルの黒字予想を100億レアル以上下回った。

2021年の中央政府の財政プライマリー収支は、GDP比0.41%に相当する358億⒎200万レアルの赤字を計上していた一方で、地方政府の財政プライマリー収支は、GDP比01.13%に相当する976億9,400万レアルの黒字を計上したために、昨年のブラジルの財政プライマリー収支は、647億2,700万レアルの黒字に結びついた。

昨年の地方政府の財政プライマリー収支は、GDP比01.13%に相当する976億9,400万レアルの黒字の内訳は、州政府の財政プライマリー収支は、781億9,800万レアルの黒字、市町村の財政プライマリー収支は、194億9,600万レアルの黒字、公社の財政プライマリー収支は、29億600万レアルの黒字を計上していた。

2021年12月のブラジル政府の財政プライマリー収支は、僅か1億2,300万レアルの黒字を計上したが、金融機関の予想は137億レアルの黒字であった。

昨年12月の中央政府の財政プライマリー収支は、140億レアルの黒字を計上した一方で、地方政府は130億レアルの赤字を計上、そのうち州政府の財政プライマリー収支は90億レアル、市町村の財政プライマリー収支は37億レアルの赤字、公社も10億レアルの赤字を計上していた。

2021年のインフレ指数などを考慮しない名目財政プライマリー収支は、GDP比4.42%に相当する3,836億6,400万レアルの赤字を計上、2020年の名目財政プライマリー収支は、1兆150億レアルを記録していた。

2021年12月のブラジル政府の名目財政プライマリー収支は、11月の266億800万レアルの2倍以上の542億4,900万レアルの赤字を記録したが、2020年12月の758億800万レアルを下回っている。

2021年の正規雇用は270万人増加(2022年1月31日付けエスタード紙)

就労・失業者管理センター(Caged)の統計を基にした経済省の発表によると、2021年の労働手帳に記載される正規雇用は、270万人を記録している。

経済省の発表によると、2021年の正規雇用総数は、2,069万9,802人に対して、解雇総数は1,796万9,205人、正規雇用は、前年比270万人の増加を記録している。

しかしブロードキャストプロジェクションの調査によると、正規雇用は286万8,000人の予想であった。またジャイール・ボルソナロ大統領は、300万人の正規雇用を強調している。

経済省では昨年1月に2020年の正規雇用総数は、解雇総数を14万2,690人上回ったと発表していたにも関わらず、その後の修正後の発表では、解雇総数が正規雇用総数を19万1,455人上回っていたと正反対の結果となっていた経緯があった。

2021年の部門別正規雇用比較では、サービス業部門の正規雇用は、解雇総数を122万6,026人上回って正規雇用増加を牽引している。商業部門の正規雇用は64万3,754人増加、建設業部門は24万⒋755人、工業部門は47万5,141人、農畜産部門の正規雇用は14万927人増加を記録している。

2021年12月の正規雇用は11月の30万182人の増加から一転して、年末商戦向け臨時雇用に対する解雇の増加で、26万5,811人減少を記録していた。

昨年12月の正規雇用総数は143万⒎910人に対して、解雇総数は170万3,721人、解雇数が正規雇用数を15万7,474人上回っている。ブロードキャストプロジェクションの調査では、昨年12月は解雇数が正規雇用数を17万1,000人上回ると予想していた。

昨年12月のサービス業部門の解雇数は雇用数を10万4,670人上回った。鉱業部門も9万2,047人減少、建設業部門も5万2,033人減少した一方で、商業部門は9,013人増加、農畜産部門も2万6,073人増加を記録していた。

2021年1月のIGP-M指数は1.82%、過去12か月間では16.91%を記録(2022年1月28日付けエスタード紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の今月28日の発表によると、一般的に不動産の賃貸契約の調整に用いられるインフレ指標の一つである2021年1月の総合市場物価指数(IGP−M)は、昨年12月の0.87%から一挙に1.82%に上昇したが、ブロードキャストプロジェクションの調査結果である平均IGP-M予想の2.0%を下回っている。

今年1月の過去12か月間の累積総合市場物価指数(IGP−M)は、前月の17.78%から16.91%に縮小、またブロードキャストプロジェクションの調査結果である平均IGP-M予想の17.10%も下回っている。

IGP-M指数は、不動産賃貸契約を修正するためのパラメーターとして使用されるが、Covid-19パンデミックが始まって以来、ブラジル国内の他のインフレ指標をはるかに上回ったために、他のインフレ指数に置き換えられている。

2021年のブラジルの公式インフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は10.06%増加に対して、IGP-M指数は17.78%と2倍近い上昇で、不動産賃貸契約の修正パラメーターとしては活用できない上昇を記録している。

IGP-M指数の計算方法として、商品やサービスの価格変動、および農業、工業、土木建設の生産に使用される原材料価格変動が含まれており、為替レートや卸売価格に大きな影響を与える。

今年1月の総合市場物価指数(IGP−M)が1.82%上昇した要因として、卸売物価指数(IPA-M)が昨年12月の0.95%から2.30%と2倍以上の大幅に上昇、また今年1月の過去12か月間の累計卸売物価指数(IPA)は19.32%増加を記録している。

一方今年1月の消費者向け価格指数(IPC-M)は、前月の0.84%から0.42%に減速、今年1月の過去12か月間の消費者向け価格指数(IPC-M)は、9.33%と辛うじて一桁台に留まった。

今年1月のブラジル建設コスト指数(INCC-M) は、昨年12月の0.30%から0.64%と2倍以上上昇、今年1月の過去12か月間のブラジル建設コスト指数(INCC-M) は、13.70%増加を記録している。

2021年9月~11月の月間平均失業率は11.6%に減少(2022年1月28日付けIBGEサイトより抜粋)

今月28日発表のブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、2021年9月~11月の月間平均失業率は、前四半期の6月~8月の月間平均失業率13.1%を1.6%下回る11.6%に減少、前年9月~11月の月間平均失業率14.4%を2.8%下回っている。

昨年9月~11月の月間平均失業者は、前四半期比10.6%に相当する150万人減少の1240万人、前年同期比では14.5%に相当する210万人の大幅な減少を記録して、国内経済の回復に伴って回復傾向を示している。

昨年9月~11月の労働人口総数は、前四半期比3.5%増加の320万人増加の9,490万人を記録、前年同期比では9.7%に相当する840万人の増加を記録している。また同期の生産年齢人口は労働人口は、前四半期比1.7%増加の55.1%に上昇、前年同期比の50.8%よりも4.3%と大幅な増加を記録している。

短時間労働の労働者は、前四半期比2.7%に相当する21万4,000人減少の760万人に減少したにも拘らず、 前年同期の680万人よりも11.7%と二桁台の増加を記録している。

前期同様に生産年齢人口にも拘らず、失業している労働者は、2.0%に相当する130万人減少の6,480万人、前年同期比では、6.7%に相当する460万人減少している。

また同期の就職活動を諦めた労働者は、前四半期比6.8%に相当する35万6,000人減少の490万人、前年同期比では、14.4%に相当する81万9,000人の減少を記録している。労働人口の4.4%に相当する就職活動を諦めた労働者は、前四半期0.4%減少、前年同期比では1.0%減少を記録している。

民間部門の家政婦を除く労働手帳に記載される正規雇用総数は、前四半期比4.0%に相当する130万人増加の3,420万人、前年同期比では8.4%に相当する260万人増加を記録している。

民間部門の非正規労働者総数は、前四半期比7.4%に相当する83万9,000人増加の1,220万人、前年同期比では、18.7%に相当する190万人増加を記録している。

また前期同様に自営業者総数は、Covid-19パンデミックの影響で正規雇用の減少に反比例するように、2.3%に相当する58万8,000人増加の2,580万人、前年同期比では、14.3%に相当する320万人増加を記録している。

家政婦は6.0%に相当する31万5,000人増加の560万人、前年同期比では22.5%に相当する100万人増加している。非正規雇用は、労働人口の40.6%に相当する3,860万人、前四半期は40.6%、前年同期は38.7%を占めていた。

昨年9月~11月の労働者の平均月収は、前四半期比4.5%減少の2,444レアル、前年同期比では11.4%と二桁台の減少を記録して統計を取り始めた2012年以降では、過去最低の平均月収を記録している。

今年1月の企業経営者景況感指数(ICI)は6ヶ月連続で前月割れを記録(2022年1月27日付けヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、2021年1月の製造業部門企業経営者の景況感を計る企業経営者景況感指数(ICI)は、前月比マイナス1.7ポイントの98.4ポイントに減少を記録している。

今年1月の企業経営者景況感指数(ICI)は、6か月連続でマイナスを記録、2020年7月に記録していた89.8ポイント以降では最低の企業経営者景況感指数(ICI)に落ち込んでいる。昨年11月~今年1月の四半期の平均ICI指数は、前四半期比マイナス2.3ポイントを記録している。

今年1月の製造業部門の企業経営者景況感指数(ICI)が落ち込んでいる要因として、Covid-19の変異株のオミクロン株感染拡大による従業員の病欠拡大による余儀なくされている生産調整やパンデミックの再拡大の懸念が挙げられている。

オミクロン株感染拡大による今後の製造業部門の生産体制に対する懸念は存在するものの、昨年から継続している部品供給問題の解消で、今年中頃までに企業経営者景況感指数(ICI)の回復をIbre/FGV研究所エコノミストのClaudia Perdigão氏は指摘している。

今年1月の企業経営者の現状景況感指数(ISA)は、マイナス1.2ポイントの99.8ポイントに減少、2020年8月の97.8ポイント以降では最低のISA指数を記録している。

また企業経営者の6か月先の先行き景況感期待指数(IE)は、マイナス2.0ポイントの97.1ポイントまで減少して、2021年4月に記録した96.9ポイントに接近するほど落ち込んでいる。

今年1月の製造業部門の企業経営者の景況感指数調査では、総需要指標は、前月比マイナス4.2ポイントの99.5ポイントまで減少、過去7か月の累計ではマイナス14.1ポイントを記録している。

今後数か月間の雇用見通し指数は、0.3ポイント微増の102.1ポイント予想、設備稼働率指数(Nuci) は、前月比1.0ポイント上昇の80.7ポイントを記録している。

2021年のブラジルの経常収支赤字はGDP比1.75%の281億1,000万ドルを計上(2022年1月26日付けエスタード紙)

26日のブラジル中央銀行の発表によると、2021年のブラジルの経常収支残高は、2009年に記録していた314億8,100万ドルの赤字以降では、最低となるGDP比1.75%に相当する281億1,000万ドルの赤字を記録している。

2021年の海外投資家によるブラジルへの対内直接投資残高は、前年比23.0%増加の464億4,100万ドルを記録、昨年の281億1,000万ドルの経常収支赤字を充分カバーできる対内直接投資残高を記録している。

2021年のブラジルへの対内直接投資残高は、GDP比2.89%に相当する464億4,100万ドルを記録したにも拘らず、Covid-19パンデミック前の水準位は回復していないと中銀企画戦力部のFernando Rocha主任は指摘している。

ブロードキャストプロジェクションの調査によると、昨年のブラジルへの対内直接投資残高の最低予想は500億ドル、最高予想は600億ドル、中銀では52億ドルの対内直接投資残高を予想していた。

2022年のブラジルへの対内直接投資は、昨年を上回る550億ドルの流入を中銀のFernando Rocha主任は見込んでいる。

2021年12月のブラジルへの対内直接投資は、統計を取り始めて過去最低の月間記録を更新するマイナス39億3,500万ドルを記録、2020年12月の対内直接投資11億200万ドルの黒字から一転して大幅な赤字に転落していた。

ブロードキャストプロジェクションの調査によると、昨年12月の対内直接投資黒字の最低予想は26億ドル、最高予想は52億ドル、中銀の予想は30億ドルの黒字であった。

.昨年12月の対内直接投資残高が大幅な赤字を記録した要因として、本国への利益送金の増加、累積する公共負債増加リスク、ポプリズムの不安定な政権による先行き懸念で、海外投資家の資金引揚げが拡大したとAustin Rating社チーフエコノミストのAlex Agostini氏は指摘している。

2021年の上半期の経常収支は、2020年以降に発生した経常収支赤字削減の軌跡が継続していたが、下半期には、経済回復に伴って資本財やサービス財の輸入拡大、企業の収益増加に伴って海外送金が増加して経常収支赤字が拡大したとRocha氏は説明している。

2021年の農産物、増加石油や鉄鉱石などの国際コモディティ商品価格の高騰の恩恵を受けた一方で、国内経済の回復に伴う輸入増加、レアル通貨に対するドル高の為替、海外の電力エネルギー供給の必要性、Covid-19パンデミックによる海外旅行の減少などがあった。

2021年の貿易収支は361億8,100万ドルの黒字を計上、サービス収支は171億1,400万ドルの赤字を計上、第一次所得収支は504億7,100万ドルの赤字を計上、金融収支は326億1,700万ドルの赤字を計上している。中銀は2022年のブラジルの経常収支を210万ドルの赤字に収まると予想している。

2021年の海外旅行収支は、23億200万ドルの赤字を計上、2020年の海外旅行収支は、23億5,000万ドルの赤字、Covid-19パンデミック前の2019年の海外旅行収支は、115億9,900万ドルの大幅な赤字を計上していた。

2021年の連邦政府の歳入総額は1兆8,700億レアルで記録更新(2022年1月25日付けエスタード紙)

2021年の連邦政府の歳入総額は、Covid-19パンデミック及び外出自粛や必需品以外の営業自粛要請で、経済活動が大幅に制限されていた2020年比では、17.36%の大幅増加を記録している。

2021年の国庫庁のインフレ指数を差引いた実質歳入総額は、1兆8,780億レアルに達し、統計を取り始めた1995年以降では最高の歳入総額で、過去26年間の記録を塗り替えている。

昨年の国庫庁の歳入総額が記録更新した要因として、Covid-19対応ワクチン接種拡大の伴う国内経済の回復並びに企業の収益回復が牽引していると国庫庁のJulio Cesar Vieira Gomes特任長官は指摘している。

また昨年の歳入増加には、石油や鉱物関連ロイヤリティによる臨時歳入の増加以外にも、2020年の法人税(IRPJ)並びに純益に対する社会納付金(CSLL)による歳入は、僅か80億レアルであったが、2021年には400億レアルに達していた経緯があった。

昨年はCovid-19パンデミックの影響を受けていたにも関わらず、法人税並びに個人所得税による大幅な歳入増加が特筆されるとJulio Cesar Vieira Gomes特任長官は説明している。

ブロードキャストプロジェクションの調査によると、2021年の国庫庁の最低歳入予想は1兆8,550億レアル、最高予想は1兆9,150億レアル、平均予想は1兆8,770億レアルであった。

2021年12月の国庫庁の実質歳入総額は前年同月比10.76%増加の1,939億200万レアルに達し、12月の月間記録を更新、また前月比では22.34%の大幅な増加を記録していた。

今年の年間予算法では公共投資額を過去最低の423億レアルに抑えた一方で、秘密予算は現状維持(2022年1月24日付けエスタード紙)

ジャイール・ボルソナロ大統領は、今年度の年間予算法LOAを承認,24日付け連邦官報に掲載されたが、公共投資額は過去最低水準となる423億レアルに抑えられた一方で、予算案審議会の報告官の裁定次第の秘密予算は、165億レアルの現状維持となっている。

ボルソナロ大統領は、与党は前政権の家族手当(ボルサ・ファミリア)プログラムに替わるブラジル救済(Auxílio Brasil)プログラム、選挙基金並びにRP-9基金など、10月に予定されている地方統一選挙の連立与党が最も関心を示している部門への予算配分の優先を決定している。

ボルソナロ大統領は、昨年12月に国会で承認された165億レアルの秘密予算を承認したが、過去2年間の透明性の低い支援と引き換えに、連立与党に連邦資金を分配したと、連邦最高裁判所(STF)によって違法との判決が下されていた。

議員割当金に対して拒否権行使された結果356億レアルに削減されたにも拘らず、国会議員が不服を唱えて拒否した場合には、覆される可能性が残されている。

予算分配の管理は、すでに立法府で最大の権力を持っているセントロン(Centrão:中道多数派)がキャスティングボードを握る大統領府官房の手に委ねられている。

連邦政府はまた、以前盛んに議論されていた57億レアルへの増額を要求することなく、今年度の選挙人基金を49億6,000万レアルに維持することを決定した。 しかし49億6,000万レアルの予算は選挙運動資金としては、ばら撒き同等の記録的な予算半分となっている。

選挙人基金いわゆる「フンダン」資金は、2018年の地方統一選挙で17億レアル、2020年の選挙では20億レアルが割り当てられていた。政党は、2022年の地方統一選挙の候補者に割り当てられる資金は、前回の選挙で割り当てられた金額の2倍以上に跳ね上がっている。

2022年の予算総額のうち、40%は省官庁に分配される。予算分配が最も多い省庁は、ボルソナロにとって戦略的な国防省向け88億レアル及び地域開発省の75億レアル。インフラストラクチャー省65億レアル)、厚生省46億レアル、教育省向け予算は34億レアルとなっている。

1980年のインフラ部門への公共投資比率はGDP比3.9%であったが、2019年にはGDP比0.67%まで減少している。ブラジルのGDPの年間平均が3.6%の1980年代の年間平均のインフラ投資はGDP比4.7%であったが、1991年以降のGD伸び率は2.3%、インフラ部門への公共投資比率は、GDP比2.2%にそれぞれ大幅に低下している。公共投資を拡大しなければ、ブラジルのGDP伸び率は足踏みすると公共サービス部門スペシャリストのRaul Velloso氏は指摘している。

インフラ整備部門の近代化を達成するためには、今後20年間に亘ってGDO比4.1%の公共投資が不可欠であるが、現在の公共投資及び民間投資は、GDP比1.6%に過ぎないとインフラ投資部門のスペシャリストのClaudio Frischtak氏は指摘している。

最終フォーカスレポートは今年のインフレ指数を5.15%に上方修正(2022年1月24日付けエスタード紙)

24日中銀の最終フォーカスレポートによると、2022年ののインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を前回予想の5.09%から5.15%に上方修正した一方で、2023年のIPCA指数は前回同様3.40%に据え置いている。 今年のインフレ指数の中央目標値は3.50%、許容範囲は2.0%から5.0%に設定されている。

2023年のIPCA指数は3.40%に据え置かれたが、2023年のIPCAの中央目標値は3.25%、許容範囲は1.75%~4.75%、2024年のIPCAの中央目標値3.00%、許容範囲は1.5%~4.5%となっている。

昨年12月開催の最終通貨政策委員会(Copom) は、今年初めの2月のCopom委員会ではSelic金利を前回同様1.5%引上げて10.75%にすると示唆していた。

また最終通貨政策委員会(Copom) では、今年のIPCA指数を4.7%、2023年のIPCA指数を3.2%と予想していた。

Selic金利の引上げは銀行金利の上昇に反映されるが、中銀の金利引上げ決定とクレジット金利への効果は6ヶ月から8か月間の遅延があり、またSelic金利の上昇は一般家庭の消費と製造業部門の投資に悪影響を及ぼす。

最終フォーカスレポートでは、今年のICA指数を上方修正したにも拘らず、今年末のSelic金利を前回同様11.75%に据え置いている。

フォーカスレポートでは2023年末のSelic金利を8.00%に据置、2024年のSelic金利を7.00%、2025年のSelic金利を 7.00%に据え置いている。

今年のGDP伸び率を0.29%増加と予想しているが、1か月前の予想は0,42%増加、2023年のGDP伸び率は前回予想の1.75%から1.69%増加に下方修正している。

2024年のGDP伸び率は前回同様2.00%増加に据え置き、2025年のGDP伸び率も前回同様2.00%に据置、1か月前の予想も2.00%増加であった。