ルーラ大統領候補の支持率は42.8%とボルソナロ候補の31.5%を10%以上上回っている(2021年11月30日付けヴァロール紙)

11月27日から29日にかけて、コンサルタント会社Atlas社のインターネットによる4,401人の一般市民に対する大統領選挙の第一次投票の支持率調査では、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ元大統領は、42.8%と圧倒的な支持率を維持している。

一方再選を狙っているジャイール・ボルソナロ大統領の支持率は、31.5%と10%以上もルーラ候補に水をあけられており、前政権の家族手当(ボルサ・ファミリア)プログラムに替わるブラジル救済(Auxílio Brasil)プログラム向けの400レアル支給などばら撒きを打ち出しているものの一向に支持率は上昇していない。

ラヴァ・ジャット汚職事件で辣腕を発揮して注目を集めていた裁判官で、ボルソナロ大統領が三顧の礼を尽くして法務・治安大臣に迎えたセルジオ・モーロ法務・治安相は辞任を余儀なくされて、一時的に野に下ったいたが、Podemos党に入党したセルジオ・モーロ氏の支持率は、13.7%で3位をキープしている。

3位のセルジオ・モーロ氏に次いで、Ciro Gomes氏 (PDT) の支持率は6.1%で4位、サンパウロ州のJoão Doria州知事 (PSDB)は1.7%、上院議長のRodrigo Pacheco氏 (PSD)は0.9%、政治学者のLuiz Felipe d’Avila 氏(Novo)の支持率は0.1%、その他が3.2%となっている。

大統領選挙の第一次投票で過半数に達しない場合は第二次決戦投票となるが、ルーラ候補とボルソナロ候補が決戦統領に進んだ場合、ルーラ候補は50.5%、ボルソナロ候補は36.0%が見込まれている。

またルーラ候補とセルジオ・モーロ候補が決戦統領に進んだ場合は、46.2%対29.2%とそれぞれルーラ候補の当選が濃厚となっている。尚予想の誤差は僅か1.0%前後が見込まれている。

10月の中央政府の財政プライマリー収支は280億レアルの黒字計上(2021年11月29日付けエスタード紙)

2021年10月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府のインフラ指数を差引いた実質財政プライマリー収支は、9月の3億300万レアルの黒字計上に続いて、281億9,500万レアルの黒字を計上している。

今年10月の中央政府の実質財政プライマリー収支281億9,500万レアルの黒字は、2016年10月に記録した517億5,600万レアルの黒字に次ぐ黒字幅を記録している。

昨年3月のCovid-19パンデミック発生で影響を受けた昨年10月の財政プライマリー収支は、継続して膨大な緊急財政出動を余儀なくされたために、34億1,900万レアルの赤字を計上していた。

ブロードキャストプロジェクションの18金融機関対象の調査によると、10月の財政プライマリー収支の最高予想は290億⒎000万レアル、最低予想は136億レアル、平均予想は261億5,000万レアルであった。

今年初め10か月間の中央政府の累積財政プライマリー収支は、534億400万レアルの赤字を計上したにも拘らず、2015年以降では最終の赤字幅に留まったが、昨年同期は6,808億6,500万レアルの膨大な赤字を記録していた。

今年10月の国庫庁の実質歳入総額は前年同月比7.6%増加、今年初め10か月間の累積実質歳入総額は、前年同期比23.5%の二桁増加を記録、一方今年10月の歳出総額は前年同月比15.4%減少、今年初め10か月間の累積実質歳出総額は、25.0%減少を記録している。

今年10月の過去12か月間の財政プライマリー収支は、GDP比1.4%に相当する1,232億レアル、今年の許容財政プライマリー収支は、2,471億1,800万レアルが設定されている。経済班では今年の財政プライマリー収支赤字は、958億2,200万レアルに留まると予想している。

国庫庁では、今年の中央政府の債務総額はGDP比80.6%と今年4月の前回予想のGDP比87.2%から大幅に減少すると予想、2020年の中央政府の債務総額はGDP比88.8%であった。

また2022年の中央政府の債務総額は、前回予想のGDP比86.7%から80.1%に下方修正。2024年の中央政府の債務総額は、前回予想のGDP比88.1%から79.9%と大幅な下方修正をしている。

前回予想の中央政府の債務総額は、2026年から減少に転じると予想、2030年の中央政府の債務総額は、前回予想のGDP比83.6%からGDP比76.6%まで減少すると予想されている。

中央政府並びに地方政府を含むブラジル連邦政府の総債務残高は、2023年以降は減少サイクルに突すると予想されているが、2013年12月の連邦政府の総債務残高は、僅かGDP比51.5%であった。

今年のインフレ指数を差引いた実質債務残高は、前回予想のGDP比67.1%から60.8%、2023年は70.0%から63.3%、2024年の実質債務残高は、72.4%から64.7%それぞれ大幅に修正されている。

来年のインフレ指数を許容上限値の5.00%に上方修正(2021年11月29日付けエスタード紙)

29日のブラジル中央銀行による最終フォーカスレポートによると、2022年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を前回予想の4.96%から許容上限値の5.00%に19週連続となる上方修正を行った。1か月前の予想は4.55%であった。

10月の中銀の通貨政策委員会(Copom) は、今年のIPCA指数を9.50%、2022年のIPCA指数を4.1%、2023年のIPCA指数を3.1%を予想していた。

今年のIPCA指数を前回予想の10.12%から10.15%と34週連続となる上方修正を余儀なくされたが、今年のIPCA指数の中央目標値は3.75%、許容範囲は±1.50%に相当する最低2.25%、最高5.25%に設定されているが、上限許容値5.25%を約5.00%上回っている。1か月前の予想の9.17%を約1.00%上回っている。

今年のインフレ指数が10.0%を突破予想は、ジウマ・ロウセフ政権下の2015年に記録した10.67%と6年ぶりの高インフレ指数を記録するのは避けられないと予想されている。

今回の採取フォーカスレポートでは、2023年のIPCA指数は前回予想の3.27%から3.42%、2024年のIPCA指数は、前回予想の3.07%から3.10%とそれぞれ上方修正されたが、 2023年のIPCA指数の中央目標値は3.25%。許容範囲は±1.50%に相当する最低1.75%、最高4.75%に設定されている。2024年のIPCA指数の中央目標値は3.00%。許容範囲は±1.50%に相当する最低1.50%、最高4.50%に設定されている。

また今年のGDP伸び率は、前回予想の4.80%から4.78%と若干下方修正したが、1か月前の予想は4.94%であった。2022年のGDP伸び率は、前回予想の0.70%から0.58%に下方修正されたが、1か月前の予想は1.20%であった。

2023年のGDP伸び率は、前回予想の2.00%に据え置かれたが、1か月前の予想2.00%に据え置かれている。2024年のGDP伸び率は、前回予想の2.00%に据え置かれたが、1か月前の予想の2.20%であった。

今年9月のサービス部門提供量は、前月比マイナス0.6%(2021年11月12日付けエスタード紙及びIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、2021年9月のサービス部門提供量(生産性指標)は、前月比マイナス0.6%と前月までの5カ月連続での増加から一転してマイナスに転じている。

しかし今年9月のサービス部門提供量は、Covid-19パンデミック前の昨年2月の水準を3.7%上回っているにも拘らず、過去最高のサービス部門提供量を記録した2014年11月の水準を依然として8.0%下回っている。ブロードキャストプロジェクションの調査では、今年9月のサービス部門提供量の最低予想はマイナス0.4%、最高予想は1.0%増加であった。

今年9月のサービス部門提供量は前年同月比11.4%増加、今年初め9か月間の累計サービス部門提供量は、前年同期比11.4%増加、9月の過去12カ月間の累計サービス部門提供量は、6.8%増加を記録している。

セクター別調査では、今年9月の一般家庭向けサービスセクターの生産量レベルは前月比1.3%増加、前年同月比3.22%増加、今年初め9か月間の累計は前年同期比16.4%増加、9月の過去12カ月間の累計サービス部門提供量は0.5%増加を記録している。

前記同様に情報・通信サービスセクターの生産量レベルはマイナス0.9%、10.1%増加、9.5%増加、7.2%増加、教育・研究機関などの公共サービスセクターの生産量レベルはマイナス1.1%、9.6%増加、7.8%増加、2.4%増加を記録している。

また輸送・輸送補助サービス・郵便サービスセクターはマイナス1.9%、13.7%増加、15.9%増加、10.1%増加、その他のサービスセクターはマイナス4.7%、マイナス1.5%、8.6%増加、8.6%増加を記録している。

今年9月の州別サービス提供量調査では、27州のうち20州でマイナスを記録、特にサンパウロ州はマイナス1.6%、ミナス州1.3%、南大河州マイナス1.3%、ペルナンブーコ州マイナス2.2%、ゴイアス州もマイナス2.2%を記録している。

一方サービス提供量でプラスを記録したのは、リオ州は2.0%増加、ブラジリア連邦直轄地2.9%増加、南マット・グロッソ州は3.6%と大幅な増加を記録している。

ボルソナロ大統領は17セクター向け給与関連減税措置の2年間延長を発表 (2021年11月11日付けヴァロール紙)

手作業工程の多くてマンパワーを必要とする履物業界などに対する従業員向け給与の20%に相当するINSS納付金の減税措置は、今年末で終了する予定であったにも関わらず、特に恩恵を受けている17セクターは、COVID-19パンデミックで大きなダメージを受けており、今後は回復に向かう時期には不可欠のために減税措置の継続を訴えていた。

11日ジャイール・ボルソナロ大統領は、来年の大統領選挙向けの支持率の確保並びに雇用の大きな17セクターの雇用を維持するためには、INSS納付金の減税措置の延長は避けられないと理解を示して、2年間の延長を発表している。

ジウマ・ロウセフ政権時の2011年に、経済活性化並びに雇用維持のための臨時措置として、企業側の社会保障院(INSS)への従業員給与額20.0%の納付率の免税に対して、売上の1.0%~4.5%の課税で企業負担を軽減する暫定令が始まりとなっている。

マルセロ・フレイタス下院議員(PSL-MG)は、マンパワーが必要で大きな雇用が確保できる17セクターの雇用維持のためのINSS納付金の減税措置の2026年までの延長を訴えていた。

動物性蛋白質生産者協会並びに履物業界の企業経営者は、依然として国内景気の停滞による高い失業率の現状を踏まえて、ジャイール・ボルソナロ大統領、パウロ・ゲーデス経済相並びにテレーザ・クリスティーナ農務相が参加した会合で、INSS納付金の減税措置も延長を訴えていた経緯があった。

テレコン網インフラ連盟(Feninfra)のVivien Suruagy会長は、ボルソナロ大統領によるINSS納付金の減税措置の2年間の延長措置は、雇用維持にとって欠かせない措置であると支持している。

また11月4日に実施されたブラジルの第5世代移動通信システム(5G)の入札は、約50万人の新規雇用につながり、連邦政府によるINSS納付金の減税措置の2年間の延長措置は既に訓練されているマンパワーの維持につながると歓迎している。

フォーカスレポートは今年のインフレ及びGDP伸び率悪化を予想(2021年11月8日付けエスタード紙)

8日発表の中銀の最終フォーカスレポートによると、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の9.17%から9.33%と31週連続で上方修正、今年のIPCA指数の上限許容範囲の5.25%を約4.0%上回る修正を余儀なくされている。1か月前の今年のIPCA指数予想は8.59%であった。また2022年のIPCA指数も前回予想の4.55%から4.63%に16週連続で上方修正されている。

多くの金融機関のエコノミストは今年のインフレの更なる上昇を見込んでおり、特にブラジル救済(Auxílio Brasil)プログラム向けの財源確保のためのインフレ指数の計算方法の変更による歳出上限変更による2022年度の財政悪化を予想している。

今年のIPCA指数の中央目標値は3.75%、許容範囲は±1.50%に相当する最低2.25%、最高5.25%に設定されている。2022年のIPCA指数の中央目標値は3.50%。許容範囲は±1.50%に相当する最低2.00%、最高5.00%に設定されている。

許容範囲は±1.50%に相当する最低1.50%、最高4.50%に設定されている今年のインフレ指数が目標値を突破する見込みのため、中銀のRoberto Campos Neto総裁は、経済省のパウロ・ゲーデス経済相にインフレ指数が目標値を突破する理由を記載したレポート提出を余儀なくされている。

中銀総裁がインフレ目標値の達成が出来ずにレポート提出を行ったのは、2018年1月にIlan Goldfajn総裁が、2017年のインフレ指数が穀物生産が過去最高で食品価格の下落でインフレ指数の目標値は、最低限度値を下回った時以来のレポート提出となる。

2023年のIPCA指数は前回同様3.27%に据え置かれたが、中央目標値の3.25%に接近している。2024年のIPCA指数は前回の3.07%から3.10%に上方修正している。

一般的に不動産の賃貸契約の調整に用いられるインフレ指標の一つである今年末の総合市場物価指数(IGP−M)は前回予想の18.28%から18.40%に上方修正している。

10月27日中銀の通貨政策委員会(Copom) は、インフレ圧力上昇並びに歳出上限を無視する臨時歳出政策の導入伴って、政策誘導金利(Selic)を1.50%引上げ7.75%に決定したが、今年最終回のCopom会議でSelic金利の再度の1.50%の引上げを予想している。1か月前の予想は8.25%であった。

また2022年末のSelic金利は前回予想の10.25%から11.0%に上方修正、2023年末のSelic金利は前回予想の7.25%から7.50%に上方修正、1か月前の予想は6.50%であった。2024年末のSelic金利も6.75%から7.00%に上方修正、1か月前の予想は6.50%であった。

今年のGDP伸び率は前回予想の4.94%から4.93%、2022年のGDP伸び率は1.20%から1.00%に下方修正、1か月前の予想は1.54%であった。

9月の鉱工業部門生産は前月比マイナス0.4%を記録(2021年11月4日付けIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM)によると、2021年9月の鉱工業部門生産は、前月比マイナス0.4%を記録、6月~9月迄4か月間連続でマイナスを記録している。4月間の累計生産はマイナス2.6%となっている。

また今年9月の鉱工業部門生産は前年同月比マイナス3.9%、今年6月の鉱工業部門生産は前月比マイナス0.2%、7月はマイナス1.3%、8月はマイナス0.7%、9月はマイナス0.4%を記録、しかし今年初め9か月間の累計生産は前年同期比7.5%増加、9月の過去12か月間では6.4%増加している。

今年9月の鉱工業部門生産がマイナス0.4%を記録した要因として、調査対象の4部門のうち3部門でマイナス、26セクターのうち10セクターでマイナスを記録している。

今年9月の鉱工業部門生産は前月比マイナス0.4%、前年同月比マイナス3.9%、今年初め9か月間の累計生産は前年同期比7.5%増加、9月の過去12か月間の累計生産は6.4%増加を記録している。

前期同様資本財部門生産はマイナス1.6%、15.0%増加、38.2%増加、31.7%増加、中間財部門はマイナス0.1%、マイナス3.6%、5.9%増加、5.7%増加している。

また消費財部門生産は0.7%増加、マイナス8.7%、4.5%増加、3.0%増加、そのうち耐久消費財セクターはマイナス0.2%、マイナス22.3%、13.1%増加、9.5%増加、非耐久消費財セクターは0.2%増加、マイナス5.0%、2.5%増加、1.5%増加している。

9月の鉱工業部門生産で大きな落込みを記録したのは、食品セクターで前月の1.9%増加から一転してマイナス1.3%を記録、金属セクターも前月の0.4%増加からマイナス2.5%に反転している。

また皮革・履物・旅行用品セクターはマイナス5.5%、その他の輸送関連装置セクターマイナス7.6%、飲料セクターマイナス1.7%、鉱業セクターマイナス0.3%、家具セクターマイナス3.7%、情報機器・電気・光学機械セクターはマイナス1.7%であった。

9月の鉱工業部門生産がプラスを記録したセクターとして、特に医薬品セクターは6.5%、その他の化学製品セクター2.3%、石油派生品・バイオ燃料セクター1.0%、機械・装置セクター1.9%、紙・パルプセクター1.2%、電気材料セクター1.7%並びに煙草セクターは6.6&それぞれ増加を記録している。

9月の段ボール派生品出荷は前月比0.3%減少(2021年11月3日付けヴァロール紙)

ブラジル包装紙協会(Empapel)の月間統計速報によると、2021年9月の経済動向のバロメーターの段ボール箱派生品指数(IBPO) は、3ヶ月連続となる0.3%減少の144.7ポイントに留まっている。

今年初め9か月間の累計段ボール箱派生品出荷量は、32万4,300トンを記録、1日当りの平均段ボール箱派生品出荷量は、前年同期比3.7%増加の1万2,973トンとなっている。

今年第3四半期の段ボール箱派生品出荷量は、前四半期比2.3%減少の98万3,100トン、今年9月の段ボール箱派生品指数(IBPO) は、前年同月比6.0%減少の147.3ポイントとなっている。

中銀は2022年のSelic金利は二桁台は不可避と説明(2021年11月3日付けエスタード紙)

10月27日中銀の通貨政策委員会(Copom) は、インフレ圧力上昇並びに歳出上限を無視する臨時歳出政策の導入伴って、政策誘導金利(Selic)を1.50%引上げ7.75%に決定、ジャイール・ボルソナロ政権では最高のSelic金利レベルに達している。

また日中銀の通貨政策委員会(Copom)の議事録では、次回12月に開催される通貨政策委員会(Copom)では、政策誘導金利(Selic)を再度1.50%引上げて9.25%になる可能性を示唆している。

2022年のインフレ指数を連邦政府の目標中央値である3.50%に近づけるためにはSelic金利が二桁台に乗せることは不可欠となっていることを示唆している。

前政権の家族手当(ボルサ・ファミリア)プログラムに替わるブラジル救済(Auxílio Brasil)プログラム向けの400レアルの財源確保のために、インフレ指数の計算方法の変更による歳出上限変更で特別委員会で合意した結果を受けて、前回のCOPOM会議前の先月26日には、金融市場関係者はSelic金利の引上げ予想を1.00%から1.25%若しくは1.50%に引き上げていたが、エコノミストの中にはSelic金利の引上げ幅を1.75%、2.00%、最高予想は3.00%の引上げを見込んでいた。

今週は司法上の支払い命令が出されている個人や法人向けなどのプレカルトリオの資金を宛がる憲法改正案(PEC)の採決が予定されており、またブラジル救済(Auxílio Brasil)プログラム向けの400レアルの財源確保のために、インフレ指数の計算方法の変更による歳出上限変更など来年度の財政支出増加が不透明となっている。

9月のブラジルの財政プライマリー収支は約130億レアルの黒字計上(2021年10月29日付けヴァロール紙)

2021年9月の中央政府並びに地方政府を合わせたブラジル政府の財政プライマリー収支は、129億3,300万レアルの黒字を計上、9月としては、2010年以降では最高の黒字を計上している。

一方昨年9月の財政プライマリー収支は、Covid-19パンデミック対応の緊急歳出出動を余儀なくされたために645億5,900万レアルの大幅な赤字を計上していた。

今年9月のブラジルの政府の財政プライマリー収支には、中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府、州政府と市町村で構成される地方政府並びに公立銀行及び、ペトロブラス石油公社並びにブラジル中央電力公社を除く公社の決算が含まれている。

今年9月の中央政府の財政プライマリー収支は、7億800万レアルの黒字を計上して2012年以降の9月としては最高の黒字を計上、また地方政府の財政プライマリー収支は、104億3,900万レアルの黒字を計上、公社の財政プライマリー収支は、17億8,600万レアルの黒字を計上している。

今年初め9か月間のブラジル政府の財政プライマリー収支は、141億⒎100万レアルの黒字を計上、2013年以降では最高の黒字を記録したが、Covid-19パンデミックの影響を受けていた昨年同期は大幅な赤字を計上していた。

今年9月の過去12か月間のブラジル政府の財政プライマリー収支は、GDP比0.63%に相当する528億5,400万レアルの赤字を計上したが、今年8月の財政プライマリー収支は、GDP比1.57%に相当する赤字を計上していた。

9月の過去12か月間のブラジル政府の財政プライマリー収支赤字528億5,400万レアルは、Covid-19パンデミック対応の緊急財政出動による昨年同期の7,030億レアルの赤字とは比較にならない程少ない赤字となっていると中銀統計部のFernando Rocha課長は説明している。

今年9月の過去12か月間のブラジルのインフレ指数を考慮しない名目財政プライマリー収支赤字は、GDP比4.84%に相当する4,044億6,900万レアルと8月のGDP比5.62%よりも大幅に減少している。

今年初め9か月間の名目財政プライマリー収支赤字は、2,919億6,400万レアルに達し、昨年同期の2,525億9,600万レアルよりも400億レアル近く赤字幅が増加している。