11月の企業経営者の景況感指数(ICE)は1.1ポイント減少の91.8ポイントと4カ月連続で前月割れ(2023年12月1日付けヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、2023年11月の企業経営者の景況感を計る企業経営者の景況感指数(ICE)は、91.8ポイントと前月比では1.1ポイント減少と4カ月連続で前月割れを記録している。

今年11月の企業経営者の景況感指数(ICE)は、過去2カ月間のシナリオに従い、現状評価はわずかに改善したが、その後の数カ月に関して予想はより顕著に悪化した。この結果を総合すると、GDPの約2/3を占める景気循環部門が第4四半期も引き続き活動のペースが鈍く、2024年第1四半期の経済見通しに懸念を抱いていることが示唆される。

今年11月の企業経営者の景況感指数(ICE)のポディティブ面としては、今年下半期に建設業部門の企業経営者の景況感指数(ICE)が初めて上昇し、インフラ工事分野での持続的な楽観的な見方の影響を受けて、建設業部門は比較的回復力を示している

11月の企業経営者の景況感指数(ICE)低下の要因として、今後数カ月に関する予想の悪化に起因している。見通し信頼感指数(IE-E)は1.4ポイント低下して88.2ポイントとなり、8月以降では累積7.0ポイントのマイナスを記録、1月に発表された今年の最低水準となる86.0ポイントに接近している。

見通し信頼感指数(IE-E)構成要素のうち、6カ月先の景気動向と予測雇用はそれぞれ89.0ポイントと94.5ポイントで安定しており、予測需要は1.0ポイント低下の88.6ポイントと1月以来の低水準となった。 11月の現況景況感指数(ISA-E)は、0.7ポイント上昇し、95.5ポイントとなっている。

企業経営者の景況感指数 (ICE) は、FGV IBRE が作成した景況調査の対象となる 4鉱工業部門、サービス、商業、建設業部門の信頼指数を統合したもの。

11月企業経営者の景況感指数 (ICE) では、主要4部門の中で鉱工業部門の景況感指数 (ICE)のみが1.9ポイント上昇し92.7ポイントとなった。商業部門の景況感指数 (ICE)は、2.7ポイント低下の86.5ポイントと最悪の結果となり、企業の現状に対する期待と認識がともに悪化している。

サービス業部門の景況感指数 (ICE)は、期待が若干改善したものの、0.9 ポイント低下して 94.4 ポイント、建設業部門の景況感指数 (ICE)は横ばいとなり、0.1 ポイント低下して 96.2 ポイントとなっている。

 

今年10月の四半期の月間平均失業率は7.6% (2023年11月30日付けヴァロール紙)

30日発表のブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、2023年8月~10月の四半期の月間平均失業率は、7.6%と5月~7月の前四半期の月間平均失業率7.9%を0.3%下回っている。また2022年8月~10月の四半期の月間平均失業率8.3%を0.7%下回っている。また今年第3四半期の月間平均失業率は7.7%であった。

今年8月~10月の四半期の月間平均失業率7.6%は、2014年同期に記録した平均失業率6.7%以降では最低の失業率を記録している。

Valor Dataっ社が26社のコンサルタント会社や金融機関対象の調査では、最高の失業率7.8%、最低の失業率7.4%、平均失業率予想は7.6%であった。

今年8月~10月の四半期の月間平均の労働者人口は初めて1億人を突破した。前四半期比の労働人口は、0.9%に相当する86万2,000人増加、前年同期比では0.5%増加を記録している。

14歳以上の労働者人口のうち今年8月~10月の四半期の月間平均失業者は、830万人と2015年2月~4月の四半期に記録した失業率以降では最低の失業率を記録している。

2012年3月以降の各四半期の月間平均失業率の推移

 

 

今年10月の中央政府の財政プライマリー収支は183億レアルの黒字計上(2023年11月28日付けヴァロール紙)

2023年10月のブラジルの中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府のインフラ指数を差引いた実質財政プライマリー収支は、GDP比0,83%に相当する182億7,600万レアルを記録して統計を取り始めた1997年以降では過去8番目の黒字幅を記録している。

今年10月の過去12カ月間の中央政府の実質累積財政プライマリー収支は、GDP比0,83%の853億レアルの赤字を計上している。

連邦政府は今年の中央政府の実質累積財政プライマリー収支は、2,136億レアルの赤字に抑える目標を立てているが、財務省では今年の累積財政プライマリー収支目標は1,774億レアルの赤字に設定している。

2022年10月の財政プライマリー収支は305億9,200万レアルの黒字を計上、昨年の財政プライマリー収支はGDP比0,5%に相当する541億レアルの黒字を計上していた。

今年10月の国庫庁の財政プライマリー収支は369億1,000万レアルの黒字を計上した一方で、社会保障院は185億9,800万レアルの赤字、中央銀行は3,500万レアルの赤字を計上している。

今年初め10か月間の累積プライマリー収支は、750億9,000万レアルの赤字を計上しているが、国庫庁は1,927億8,300万レアルの黒字を計上している一方で、社会保障院(INSS)は2,674億7,100万レアルの赤字を計上、中央銀行は4億200万レアルの赤字を計上している。

今年10月の中央政府の実質収入は、前年同月比0,6%増加の1,801億4,200万レアルに対して、支出は10,1%増加の1,618億6,500万レアルを記録している。

今年初め10か月間の中央政府の累積実質収入は、前年同期比マイナス3,3%の1兆5,750億レアルに対して、歳出は5,7%増加の1兆6,500億レアルを記録している。

今年初め10か月間の中央政府は、422億5,000万レアルの利益・配当金を受け取ったが、昨年同期の829億 8,800万レアルの約半分に留まっている。

今年10月の中央政府の投資総額は、前年同月比332,4%増加の86億1,000万レアル、今年初め10か月間の中央政府の累積投資総額は、前年同期比53,9%増加の510億1,000万レアルを記録している。

経済協力開発機構(OCDE) ではブラジルの2025年下半期の金利は7,8% まで減少予想(2023年11月29日付けヴァロール紙)

経済協力開発機構(OCDE) では、今年のブラジルのGDP伸び率は前回9月予想の3.2%増加から3.0%に下方修正、2024年は1.7%から1.8%に上方修正、2025年のGDP伸び率は前回同様2.0%に据置いている。

経済協力開発機構(OCDE)のJens  Arnoldチーフは、ブラジル経済については楽観視していると説明、特に今年年初は特に好調であったと付け加えている。

しかし、毎月のブラジルの経済指標は、第 3 四半期の業績がそれほど好調ではないことを示唆しており、今後の予測が若干修正されている。これには 今年から翌年にかけての経済成長の一部も含まれており、言い換えれば、それは何よりもタイミングの見直しと指摘している。

ブラジルの経済活動の主な原動力は引き続き内需であり、金融情勢が逼迫しているにもかかわらず、ダイナミックな雇用の伸び、インフレの低下、低所得層向け補助金増加で、一般家庭の家計支出は引き続き堅調に推移と見込んでいる。

2024年の農産物生産の記録更新予想、Covid-19 パンデミック前の2020年2月の水準を依然として1.8%下回っているにも拘らず、今年8月の鉱工業部門生産は回復傾向を示しており、今年9月のサービス部門生産は前月比マイナス0.3%、8月はマイナス0.9%を記録したが、9月の失業率はサービス部門が牽引して2015年6月以来の低水準となる7.7%まで低下している。

また政策誘導金利Selic引下による金融政策の緩和により、民間投資は2024年を通じて若干回復すると予想されている。一次産品価格は下落しているが、農産物は引き続き輸出拡大を牽引すると予想している。

今年のインフレ指数は4.5%まで低下、2024年は3.2%、2025年のインフレ指数は3.0%、2024年からのインフレ指数は目標範囲と一致する可能性があり、インフレ率の低下は、金融政策の対応の前進とサプライチェーンの混乱の正常化の結果となる。

OECD報告書は、ブラジルの金融政策緩和は2023年8月に始まったが、実質金利は依然として高止まりしており、2024年から2025年にかけて継続的にSelic金利を引き下げる余地が残されているとし指摘しており、2024年末までに9.2%までさらなる金利引き下げを想定、 2025年下半期までに7.8%まで下がると予想している。

財政政策は依然として拡張的だが、2024年には新たな財政枠組みで求められる財政プライマリー収支黒字目標のGDP比1%に達するまで段階的に健全化すると予想している。

ルーラ政権では2024年の歳入総額はGDP比1.5%に対して、歳出総額をGDP比1.0%に抑え込む目標を立てている。

今年末までの税制改革の導入と競争の改善が経済成長を押し上げる要因となり、連邦政府が消費税に加えて、所得税を改革し、税制の累進性を改善する余地があると考えてられている。

個人の医療費や教育費に対する現在の個人所得税控除には、分配に逆進的な影響があることに注意しを払う必要があり、ブラジル人の90%が所得税を支払う限度額を下回る収入しかなく、民間の医療沽券プラン加盟を計画しているブラジル人は僅か25%だけに留まっており、人口の大多数は公的医療制度に依存している。

経済協力開発機構(OCDE)は、温室効果ガス総排出量の主な原因として森林破壊を改めて強調しており、熱帯雨林違法伐採と失くすためには、森林法を含む環境保護法の厳格な適用が不可欠であると指摘している。

ブラジルにおける温室効果ガスの直接排出源としては、農業部門が 2 番目に大きいことに注意を払う必要があり、低炭素化実践に向けた農業クレジットをより適切にターゲット化することは、森林破壊と闘い、二酸化炭素排出量を削減する上で効果的であると指摘している。

11月の拡大消費者物価指数(IPCA-15)は食品部門が牽引して0.33%上昇 (2023年11月28日付けIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)が10月14日か11月14日までの30日で計測する11月の拡大消費者物価指数(IPCA-15)は、0.33%と10月の0.21%を0.12%上回っている。昨年11月の拡大消費者物価指数(IPCA-15)は0.53%であった。

今年初め11か月間の累積拡大消費者物価指数(IPCA-15)は4.30%、11月の過去12カ月間の累積拡大消費者物価指数(IPCA-15)は4.84%に達したが、10月の過去12カ月間の累積拡大消費者物価指数(IPCA-15)の5.05%を約0.2%下回っている。

11月の拡大消費者物価指数(IPCA-15)の前月比の調査対象の9部門のうち8部門で増加を記録、食品・飲料部門の拡大消費者物価指数(IPCA-15)は0.82%、インパクト指数は0.17%を記録している。

また個人消費部門は0.52%、インパクト指数は0.05%、輸送部門は0.18%、インパクト指数は0.04%それぞれ増加を記録した一方で、前記同様に通信部門はマイナス0.22%、インパクト指数はマイナス0.01%と3カ月連続でマイナスを記録、教育部門は0.03%、衣類部門は0.55%であった。

11月の食品・飲料部門の拡大消費者物価指数(IPCA-15)は0.82%増加、そのうち内食セクターは1.06%増加と5カ月連続でのマイナスから増加に転じている。特に玉葱の値上がりは30.61%、ジャガイモは14.01%とそれぞれ二桁台の値上がりを記録、米は2.60%、果物は2.53%、食肉は1.42%それぞれ値上りした一方で、カリオカ豆はマイナス4.25%、長期保存ミルクはマイナス1.91%それぞれ値下している。

11月の個人消費部門の拡大消費者物価指数(IPCA-15)は0.52%増加と前月の0.31%増加を上回っており、特に旅行パッケージは2.04%、宿泊費は1.27%、銀行サービスは0.63%それぞれ値上りを記録、輸送部門は0.18%増加、航空運賃代は19.03%値上りしたためにインパクト指数は0.16%を記録、タクシー代は2.60%値上りしたが、ポルト・アレグレ市のタクシー代値上がりは20.84%を記録している。

インフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA-15)は、ブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)の予想として先行して発表、1最低サラリーから40最低サラリーの所得層を対象に調査、ブラジリア連邦直轄地とゴイアニア市の地方自治体に加えて、9大都市圏を対象に調査されている。

2023年10月及び11月の拡大消費者物価指数(IPCA-15)の部門別増減

2023年10月及び11月、今年初め10カ月間、過去12カ月間の地域別の拡大消費者物価指数(IPCA-15)の増減

10月の純正規雇用は19万366人増加 (2023年11月28日付けヴァロール紙)

28日の就労・失業者管理センター(Caged)の統計を基にした労働・雇用省の発表によると、2023年10月の労働手帳に記載される純正規雇用総数は19万366人増加を記録している。

Valor Data社の10月の正規雇用調査では、最低予想は10万人、最高予想は17万5,000人、平均予想の13万9,000人を5万人以上上回っている。10月の新規の正規雇用総数は1.94万1.281人に対して解雇総数は175万915人であった。昨年10月の正規雇用は16万291人を約3万人上回っている。

今年初め10カ月間の累積正規雇用総数は178万4.695人を記録している。今年10月の新規の正規雇用の平均賃金は2.029,33レアルと9月の2.034,51レアルを若干下回っている。今年10月の解雇者の平均賃金は2.115,81レアルと9月の2.134,76レアルを若干下回っている。

今年10月の部門別の純正規雇用比較ではサービス業部門の正規雇用は10万9.939人増加、商業並びに四輪・二輪修理部門は4万9.647人増加、鉱工業部門2万954人増加、建設業部門は1万1.480人増加、林業・漁業・農畜産部門は1.656増加を記録している。

今年初め10カ月間のサービス業部門の正規雇用は97万6.511人増加、建設業部門は25万3.876人増加、鉱工業部門25万1.111人増加、商業並びに四輪・二輪修理部門は19万3.526人増加、農畜産部門は10万9.698人増加している。

今年10月の地域別正規雇用では南東部地域は9万6.576人増加、南部地域3万7.742人増加、北東部地域は3万6.647人増加、北部地域は1万223人増加、中西部地域は1万13人増加を記録している。

今年初め10カ月間のの地域別正規雇用では南東部地域は87万1.155人増加、北東部地域は30万8.601人増加、南部地域3万7.742人増加、中西部地域は20万4.892人増加、北部地域は12万2.205人増加している。

10月の国庫庁の歳入総額は2,156億レアル(2023年11月27日付けヴァロール紙)

2023年10月の国庫庁のインフレ指数を差引いた実質歳入総額は、前年同月比0,1% 微増の2,156億200万レアルに留まった一方で、今年初め10カ月間の累積実質歳入総額は、前年同期比マイナス0,68%の1兆9,070億レアルを記録している。

10月の国庫庁の実質歳入総額2,156億200万レアルは、統計を取り始めた1995年初めからでは最高の歳入総額を記録、また今年初め10カ月間の累積実質歳入総額1兆9,070億レアルは、2022年同期に次ぐ番目の記録となっている。インフレ指数は差引かない10月の国庫庁の名目歳入総額は、前年同期比4,93%増加しているが、今年の月間名目歳入総額では2番目に少ない名目歳入総額に留まっている。

10月の国庫庁の実質一般歳入総額は、前年同月比0,71%増加の1,955億8,400万レアルを記録、また今年初め10カ月間の累積実質一般歳入総額は、0,65%増加の1兆8,060億レアルを記録している。

10月の国庫庁の一般歳入以外の臨時歳入総額はマイナス5,42%の200億1,800万レアル、また今年初め10カ月間の累積臨時歳入総額は、マイナス19,69%の1,007億900万レアルを記録している。

10月の工業製品税IPIの税率引き下げによる19憶レアルの歳入減少が挙げられる。また燃料に対する社会保障賦課金(Cofins)並びに社会統合基金(PIS)の税率引き下げで14億6,000万レアルの減収を記録している一方で、燃料輸出に対する増税で4,700万レアルの増収に結び付いている。

今年初め10カ月間の燃料に対する社会保障賦課金(Cofins)並びに社会統合基金(PIS)の免税や減税による歳入は287億1,000万レアル減少、工業製品税(IPI)は190億レアルの減少を記録している。

また給与関連は68億2,100万レアル、健康保険関連は26億4,400万レアル、純益に対する社会納付金(CSLL)は26億900万レアル、零細・小企業向け簡易税務申告(Simples Nacional)関連は528億7,300万レアルの減少を記録している。

 

最終フォーカスレポートは今年のインフレ指数を下方修正 (2023年11月27日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートは今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前回予想の4,55% から4,53%に下方修正している。

2024年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前回予想の3,91%に据置、また2025年の広範囲消費者物価指数(IPCA)も3,50%に据置いている。

今年末の政策誘導金利Selicは前回同様11.75%に据置、2024年末は9,25%、2025年末のSelic金利は8,75%それぞれ据え置いている。

ブラジル中銀の今年のIPCA指数の中央目標値を3.25%、2024年及び2025年の中央目標値を3.00%、許容範囲は±1.50%を設定している。

今年のGDPの伸び率は前回予想の2,85%から2,84%に下方修正している。2024年のGDPの伸び率は前回予想の1,50%、2025のGDPの伸び率は前回予想の1,93%に据置いている。

ブラジル地理統計院(IBGE)は9月1日、2023年第2四半期(4~6月期)の国内総生産(GDP)の成長率が、前期と比較して0.9%増加を記録したとする国民経済統計を発表した。

ヴァロール紙が74社のコンサルタント会社並びに金融機関対象の調査によると、今年第2四半期のGDP伸び率の最低予想はマイナス0.8%、最高予想は1.1%増加、平均予想は0.3%増加であった。今年第3四半期のGDP伸び率は12月5日に発表される。

レアル通貨に対するドルの為替は前回同様にR$ 5に据置、2024年はR$ 5,05、2025年はR$ 5,10にそれぞれ据え置かれている。

的中率が最も高いトップは今年のインフレ指数を前回予想の4,43% から4,47%に上方修正、2024年のインフレ指数は3,39%、2025のインフレ指数は3,25%に据置いている。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替は前回同様R$ 4,92、2024年末はR$ 4,80、2025年末はR$ 4,78それぞれ据え置いている。

2023年、2024年、2025年のIPCA指数の推移予想

2023年、2024年、2025年のSelic金利の推移予想

 

2023年、2024年、2025年のGDP伸び率の推移予想

2023年、2024年、2025年のレアル通貨に対するドルの為替の推移予想

 

ブラジルの5分の1 は高齢者若しくは高齢者と同居(2023年11月23日付けヴァロール紙)

2022年の人口動態調査によると、ブラジル国内の65歳以上の高齢者比率は10.9%と全国的に比率が上昇傾向を示している。また2022年の高齢者だけの家庭の比率は10.45%、高齢者を含む家庭の比率は10.49%、高齢者及び高齢者を含む家庭の比率は20.94%とブラジル人口の5分の1に達しているとFGV SocialのMarcelo Neri理事は説明している。

2022年の人口動態調査結果では、2 つの相補的なセクションが注目を集めている。 1 つは、同居家族、つまり複数世代がいる大家族は家庭収入が高く、AB クラスの割合が高い傾向にあることが判明している。数世代が同居するいわゆる大家族では、年金・恩給受給の影響で高齢者の収入が増加し、結果的に家族の収入に有利になっている。

高齢者と同居している家庭は貧困家庭の比率が高い州で比率が高い傾向があり、特に北東部地域及び北部地域で顕著となっている。

ブラジルでは年金・恩給受給者及び非正規雇用者、社会保障院(INSS)の審査待ちの勤労不可能な高齢者や障害者に対する最低賃金額を支給する継続扶助(Benefício de Prestação Continuada–BPC)の高齢者が主に貧困家庭の稼ぎ手になる傾向があるが、その一方で介護政策は進んでいないとブラジル地理統計院(IBGE)の継続的全国家庭サンプル調査(Pnad Continua)担当エコノミストは説明している。

ブラジルの人口に占める年金・恩給受給者に相当する高齢者の割合が明らかな増加の一方で、雇用がますます不安定になる中、若年層には当てはまらない生涯収入を得ることができており、結果的に貧困層では高齢者への経済的依存が増大してきていると経済省応用経済調査院(Ipea)の調査員のAna Amélia Camarano氏は指摘している。

富裕層に相当するA/Bクラスの高齢者比率は15.06%、Cクラスは12,87%、Dクラスは4.74%、最貧困層のEクラスでは僅かに2.5%に留まっている。

また高齢者だけの家庭の比率調査では、富裕層に相当するA/Bクラスの比率は9,91%、Cクラスは12,17%、Dクラスは9,37%、Eクラスは3,43%となっている。

高齢者と同居している家族比率調査では、ピアウイ州は13.68%でトップ、続いてセアラー州13.52%、北大河州12.80%、州都の比較ではテレジーナ市は17.88%、ベレン市17.67%、マナウス市は16.79%であった。

今年第2四半期のブラジルの平均家庭収入は2921レアル、最も低いのはピアウイ州の2289レアル、北大河州2131レアル、アマゾナス州は2202レアル、北東部地域は1986レアル、北部地域は2316レアルであった。

 

連邦政府は今年の財政プライマリー収支赤字予想を上方修正(2023年11月22日付けヴァロール紙)

連邦政府は今年の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府のインフラ指数を差引いた実質財政プライマリー収支は、前回予想の1414億レアルの赤字から1774億レアルと350億レアル以上の赤字の上方修正を行っている。

今年の予算ガイドライン法では、中央政府のインフラ指数を差引いた実質財政プライマリー収支は、国内総生産(GDP)の2.0%に相当する最大2136億レアルの赤字を容認している。

2023 年の中央政府の主要収入の推定値は、前回の報告書と比較して 130 億レアル減少し、2 兆 3,590 億レアルとなった。一方、純収益の見積もりは 140 億レアル減少し、1 兆 9,000 億レアルとなった。

主な中央政府の支出予想は219億レアル増加し、2兆770億レアルとなった。義務的経費の見積もりは193億レアル増加し、1兆8,800億レアルとなった。一方、投資など自由に削減できる裁量的経費の予測は26億レアル増加し、1,971億レアルとなった。

企画省は、今年の財政プライマリー収支を目標に近づけるために財政支出削減額を前回の38億レアルから50億レアルに拡大している。

財政支出削減額50億レアルは、財政支出上限金額の0,26%に相当、行政府の裁量的経費は、全体の2.54%に相当する金額となっている。

財務省では今年の一連の経済指標の予測を更新した。今年の平均政策誘導金利Selicは、前回予想の13.11%から13.19%に引き上げている。また今年のレアル通貨に対するドルの為替は、前回予想のR$ 4,99からR$ 5,01に切り下げている。

また1バレル当たりの石油の国際コモディティ価格は、前回予想の83,79ドルから 83,15ドルに若干の下方修正を行っている。

連邦政府はまた、天然資源の探査から1,133億レアルを調達できると予想しており、前回予想より59億レアルの上方修正に繋がっている。

連邦政府は今年の石油や天然ガスなどのよる利権・許可による歳入予測は、国内総生産(GDP)の0.1%に相当する91億レアルに据え置かれた。

連邦公社による利益配当と資本参加からの予想収入も、前回のレポートと同じ推定値の 498 億レアルに維持された。国庫庁が管理する歳入予測は222億レアル減少の1兆4,470億レアルを予想している。