2023 年のブラジルの化学製品輸入比率は47% に達して過去最高を更新(2024年2月27日付けヴァロール紙)

ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、2023年のブラジル化学工業部門のブラジル国内消費における輸入製品の比率は47%に達し、統計を取り始めた過去30年間で最高の輸入比率を更新している。

昨年の化学製品輸入の比較では、熱硬化性樹脂中間体の輸入は前年比86%増加した。可塑剤は57.3%、熱硬化性樹脂は44.2%、熱可塑性樹脂は17.1%とそれぞれ大幅増加を記録している。

ブラジル国内の化学品メーカーは急増する輸入化学製品に対抗する手段を擁しておらず、またブラジルの化学製品輸出も競争力を失っているとブラジル化学工業協会(Abiquim)のFátima Giovanna Coviello Ferreira経済統計部長は指摘している。

昨年のブラジルのGDP伸び率は3%前後を記録した一方で、化学工業部門はマイナス10%前後の後退が見込まれており、これは明らかに産業空洞化の深刻なプロセスを示しているとゼツリオ・バルガス財団(FGV)エコノミストのPaulo Gala氏は、連邦政府による再工業化政策の早急な採用の必要性を指摘している。

昨年、ブラジル国内の化学部門生産は前年比マイナス10.1%を記録、輸出もマイナス10.9%を記録した一方で、化学製品輸入は7.8%増加している。化学製品生産と輸入の合計から輸出を差し引いたブラジルの需要はマイナス1.5%、国内売上高は9.4%減少している。

昨年のブラジル国内の化学工業部門の平均設備稼働率は、64%まで減少して統計を取り始めて以来最低の設備稼働率を記録、2007年の設備稼働率がギリギリの水準を維持していたが、それ以降は適切な設備稼働率の水準を下回っている。

2023年のブラジルの化粧品・衛生用品輸出は前年比17.4%増加で記録更新

ブラジル衛生品・香水・化粧品協会(Abihpec)の発表によると、2023年のブラジルの化粧品・衛生用品の貿易黒字は、前年比17.4%増加で記録更新している。

昨年のブラジルの化粧品・衛生用品輸出金額は、前年比130,2%増加に相当する9億1,120万ドルに達し、統計を取り始めた1997年以降では記録更新、貿易収支は前年比17.4%に相当する8,080万ドルの黒字を計上している。

昨年のブラジルの衛生品・香水・化粧品関連輸入は、前年比12.1%増加に相当する8億3,040万ドルを記録、昨年のブラジルの衛生品・香水・化粧品関連貿易額は、前年比14.5%に相当する17億4,000万ドルを記録している。

ブラジルの化粧品・衛生用品の貿易黒字は2020年以降4年連続で黒字を計上、世界の176カ国にブラジルの化粧品・衛生用品を輸出している。特にアルゼンチン向け化粧品・衛生用品輸出金額は1億6,600万ドルに達している。

今年のブラジル化学工業部門の貿易収支は過去2番目の赤字予想(2023年11月27日付けヴァロール紙)

ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、2023年のブラジル化学工業部門の貿易収支は、470億ドルの赤字が見込まれており、過去2番目の大幅な赤字が予想されている。

またブラジル化学工業部門の今年初め10カ月間の累積輸入金額は520億ドルに対して、輸出金額は122億ドルに留まり、399億ドルの貿易赤字を記録している。

今年のブラジル化学工業部門の大幅な貿易収支赤字は、アジアからの安価な化学製品輸入の席捲を反映しており、ブラジル化学工業部門の生産は過去30年間で最低水準となり、平均遊休率は国内設備能力の35%まで低下を余儀なくされている。

ブラジル化学工業部門の今年初め10カ月間の化学製品輸入は、可塑剤、熱可塑性樹脂、基礎石油化学製品、洗剤用化学中間体、その他さまざまな工業用化学製品の輸入が79.1%まで急増している。

一方、ブラジル化学工業部門の今年初め10カ月間の化学製品輸出は、主要貿易相手国におけるブラジル製品が、ロシアから供給される天然ガスやエネルギーの安価な製品の恩恵を受けてきたアジア製品に取って代わられる中、11.3%減の1,170万トンに留まっている。

ブラジル化学工業部門の今年初め10カ月間の貿易収支は憂慮すべきものであると強調。化学物質の輸入料金を共通対外関税の標準レベルに戻すという連邦政府の最近の決定は不可欠であったが、国内産業の競争条件を回復するにはさらなる措置が必要であるとAbiquimの Fátima Giovanna Coviello Ferreira理事は説明している。

安価な化学製品輸入最も被害を受けている化学製品を対象とするメルコスールの共通対外関税の暫定的引き上げリストの実施や政策の構築など、他の根本的かつ緊急措置をAbiquimでは強く主張し続けている。

 

今年初め9か月間の化学工業部門の貿易収支は358億ドルの赤字計上(2023年10月26日付けヴァロール紙)

ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、2023年初め9か月間の累計貿易収支は、358億ドルの赤字を計上している。

2022年のブラジルの化学工業部門の貿易収支は640億ドルの赤字を計上、2021年の化学工業部門の貿易収支も462億ドルの赤字を計上している。

2023年の化学工業部門の貿易収支は、輸入量の継続的な増加の影響を受けて、過去2番目の貿易収支赤字に相当する480 億ドルが予想されている。今年初め9か月間の累積輸入総額は467億ドルに対して、累積輸出総額は僅か109億ドルに留まっている。

過去3カ月の化学製品の輸入量は500万トンを超えたが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、石油化学原料価格下落の恩恵を受けたアジアからの輸入が急増している。

今年初め9か月間の輸入化学製品のうちで、可塑剤は76.6%増加、熱可塑性樹脂は18%、基礎石油化学製品は12.3%、洗剤用化学中間体は6.7%それぞれ増加を記録している。

一方、ブラジルの化学製品輸出は年初から安定しており、月間平均売上高は13億ドル、出荷量は120万トンとなっている。

国際的な地政学的緊張の悪化で、人為的に競争力を維持したアジア諸国からの化学製品輸入の異常かつ激しい急増が根底にあると指摘しており、ロシアの石油とガスの主要輸出先は中国となっている。

メルコスール共通対外関税の移行的引き上げリストの実施を擁護している。これには、輸入量の60%以上増加で最も大きな被害を受けた化学製品が含まれており、価格引き下げ幅はさらに大きくなる。他の市場と比べて完全に異例な動きとなっているとブラジル化学工業協会(Abiquim)経済政略担当のFátima Giovanna Coviello Ferreira理事は説明している。

ブラジルの化学工業部門生産は2007年以降では最低レベルまで落ち込んでいる(2023年10月23日付けヴァロール紙)

ブラジルの化学工業部門の最新の統計によると、化学工業部門はブラジル国内の生産施設を閉鎖するリスクの可能性があり、工業用化学製品の生産量とブラジル国内販売量は、2007年以来最低水準で、化学工場の遊休率は40%を超えている。

ブラジル国内の化学工業部門の高い遊休率は、ブラジル国内の需要があれば新たな投資をすることなく短期間で生産を拡大できることを示している。

一方で、この困難かつ困難な状況を維持した結果、化学部門の工場が閉鎖される可能性があるとブラジル化学工業協会(Abiquim)経済政略担当のFátima Giovanna Coviello Ferreira理事は説明している。

今年7月のブラジル国内の工業用化学製品生産は17.45%減少、8月に15.54%減少して、2007年以来最悪の月次実績となった。7月の国内売上高は2.32%増加、8月は7.97%増加している。

7月のブラジル国内の化学工業部門の設備稼働率は62%、8月の設備稼働率はわずか59%と過去最低レベルに達している。

化学製品輸入は、7月に31.1%増加した後、8月に需要減少に伴って8.8%減少、前年同月比では15%と大幅に減少。現地需要における輸入製品は、今年初め 8 か月の輸入製品比率は 45% に達している。

特に北半球の冬が近づいていることを考慮すると、見通しは明るいものではなく、特にエネルギーコストが高い欧州市場に影響を与えるはずだとブラジル化学工業協会(Abiquim)経済政略担当のFátima Giovanna Coviello Ferreira理事は説明している。

 

中国製輸入化学製品のマーケットシェアは70% に達して危惧されている(2023年10月4日付けヴァロール紙)

ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、2023年上半期の主要化学製品77品目のうち中国製輸入化学製品のマーケットシェアは70%に達している一方で、国内にある石油化学工場の稼働率は30%前後に留まっている。

今年上半期の工業用化学製品の国内生産は、前年同期比 10% 減少した一方で、輸入化学製品は 8% 増加しているとブラジル化学工業協会(Abiquim)のAndré Passos Cordeiro会長は説明している。

Covid-19 パンデミックの影響で、すでに世界の化学工業界を混乱させたうえに、ロシアによるウクライナ侵攻で、アジアはより安価な化学原材料を入手できるようになり、アジア地域の化学メーカーはさらに価格を引き下げるようになった。

ヨーロッパや米国などの大消費市場ではアジアからの不当で安価な化学製品に対して、セーフガードなどの保護措置を採用しており、米国政府はすでに化学製品を含むいくつかの中国製品に25.7%の障壁を課しているために、規制の緩いブラジルなど保護されていない市場に、中国製化学製品の輸入が増加している。

ブラジルでは化学製品の輸入に依存しており、また化学製品の国際コモディティ価格が下落しているため、輸入量が増加してきている。

今年初めから輸入化学製品の購入額は、輸入化学製品価格は8月までに平均17%減少したにも関わらず、50億~55億ドルの間で推移しているが、新型コロナウイルス感染症以前は30億~45億ドルで推移していた。

今年上半期の金額ベースでは、化学製品の輸入総額は前年同期比24%減少の419億ドルに留まっており、平均価格の下落率は39.1%に達した。またトンあたり 1,569 ドルから 1,955 ドルに減少している。

 

ブラジルの輸入プラスチック製品の半分以上が中国製(2023年9月20日付けヴァロール紙)

ブラジル・プラスティック生産者協会(Abiplast)の発表によると、2022年のブラジルが輸入したプラスチック製品の50,3%は中国製が占めている。

中国に次ぐ輸入プラスティック製品は米国からの輸入であるが、輸入比率は全体の僅か4,7%を占めているに過ぎず、中国製の輸入プラスチック製品が席捲している状況となっている。

また中国からの輸入プラスチック製品価格は、全体の32,9%に相当する12億6,000万ドルと付加価値の低い製品が大半を占めているのに対して、米国からの輸入プラスチック製品価格は全体の12,5%に相当する4億7650万ドルと付加価値の高いプラスチック製品の輸入が多くを占めている。

2018年以降、ブラジルが輸入するプラスチック製品の輸入量は年間70万トンを超えているが、ブラジル国内消費への関与は他の産業分野に比べてまだそれほど大きくない。

2022年の輸入プラスチック製品は73万7.700トン、そのうち37万760トンが中国製品、国内消費量は710万トンとなっている。

しかし、アジアからのプラスチック製品輸入が増加し続ける一方で、ブラジルのプラスチック業界は増産したり、輸出ペースを加速したりする力をつけていない。

2022年の国内プラスチック生産量は3年連続で減少し、ここ10年以上で最低水準の670万トンに留まった。 2022年の国内プラスチック生産量は前年比マイナス6.1%に留まった一方で輸出量は 2.4% 増加の31万7,000トンを記録している。

. Covid-19 パンデミック以降は国内市場が停滞しており、今後 6 か月を見てみると、状況はさらに悪化するブラジル・プラスティック生産者協会(Abiplast)とJosé Ricardo Roriz Coelho会長は指摘している。

今年上半期のプラスティック業界の業績好調は、例外的な要因の組み合わせに支えられ、生産量は前年比5%増の342万トンを記録している。

2022 年のブラジルのプラスチック部門売上は 1,175 億レアルで、うち 38 億ドルが輸入、14 億ドルが輸出。アルゼンチンが主な輸出先で、輸出総額の 32.9% を占めた。 この業界には国内のプラスチック業界には 1万1,339 社が事業を展開しており、34万3,900 人の労働者が雇用されている。

 

 

化学製品輸入が50%急増(2023年8月21日付けヴァロール紙)

ブラジルの化学製品輸入は年々増加しており、2022年には630億ドルという記録的な貿易赤字を記録、2023年にはさらに化学製品の輸入量が増加し、国内の工業用化学製品生産及び国内販売は過去17年間で最低レベルとなっている。

世界的な化学製品の過剰な生産能力、主要国での消費ペースの鈍化、そしてウクライナ侵攻後に課された制裁を受けてアジアへの安価なロシア産原油の供給がブラジルの化学製品の貿易収支の不均衡を悪化させている。

ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、今年7月の化学製品輸入額は51億ドル、500万トンに達し、過去1年間で最高の輸入額を記録、輸入量が330万トンだった2月と比較すると、輸入量は50%に達するが、よりコスト競争力のある輸入製品に国内市場のマーケットシェアを奪われている。

世界的な化学製品の過剰な生産能力、主要国での消費ペースの鈍化、そしてウクライナ侵攻後に課された制裁を受けて、アジアへの安価なロシア産原油の供給がブラジルの化学製品の貿易収支の不均衡を悪化させている。

ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、今年7月の化学製品輸入額は51億ドル、500万トンに達し、過去1年間で最高の輸入額を記録、輸入量が330万トンだった2月と比較すると、輸入量は50%に達するが、よりコスト競争力のある輸入製品に国内市場のマーケットシェアを奪われている。

昨年8月にメルコスール共通対外関税例外リスト(Letec)に登録され、4月に最終的に撤回された熱可塑性樹脂の貿易統計は、被害の大きさを示している。

今年第1・四半期のPVCを除く樹脂の内需は1.8%増の144万トンとなった一方、生産は17.4%減、輸出は31.1%減った。輸入は42.7%増加し、国内需要の37%を占め、市場のマーケットシェアを10%増加させている。

ブラジル国内では電力エネルギー価格が非常に高いために、天然ガスの供給を増やす必要があるが、そのためには700億レアルに達する投資が不可欠であり、また新たな石油コンビナートの建設も必要となっている。

 

 

今年上半期のブラジル国内の化学工業部門の需要はマイナス4,6%と危機的な減少 (2023年7月31日付けヴァロール紙)

ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、2023年上半期のブラジル化学業界の国内生産及び輸入から輸出を差引いた国内需要は、前年同期比マイナス4,6%と大幅な落ち込みを記録している。

今年上半期のブラジル国内需要がマイナス4,6%を記録した要因として、ロシアによるウクライナ侵攻の悪影響の中でのブラジル国内の経済減速と化学製品輸入増加が牽引している。

今年上半期のブラジル国内の化学製品生産は前年同期比マイナス9,73%、国内の化学製品販売はマイナス11%と二桁台の大幅な落ち込みを記録した一方で、化学製品輸入は0,6%増加、化学製品輸出はマイナス3,9%を記録している。

今年上半期の輸入化学製品の平均価格はマイナス28,2%を記録して、9%のデフレがあった国内市場での価格に影響を与えた。

今年上半期のブラジル国内の化学工業部門の設備稼働率は、前年同期比マイナス5%の67%を記録、特に合成繊維中間体群の設備稼働率は56%、工業用溶剤71%、熱可塑性樹脂の設備稼働率は 69%とそれぞれ縮小している。

世界中の化学業界が経験している需要サイクルの低さにも関わらず、ブラジルの化学品業界では国内需要を上回る輸入品の過剰なマーケットシェア上昇を懸念しているとブラジル化学工業協会(Abiquim)経済統計担当のFátima Giovanna Coviello Ferreira理事は指摘している。

化学製品の生産に影響を与え、投資の推進を妨げる化学部門の主なコスト要素は、基本的な原材料とエネルギーのコストに関連している上に、この部門は化学産業のための特別制度であるREIQの廃止という主要な財政手段を失い、また昨年いくつかの製品の輸入税率が引き下げられたことも大きな影響を受けている。

 

今年上半期のブラジル化学品業界の貿易収支は237億ドルの赤字計上 (2023年7月12日付けヴァロール紙)

ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、2023年上半期のブラジル化学業界の貿易収支赤字は237億ドルに達している。今年上半期の化学品の輸入総額は 312億ドルに達し、過去10年間の平均貿易赤字の100億ドル~ 250億ドルを大幅に上回る赤字を記録している。

今年上半期の化学品の輸出総額は前年同期比マイナス14,9% の75億ドルに対して、化学品の輸入総額は、 輸出総額の4倍以上に相当する312億ドルに達し、大幅な貿易赤字を計上している。

ブラジル化学工業協会(Abiquim)の統計によると、今年上半期の熱可塑性樹脂の輸入量は前年同期比30,6%と大幅に増加、洗剤中間体は20.7%、合成繊維は17.3%、基礎石油化学製品は9.7%とそれぞれ大幅に増加して貿易収支の赤字幅拡大を牽引している。

ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、アジア諸国のロシア産の安価な化学製品向け原材料の調達で、更なる価格競争力をつけているとブラジル化学工業協会(Abiquim)は指摘している。

今年上半期の化学品の輸出総額は前年同期比マイナス14,9% の75億ドルに留まっている要因とし、主要輸出相手国のアルゼンチンの為替問題が牽引しているとブラジル化学工業協会(Abiquim)は指摘している。

今年上半期の累積貿易赤字は過去30年間の大半を上回っており、昨年下半期~今年上半期の累積貿易赤字は 569億ドルに達しているとブラジル化学工業協会(Abiquim)経済戦力担当のFátima Giovanna Coviello Ferreira取締役は説明している。