ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、2022年初め4か月間のブラジルの化学部門の貿易収支は、肥料及び農薬関連の輸入が牽引して前年同期比53.5%増加の173億ドルに達し、過去最高の赤字を更新している。
ロシアによるウクライナ侵攻及び中国の主要都市に対するCovid‐19パンデミック対応によるロックダウンによる世界的な輸送ロディスティック問題や化学製品の生産減少による影響を受けて、今年初め4か月間のブラジルの化学部門の輸入量は前年同期比0.5%微減の1,710万トンを記録している。
今年4月の肥料、中間財及び農薬関連輸入は、化学製品の輸入全体の40.2%に相当する228億ドルに達している。そのうち肥料の輸入総額は67億ドル、農薬は92億ドルを占めている。
今年初め4か月間の1トン当たりの肥料の平均価格は、ロシアによるウクライナ侵攻による影響で133.8%上昇の568ドル、農薬は25.3%増加の9,023ドルに達しているとブラジル化学工業協会(Abiquim)では説明している。また今年初め4か月間の化学製品輸入金額は前年同期比48.7%と大幅な増加を記録している。
一方今年初め4か月間のブラジルの化学製品輸出量は4.9%減少の500万トンを記録したが、有機化学製品輸出は7.2%増加、樹脂及びエラストマー(TPE)は25.5%大幅増加を記録、化学製品輸出金額は35.6%増加の55億ドルを記録している。
今年4月の過去12カ月間の化学部門の貿易収支は520億ドルの赤字を記録、今年の化学部門の貿易収支は550億ドルの赤字が見込まれている。