繊維業界は原綿価格上昇で危機意識上昇(2022年1月19日付けヴァロール紙)

繊維・衣類製品の主原料となる今年1月の1ポンド当たりの原綿価格は、1.17ドルに上昇しており、ちょうど1年前の2021年1月の0.81ドルを約45%上回っている。

原綿価格が再度上昇に転じており、高騰している原綿価格は業界にとって非常にリスクの大きな価格となって、国内外の繊維業界に倒産の嵐が吹き上げる可能性をブラジル繊維工業会(Abit)のFernando Pimentel会長は指摘している。

現在の原綿価格の高騰は、製造コストの60%~70%に達して収益を大幅に圧迫されるが、原綿価格の高騰前の原綿の製造コストは、50%に留まっていたとFernando Pimentel会長は指摘している。また今後の原綿の国際コモディティ価格も憂慮している。

現在の原綿価格以外にも旱魃の影響による火力発電所稼働による電力エネルギー価格の上昇や世界的なコンテナ不足による海上輸送運賃の高騰は、繊維製品や衣類生産リスクに繋がる。

またオミクロン株やインフルエンザの流行は、再度の外出自粛による売上減少に繋がる恐れがあり、昨年末から繊維・衣類の小売部門からの発注は、減少傾向となっている。

昨年の衣料業界の売上は前年比19.0%増加の2,330億レアルに達しているが、過去最低を記録した政策誘導金利(Selic)は2.00%から9.25に急上昇、二桁台のインフレによる実質賃金の目減りなどの要因で、インフレ指数を差引いた昨年の衣料業界の売上は、Covid-19前よりも10%減少しているとFernando Pimentel会長は指摘している。