最終フォーカスレポートでは今年のGDP伸び率を1.98%に上方修正(2022年8月8日付ヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2022年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、燃料関連減税の影響を受けて、前回予想の7.15%から7.11%に下方修正した一方で、2023年のIPCA指数は5.33%から5.36%に上方修正している。

今年のGDP伸び率は、6週間連続となる前回予想の1.97%から1.98%に上方修正。2023年のGDP伸び率は0.40%、2024年のGDP伸び率は1.70%それぞれ据え置かれている。

今年第1四半期のGDP伸び率は、前四半期比1.0%増加を記録したが、9月1日に発表される今年第2四半期のGDP伸び率は、不安定な海外情勢、不透明な大統領選挙、高止まりしているインフレ指数や高金利など阻害要素が多い。

2023年のIPCA指数は、前回予想の5.33%から5.36%と18週間連続で上方修正されている一方で、2024年のIPCA指数は前回同様3.30%に据え置かれている。

今年末の政策導入金利(Selic)は13.75%、2023年は11.00%、2024年のSelic金利は8.00%予想、先週の中銀の通貨政策委員会(Copom)では、Selic金利を12回連続で0.5%引き上げて13.75%に決定したが、2016年12月から2017年1月と同じ水準に達している。

今年のIPCAの中央目標値は3.50%、2023年は3.25%、2024年は3.00%、許容範囲は±1.50%、今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.20 2023年はR$5.20、2024年はR$5.10に設定している。

的中率が最も高いトップ5の今年末のIPCA指数は、前回予想の7.17%から7.10%に下方修正、2023年は5.37%から5.42%に上方修正したが、2024年のIPCA指数は3.10%に据え置いている。またトップ5の今年末のドルの為替はR$4.90 ,2023年及び2024年末のドルの為替はR$5.00を予想している。

今年7月の新車販売台数は3.7%増加の18万2,000台(2022年8月5日付けヴァロール紙)

全国自動車工業会(Anfavea)の発表によると、2022年7月のバスやトラックを含む新車販売は前年同月比3.5%増加の18万2,000台を記録、今年初め7か月間の累計新車販売は。前年同期比12.0%減少の110万台に留まっている。

全国自動車工業会(Anfavea)では、今年の新車販売の最終予想の214万台を達成するために、残り5月間の月間平均販売は、今年初め7か月間の累計販売を48%以上上回る必要が不可欠となっている。

今年下半期の月間平均の新車販売は、8月はヨーロッパ諸国が夏休み休暇で生産調整を余儀なくされ、ブラジルへの自動車向け半導体供給が増加するために、今年初め7カ月間平均の13.0%増加の可能性を全国自動車工業会(Anfavea)のMárcio de Lima Leite会長は指摘している。

今年初めから現在まで自動車向け半導体の供給不足で、ブラジル国内の24カ所の自動車生産工場では操業停止を余儀なくされ、延べ操業停止に数は408日間に達して生産減少を余儀なくされていた経緯があった。

また半導体供給不足問題による新車販売減少の要因として、金利高止まりによる自動車向けクレジットの与信強化が障害になっており、7月のクレジットの月賦販売は35.0%と大幅に減少している。新車販売の80.0%は月賦販売となっている。

また今年7月の新車販売のうち50%は、レンタカーなどの自動車メーカーからの直接販売が占めている。昨日全国自動車工業会(Anfavea)の首脳陣は、パウロ・ゲーデス経済相に対して金融取引税(IOF)の減税を要請していた。

今年7月の新車生産は、前年同月比33.4%増加の21万9,000台、今年初め7か月間の累積新車生産は、前年同期比0.2%微増の131万台を記録している。一方半導体不足による未完成の新車は、営業日数換算で25日間に相当する15万台に達している。

7月の新車輸出は、輸出先トップのアルゼンチンの経済危機にもかかわらず、チリ及びコロンビア向け新車輸出が好調に推移して前年同月比76.3%増加、輸出金額は61.5%増加の9億250万ドルを記録している。

また今年初め7か月間の累積新車の輸出台数は、前年同期比28.7%増加の28万8,200台、輸出総額は37.4%増加の57億ドルに達している。

今年7月のアマゾン地域の違法森林伐採面積は1,476平方キロメートル(2022年8月5日付けヴァロール紙)

2022年7月のアマゾン地域の違法森林伐採面積は1,476平方キロメートルに達し、ジャイール・ボルソナル政権発足以来では、少なくとも6番目の違法森林伐採による森林破壊の警告となっている。

今年7月の最後の 2 日間の違法伐採面積はまだ統計に組込まれていないが、ブラジル国立宇宙調査研究院(INPE)の衛星データを利用したアマゾン伐採監視システム(Prodes)調査によると、この期間に 1,476 平方キロメートル の森林が伐採されたことを示している。

毎年7月は、アマゾン地域の乾季の真っただ中の時期であり、違法森林伐採者にとっては、違法伐採行為の実施が容易であり、伝統的に最悪の伐採率を記録している。 データがほぼ完成したため、森林破壊を測定するための基準となる昨年8 月から翌年 7 月までの期間の違法伐採面積は 8,581平方キロメートルに達している。

今年の違法伐採面積は、昨年同様に過去15年間で最悪の状況を示している。過去5年間にブラジル国立宇宙調査研究院(INPE)の衛星データを利用したアマゾン伐採監視システム(Prodes)調査では、天候の悪い雲に覆われた時期を加味して平均2分の3の違法伐採面積をキャッチしていると予想されており、1年間では最低1万平方キロメートル、最大1万4,000平方キロメートル、平均では1万2,500平方キロメートルと予想されている。

パリ協定の下で2005年から2025年までに温室効果ガス排出量を37%削減すると強気の発言をしていたにも拘らず、アマゾン地域の違法伐採がコントロールできていないなどの要因で、達成の見込みは非常に少ないと予想されている。

ペトロブラスは5日からディーゼル燃料価格を3.5%値下げで5.41レアルに決定(2022年8月4日付けエスタード紙)

ペトロブラス石油公社は、傘下の石油製油所のディーゼル燃料価格の1リットル当たりの卸値価格を5日から3.5%に相当する20センターボス値下げの5.41レアルに設定、同社のディーゼル燃料価格は約50日間にわたって据置されていたが、国際コモディティ価格並みの価格への変更で交渉が行われていた経緯があった。

今回のディーゼル燃料価格の3.5%の値下げは、ディーゼル燃料の国際コモディティ価格並みへの価格調整であり、国際コモディティ価格及びレアル通貨に対するドル為替の変動幅を全て価格転嫁するものではないとペトロブラスは説明している。

ペトロブラスが値下げを発表したのと同時に、ジャイール・ボルソナロ大統領は国営企業の同社を再び批判した。 グアルーリョス市で開催されたブラジル・アッセンブリーズ・オブ・ゴッド総会(CGADB)のメンバーとのイベントで、彼はペトロブラスの純益について不平を言い、福音派の牧師に対して燃料価格についてグッドニュースを約束した。

ボルソナロ大統領は、「ペトロブラスを誇りに思っている我々は、同社に干渉するつもりはないが、同社の膨大な純益には複雑な思いだ。 我々はペトロブラス社がブラジルを象徴する企業で誇りを持っているが、純益が大きすぎると指摘した。またボルソナロ大統領は、再選キャンペーンの障害となっているトピックである燃料価格の下落に言及して、燃料価格について良いニュースが得られることを望んでいる」と述べた。

ペトロブラス社の石油派生品価格問題では、短期間に同社総裁の解任が続いていた経緯があり、最後の総裁解任は、6月末にカイオ・パエス・デ・アンドラーデ総裁が 2 か月余り在職したホセ・マウロ・コエーリョ前総裁の後任についている。

7月の先行雇用指数(IAEmp) 減少は黄色シグナル点灯(2022年8月4日付けヴァロール紙)

就労・失業者管理センター(Caged)の統計を基にした経済省の発表前に実施されるジェツリオ・バルガス財団(FGV)の雇用調査によると、2022年7月の先行雇用指数(IAEmp)は、前月比0.8ポイント減少の81.1ポイントを記録している。

今年7月の先行雇用指数(IAEmp)の前月比0.8ポイント減少は、今年2月のマイナス1.4ポイントに次ぐ減少を記録して、労働市場の黄色シグナル点灯をジェツリオ・バルガス財団(FGV)エコノミストのRodolpho Tobler担当を指摘している。

今年7月の先行雇用指数(IAEmp)の前月比0.8ポイント減少は、4月から6月までの3か月間連続での増加から一転して減少に転じており、今年第4四半期若しくは2023年初めに亘る中長期の雇用シナリオの不透明性をRodolpho Tobler担当を指摘している。

2020年2月から2年以上に亘ってCovid‐19パンデミックの影響を受けていたが、今年4月から6月までの3か月間連続での先行雇用指数(IAEmp)の増加は、ワクチン接種の拡大に伴って特に対面サービス業部門の回復が牽引している。

Covid‐19対応ワクチン接種の拡大に伴って、今年上半期から国内経済の回復サイクルに突入した影響で、ブラジルのGDPの70%を占めるサービス業部門の雇用が増加してきていた経緯があったが、高止まりするインフレや金利上昇によるクレジット部門の縮小でマクロ経済悪化に伴う消費減少をきたしてきている。

また今年10月の不透明な大統領選挙による左派若しくは右派の新政権による2023年からの経済政策など先行き不透明感の増加で、企業経営者は今後数カ月間の雇用は慎重に成らざるを得ない状況になってきている。

 

 

中銀はSelic金利を12回連続引上げで13.75%と2016年末の水準に達する(2022年8月3日付ヴァロール紙)

3日開催された中銀の通貨政策委員会(Copom)は、金融市場関係者の予想通り政策導入金利(Selic)を現行の13.25%を0.50%引上げて13.75%に決定、201611月と同じ水準に達している。

中銀の通貨政策委員会(Copom)は、20213月から12回連続でインフレ圧力抑制のための金融引き締め政策の一環として、Selic金利の引上げを継続しており、過去最低のSelic金利2.00%から11.75%の大幅な引き上げ幅は1999年以降では最大の金融引き締めに相当している。

中銀の通貨政策委員会(Copom)の声明の中で、中央銀行は「海外情勢は依然として不利で不安定」であり、「一般消費者向けインフレ指数は依然として高い」と指摘している。

また通貨政策委員会は、「次回の委員会会合では、Selic金利の引上げ幅を縮小した残りの調整の必要性」を示唆、次回921日の通貨政策委員会(Copom)では0.25%の引上げが予想されている。

MB Associados社では、次回9月の通貨政策委員会でのSelic金利13.75%から14.0%への引上げでSelic金利引上げサイクルの終焉を予想している一方で、同社チーフエコノミストの Sérgio Vale氏は、問題を抱える大統領選挙シナリオと来年の財政状況シグナルが芳しくない状態で年末を迎えると、中銀の通貨政策委員会では再度のSelic金利の引上げの可能性を指摘している。

Galápagos Capital社のチーフエコノミストの Tatiana Pinheiro氏は、2023年第2四半期まで現状のSelic金利13.75%は維持されるが、2023年末のSelic金利は12.0%に落ち着くと予想している。

連邦政府は2023年の財政プライマリー収支赤字予想(2022年8月3日付ヴァロール紙)

2023年度予算プロジェクトによると、2023年度の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府のインフラ指数を差引いた実質財政プライマリー収支は200億レアル~400億レアルの赤字を見込んでいる。

しかしパウロ・ゲーデス経済相が率いる経済班チームでは、2023年の中央政府の財政プライマリー収支の黒字化を見込んでおり、大きな温度差が生じている。

経済班チームでは、2022年の中央政府の財政プライマリーの黒字の可能性を指摘しており、2023年の中央政府の財政プライマリーも今年同様に黒字を計上する可能性を指摘している。

今年6月の過去12か月間の中央政府の累計財政プライマリー収支はGDP比0.93%に相当する750億レアルの黒字を計上している。

しかし最新の5月及び6月の2か月間の財政プライマリー収支レポートによると、連邦政府では、今年の中央政府の財政プライマリー収支は593億レアルの赤字を予想しているが、3月及び4月の2か月間の財政プライマリー収支レポートでは655億レアルの赤字予想であったが、赤字幅は徐々に減少してきている。

中央政府の財政プライマリー収支が黒字を計上したのは2013年迄さかのぼらなければならない。連邦政府とサンパウロ市役所との間でカンポ・デ・マルチ空港の譲渡による240億レアルに達する財政プライマリー収支赤字も計上されている。

2023年度予算基本法(LDO)では、ジャイール・ボルソナロ大統領は、連邦職員のキャリアの再構築と連邦警察の給与損失の再構成、および国庫庁の監査人に対する業績に応じたボーナス設定する規約を承認している。

また連邦職員でもエリートでないノンキャリ職員は、2023年度の予算に不可欠な一般連邦職員の給与調整を余儀なくするように圧力をかけている。

ボルソナロ現大統領およびルーラ元大統領の両大統領候補は、10月の大統領選に向けて人気を取ろうとするための従来の貧困家庭向け現金給付策「ボルサ・ファミリア」に代わる社会福祉政策「アウシリオ・ブラジル」 の600レアルの支払を2023年も継続するとアピールしている。

現在実施されている社会福祉政策「アウシリオ・ブラジル」 の継続は大統領選挙後に見直しが予想されているが、400レアルの支給継続は国会で議論される必要がある。

今年の牛肉消費は過去26年間で最低予想(2022年8月3日付エスタード紙)

今月1日の国家配給公社(Conab)の発表によると、2022年の1人当たりのブラジル人の牛肉消費は、過去26年間で最低の水準まで落ち込むと予想している。

COVID-19パンデミック前の2019年の1人当たりのブラジル人の年間牛肉消費は30.6キログラムと2006年の42.8キログラムから大幅に減少、今年は24.8キログラムはで減少すると予想されている。

COVID-19パンデミック、牛肉の国際コモディティ価格の高騰、失業率増加及び実質賃金の減少で、ブラジル国内の牛肉需要の減少に伴って牛肉生産も減少してきている。

今年7月の発表によると、国内経済の悪化に伴う失業率の増加やインフレ高騰による実質賃金の目減りによる一般消費差の購買力低下で、3310万人のブラジル人は空腹を訴えており、1990年代に逆戻りしている。

2022年の鶏肉、豚肉及び牛肉の生産は2,800万トンが見込まれているが、そのうち鶏肉生産は1,500万トン、豚肉は484万トンで記録更新が予想されている一方で、ぎゅうびく生産は811万5,000トンにとどまって過去20年間で最低の生産に留まると予想されている。

今年の鶏肉輸出量は前年比6.0%増加の470万トンで記録更新予想、牛肉輸出量も15.0%増加の284万トンが見込まれている一方で、豚肉輸出量は前年比マイナス2.0%の100万トンに留まると予想されている。

 

7月の新車販売は前年同月比3.74%増加の18万1,900台(2022年8月2日付ヴァロール紙)

自動車販売代理店が加盟する全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の発表によると、2022年7月のトラックやバスを含む新車販売台数は、前年同月比3.74%増加の18万1,900台を記録している。

また今年7月の新車登録台数は前月比2.21%増加、今年初め7か月間の新車販売台数は、昨年から継続する自動車向け半導体不足などの影響で、前年同期比マイナス11.96%に相当する109万台に留まっている。

自動車向け半導体の供給不足、金利上昇による自動車購入向け与信強化などの悪影響にも拘らず、 今年7月のトラックやバスを含む新車販売台数が、前年同月比3.74%増加の18万1,900台は悪い条件の中でも良い結果と全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)のJosé MaurícioAndreta Júnior会長は指摘している。

今年初め7か月間の新車販売が前年同期比マイナス11.96%に相当する109万台に留まっているのは、旺盛な新車需要があるにもかかわらず、昨年下半期から継続する世界的な自動車向け半導体不足で生産調整を余儀なくされている。

全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)は、今年7月に今年の新車販売の最終予想を発表したが、今年末迄世界的な自動車用半導体不足が継続しているために、昨年並みの販売台数に下方修正している。

しかし先週末連邦政府は、3月の最初の引き下げの前に実施された工業製品税IPIの24.75%の引き下げを提供するこの減税措置は、「官報」の特別版に掲載されており、各自動車メーカーディーラーは、減税による8月からの販売増加に期待している。

7月の電気自動車並びにハイブリッド車の販売台数は3,100台に留まり、昨年7月の3,600台及び今年6月の3,300台をそれぞれ下回った。ハイブリッド車が84%を占めていた。

今年初め7か月間の自動車メーカーのマーケットシェアトップは、フィアット社の21.84%、次いでGM社14.09%、ワーゲン社12.11%、トヨタ社10.52%、現代自動車は10.26%であった。

今年7月のベストセラーカーは、ワーゲン社のGOL車、2位はGM社のONIX車、3位には現代自動車のHB20車となっているが、今年初め7か月間ではHB20車がトップ、続いてONIX車、3位にはワーゲン社の T-Cros車となっている。

7月のペトロブラスのブージオス油田の1日当りの平均原油生産は、61万6,000バレルに達し記録更新(2022年8月2日付ヴァロール紙)

ペトロブラス石油公社のサントス海盆の岩塩層下(プレソルト)の Búzios油田の今年7月の1日当りの平均原油生産は61万6,000バレルに達し、2018年4月の原油生産開始以降では最高の生産量に達している。

今年7月の原油生産を行っているBúzios油田のペトロブラス石油公社の権益比率による取り分は56万4,000バレル、中国石油天然ガス集団(CNPC)並びに中国海洋石油総公司(CNOOC)の取り分は、5万1,000バレルとなっている。

今年7月のBúzios油田のオペレーション効率は95%に達しており、プレソルト原油生産向けFPSO(洋上浮体式生産・貯蔵・積出施設)の4基の石油採掘向けプラットフォームが操業している。

2023年初めに、Búzios油田には5基目となるAlmirante Barroso と命名されているプレソルト原油生産向けFPSOが投入される予定で、1日当りの原油生産能力は15万バレル、天然ガス生産は600万立方メートル、2026年のBúzios油田の原油生産は、同社の生産量の33.0%に達すると見込まれている。