今年6月の鉱工業部門生産は前月比マイナス0.4%に留まる(2022年8月2日付ヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、2022年6月の鉱工業部門生産は、前月比マイナス0.4%に留まったが、今年2月から5月迄4ヶ月連続で増加を記録、今年1月はマイナス1.9%であった。

今年6月の鉱工業部門生産レベルは、2011年5月に記録した過去最高レベルよりもマイナス18.0%の水準に留まっており、またCOVID-19パンデミック開始直前の2020年2月の水準をマイナス1.5%に留まっている。

ヴァロール・ダーター社の24金融機関対象の今年6月の鉱工業部門生産調査では、最低予想はマイナス1.1%、最高予想は3.8%増加、平均予想はマイナス0.2%であった。

今年第2四半期の鉱工業部門生産は、前四半期比0.9%増加を記録して3四半期連続で増加を記録、2021年第4四半期の前四半期比では0.1%増加、今年第1四半期は0.6%増加を記録していた。

今年上半期の鉱工業部門の累計生産は、前年同期比マイナス2.2%、6月の過去12か月間の累計生産は、マイナス2.8%に留まっており、過去最高の2011年5月の水準を依然として18.0%も下回っている。

今年6月の鉱工業部門の4部門の前月比の生産調査では、 資本財部門生産はマイナス1.5%、前年同月比では0.2%増加を記録、前期同様中間財部門はマイナス0.8%、マイナス1.8%を記録している。

また非耐久消費財部門はマイナス0.7%、1.3%増加、耐久消費財部門は前月比6.4%と大幅増加、前年同月比では2.3%増加を記録している。

今年6月の耐久消費財部門生産は、COVID-19パンデミック開始直前の2020年2月の水準よりもマイナス15.6%に留まっている。非耐久消費財部門生産もマイナス6.7%に留まっている。

一方COVID-19パンデミック開始直前の2020年2月の水準を上回っているのは、中間財部門生産で0.7%増加、資本財部門生産は13.8%と二桁台の増加を記録している。

また鉱工業部門の26セクターのうち17セクターの6月の生産は、依然としてCOVID-19パンデミック以前の水準を下回っている。特に家具セクターはマイナス24.6%、医薬品・医療化学品セクターはマイナス16.5%、衣類・履物・アクセサリ―セクターはマイナス13.2%、繊維製品セクターはマイナス9.0%、自動車・トラック・輸送機器セクターはマイナス8.5%に留まっている。

一方COVID-19パンデミック開始直前の2020年2月の水準を上回っているのは、機械・装置セクターは既に19.8%増加、紙・パルプセクターは6.5%増加、石油派生品・バイオ燃料セクター4.5%上回っている。

 

今年7月のブラジルの貿易収支は54億4,400万ドルの黒字計上(2022年8月1日付ヴァロール紙)

経済省通商局(Secex)の発表によると、2022年7月のブラジルの貿易収支は、前年同月比22.7%増加の54億4,400万ドルの黒字を計上している。

今年初め7か月間の貿易収支は、前年同期比10.4%増加の397億5,000万ドルの黒字計上、今年初め7か月間の累計輸出総額は、前年同期比20.0%増加の1,940億⒎900万ドル、輸入総額は31.6%増加の1,543億2,800万ドルであった。

今年7月の輸出額は、前年同月比23.0%増加の299億5,400万ドル、輸入額は、ロシアによるウクライナ侵攻や世界的な製品供給問題などによる価格上昇を受けて41.6%増加の245億1,000万ドルであった。

経済省通商局(Secex)では、今年のブラジルの貿易収支を815億ドルの黒字を見込んでいる。輸出総額は3,494億ドル、輸入総額は2,680億ドル、貿易総額は6,174億ドルが予想されている。

今年7月の農畜産部門輸出は、前年同月比40.18%増加した一方で、鉱業部門の輸出はマイナス5.55%、製造業部門の輸出は33.19%増加を記録している。一方7月の農畜産部門の輸入は8.92%増加、鉱業部門は35.23%増加、製造業部門の輸入は43.37%と大幅に増加している。

今年7月の中国、香港並びにマカオ向け輸出は、前年同月比マイナス0.51%を記録した一方で、アジア向け輸出は7.15%増加を記録している。また北米向け輸出は11.27%増加、南米向け輸出は64.69%、ヨーロッパ向け輸出も46.49%それぞれ大幅に増加している。

今年初め7ヶ月間の中国向け輸出はマイナス1.06%と微減した一方で、アジア向け輸出は5.67%増加、北米向けは25.56%増加、南米は39.53%、ヨーロッパ向け輸出も31.90%それぞれ大幅な増加を記録している。

今年第2四半期の小企業の景況感は過去11年間で最良(2022年8月1日付ヴァロール紙)

全国工業連合会(CNI)の景況感調査によると、2022年第2四半期の零細・小企業の景況感は、第2四半期としては過去11年間で最良の数字を記録している。

今年第2四半期の小企業の企業経営者の景況感指数は、47.4ポイントと今年第1四半期の景況感指数45.5ポイントを約2.0%上回っており、昨年第2四半期の46.5ポイントも上回っている。

しかし世界的な部品供給問題及び原材料コストの上昇は、小企業の企業経営者の頭痛の種となっており、特に鉱業部門、製造業部門並びに建設業部門の企業経営者を悩ませている。

一方小企業の第2四半期の業績及びファイナンス状況は、良好に推移しているとCNI工業政策担当アナリストの Paula Verlangeiro氏は指摘している。

1年半年以上に亘って世界的な部品供給問題及び原材料コストの上昇の影響を受けているのは、特に建設業界であり、製造業部門や鉱業部門も影響を受けているが、建設業部門程ではない。

今年6月の小企業の業績指数は、47.5ポイントと昨年6月を4.8ポイントも上回っている。またファイナンス状況指数は、41.2ポイントと第1四半期を0.2ポイント上回っている。

また国内需要不足の問題も、依然としてすべての部門の主要な問題の1つであり、鉱業部門で2位の25.5%、製造業部門は3位の22.6%、建設部門は5位の19.2%であった。

今年初めから小企業の企業経営者の景況感指数は過去平均の52.8ポイントを上回る57.0ポイントで推移。7月の先行き景況感指数は0.9ポイント減少の51.3ポイントとなっている。

 

最終フォーカスレポートは今年のGDP上率を1.97%に上方修正(2022年8月1日付ヴァロール紙)

1日のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2022年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を前回予想の7.30%から7.15%に下方修正した一方で、2023年の IPCA指数を5.30%から5.33%と若干上方修正している。

今年のGDP伸び率は、前回予想の1.93%から1.97%に上方修正した一方で、2023年のGDP伸び率は、前回予想の0.49%から0.40%に下方修正、2024年のGDP伸び率は前回同様1.70%に据え置いている。

ブラジル地理統計院(IBGE)の6月初めの発表によると、2022年第1四半期の国内総生産(GDP)伸び率は、サービス部門のGDP伸び率が牽引して前四半期比1.0%増加を記録、前年同期比では1.7%増加、過去1年間の累計GDP伸び率は4.7%増加を記録している。

今年第2四半期のGDP伸び率は9月1日に発表されるが、高止まりするインフレや金利、不透明な大統領選挙、ロシアによるウクライナ侵攻など不安定な国際情勢などの要因で、楽観視できない状況となっている。

現在の政策導入金利(Selic)は13.25%となっているが、今週開催されるブラジル中央銀行の通貨政策委員会(Copom)では、0.5%引上げの13.75%予想が大半を占めている。

Valor紙の65金融機関対象の調査によると、今年末のSelic金利が13.75%に留まると予想しているのは16行、14.0%予想は32行、14.25%まで上昇すると予想しているのは17行となっている。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.20に据え置かれている。また2023年末はR$5.20、 2024年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.10に据え置かれている。

的中率が最も高いトップ5は、今年のIPCA指数を7.59%から7.17%に下方修正した一方で、2023年のIPCA指数は5.10%から5.37%に上方修正、2024年のIPCA指数は3.10%に据え置いている。

また今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.20からR$4.90とレアル高に修正、2023年及び2024年末の為替はR$5.00を予想している。

 

今年第2四半期の失業率は、2015年同期以降では最低の9.3%を記録(2022年7月29日付けエスタード紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の継続的全国家庭サンプル調査(Pnad Continua)によると、失業率の低下に伴って、2022年第2四半期の正規及び非正規合わせた労働者総数は9,836万9,000人と過去最高を更新している。今年第2四半期の失業率は、2015年第2四半期に記録した8.4%に次ぐ9.3%の失業率に改善している。

今年第2四半期の正規及び非正規合わせた労働者総数は前四半期比3.1%に相当する299万4,000人増加を記録、前年同期の8,885万人を9.9%上回っている。

今年第2四半期の正規及び非正規合わせた労働者総数は労働人口の56.8%と前年同期の52.1%よりも4.7%増加しており、2015年第2四半期の57.4%に次ぐ比率まで上昇している。

今年第2四半期の正規及び非正規合わせた失業者は前四半期比15.6%に相当する186万9,000人減少、前年同期比では32.0%に相当する475万1,000人減少を記録している。

今年第2四半期のインフレ指数を差引いた平均実質所得は、前年同期比5.1%減少の2,652レアルに留まっており、実質賃金の目減りが非常に大きくなってきている。

ペトロブラスの今年第2四半期の純益は26.8%増加の543億レアルを記録(2022年7月29日付けエスタード紙)

ペトロブラス石油公社の2022年第2四半期の純益は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で石油の国際コモディティ価格の高騰、ブラジル国内の好調な燃料販売及び原油の輸出が牽引して前年同期比26.8%増加の543億レアルに達し、2020年第4四半期の599億レアルの純益に次ぐ過去2番目の純益を記録している。

また今年第2四半期の純益増加の要因として、3月中旬に行われた石油派生品の大幅な値上げ、5月初めのディーゼル燃料の再度の値上げで、ペトロブラスの今年上半期の純益は前年同期比124.6%増加の988億レアルに達している。

今年第2四半期の売上は前年同期比54.4%増加の1,709億レアルを記録、特に岩塩層下(プレサル)鉱区のSépia 油田及び Atapu油田の原油生産は142億レアルの売上増加に結び付いている。

第2四半期の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は前年同期比58.6%増加の982億レアルを記録、前四半期比では26.4%増加を記録している。

ペトロブラス石油公社による石油派生品の値上げはインフレ要因になるとジャイール・ボルソナロ大統領は大統領就任後3年半の間にペトロブラス総裁を4回も罷免した経緯があり、与野党から非難されるも聞く耳を持たない状況が続いている。

6月の中央政府の財政プライマリー収支は144億レアルの黒字計上(2022年7月28日付けヴァロール紙)

2022年6月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府のインフラ指数を差引いた実質財政プライマリー収支は144億3300万レアルの黒字を計上している。

今年6月の過去12カ月間の中央政府の累積財政プライマリー収支はGDP比0.93%に相当する751億レアルを記録している。昨年6月の実質財政プライマリー収支は734億7,400万レアルの赤字を計上していた。

今年6月の中央政府の実質財政プライマリー収支黒字144億3,300万レアルの内訳は、国庫庁は568億4,600万レアルの黒字を計上した一方で、社会保障院(INSS)は423億5,300万レアル、中銀は5,900万レアルそれぞれ赤字を計上していた。

また今年上半期の国庫庁は2,227億8,300万レアルの黒字を計上、社会保障院(INSS)は1,690億8,800万レアルの赤字を計上、中銀は536億1,400万レアルん黒字を計上している。連邦政府の今年の中央政府の目標財政プライマリー収支は1,705億レアルの赤字に収めることだが、594億レアル以下の赤字を目指している。

今年上半期の連邦政府の支出は今年の目標の50.1%に相当する8,427億600万レアルを記録、今年の連邦政府の支出の上限は1兆6,800億レアルに設定されている。

今年6月の連邦政府の公共投資額は前年同月比マイナス37.5%に相当する58億4,100万レアルに留まっている。また今年上半期の連邦政府の公共投資総額は前年同月比3.0%増加の196億5,100万レアルを記録している。

 

6月の新規正規雇用総数は27万7,944人(2022年7月28日付けUOLサイトより抜粋)

28日の労働社会保障省の発表によると、2022年6月のブラジル国内の正規雇用総数は27万7,944人に達し、5月の正規雇用総数27万4,582人を3,000人以上上回り、ブラジル国内の正規雇用は継続して堅調に推移している。

今年6月の新規正規雇用総数は189万8,876人に対して、正規雇用の解雇総数は162万932人であった。昨年6月の新規正規雇用総数は、31万6,629人と今年6月を4万人近く上回っていた。

ブロードキャストプロジェクションの調査によると、今年6月の新規正規雇用の最低予想は20万人、最高予想は30万人、平均予想は23万4,000人であった。今年上半期の累計正規雇用総数は、133万4,791人と昨年同期の147万8,997人を14万人近く下回っている。

今年6月のブラジル国内の正規雇用総数27万7,944人の部門別雇用では、サービス業部門は12万4,534人で牽引、商業部門は4万7,176人、建設業部門は3万257人、製造業部門は4万1,517人、農畜産部門は3万4,460人であった。

今年6月の州別の正規雇用調査では、サンパウロ州が8万267人で他州を牽引した一方で、ローライマ州は僅か529人の正規雇用創出に留まっている。6月の新規正規雇用のインフレ指数を差引いた実質平均サラリーは前月比12.99レアル増加の1,922.77レアルであった。

今年上半期のブラジルの魚類輸出は倍増(2022年7月28日付けヴァロール紙)

2022年上半期のブラジルの魚類輸出金額は、前年同期の718万ドルから1,435万ドルと倍増、魚類輸出量は前年同期比14.0%増加の4,900トンを記録している。

今年上半期の魚類輸出金額は、付加価値の高い冷凍フィレ輸出が牽引、1キロ当たりの平均魚フィレ価格は5,46ドル、今年上半期の魚類フィレ輸出金額は前年同期比544%増加、輸出金額も571%の大幅増加を記録している。

ブラジル養殖協会及びブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)のトカンチンスパルマス魚類貿易部の統計を基に魚類輸出金額や輸出量を割り出している。

今年上半期のブラジルの魚類輸出を牽引しているのは淡水魚のティラピア、魚類輸出金額の98%、魚類輸出量の99%を占めている。ティラピア以外では同じく淡水魚のタンバキ、スルビン及びバーグレが少量ではあるが輸出されている。

今年上半期のブラジルの魚類輸出相手国は米国で63%を占めている。米国向け魚類輸出金額は全体の76%を占め、輸出金額は1,090万ドル、米国に次いでカナダ向け魚類輸出金額は120万ドルで2位となっている。

魚類輸出相手国3位はリビア、次いでメキシコ、チリ、中国、日本と続いている。また魚類輸出の主な州はパラナ州、マット・グロッソ州、バイア州、サンパウロ州及びサンタ・カタリーナ州となっている。

今年上半期のブラジルの魚類貿易赤字は4億5,600万ドルに達しているが、魚類輸入金額はサーモンが牽引して4億7,000万ドルに達しているが、ブラジルはサーモン以外にバーグレ類、クリマタ、マス類、ピアウス、鯉類及び雷魚類も輸入している。

 

ヴァーレ社はペセン製鉄所をアルセロール・ミッタル社に22億ドルで売却(2022年7月28日付けヴァロール紙)

ヴァーレ社は、2008年にセアラー州サン・ゴンサロ・デ・アマランテ市に建設した年間鋼板生産量が300万トンに達するペセン製鉄所(CSP)をアルセロール・ミッタル社に22億ドルで売却すると発表している。

ペセン製鉄所(CSP)は持株比率が50%のヴァーレ社、20%の韓国の鉄鋼最大手ポスコ製鋼、Dongkuk社の持株比率は30%で構成されているが、ポスコ製鋼及びDongkuk社はアルセロール・ミッタル社への売却を承認している。

ペセン製鉄所(CSP)のアルセロール・ミッタル社への売却は、日本の公正取引委員会に相当する経済防衛行政審議会(Cade)の承認を得なければならないが、ペセン製鉄所(CSP)は、セアラ-ZPE(輸出加工特区)のペセン産業コンプレックス(Complexo Industrial e Portuário do Pecém, CIPP)内で操業しており、優遇税制の恩恵を受けている。

アルセロール・ミッタル社にとってペセン製鉄所(CSP)買収は、ブラジル国内での付加価値の高い鋼板の増産、北米及び南米の拡販やグループ内への鋼板供給に繋がる。

またアルセロール・ミッタル社にとってペセン製鉄所(CSP)買収は、最近発表してるペセン特区でのクリーン電力とクリーン水素への投資の活用につながるシナジー効果が期待できる。