資源大手ヴァーレ社は今年の鉄鉱石及び銅鉱石生産を下方修正(2022年7月20日付ヴァロール紙)

資源大手ヴァーレ社は、2022年度のガイダンスでは鉄鉱石生産を3億1,000万トン~3億2,000万トン、銅鉱石生産を27万トン~28万5,000トンにそれぞれ下方修正している。

マラニョン州ポンタ・ダ・マデイラの鉄鉱石の湿度レベルの均一化の臨時オペレーション、中西部システムの売却、世界の鉄鉱石需要対応などの要因で、今年の鉄鉱石生産は前回予定の3億2,000万トン~3億3,500万トンから1,500万トンの下方修正を余儀なくされている。

またヴァーレ社のガイダンスでは今年の銅鉱石生産を、Sossego 鉱山プロジェクトの保守が予定よりも長引いているために前回予想の33万トン~35万5,000トンから5万トンの下方修正を余儀なくされている。

今年第2四半期の鉄鉱石生産は前年同期比マイナス1.2%の7410万トンに留まった一方で、鉄鉱石ペレット生産は8.3%増加の867万トンを記録、鉄鋼石生産が減少した要因として、サプライチェーンの一時的な制限と、粗鋼生産ライセンスプロセスの遅延が悪影響を及ぼした。

また今年第2四半期のニッケル鉱生産は前年同期比マイナス16.1%と二桁台の減産の3万4,800トンに留まった要因として、カナダの Sudbury鉱山は保守のために28日間の操業停止、 インドネシアの Clydach精錬所及び Matsusaka精錬所の保守による操業停止であった。

7月の企業経営者の景況感指数は29セクターのうち18セクターでマイナスを記録(2022年7月20日付ヴァロール紙)

製造業部門の企業経営者対象の全国工業連盟(CNI)調査によると、2022年7月の前月比の企業経営者の景況感指数(Icei) 調査対象の39セクターのうち18セクターでマイナスを記録している。

今年7月の製造業部門の企業経営者の景況感指数(Icei)調査は7月1日から11日にかけて2225企業の企業経営者を対象に実施、企業規模は小企業が870社、中企業は815社、大企業は540社であった。

企業経営者の景況感指数(Icei) は、0ポイントから100ポイントで評価されるが、50ポイントを割れば企業経営者の景況感指数が悪化しているシグナルとなる。

今年7月の製造業部門の企業経営者の景況感指数(Icei)が大幅にマイナスを記録したのはバイオ燃料セクターで前月の58.9ポイントから54.8ポイントと4.1ポイントのマイナスを記録している。

今年6月から7月にかけての製造業部門の企業経営者の景況感指数(Icei)が改善したセクターはインフラストラクチャーセクターで53.3ポイントから55.6ポイントに改善している。

前期同様に飲料セクターは55.9ポイントから57.9ポイント、皮革・人工皮革セクターは52.8ポイントから54.3ポイントとそれぞれ改善したが、木材派生品セクターは前月並みで推移している。

今年7月の地域別の製造業部門の企業経営者の景況感指数(Icei)調査では、唯一北東部地域が前月比1.1%改善した一方で、中西部地域はマイナス1.4%、南東部地域はバイオ燃料セクターのマイナス5.1%が牽引してマイナス1.3%を記録している。

今年7月の北部地域の製造業部門の企業経営者の景況感指数(Icei)は、情報機器・電気製品セクターが前月比マイナス0.9%を記録、南部地域の企業経営者の景況感指数(Icei)マイナス0.6%を記録している。

今年7月の規模別の製造業部門の企業経営者の景況感指数(Icei)調査では、全ての企業規模でマイナスを記録、小企業はマイナス1.3%、中企業はマイナス0.5%、大企業の企業経営者の景況感指数(Icei)はマイナス0.4%であった。

ROMI社は受注残増加で第3四半期の純益回復期待(2022年7月20日付ヴァロール紙)

大手工作機械メーカーROMI社では、ドル高の為替変動及びコスト上昇にも拘らず、既に受注している工作機械の納品の加速に伴って、前四半期比36.0%増加に相当する4億8,030万レアルを見込んでいる。

今年第2四半期のROMI社は、レアル通貨に対するドルやユーロ高に伴う生産コストの上昇の影響で、純益マージンは4.5%減少を余儀なくされていた。ROMI社の売上の70%はブラジルであるが、ドイツ子会社のBurkhardt+Weber社の純益はユーロの為替に左右される。

2022年第1四半期のROMI社の純益は、前年同期比マイナス23.0%の3,300万レアルに留まったにも拘らず、純売上は5.86%増加の3億⒎210万レアル、オペレーション純益はマイナス28.0%の4,030万レアルであった。

今年第2四半期の工作機械生産台数は、マイナス7.3%に相当する294台であったが、ドイツ子会社の Burkhardt+Weber社の工作機械生産台数は、マイナス40%に相当する5台から3台となっている。ROMI社の鋳物および機械加工部品分野の生産はマイナス11.1%であった。今年第2四半期のROMI社の発注台数は前年同期比35.8%増加、発注残高は36.8%増加の9億430万レアルを記録している。

今年第2四半期のROMI社の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、マイナス21.0%の5240万レアル、 Ebitdaマージンは、18.9%から14.1%と大幅に減少している。

 

今年上半期のブラジル国内のM&A 件数は前年同期比2.3%減少(2022年7月19日付エスタード紙)

コンサルタント会社 Kroll社の調査によると、2022年上半期のブラジル国内の企業買収・吸収合併案件は、ロシアによるウクライナ侵攻、高止まりするインフレや金利などの外的要因で、前年同期比2.3%減少に相当する735件に留まっている。

また今年上半期のブラジルの企業買収・合併(M&A)案件のトップ20の投資総額は620億レアルに留まっている。6月のM&A案件は前年同月比19.6%減少に相当する94件まで縮小、3月から6月迄のM&A案件数は、4か月間連続で前年割れを記録している。

今年上半期の企業買収・合併(M&A)は、世界的なインフレや金利上昇に伴って世界全体の株式市場から投資逃避が続いて株価が低迷しており、上場企業の時価総額が目減りして投資意欲を削がれていると同時に手持ち資金の確保を優先している。

2021年のサンパウロ証券取引所(B3)における新規株式公開(IP0)並びに追加公募増資(フォローオン)による資金調達総額は、全体の10.0%に相当する400億レアルを記録していた。

2023年のM&A シナリオは、今年のように10月の大統領選挙を見据えた様子見、世界的なインフレや金利上昇による世界的な株式市場の低迷で、今年のM&A投資とそれほど変わらないと予想されている。

M&A投資を牽引する金融サービスセクターと並んでテクノロジーセクターは、世界的な株価低迷を最も受けているセクターであり、またロディスティックセクター、電力エネルギーセクター及び消費財セクターへのM&A投資も影響を受けている。

 

今年6月のクレジット部門は前月比1.1%増加、過去12か月間では16.6%の二桁増加予想(2022年7月19日付ヴァロール紙)

ブラジル銀行連盟(Febraban)の事前調査によると、2022年6月のクレジット残高は前月比1.1%増加予想、過去12か月間の累積クレジット残高は前年同期比16.6%と二桁台の伸び率が予想されている。

特に6月のクレジット部門では、一般家庭向けクレジット部門は、雇用の改善及び前政権の貧困層向けボルサファミリアプログラムに替わる補助金支給プログラムの継続やCOVID-19ワクチン接種加速で一般家庭の消費増加に繋がって前月比1.4%増加が予想されている。

また6月の過去12か月間の個人向けクレジット伸び率は、5月の21.9%増加から21.7%増加と若干減少が予想されているにも関わらず、20%を突破する大幅な増加率が予想されている。

今年上半期のクレジット部門は個人向け及び法人向けともに年率換算で二桁台の伸び率を記録している。また今年下半期のGDP伸び率は予想を超える伸び率に上方修正されていると Febrabanの Rubens Sardenberg取締役は楽観視している。

今年6月の法人向けクレジットは前月比0.8%増加予想、法人向け自由クレジット伸び率は0.8%、クレジット先が限定されている法人向けクレジット伸び率は0.7%、6月の過去12か月間の法人向け累計クレジットは、5月の8.9%から9.8%と大幅な伸び率増加が予想されている。

 

太陽光発電は水力及び火力発電に次いで第3位の電力源(2022年7月19日付ヴァロール紙)

国家電力庁(Aneel)の統計を基にしたブラジル太陽光発電協会 (Absolar) の発表によると、地球温暖化の原因の一つである二酸化炭素を排出しないで、何処にでも設置できる太陽光発電による電力エネルギー供給は、大型太陽光発電所や個人家庭向けなどを合わせた総発電量は164ギガワットに達している。

太陽光発電による電力エネルギー供給量164ギガワットは、天然ガスによる火力発電の電力エネルギー供給量163ギガワット、またバイオマスによる電力エネルギー供給量163ギガワットをそれぞれ僅かに上回っている。

太陽光発電による電力エネルギー供給は、大型太陽光発電所プロジェクト、一般家庭での屋上の小型発電ユニットの設置等であり、 発電のためのエネルギー源は太陽光であり、非枯渇エネルギーでかつ無料。 可動部がないので保守が容易なため無人化が可能であり、かつ長寿命です。 必要に応じて小規模なものから大規模なものまで、自由な設置が容易にできるメリットがある。

一方太陽光発電による電力エネルギー供給のデメリットは天候に左右され、また日照時間の変化、夜間の発電量が落ちるなどのデメリットはあるものの無料で非枯渇エネルギーであるために、今後急速に増加すると予想されている。

世界的な異常気象の影響で最近は異常降雨や旱魃などが続いており、水力発電所による安定した電力エネルギー供給が難しくなってきている。ブラジル国内の水力発電所による電力エネルギー供給量は1,090ギガワット、風力発電による219ギガワットの約5倍で圧倒的な電力エネルギー供給を維持している。

最終フォーカスレポートは、今年のIPCA指数を7.67%から7.54%に下方修正(2022年7月18日付エスタード紙)

ブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2022年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、燃料関連減税の影響を受けて、3週間連続で前回予想の7.67%から7.54%に下方修正していた一方で、2023年のIPCA指数は15週間連続で前回予想の5.09%から5.20%に上方修正、1か月前の今年のIPCA指数予想は8.27%、2023年のIPCA指数は4.83%であった。

今年のIPCAの中央目標値は3.50%、許容上限値は5.00%に設定されているものの3年連続で許容上限値突破すると予想されている。また2023年のIPCAの中央目標値は3.25%、許容範囲は1.75%~4.75%、2024年及び2025年のIPCAの中央目標値3.00%、許容範囲は1.5%~4.5%となっている。

2024年のIPCA指数は前回同様3.30%に据え置かれたが、1ヶ月前の予想は3.25%、2025年のIPCA指数は、前回同様3.00%の据え置かれたが、53週間連続で据え置かれている。

先月の中銀の通貨政策委員会(Copom)では今年のIPCA指数を8.80%、2023年は4.0%、2024年は2.7%、政策導入金利(Selic)0.50%引上げて13.25%に決定していた。

今年末の政策導入金利(Selic)を前回同様13.75%に据え置いたが、2023年のSelic金利は、前回予想の10.50%から10.75%に引き上げている。1ヶ月前の予想は10.25%であった。

2024年末のSelic金利は4週連続で8.00%に据え置いたが、2025年末のSelic金利は4週間連続で7.50%に据え置いている。また国内経済活動指数の回復及び大統領選挙を前にした神風憲法改正案(PEC Kamikaze)の国会承認などの影響で、今年のGDP伸び率は前回予想の1.59%から1.75%に上方修正したが、1か月前の予想は1.50%であった。2023年のGDP伸び率は4週連続で0.50%に据え置いている。

また2024年のGDP伸び率は、前回同様2.00%に据え置いているが、1か月前の予想は1.81%。2025年のGDP伸び率も前回同様2.00%に据え置かれたが、1か月前の予想は2.00%であった。

今年5月のGDP伸び率はマイナス0.8%(2022年7月18日付ヴァロール紙)

ゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(FGVIbre)の調査によると、20225月のGDP伸び率は、前月比マイナス0.8%を記録したが、前年同月比4.4%増加、今年3月から5月の累計GDP伸び率は3.7%増加を記録している。

今年2月から4月のGDP伸び率は、前月比では3ヶ月連続で増加を記録したが、5月は鉱工業部門のGDP伸び率がマイナスを記録、インフレ及び金利の高止まりで一般家庭の消費減少が牽引して、一転してマイナス0.8%に反転しているとゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(FGVIbre)の Juliana Treceコーディネーターは指摘している。

今年5月の一般家庭の消費はマイナス2.1%を記録したが、前年同月比では4.7%増加、今年3月~5月の累積消費は5.8%増加、今年5月のサービス部門及び耐久消費財以外の小売販売は順調に推移していた。

5月の住宅投資並びに設備投資、公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)は、前月比1.6%増加した一方で前年同月比ではマイナス2.0%、特に機械・装置セクターはマイナス6.9%と大幅に落ち込んでいる。

今年5月の財・サービス輸出は前月比マイナス7.6%、3月から5月の累計輸出は、鉱物及び農畜産部門が不振でマイナス5.4%を記録していた。また今年5月の財・サービス輸入は、中間財を中心に前月比マイナス1.6%、前年同月比ではマイナス5.1%、今年初め5か月間の累計GDP金額は、38,310億レアルを記録している。

ブラジル国内のガソリン価格は4週連続で値下げも国際市場価格を依然として上回っている(2022年7月18日付エスタード紙)

ブラジル国内のガソリンの平均販売価格は4週間連続で値下げされている。過去2週間のガソリンに対する商品サービス流通税(ICMS)の上限税率17.0%の設定で大きく値下げ効果に繋がっている。

710日~16日の週の1リットル当たりの平均ガソリン価格は、6.5%値下げされて6.07レアル、ガソリン価格が最も高いのは、アマゾナス州テフェ市の8.10レアル、最も安いのは、アマパ州マカパ市の5.15レアルとなっている。

先週の1リットル当たりの添加剤ガソリン価格は、5.9%値下がりの6.21レアル、ブラジル国内の最高価格は8.82レアル、最低価格は5.29レアルであった。

先週のディーゼル燃料価格は0.5%微減、ディーゼル燃料S100.6%微減、ブラジル国内の1リットル当たりの平均ディーゼル燃料価格は、前週の7.52レアルから7.48レアルに微減している。

ブラジル燃料輸入協会 (Abicom)によると、依然としてブラジル国内の1リットル当たりのガソリン価格は、世界平均よりも0.17レアル高いが、最後のガソリン価格の値上げは618日と1ヶ月間に亘って据置かれている。

先週3日間連続でバレル当たりの石油の国際コモディティ価格は、減少して100ドルを割ったが、今日の9月渡しのブレント価格は3.75%上昇の104.91ドルを記録している。

今年6月の段ボール箱出荷量は過去最高(2022年7月14日付けヴァロール紙)

ブラジル包装紙協会(Empapel)の発表によると、2022 年6月の経済動向のバロメーターの段ボール箱、シート並びに板紙付属品を含む段ボール箱派生品出荷量は、国内経済の回復に伴って34万1,368トンに達し、月間出荷量としては過去最高記録を更新している。

今年6月の段ボール箱派生品生産指数(IBPO)は、ブラジル国内の製造業部門の需要が牽引して前年同月比0.5%微増の152ポイントを記録している。

また今年6月の1日当たりの段ボール箱派生品の平均出荷量は、前年同月比0.5%増加の1万3,655トン、今年6月及び昨年6月の営業日数は共に25日間であった。

今年第2四半期の段ボール箱の出荷量は、前年同期比マイナス2.1%を記録、また今年上半期の段ボール箱の出荷量は、前年同期比マイナス6.0%に相当する193万トンに留まっている。

今年6月の段ボール箱派生品生産指数(IBPO)は、3.6%増加の153.6ポイントと昨年4月以降では最高の段ボール箱派生品生産指数(IBPO)を記録している。