ワーゲン社のサン・ベルナルド工場従業員のサラリーの12%カットを発表(2022年6月23日付けヴァロール紙)

23日ワーゲン社はサンパウロ州サン・ベルナルド・ド・カンポス自動車生産工場の従業員に対して、12.0%のサラリーカット、また同時に勤務時間の24%カットを発表している。

世界的な自動車メーカー向け半導体や電子部品などの供給不足問題で、大半の自動車メーカーでは生産調整を余儀なくされており、ブラジルワーゲン社も勤務時短の短縮に伴うサラリーカットを余儀なくされ、地元のABC金属労連との話し合いで合意、今月27日から来月7日までの集団休暇後に採用される。

世界的な半導体や電子部品の供給体制の解消がいつになるか分からないために、勤務時間の短縮及びサラリーカット措置は、部品供給体制が整うまで継続を余儀なくされるとワーゲン社人事部担当のWellington Messias Damasceno取締役は説明している。

ワーゲン社側では勤務時間の短縮及びサラリーカット措置の採用の替りに、製造ラインの縮小を交渉していたが、金属労連の組合側と折り合いがつかなかった。

今年5月の国庫庁の歳入総額は1,653億レアルに達し、5月としては1995年以降では最高の歳入総額を記録(2022年6月23日付けヴァロール紙)

2022年5月の国庫庁のインフレ指数を考慮した実質歳入総額は、前年同月比4.13%増加の1,653億3,300万レアルに達し、5月としては1995年以降では最高の歳入総額を記録している。

また今年初め5か月間の国庫庁の累計実質歳入総額は、前年同期比9.75%のほぼ二桁台の増加に相当する9,085億5,100万レアルに達し、過去最高の記録を更新している。

今年5月の国庫庁のインフレ指数を考慮しない名目歳入総額は、前年同月比16.35%増加の1,421億600万レアルを記録している。5月の実質一般歳入総額は、前年同月比3.37%増加の1,593億400万レアル、前記同様に名目一般歳入は15.50%増加を記録している。

善意同様に今年初め5か月間の累計実質一般歳入総額は、15.50%増加の8,506億8,200万レアル、累計名目一般歳入総額は、19.49%増加を記録している。

今年5月のロイヤリティなどの実質臨時歳入総額は、前年同月比29.14%増加の60億2,900万レアル、前記同様に名目臨時歳入総額は44.29%増加、今年初め5か月間の累計実質臨時歳入総額は、58.22%増加の578億6,800万レアルを記録している。

 

 

チリ資本Arauco 社は、ブラジル国内に150億レアルを投資してパルプ生産(2022年6月23日付ヴァロール紙)

5年前にブラジルのパルプメーカーPaper Excellence (PE)の買収に失敗したチリ資本のパルプメーカーArauco 社は、ブラジル国内に30億ドル、現在の為替換算では150億レアルに相当する投資で2028年からのパルプ生産を計画している。

昨日Arauco 社にとっては、ブラジル国内での初めてのパルプ生産工場プロジェクトで南マット・グロッソ州政府と覚書を交わしている。新パルプ工場は、南マット・グロッソ州都のカンポ・グランデ市から337キロメートルの地点に立地している。

新パルプ工場のユーカリ材を原料とした短繊維パルプの年間生産能力は、250万トンで生産開始は2028年第1四半期が予定されているが、プロジェクト着手として環境ライセンスの取得が前提となっている。

同社はブラジル国内で植林事業及び4カ所の木材パネル工場を擁しており、2017年の JBSグループ傘下の Eldorado à J&F Investimentossyの買収では、インドネシアの実業家 Jackson Widjaja氏のグループ企業に買収された経緯があった。

新パルプ生産工場の Sucuriúプロジェクト建設開始は2024年下半期、パルプ工場開始は2025年1月を予定、ブラジル国内のパルプ生産は同社の世界戦略にとっては、不可欠の存在であるとatias Domeyko CasselCEOは説明している。

Sucuriúプロジェクトでは、年間250万トンのパルプ生産には38万ヘクタールのユーカリ林の植林地が必要であるが、同社では既に6万ヘクタールの植林地を確保しており、そのうち4万ヘクタールには既にユーカリが植林ざれている。

新パルプ工場の立地は、植林地域から150キロメートル離れているにも拘らず、 Sucuriú河沿いにあり、輸出向けアクセスとして州道377号線、100キロメートル離れたパラナ河、47キロメートル離れた鉄道など非常に優れた立地となっている。

新パルプ工場で生産される短繊維パルプは、アジアやヨーロッパを中心に95%が輸出が予定されている。同社のチリ国内でのパルプ生産能力は年間410万トンを擁している。また Stora Enso社とのジョイントベンチャー企業Montes del Plata社は、アルゼンチン及びウルグアイにパルプ生産工場を擁している。

5月の過去12か月間の累計クレジット残高は、前年同期比16.3%増加(2022年6月21日付ヴァロール紙)

ブラジル銀行連盟(Febraban)の調査によると、2022年5月のブラジル国内の銀行のクレジット残高は前月比1.0%増加、5月の過去12か月間の累計クレジット残高は、前年同期比16.3%の二桁増加を記録しているが、今年4月の過去12ヶ月間の累計クレジット残高は前年同期比16.5%増加していた。

今年上半期のクレジット部門は、一般家庭向けクレジットが牽引して、継続して堅調な伸び率を記録しているとブラジル銀行連盟(Febraban)は説明している。

ブラジル中央銀行のストライキの影響で、今年2月からブラジル国内のクレジット部門の正式な統計の発表は行われていないが、政策誘導金利Selicが二桁台に達しているにも関わらず、一般家庭の消費が牽引して堅調に増加している。

COVID-19対応ワクチン接種拡大による国内経済活動の正常化、雇用の回復、1,000レアルまでの現役サラリーマンの勤続期間保障基金(FGTS)預金の引出、年金・恩給受有者向け給与・年金口座連動型クレジット拡大、年金・恩給受給者に対する13ヶ月サラリーの半額前払いなどで一般家庭のクレジットが拡大してきている。

今年5月の個人向けクレジットは前月比1.7%増加、5月の過去12か月間の累計では21.9%増加を記録、過去最高を記録した2011年6月の22.2%増加に接近している。一方法人向けクレジットは8.9%増加を記録している。

営業日数の多かった今年5月のクレジット残高は,前月比12.8%増加した一方で、1日当りの平均クレジット残高は前月比2.6%減少、5月の過去12か月間の累積クレジット残高は24.5%増加している。

今年5月の一般家庭向けクレジットは10.2%増加した一方で、1日当りの平均クレジット残高は4.8%減少、過去12か月間では24.1%増加、前期同様に法人向けクレジット残高は15.9%増加、1日当りの平均クレジット残高は0.1%微増、5月の過去12か月間の法人向け累積クレジット残高は25.0%増加を記録している。

 

国家電力庁(Aneel)は7月から電力料金を最高63.7%値上げ(2022年6月21日付ヴァロール紙)

国家電力庁(Aneel)は今年7月から来年6月末までの1年間に限定して電力料金を最低3.2%から最高63.7%値上げの料金を設定、正式な料金改正は、今月24日に発表される。

「緑旗」は電力エネルギーの生産コストが低いときに適用され、追加料金は課せられない。「黄旗」並びに「赤旗」は、電力エネルギーの生産コスト高に追加料金の設定が行われ、水力発電所の貯水ダムの水位低下、降雨予想、火力発電所の稼働などが考慮されて決定される。

国家電力庁(Aneel)では、電力発電コストが電力料金徴収額を下回って電力エネルギー配電企業が赤字に陥っているために、4月14日から5月4日にかけて公聴会を開催、新料金はAneel理事会で承認されている。

「黄旗レベル」の100キロワット時(kWh)当たり電力エネルギー料金を現行の1.874レアルから公聴会にかけた料金設定は59.5%値上げに相当する2.927レアルが予定されている。

国家電力庁(Aneel)は、現在の「赤旗レベル1」の100キロワット時(kWh)当たり電力エネルギー料金3.971レアルを63.7%に相当する6.50レアルへの値上げを設定するが、公聴会での料金設定の6.237レアルを上回ると予想されている。

現在の「赤旗レベル2」の100キロワット時(kWh)当たり電力エネルギー料金9.492レアルは3.2%値上げに相当する9.795レアルへの値上げが予想されているが、公聴会での料金設定の9.33レアルを上回ると予想されている。

国家電力庁の担当技術者は、降雨不足の旱魃時は、水力発電所の電力エネルギー発電不足を補うために生産コストの高い火力発電所の稼働を余儀なくされるために、一般消費者への電力料金への転嫁を余儀なくされる。

今年5月の世界の粗鋼生産は3.5%減少(2022年6月21日付ヴァロール紙)

64カ国の約170鉄鋼メーカーが加盟しているベルギーのブリュッセルに本部のある世界鉄鋼協会(Worldsteel)の発表によると、2022年5月の世界の粗鋼生産は、前年同月比3.5%減少に相当する1億6,950万トンに留まり、特に中国の粗鋼生産の減少が顕著で、またその他の粗鋼精査国の生産も減少している。

世界生産の約半分以上のマーケットシェアを占める今年5月の中国の粗鋼生産は、前年同月比3.5%減少の9,660万トンと1億トンを下回っている。

今年初め5か月間の世界の累積粗鋼生産は、2月末からのロシアによるウクライナ侵攻などの要因で、前年同期比6.3%減少の7億9,180万トンに留まり、また中国の今年初め5か月間の粗鋼生産は、前年同期比8.7%減少の4億3,500万トンに留まっている。

2021年の中国の鉄鋼生産は、中国政府による環境問題及び国内経済の減速による国内向けの粗鋼生産調整などの要因で、6年ぶりの前年割れを記録していた経緯があった。

中国の中国工業情報化部では「昨年上半期では新型コロナウイルス感染収束後の経済の急速な回復の延長線上で、鋼材市場は生産・販売ともに好調だったが、下半期は需要の収縮や経済の下振れに、鋼材の生産能力・生産量、輸出抑制策の実施が加わり、粗鋼生産量の大幅な減少につながった」と分析していた。

一方昨年のインドの粗鋼生産は、前年比17.3%の二桁増加を記録した一方で、日本の粗鋼生産は4.2%減少、米国は2.6%、韓国1.4%、ドイツ11.5%、トルコ1.4%並びにブラジルは4.9%とそれぞれ前年を下回っている。

今年2月25日からのロシアによるウクライナへの侵攻による欧米のロシアへの経済制裁の影響で、ロシアの5月の粗鋼生産は、前年同月比1.4%減少の640万トンに留まっていると世界鉄鋼協会(Worldsteel)では予想している。

今年2月~4月の全ての州政府の歳入は前年同期比増加を記録(2022年6月21日付ヴァロール紙)

20日の国庫庁の発表によると、2022年2月~4月の全ての州政府の歳入総額は前年同期比増加を記録、特にリオ州政府の歳入総額は40%増加、パラー州政府の歳入総額は34%と増加を記録している。最も歳入の増加率が低かったのは南大河州政府の僅か4.0%増加、ミナス州政府は9.0%増加に留まっている。

ガソリンやディーゼル燃料、電力エネルギー、通信サービス並びに公共輸送サービスに関する州税の商品サービス流通税(ICMS)の課税率の引下げで州政府は歳入減少を余儀なくされるために、国会での連邦政府と州政府との対立が続いている。

州政府は通常、ガソリンなどの品目に商品サービス流通税(ICMS)として約25%の税率で課税しているが、先週承認された補完法プロジェクト(PLP)18は、上限課税率を17%に制限している。

各州政府では、商品サービス流通税(ICMS)の減税による影響で、各州住民の安全保障、健康、教育などの公共サービスの質の低下で危険にさらさないように、連邦政府による損失の補償として年間830億レアルを主張している。

一方今年2月~4月の州政府の支出の比較では、リオ州政府は前年同期比19.0%増加、パラー州政府の歳出は20%増加している。最も歳出が増加したのはローライマ州政府で35%増加したが、歳入は10%の増加に留まっている。

 

今年4月のブラジルのGDP伸び率は前月比0.3%増加予想(2022年6月21日付エスタード紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、2022年4月のブラジルのGDP伸び率は前月比0.3%増加、前年同月比では3.6%増加を予想している。

今年4月のGDP伸び率の前月比0.3%増加は3か月連続での増加予想にも関わらず、4月のGDP伸び率は減少傾向を示しており、鉱工業部門並びに農畜産部門は引き続いて増加傾向もサービス部門は輸送セクター及び小売セクターの停滞で足踏み状態となっている。

一般家庭の消費は3ヶ月連続で増加傾向を示しているが、唯一耐久消費財セクターは金利の上昇や不透明な大統領選挙などの要因でマイナスを記録しているとジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)コーディネーターの Juliana Trece氏は指摘している。

今年2月~4月の四半期のGDP伸び率は前年同期比2.8%増加、そのうち一般家庭の消費は4.8%増加、サービスセクターは7.5%増加、非耐久消費財セクターは2.1%増加、半耐久消費財セクターは13.3%増加を記録している。

また今年2月~4月の四半期の住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)セクターのGDP伸び率は、機械・装置セクターがマイナス10.7%と大幅な減少を記録したためにマイナス5.2%に留まっている。

 

Copom議事録発表後にJ.P. Morganは2023年のSelic金利を11.0%に上方修正(2022年6月21日付エスタード紙)

ブラジル中央銀行の先週開催された通貨政策委員会(Copom)の議事録の発表によると、 政策導入金利(Selic)の引下げサイクルは2023年第1四半期になると示唆されている。 J.P. Morgan銀行エコノミストは今年末のSelic金利は13.75%、2023年末のSelic金利は前回予想の9.75%から11.0%と大幅な引き上げを余儀なくされている。

今月15日開催された中銀の通貨政策委員会(Copom)は、政策導入金利(Selic)を 現行の12.75%を0.5%引上げて13.25%に決定、11回連続での引上げで過去5年半のSelic金利としては最高金利に達している。

今回の通貨政策委員会(Copom)による政策導入金利(Selic)の引上げ開始時の2021年3月のSelic金利は、過去最低の2.00%であったが、連続11回の引上げ幅は11.25%に達し、1999年以来では最高のショック療法となっている。

Copom委員会開催前の15日午后に米連邦準備制度理事会(FRB)は、政策金利を0・75%引上げを決定。1994年11月以来、27年7カ月ぶりの上げ幅で、従来の3倍。約40年ぶりとなる記録的なインフレを抑制するため、異例の金融引き締めに踏み切っている。利上げは3会合連続で、政策金利の誘導目標は1.5%~1,75%に設定している。

金融スペシャリストはまた、議事録のインフレシナリオに関連して、「タカ派」[保守的]な見方を示していると指摘している。 さらに議事録の内容が、来年のインフレ率を4%と予測して、目標に近いレベルにするというCopomの戦略に明確に言及していると指摘している。

J.P. Morgan銀行エコノミストは、今年下半期から経済リセッションに突入可能性はあるもののインフレ圧力は継続して下降サイクルに突入するのが遅れるために、8月に開催される次回の中銀のCopom会議ではSelic金利の0.5%引上げて13.75%を予想している。

 

今年第1四半期のポウパンサ預金は7四半期連続増加から一転して減少(2022年6月20日付けヴァロール紙)

経済調査院金融市場研究センター(Cemec-Fipe)の調査によると、2022年第1四半期のポウパンサ預金は、前四半期比6.1%に相当する324億レアル減少、2021年第4四半期の758億レアルの増加から一転して減少に転じている。

COVID-19パンデミック直前の2019年第1四半期からCOVID-19対応のワクチン接種拡大による社会的活動の正常化が顕著になってきた2021年第4四半期まで7四半期連続で増加を記録していたが、COVID-19パンデミックに対する不安解消による一般消費の拡大に伴って、今年第1四半期のポウパンサ預金の引出が堅調になってきている。

2022年第1四半期の国内総生産(GDP)伸び率は、サービス部門のGDP伸び率が牽引して前四半期比1.0%増加を記録、前年同期比では1.7%増加、過去1年間の累計GDP伸び率は4.7%増加、今年第1四半期の国内総生産額は2兆2,000億レアルを記録している。

しかし高止まりするインフレ指数、実質賃金の減少、一般家庭の負債増加などの要因で、今後のポウパンサ預金の引き出しは継続すると金融市場関係者は予想している。

2019年第1四半期から2021年第4四半期のポウパンサ預金の預金総額は5,276億レアルを記録した一方で、今年第1四半期のポウパンサ預金はマイナス324億レアルを記録、2019年第1四半期から2022年第1四半期のポウパンサ預金の預金総額は4,971億レアルとなっている。

COVID-19パンデミック期間中のポウパンサ預金が大幅に増加した要因として、外出自粛や必需品以外の営業自粛による特にサービス部門の消費減少、COVID-19パンデミックによる先行き不安がポウパンサ預金の増加要因と経済調査院金融市場研究センター(Cemec-Fipe)コーディネーターのCarlos Antonio Rocca氏は指摘している。