今年5月の鶏肉輸出額は記録更新(2022年6月20日付けエスタード紙)

今年初め5か月間の化学肥料や農薬などの農畜産関連の化学品輸入金額は132億ドル、医薬品関連は63億ドルに達し、農畜産及び医薬品関連だけで化学品輸入の3分の2を占めている。

サンパウロ大学応用経済先端研究センター(Cepea-USP)の調査によると、2022年5月のブラジルの鶏肉輸出金額は、前月比14.7%増加の44億8,000万レアルと輸出金額では過去最高を更新している。また前年同月比28.9%増加している。

今年5月のブラジルの鶏肉輸出金額が記録更新した要因として、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、1キロ当たりの鶏肉価格は、前月比11.7%と二桁増加の10.39レアルを記録、前年同月比では24.3%増加を記録している。

今年5月のブラジルの鶏肉輸出量は、42万9,700トンと過去2番目の輸出量を記録、過去最高の鶏肉輸出量は、2018年7月の46万3,900トンと僅かに4,000トン少ない輸出量であった。

今年初め5か月間の化学肥料や農薬などの農畜産関連の化学品輸入金額は132億ドル、医薬品関連は63億ドルに達し、農畜産及び医薬品関連だけで化学品輸入の3分の2を占めている。

今年5月のブラジルの鶏肉輸出が増加した一因として、ヨーロッパで最も鶏肉生産が盛んなウクライナがロシアによる侵攻の影響による鶏肉輸出の減少及び北半球の鳥インフルエンザの影響を受けていた。

今年5月の過去1年間の化学品貿易は、550億ドルの過去最高の赤字を計上(2022年6月20日付けヴァロール紙)

ブラジル化学工業協会(Abiquim)の発表によると、2022年5月のブラジルの化学部門の貿易収支は、輸入金額は前年同月比16.5%増加の714億ドルに対して、化学品輸出金額は13.4%増加の164億ドル、貿易収支は550億ドルの赤字を計上して記録更新している。

今年初め5か月間の化学部門の貿易収支は、前年同期比59.4%増加の235億ドルの赤字を計上、今年5月の化学部門の輸入総額は、78億ドルに達して赤字幅の拡大を招いている。

今年初め5か月間の化学肥料や農薬などの農畜産関連の化学品輸入金額は132億ドル、医薬品関連は63億ドルに達し、農畜産及び医薬品関連だけで化学品輸入の3分の2を占めている。

今年初め5か月間の化学品輸入量は、前年同期比6.5%増加の2290万トンに達して記録更新、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で世界的な輸送ロディステック問題が在庫調整の足枷となっている。一方今年初め5か月間のブラジルの化学品輸出量は、前年同期比2.6%減少の640万トンに留まっている。

17日ペトロブラスはガソリン及びディーゼル燃料価格の値上げを発表(2022年6月17日付けヴァロール紙)

17日ペトロブラス石油公社は、今月18日から同社傘下の石油製油所のガソリンの卸売価格を5.18%、ディーゼル燃料価格を14.26%それぞれ値上げすると発表した。

18日から1リットル当たりの平均ガソリン卸売価格は、現行の3.86レアルから4.06レアルに値上げされ、混合比はガソリン比率は73%、エタノール比率は27%となっている。

一方1リットル当たりの平均ディーゼル燃料卸売価格は、現行の4.91レアルから5.61レアルと大幅値上げが18日から実施される。混合比はディーゼルが90%、バイオディーゼルが10%と決められている。最後のディーゼル燃料価格の値上げは5月10日であった。

また一般家庭の台所向けプロパンガス価格は現行の価格に据置かれるが、最後のプロパンガス価格調整は4月8日に実施されたが、プロパンガス価格は5.5%値下げされていた経緯があった。

ペトロブラスでは、ガソリンやディーゼル燃料価格の値上げはあくまで世界市場における均衡のとれた価格を設定しており、石油の国際コモディティ価格やレアル通貨に対するドル為替の変動にすぐに対応しているわけではないと説明している。

2021年下半期からの世界経済の回復加速及び今年2月下旬からのロシアによるウクライナ侵攻で石油派生品の供給不足に対して需要が急増しているために、需要と供給のバランスが崩れて国際コモディティ価格のボラティリティが発生している。

従来の銀行顧客はフィンテック企業発行のクレジットカードに注目(2022年6月17日付けヴァロール紙)

従来の伝統的な銀行の顧客の三分の一は、主な銀行決済でデジタル銀行発行のクレジットカードの使用を行っているとコンサルタント会社McKinsey社の調査で判明している。

一方で、デジタル銀行の顧客の僅か19% が主な銀行決済で従来の銀行発行のクレジットカードの使用を行っているとコンサルタント会社McKinsey社の調査で判明している。

デジタル銀行発行のクレジットカード決済の昨年の選択肢調査では、銀行の手数料の無料が29%と断トツの選択肢となっているが、一昨年の調査の34%よりも減少している。またクレジットカードの限度額調査では、一昨年の 11%から昨年は13% に増加している。

キャッシュバックやマイルなどのベネフィット調査では、二年連続で14% と銀行手数料の無料に次ぐ選択肢となっているが、貧困層の顧客はマイルを貯め込む習慣がないためにマイルよりもキャッシュバックによるベネフィットを好む傾向がある。

この調査はオンライン形式で 4.023人を対象に実施、デジタル銀行発行のクレジットカードに対する一般消費者のクレジットカード利用度、習慣やモチベーションを調査している。

5月の電力エネルギー消費は前年同月比1.2%増加(2022年6月16日付けヴァロール紙)

ブラジル電力取引市場(CCEE)の統計によると、2022年5月のブラジル国内市場の電力エネルギー消費は、前年同月比1.2%増加と4カ月連続で増加を記録している。

5月の電力エネルギー消費の37%は、鉱工業部門及び大手小売販売網やショッピングセンターであり、これらの部門の電力エネルギー消費は、前年同月比約6.0%増加を記録している。

一方中小企業、商業部門及び一般家庭の電力エネルギー消費は、5月下旬の寒冷前線の影響による低温継続の影響で、マイナス1.3%を記録とブラジル電力取引市場(CCEE)の統計に表れている。

今年5月のブラジル国内の電力エネルギー供給トップの水力発電所の平均発電能力は、前年同月比11.0%増加の5万メガワットを記録、太陽光発電による電力エネルギー供給は、前年同月比53.0%増加を記録した一方で、旱魃による降雨不足解消で、5月の火力発電による電力エネルギーはマイナス37.0%を記録している。

中銀はSelic金利を0.5%引上げて13.25%に決定(2022年6月15日付けエスタード紙)

15日開催された中銀の通貨政策委員会(Copom)は、政策導入金利(Selic) 現行の12.75%を0.5%引上げて13.25%に決定、11回連続での引上げで過去5年半のSelic金利としては最高金利に達している。

今回の通貨政策委員会(Copom)による政策導入金利(Selic)の引上げ開始時の20213月のSelic金利は、過去最低の2.00%であったが、連続11回の引上げ幅は11.25%に達し、1999年以来では最高のショック療法となっている。

Copom委員会開催前の15日午后に米連邦準備制度理事会(FRB)は、政策金利を075%引上げを決定。199411月以来、277カ月ぶりの上げ幅で、従来の3倍。約40年ぶりとなる記録的なインフレを抑制するため、異例の金融引き締めに踏み切っている。利上げは3会合連続で、政策金利の誘導目標は1.51,75%に設定している。

米国やブラジルの金利引き上げによる金融政策は、インフレ抑制の一方でクレジット金利の引上げや連邦政府の公共負債コストの上昇に繋がり、公共投資の削減、GDP伸び率、雇用や賃金の抑制に繋がって景気減速を余儀なくされる。

ブロードキャストプロジェクションの50金融機関対象の調査では、46金融機関は0.50%のSelic金利の引上げで13.25%を予想、3金融機関は0.75%の引上げ予想で13.50%、1金融機関は1.00%の引上げで13.75%を予想していた。

今年2月の中央銀行のRoberto Campos Neto総裁は、ブラジルのインフレは4月から5月にかけてピークを迎ええ、その後は下降サイクルに入るとコメントしていた経緯があった。

今年5月のブラジルの正式インフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、0.47%と前月よりも大幅に減少したが、過去12か月間の累積IPCA指数は11.73%と依然として二桁台に留まっている。

2022年のインフレ指数の中央目標値は3.50%に設定、最低許容値は2.00%、最高許容値が5.00%に設定しているにも関わらず、っ中銀及び金融市場関係者は今年のIPCA指数を8.89%前後を予想している。

40か国対象の実質金利比較では、今回のSekic金利の13.25%への引上げで、ブラジルのインフレ指数を差引いた実質金利は、8.10%に上昇して世界最高金利と Infinity Asset Management社は説明している。ブラジルに次ぐ実質金利はメキシコの4.48%、続いてコロンビアは4.47%となっている。

ブラジルは2022年の「世界競争力ランキング」で2ランク後退の59位

スイスのビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)が発表した2022年の「世界競争力ランキング」で、ブラジルは昨年より2ランク下げて59位に後退、調査対象の63ヵ国のうちブラジルよりもランクが低いのはヴェネズエラ、アルゼンチン、モンゴル及び南アフリカだけとなっている。

2022年の「世界競争力ランキング」トップはデンマーク、次いでスイス、シンガポール、スエーデン、香港、オランダ、台湾、フィンランド、ノルウエー、米国は10位となっている。

ブラジルが59位に甘んじている要因として、国内経済、税制、生産性、基本的なインフラストラクチャ、資格のある労働力の供給、高等教育へのアクセスなどのトピックに関する企業経営者の認識が悪化している。

ラテンアメリカ諸国の比較では、チリは45位でトップ、続いてペルー54位、メキシコ55位、コロンビア57位、ブラジルは59位、アルゼンチン62位及びヴェネズエラ63位はブラジルよりもランクが低い。

ブラジルの労働力の生産性は国際平均を下回っているが、熟練労働者の利用可能性、および科学技術学科の卒業生の数の少なさは、要求される新しいスキルと能力に追いついていない。 企業経営者の評価は、ブラジルの大学教育は企業のニーズと合致していない

ブラジルはビジネスを始める際の官僚主義を減らし、公共サービスのデジタル化を進めたにも拘らず、ビジネス法、教育、インフラストラクチャーなどの分野のギャップは引き続き重くのしかかっており、改革、特に税と行政改革。 「ブラジルが緊急に調整を必要としていることは明らかで、いくつかの進歩にもかかわらず、ブラジルは依然として競争力のない国と見なされている」とドン・カルラル財団のカルロス・アルーダ教授は説明している。

4月の中央政府の財政プライマリー収支は285億5,300万レアルの黒字計上(2022年6月14日付けヴァロール紙)

2022年4月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府のインフラ指数を差引いた実質財政プライマリー収支は285億5,300万レアルの黒字計上、月間黒字幅としては2011年以降では最高の黒字幅を計上している。

今年4月の中央政府の財政プライマリー収支の内訳は、国庫庁の黒字は529億⒎00万レアルを計上した一方で、社会保障院(INSS)は2429,000万レアルの赤字を計上、ブラジル中央銀行も6,400万レアルの赤字を計上していた。

4月の中央政府の過去12か月間の累積財政プライマリー収支はGDP0.06%に相当する46億レアルの赤字を計上している。

昨年4月の中央政府の財政プライマリー収支は166億5,800万レアルの黒字を計上、2021年の中央政府の財政プライマリー収支はGDP比0.4%に相当する350億レアルの赤字を計上していた。

今年初め4か月間の国庫庁は1,590億9,900万レアルの黒字を計上した一方で、社会保障院は797億8,100万レアルの赤字、中銀は5,500万レアルの赤字を計上している。

今年の連邦政府の財政プライマリー収支の許容上限赤字は1,705億レアルに設定しているが、連邦政府では655億レアルの赤字に留まる可能性が大きいと予想している。

今年4月の中央政府のインフレ指数を差引いた純収益は前年同期比5.9%増加の1,656億1,400万レアルを記録していた。一方純支出は0.5%減少の1,3706,100万レアルであった。

今年初め4か月間の連邦政府の支出総額は、最高許容額の1兆6,800億レアルの31%に相当する5,217億8,000万レアルを記録している。

4月の連邦政府の公社などによる配当金収入は7億5,030万レアルと昨年同月の39億1,500万レアルの5分の1以下に留まっている。今年初め4か月間の連邦政府の累計配当金収入は594,100万レアルと昨年同月の594,300万レアルと同レベルで推移している。

過去3年間でラテンアメリカ地域のフィッテック企業は112%増加

米州開発銀行(BID)の調査によると、ラテンアメリカ地域の2018年のフィンテック企業数は1166社であったったが、3年後の2021年末の意は112.0%増加に相当する2482社と急増している。

ラテンアメリカ地域のフィンテック企業が3年間で112%増加した要因として、ブラジルのフィンテック企業が急増、464社から771社と急増してラテンアメリカ地域のマーケットシェアの31.0%を占めてトップ、メキシコのマーケットシェアは21.0%、コロンビア11.0%、アルゼンチンも11.0%チリは7.0%を占めている。

世界のフィンテック企業総数は1万1000社に達しているが、そのうちラテンアメリカ地域のフィンテック企業数は世界全体の22.6%を占めて急拡大している。

世界の有望な投資先としてスタートアップ企業をターゲットにしている投資家は、ラテンアメリカ地域でクレジット支払いのデジタルソルーション、銀行窓口業務などで頭角を現しそうな有望なフィンテック企業に注目している。

ラテンアメリカ地域、特にブラジル国内でのデジタルトランスフォーメーション企業は雇用創出につながっていると米州開発銀行(BID)のMauricio Claver-Carone総裁は指摘している。

2013年にブラジルで設立されたNubankは昨年末に新規株式公開IPOを実施、ブラジル国内はもとよりメキシコやアルゼンチンで事業を拡大しており、更なる業務の国際化に積極的に事業を拡大している。

4月のサービス部門提供量は前月比0.2%微増(2022年6月14日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、20224月のサービス部門提供量(生産性指標)は前月比0.2%微増、COVID-19パンデミック前の20202月比では7.2%増加した一方で、過去最高を記録した201411月比では依然としてマイナス4.2%を記録している。

また今年4月のサービス部門提供量は、前年同月比9.4%増加で14ヶ月連続で増加を記録、今年初め4か月間の累積は前年同期比9.5%増加、4月の過去12か月間の累積は、3月の13.6%増加から12.8%増加に減少している。

今年4月のサービス部門提供量調査では、大枠の5部門のうち2部門で増加を記録、情報・通信サービス部門は前月比0.7%増加、今年初め4か月間の累積提供量は2.5%増加、前期同様に一般家庭向けサービス部門は1.9%増加、5.2%増加を記録している。

前期同様に輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は前月比マイナス1.7%、教育・研究機関などの公共サービス部門はマイナス0.6%、その他のサービス部門はマイナス1.6%を記録している。

また今年4月のサービス部門提供量の前年同月比の比較では、輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は15.5%増加、一般家庭向けサービス部門は60.8%増加、教育・研究機関などの公共サービス部門は7.8%増加、情報・通信サービス部門は1.6%増加している。

今年初め4か月間のサービス部門提供量の前年同期比の比較では、大枠5部門のうち4部門で増加を記録、また調査対象の166セクターの66.9%に相当するセクターで増加を記録している。

輸送・輸送補助サービス・郵便サービス部門提供量は15.6%増加、一般家庭向け部門37.3%増加、教育・研究機関などの公共サービス部門は8.1%増加、情報・通信サービス部門は3.2%増加を記録した一方で、その他のサービス部門はマイナス3.8%であった。

今年4月のサービス部門提供量の前月比の州別比較では、27州のうち12州で増加を記録、リオ州は1.0%増加、エスピリット・サント州3.6%増加、北大河州7.9%増加、セアラー州は2.4%増加を記録している。

一方サンパウロ州はマイナス0.5%、ミナス州マイナス2.8%、ブラジリア連邦直轄地マイナス8.2%、南大河州マイナス2.8%とそれぞれ大幅な減少を記録している。