今年は各大手薬局チェーンは新店舗開設で過当競争突入か(2024年1月18日付けヴァロール紙)

今年の大手及び中規模の薬局チェーンは新店舗開設で過当競争展開が予想されており、新店舗開設に伴って、ワクチン接種や簡易検査や手続きなどの医療サービスの拡大が含まれている。

今年中に270店舗の新規開設を予定、南大河州の大手薬局チェーンのPanvel社は1億4,000万レアルと投じて60店舗の開設を予定している。

また主に南東部地域及び中西部地域で薬局チェーンを展開している大手薬局チェーンのd1000社並びにパラナ州の大手薬局チェーンのNissei社もそれぞれ新店舗開設でマーケットシェア拡大を発表しており、今年は大手薬局チェーンの新店舗開設競争激化でマーケットシェアの変動が予想されている。

一方で、大手薬局チェーンのPague Menos社は、今年の新規店舗開設を当初予定の120店から30店に引き下げるが、2021年5月にグループが買収したExtrafarma社との経営統合を優先事項にすると強調している。

今年の大手薬局チェーンによる新規店舗開設の過当競争結果は、他の小売業と比べて売上高の回復力があるというシナリオを前提に展開するとブラジル薬局チェーン協会(Abrafarma)では予想している。

ブラジル国内の薬局関連企業の約半数が加盟しているブラジル薬局チェーン協会(Abrafarma)の発表によると、2023年1月~7月までの加盟企業の売上は、前年同期比14.95%増加の860億4,000万レアルを記録している。

薬局チェーンの販売アイテム数は30億を突破、国家衛生監督庁(ANVISA) による決議を受けて、2023 年 8 月以降、医薬品サービスの量は 11 億 1,000 万件に達している。

昨年初め 9 か月間のRaia Drogasil 社の収益は、前年同期比18% 増加の 250 億 5,000 万レアルを記録、同社は、当初目標の新店舗開設は 260 店舗であったが、出店予測を 270 店舗に引き上げまている。

 

上段グラフは2023年9月末の大手薬局チェーンの店舗数

中段グラフは2023年初め9月間の新規店舗開設数

下段グラフは2024年の予定新規店舗開設数

2023 年のブラジルのクレジット総額は前年比6.8%増加予想(2024年1月18日付けヴァロール紙)

正式な2023年度のクレジット関連指標は1月26日にブラジル中央銀行から発表されるが、ブラジル銀行協会連盟(Febraban)によると、2023年のクレジット部門伸び率は、個人向けクレジット部門が牽引して前年比6.8%増加を予想している。

2023年の個人向けクレジット部門伸び率は前年比8.9%と大幅増加を記録した一方で、法人向けクレジット部門伸び率は3.6%増加に留まっている。

昨年12月の融資先が自由に選択できる法人向け自由クレジット部門伸び率は、キャッシュフローライン及び四半期末と年末の購入によるプラスの季節性の恩恵を受けて2.4%増加を予想している。一方個人向け自由クレジットは、12月の商品購入で0.5%増加、キャッシュカード残高が増加した。

個人及び企業向けの信用ストックは6年連続で増加、2020年から2022年にかけて2桁の増加が見込まれているが、昨年からは二桁台の金利継続の影響でクレジット部門の伸び率は、勢いを失っているとブラジル銀行協会連盟(Febraban)のIsaac Sidney会長は指摘している。

昨年12月には、手形や売掛金の割引、請求書の見込などのキャッシュフローラインが大幅に増加したこともあり、企業のフリーリソースを活用した事業がコンセッションの増加を牽引すると予想される一方で、個人向け自由クレジット部門は、13か月目サラリーによるクリスマス商戦向けクレジットカードによる支出も予想を下回っていると見られている。

政策誘導金利Selicの二桁台の高止まり、不正会計発覚の小売大手「ロージャス・アメリカーナス」問題、一般家庭の負債増加による不渡り率の増加などの要因で、昨年のクレジット部門伸び率は、減速傾向を示しているものの終わり近づいているとブラジル銀行協会連盟(Febraban)経済担当のRubens Sardenberg理事は説明している。

2023年のブラジル銀行の農業向けクレジット総額は1,950億レアル (2024年1月17日付けヴァロール紙)

2023年のブラジル銀行の農業向けクレジット総額は1,950億レアル に達し、過去最高記録を更新したが、2022/23年と2023/24年の収穫量の半分をカバーしている。

2023年のブラジル銀行の農業向けクレジット件数は前年比 8,4%増加の 61万2,000件、クレジット総額1950億レアル の220億レアルはファミリー農業強化プログラム(Pronaf)向けクレジットに宛がわれている。

2023年のブラジル銀行の農業向けクレジットが過去最高を更新した要因として、ブラジル銀行のデジタル採用チャネルに加え、支社ネットワークとアグリビジネスパートナーに注力したことがこの記録的な結果をもたらしたと説明している。

2023/24年度収穫計画の最初の6か月に相当する7月から12月だけで、ブラジル銀行は前年同期比5.3%増加の1,200億レアルに達するクレジット総額を提供している。

この1,200億レアルの数字は、食料安全保障において重要な役割を果たし、全国の食料価格のバランスを保つのに役立つ家族農業を支援する上で、我々が基本的な役割を果たしていることを証明している

2023年11月の一般小売販売は前月比0,1%微増

17日発表のブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、2023年11月の自動車や建材部門を除くインフレ指数を差引いた実質一般小売販売量は、前月比0,1%微した一方で、昨年11月の自動車及び建材を含む広範囲小売販売は、1,3%と大幅な増加を記録している。

Valor Data社の24社の金融機関及びコンサルタント会社対象の一般小売販売量調査では最低予想はマイナス1.6% %、最高予想は0.9%増加、平均予想は0.1%増加であった。

昨年11月の一般小売販売量は、前年同月比2,2%増加、昨年初め11月間の累積一般小売販売量は1,7%増加、昨年11月の過去12カ月間の累積一般小売販売量は1,5%増加を記録している。

Valor Data社の24社の金融機関及びコンサルタント会社対象の昨年11月の広範囲小売販売量調査では最低予想はマイナス1.0%、最高予想は1.0%増加、平均予想は0.4%増加であった。

昨年11月の広範囲小売販売量は前年同月比4,3%と大幅な増加を記録、Valor Data社の24社の金融機関及びコンサルタント会社対象の昨年11月の前年同月比の広範囲小売販売量調査では最低予想は0.2%増加、最高予想は3.55%増加、平均予想は2.8%増加であった。

27州対象の一般小売販売比較では、12州 で増加を記録、特にエスピリット・サント州は13,3%と二桁台の伸び率を記録、パライーバ州1,8%、アマパ州は1,6%増加を記録している。また前年同月比では18州で増加を記録、特にエスピリット・サント州は12,4%、マラニョン州は11,7%増加を記録している。

2022年11月~2023年11月までの一般小売販売の月間増減推移

2023年9月~11月までの一般小売販売のセクター別増減推移

2023年のブラジルの化粧品・衛生用品輸出は前年比17.4%増加で記録更新

ブラジル衛生品・香水・化粧品協会(Abihpec)の発表によると、2023年のブラジルの化粧品・衛生用品の貿易黒字は、前年比17.4%増加で記録更新している。

昨年のブラジルの化粧品・衛生用品輸出金額は、前年比130,2%増加に相当する9億1,120万ドルに達し、統計を取り始めた1997年以降では記録更新、貿易収支は前年比17.4%に相当する8,080万ドルの黒字を計上している。

昨年のブラジルの衛生品・香水・化粧品関連輸入は、前年比12.1%増加に相当する8億3,040万ドルを記録、昨年のブラジルの衛生品・香水・化粧品関連貿易額は、前年比14.5%に相当する17億4,000万ドルを記録している。

ブラジルの化粧品・衛生用品の貿易黒字は2020年以降4年連続で黒字を計上、世界の176カ国にブラジルの化粧品・衛生用品を輸出している。特にアルゼンチン向け化粧品・衛生用品輸出金額は1億6,600万ドルに達している。

2023年11月のサービス部門提供量(生産性指標)は前月比0.4%増加(2024年1月16日付けIBGEサイトより抜粋)

2023年11月のサービス部門提供量(生産性指標)は前月比0.4%増加、8月から10月迄3ヶ月連続での累積マイナス2.2%から反転、Covid-19パンデミック直前の2020年2月の水準を10.8%上回っているが、依然として過去最高を記録した2022年12月の水準を2.6%下回っている。

昨年11月のサービス部門提供量はマイナス0.3%、昨年初め11か月間の累積サービス部門提供量は3.0%増加と10月の3.6%増加から大幅に減少している。

昨年11月のサービス部門提供量の調査対象の5部門のうち3部門で増加を記録、その他のサービス部門は3.6%増加、教育・研究機関などの公共サービス部門は1.0%増加、一般家庭向け部門のサービス提供量は2.2%増加を記録している。

一方昨年11月のサービス部供量でマイナスを記録した部門は、輸送部門のマイナス1.0%、情報・通信サービス部門のサービス提供量はマイナス0.1%を記録、7月から10月にかけての4か月連続でマイナスを記録、累積ではマイナス5.3%を記録している。

昨年9月から11月迄の四半期の月間平均サービス量提供は前四半期比マイナス0.1%を記録、部門別では輸送部門のマイナス1.1%、情報・通信サービス部門のサービス提供量はマイナス0.2%、その他のサービス部門は1.6%増加、一般家庭向けは1.0%増加、教育・研究機関などの公共サービス部門は0.4%増加を記録している。

昨年11月のサービス部供量の前年同月比ではマイナス0.3%と3か月連続でマイナスを記録、部門別では輸送部門はマイナス3.7%と大幅な減少を記録していた。

2022年12月~2023年11月迄のサービス部門提供量の月間推移

2023年9月から11月の部門別サービス提供量の推移

 

2023 年のブラジルの農畜産物輸出は1,665億5,000万ドルで記録更新(2023年1月16日付けヴァロール紙)

今月16日のブラジル農務省の発表によると、2023 年のブラジルの農畜産物輸出は1,665億5,000万ドルで記録更新している。

記録更新要因として、昨年の多くの農畜産の国際コモディティ価格は減少した一方で、農畜産物の輸出量増加がカバーしている。

昨年のブラジルの農畜産物輸出は、輸出全体の49%と2022年の47,5%からのシェアを増加させている一方で、昨年のブラジルの農畜物輸入は166億1,000万ドルと農産物輸出金額の十分の一以下に留まっている。

昨年の農畜産物輸出では、特に穀物輸出量は前年比24,3%と二桁増加の1億9,302万トンを記録、昨年の穀物輸出量1億9,302万トンは、2022/23年度の穀物生産量3億1,986万トンのの60,3%に相当すると国家配給公社(Conab)では説明している。

昨年の穀物輸出では大豆輸出量は、前年比29,4%増加の1億186 万トンを記録している。昨年の穀物の平均国際コモディティ価格は、前年比マイナス11,6%を記録したが、ブラジルの穀物輸出額は14,4%増加の532億3,000万ドルを記録している。また昨年の食肉輸出量は5,4%増加した一方で輸出金額はマイナス8,4%を記録している。

 

2023 年12月のB3株式出来高はマイナス13,6%を記録(2024年1月16日付けヴァロール紙)

2023 年12月のサンパウロ証券取引所B3の1当たり平均株式出来高は、前年同月比マイナス13,6%に相当する252億9,000万レアルと二桁台の落込みを記録している。また前月比ではマイナス7,9%.を記録していた。

昨年12月のサンパウロ証券取引所B3の株取引口座数は、前年同月比マイナス2%まで減少、個人取引者登録数はマイナス1%に相当する49万人に減少している。

昨年12月末のサンパウロ証券取引所B3の上場企業数は、446社とと2022年12月末の448社よりも2社減少している。また平均時価総額は13%増加の4兆6,700億レアルを記録している。

店頭部門では、昨年12月の債券の新規発行額が1.6%増加の1兆7,000億レアルとなり、債券発行残高はほぼ12%増加の6兆6,000億レアルに達している。

 

 

最終フォーカスレポートは今年のインフレ指数を3,87% に下方修正(2024年1月15日付けヴァロール紙)

15日発表のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートは、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の3,90%から3,87%に下方修正している。

2025年の広範囲消費者物価指数(IPCA)も前回同様3,50%、2026年の広範囲消費者物価指数(IPCA)も前回同様3,50%にそれぞれ据え置かれている。

2024年末の政策誘導金利 Selicは、前回同様に9,00% に据置。2025年末のSelic金利も8,50%、2026年末のSelic金利も8,50%に据え置いている。

2023年のIPCA指数は4,62%と許容上限値の4,75%を僅かながら下回ったが、2024年, 2025年並びに2026年のIPCA指数の中央目標値は3,00%、許容範囲は±1,50%に設定されている。2024年伸び率は前回予想の1,59%に据置、2025年及び2026年のGDP伸び率は2,00%.に据置いている。

2023年第3四半期のGDP伸び率は0,1%増加したが、バロール紙が71社の金融機関とコンサルティング会社から集めた事前の平均予想のマイナス0. 2%を大幅に上回る伸び率を記録。最低予想はマイナス0. 6%、最高予想は0,5%増加であった。2023年のGDP伸び率は3月1日に発表される。

2024年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$ 5,00からR$ 4,95に上方修正、2025年はR$ 5,00に据置。2026年末のドルの為替はR$ 5,10からR$ 5,06に上方修正されている。

2023年、2024年、2025年のIPCA指数の推移予想

 

2024年、2025年、2026年のSelic金利の推移予想

2023年、2024年、2025年及び2026年のGDP伸び率の推移予想

 

2024年、2025年、2026年のレアル通貨に対するドルの為替の推移予想

プレソルト原油による収益は記録更新 (2024年1月15日付けヴァロール紙)

2023年の国庫庁のブラジル国内の岩塩層下プレソルト原油による収益は、プレソルト原油の生産拡大及び石油の国際コモディティ価格の上昇に伴って前年比28%増加の60億2,000万レアルを記録している。

2023年のプレソルト原油生産量33カーゴは前年比11カーゴ増加、総原油量は1632万バレル、その内訳は22 カーゴがカンポ・デ・メロ油田から、2 カーゴがトゥピ油田、4 カーゴがブジオス油田から、2 カーゴ油がエントルノ・デ・サピンホア油田から、2 カーゴがアタプ油田から、そして 1 カーゴがセピア油田となっている。

今後10年間の国庫庁のブラジル国内の岩塩層下プレソルト原油による収益は4,660億レアルに達するとプレソルト石油(PPSA)組合のTabita Loureiro社長代理が説明している。

PPSA組合の生産量の97.5%は、商業性プロジェクトの生産であり、この期間中、この契約は、商業化、ロイヤルティ、生産企業が徴収する税金の支払いを考慮すると、総額1兆1,500億レアルの財源を生み出すだろう」とLoureiro組合長代理は説明している。

2013年の設立以来、PPSAは国庫庁のために146億5,000万レアルを調達しており、そのうち133億5000万レアルは石油・ガス取引から、13億レアルは生産個別化協定(AIP)に参加している地域の経費と生産量の均等化から13億レアルとなっている。