今年の個人向け健保保険プランは値上げ(2022年5月27日付けヴァロール紙)

20201年の健康保険プランの料金改正は8.19% の値下げが実施されたが、今年は個人向け健康保険プランが15.5%の二桁台の値上げが発表されており、国家保健補助庁(ANS)の統計調査開始の2000年以降では、2016年の13.5%の値上げを上回る過去最高の値上げ幅で記録更新となる。

個人向け健康保険プランの加入総数は800万人と健康保険加入者全体の16.0%に相当するが、高止まりするインフレや今年10月の大統領選挙を控えて、与党からの圧力が予想されており、国家保健補助庁(ANS)が一挙に15.5%の値上げ若しくは徐々の値上げ承認するのか注目されている。

健康保健プラン業界にとって、今年の15.5%の料金改正は企業収益改善に繋がるために諸手を挙げて歓迎されている。特に個人向け健康保険プランが30%に達するHapvida社にとっては、利益回復につながる一方で、個人向け健康保険プランの解約増加、料金滞納や不渡りの増加が憂慮されている。

健康保険プラン協会(Abramge)は、2020年の健康保険プランの値上げは8.18%に留まった一方で、2021年のの健康保険プランは8.19%値下げされていたために、過去2年間はインフレ分の補てん出来ていない料金改正に留まっていた説明している。

今年の個人向け健康保険プランの15.5%の値上げは、顧客にとって大きな支出増加につながるが、Covid‐19パンデミック対応の8.00%を上回る値上げを補填する意味では何ら不可解な値上げには相当しないとLCA Consultores社エコノミストのBruno Imaizumi氏は説明している。

今年のコンピュータ販売は前年比10%増加予想(2022年5月26日付けヴァロール紙)

2021年のブラジル国内のコンピューター販売は前年比27.0%増加の1,400万台を記録、コンピューターメーカーでは今年の販売は昨年を下回ると予想しているが、ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)では前年に10%増加を予想している。

ジェツリオ・ヴァルガス大学のFernando S. Meirelles教授は、Covid‐19パンデミック当初からコンピューター向け半導体などの部品供給不足に陥っていたが、部品供給が充分であれば昨年のコンピューター販売は1,450万台に達していた可能性はあるが、1,600万台には届かなかったと予想している。

ブラジル国内では2億1,600万台のコンピューターが使用されており、今年はブラジル国民全てにいきわたると予想されている。

ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の情報センターによる第33回情報テクノロジー使用状況調査によると、国内のスマートフォン市場は2億4,200万台、総人口の113%に達して、一人当たり1.1台のスマートフォン所有に相当、ブラジルは世界平均の人口の91%を上回っているが、米国の136%を下回っている。

今年4月の国庫庁の歳入総額は、10.94%増加の1,950億8,500万レアル(2022年5月26日付けヴァロール紙)

26日の国庫庁の発表によると、2022年4月のブラジルのインフレ指数を考慮した実質歳入総額は、前年同月比10.94%の二桁増加の1,950億8,500万レアルを記録、今年初め4か月間の累計歳入総額は、前年同期比11.05%増加の7,432億1,700万レアルに達している。

また今年4月のインフレ指数を考慮しない名目歳入総額は、前年同月比24.40%の大幅な増加の2,421億8,000万レアルを記録、昨年4月の名目歳入総額は1,568億2,200万レアルであった。

今年4月の実質一般歳入総額は、7.36%増加の1,720億2,600万レアル、また名目一般歳入総額は20.39%増加、今年初め4か月間の累計実質一般歳入総額は、8.48%増加の6,913億7,800万レアル、名目歳入総額は20.45%増加を記録している。

今年4月のロイヤリティなどの実質臨時歳入総額は、前年同月比47.63%増加の230億5,900万レアル、また名目臨時歳入総額は65.54%を大幅な増加を記録している。今年初め4か月間の臨時歳入総額は62.39%増加の518億3,900万レアルに達している。

今年初め4か月間の連邦政府による税免除総額は、294億9,200万レアルと昨年4月の244億8,200万レアルを50億レアル以上上回る免除を許可している。今年4月だけの税免除総額は101億6,000万レアルを記録している。

今年初め4か月間の連邦政府による人件費の製造コストの割合が非常に大きな労働集約型産業界の特定セクターに対する社会保障院(INSS)への従業員給与額の納付率20%の免税措置による税免除総額は27億700万レアル、健康保険関連の税免除総額は10億1,700万レアル、従業員利益分配金(PLR)関連は10億400万レアルを記録している。

前記同様に資本財加速減却関連の税免除総額は7億2000万レアル、自動車業界向けRota2030プログラム7億500万レアル、運送業者向けの個人所得税(IRPF)関連6億5,300万レアル、零細・小企業向け簡易税務申告(Simples Nacional)向け税免除総額は、226億8,600万レアルを記録している。

今年第1半期のM&Aは47.4%増加(2022年5月26日付けヴァロール紙)

コンサルタント社KPMG社の調査によると、2022年第1四半期のブラジル国内の企業の買収・吸収案件は、国内外の政治・経済情勢の不透明な見通しにも関わらず、前年同期比47.4%増加の553件に達している。

今年第1四半期のM&A案件553件の内訳では、ブラジル企業のM&A案件は全体の69%に相当する384件に達し、前年同期比では57.0%増加を記録している。

今年1四半期のブラジル国内の企業の買収・吸収案件553件は43セクターに及んでいる。昨年第1四半期のM&A案件は375件、昨年1年間では1,963件を記録している。

また今年第1四半期のM&A案件のうち、外資系企業によるブラジル企業のM&A案件は前年同期比27.0%増加の147件、外資系企業による開始系企業のは15件、ブラジル企業による外資系企業のは7件となっている。

今年第1四半期のM&A案件553件のうち最も多いセクターは、インターネット企業の買収・吸収案件で242件、次いで情報テクノロジー企業は83件、サービス提供企業は35件、金融関連企業は26件、テレコン・メディア20件、教育19件、病院・クリニック16件、保険13件、輸送関連企業のM&A案件は12件であった。

デジタルトランスフォーメーション関連のIT企業及び情報テクノロジー企業のM&A案件は全体の60%を占めており、テクノロジーやイノベーション関連企業のM&A案件が牽引しているとKPMG社のLuis Mottaパートナーは説明している。

5月の一般消費者の景況感はインフレ及び雇用困難で減少(2022年5月25日付ヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、20225月の一般消費者の景況感指数(ICC)は、高止まりするインフレ指数及び雇用改善の見込み不透明で前月比マイナス3.1ポイントの75.5ポイントに留まり、今年3月~5月の月間平均一般消費者の景況感指数(ICC)はマイナス0.8ポイントの76.3ポイントを記録している。

最後の一般消費者の景況感指数(ICC)調査では、COVID-19パンデミックの終焉傾向や貧困家庭向け補助金パッケージなどの要因で改善していたにも拘らず、高止まりするインフレや難しい雇用確保などネガティブな要因で、特に貧困層の景況感改善を阻害している。更に10月の大統領選挙の不透明感に対する憂慮などで今後数か月間は回復傾向が不明瞭となっていると Ibre/FGV研究所コーディネーターの Viviane Seda Bittencourt氏は指摘している。

今年5月の一般消費者の現状景況感指数(ISA) は、前月比波の69.1ポイント、一般消費者の今後数か月間の景況感見通し指数(IE)はマイナス5.1ポイントの81.0ポイントと今年1月の80.7ポイント以降では最低の景況感見通し指数(IE)を記録している。

また5月の一般消費者の家庭の現状財政状況指数はマイナス0.2ポイントの62.6ポイント、、現状の経済状況指数はマイナス0.2ポイントの76.2ポイントとそれぞれ過去最低レベルまで低下している。

一般消費者の景況感指数(ICC)は、一般消費者の数か月後の家庭の経済見通し指数に大きな影響を与えており、マイナス9.6ポイントの81.3ポイントと202111月に記録した80.0ポイント以降では最低記録となっている。また今後数か月間の経済見通し指数はマイナス4.9ポイントの96.7ポイントと20213月に記録した92.1ポイント以降では最低を記録している。

今年4月の電力エネルギー消費量は1.2%増加(2022年5月25日付ヴァロール紙)

20224月の電力エネルギーの消費量は、小売部門及び公共部門が牽引、また国内経済の回復傾向に従って前年同月比1.2%増加の3132ギガワット (GWh)を記録している。

ブラジル国内の11社の電力配電業者のうち5業者の地域での電力エネルギー消費が増加を記録、特にマット・グロッソ州内に電力エネルギーを供給する Energisa Mato Grosso社は8.6%増加を記録している。

今年4月の一般家庭部門並びに農村部門の電力エネルギー消費は減少傾向を示しており、南マット・グロッソ州の電力コンソーシアムが供給する電力消費は4.9%減少、 Energisa Nova Friburgo社が供給する電力エネルギー消費は5.6%と大幅に減少を記録している。

今年初め4か月間の Energisa社の電力消費は前年同期比2.0%減少の12521.4ギガワットを記録、ブラジル国内の11社の電力配電業者のうち9事業者は前年同期比増加を記録している。

過去9ヶ月間で基本生活用品で60%の価格差が拡大(2022年5月25日付エスタード紙)

全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)の小売価格追跡調査によると、 20219月及び今年5月の15項目の基本生活用品の最高価格及び最低価格の価格差調査では、60%に相当する9品目で価格差が拡大している。

昨年9月及び今年5月の15項目の基本生活用品の最高価格及び最低価格の価格差調査では、特にマカロニ類の価格差は276.3%と非常に大きな価格差が発生しており、購入時に細心の注意を払う必要がある。

マカロニ類に次いでコーヒーの価格差は164.5%、砂糖164.5%、大豆油122.4%、食器用洗剤111.7%とそれぞレ2倍以上の価格差が発生している。また精米価格差は99.8%、小麦粉98.5%、マーガリン71.8%、パンの価格差は53.3%生じている。

5月の過去12か月間のインフレ指数は、昨年9月から連続で二桁台のインフレ指数を記録しており、インフレによる実質賃金の目減りに加えて、食料品、衛生用品や清掃用品などの購入時には、小売販売の便乗値上げに注意を払う必要があると指摘している。

マカロニ類の価格差は276.3%と非常に大きな価格差が発生していたが、現在の最高の価格差は、歯磨き用クリームの578% と想像できない価格差が生じている製品も販売されている。

5月のインフレ指数のIPCA-15は前月比0.59%上昇(2022年5月24日付エスタード紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、 20225月の416 日~515 日までの30 日間に計測されたインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA-15)は0.59%を記録、5月としては20165月に記録した0.86%以降では最高のインフレ指数を記録している。

今年5月のインフレ指数は、順調な降雨で電力料金が緊急対応料金から正常な料金に戻されたにもかかわらず、一般家庭は薬価格の改正、公共交通料金や燃料価格の値上げや食品価格などの上昇で支出を余儀なくされている。

ブロードキャストプロジェクションの調査では、今年5月の広範囲消費者物価指数(IPCA-15)の最低予想は0.28%、最高予想は0.70%、平均予想は0.45%を0.14%上回っている。5月の過去12か月間の累計 IPCA-1512.20%に達し、200311月以降では最高の IPCA-15指数を記録している。

中央銀行の今年のインフレ指数の中央目標値は3.50%、許容下限値2.00%、許容上限値は5.00%に設定されている。2021年の公式インフレ指数は10.06%と中央目標値の3.75%を大幅に突破、許容上限値5.25%の約2倍に達していた。

IPCA-15調査対象の9グループのうち8グループの製品やサービス料金の上昇を記録、特に輸送関連のIPCA-15 1.80%上昇、通信0.50%、食品・飲料1.52%、衣類1.86%、教育0.06%、住居関連0.98%、個人消費0.74%、保健・衛生グループは2.19%それぞれ増加を記録している。

今年5月の IPCA-15 を押上げたインパクトとして、連邦政府が許可した10.89%の薬価価格の改正による医薬品のインパクト指数は0.17%、個人衛生用品0.11%、エアーチケット0.09%、1.24%値上げのガソリン0.08%、7.79%値上げのエタノールは0.07%のインパクト指数に繋がっている。

食品グループでは、長期保存ミルクは7.99%、ジャガイモ16.78%、玉ねぎ14.87%、フランスパン3.84%それぞれ値上げを記録した一方で、果物はマイナス2.47%、トマトマイナス11.0%、人参はマイナス16.19%それぞれ大幅な値下がりを記録していた。

一般消費者の消費意図指数は5ヶ月連続で上昇(2022年5月24日付エスタード紙)

全国商業財・サービス・観光・商業連合(CNC)の一般消費者の景気動向調査によると、20225月の一般消費者の消費意図指数(ICF)は、5ヶ月連続となる前月比4.4%上昇の79.5ポイントを記録、20205月以降では最高の消費意図指数(ICF)を記録、昨年5月比では17.7%の大幅増加を記録している。

インフレの高止まりにも拘らず、失業率の改善は一般家庭の実質収入の改善に繋がっており、調査対象の24.5%は5月の実質収入は前年同月比を上回っていると回答、また今年5月の消費意図指数(ICF)は前年同月比を28.6%上回っている。

今年5月の一般消費者意図指数(ICF)のうち現在の雇用信頼指数は、前月比4.1%増加の105.8ポイントと大幅に改善している。また今後の短期の消費見通し指数は47.8%から48.0%と若干改善したにもかかわらず、今後3か月間の消費を見合わせると回答している。

10最低サラリー以内の一般家庭の消費意図指数は前月比4.8%増加の76.3ポイントに留まった一方で、10最低サラリー以上の一般家庭は2.8%増加の94.8ポイントまで上昇している。

10最低サラリー以内の一般家庭の消費意図指数は前年同月比18.5%増加、10最低サラリー以上の一般家庭は15.3%とそれぞれ二桁台の伸び率を記録している。

ブラジルの自転車シャエリングサービスは、過去10年間で4倍増加(2022年5月24日付エスタード紙)

ブラジルは、ラテンアメリカ地域で最大の自転車シャエリングサービスを提供している国であり、現状ではブラジル国内で25システムに及ぶ自転車シェアリングサービス企業が熾烈な競争を展開している。

イタウー・ブラデスコ銀行並びにiFoodが資本参加している自転車シェアリングプラットフォームのスタートアップ企業 Tembici社の調査では、ブラジルは南半球のグローバルマイクロモビリティ国であり、自転車シャエリングサービスでは、ラテンアメリカ地域の33%のシェアを占めている。

過去10年間のブラジル国内の自転車シャエリングサービスシステムは、7システムから35システムと400%の増加を記録して急成長している。

また13か国で構成されるラテンアメリカ地域全体の自転車シャエリングサービスシステムは、ブラジル国内の25システムを含む75システムに達し、45,000台の自転車が稼働している。

ブラジル国内の自転車シャエリングサービスシステムのユーザー対象の調査によると、自転車シャエリングサービスシステムを利用するモチベーションとして、混雑な公共交通の逃避及び不必要な自転車購入などの快適さは39%でトップ、健康維持23%、時間の節約13%、持続可能な輸送手段は10%と主なベネフィットを指摘している。