2月の経常収支は24億1,400万ドルの赤字計上(2022年4月29日付けヴァロール紙)

ブラジルの2022年2月の経常収支は、中央銀行の予想26億ドルの赤字を下回る24億1,400万ドルの赤字に留まった。また昨年2月の39億7,000万ドルの赤字よりも約40%減少している。

今年2月の過去12カ月間の累積経常収支は、GDP比1.59%に相当する260億9,600万ドルの赤字計上、中銀ではGDP比1.71%の赤字幅を見込んでいた。

今年2月の対内直接投資総額は、中銀の予想の100億ドルを上回る118億4,300万ドルを記録、また昨年2月の対内直接投資総額88億3,700万ドルを30億ドル上回っている。

今年2月の過去12カ月間の累積対内直接投資は、GDP比3.09%に相当する506億7,800万ドルに達し、1月のGDP比2.94%を上回り、経常収支の赤字を充分カバーできる累積対内直接投資残高を記録している。

中銀の最終四半期インフレレポート(RTI)によると、今年のブラジルの経常収支は50億ドルの黒字を予想、対内直接投資は550億ドルを見込んでいる。今年2月の海外投資家によるブラジル国内の金融投資残高は、21億6,400万ドルと1月の38億2,500万ドルの約半分近くまで落ち込んでいる。

今年2月のブラジル債券市場からの資金逃避は、26億8,500万ドルを記録した一方で、海外投資家による株取引市場への投資は50億3,400万ドル流入、2月の本国への利益・配当金送金は29億3,300万ドル、1月は24億7,400万ドルであった。

中銀の最終四半期インフレレポート(RTI)によると、今年1年間の海外投資家によるブラジル国内の株式市場への投資は110億ドル、利益・配当金送金は300億ドルが見込まれている。

今年第1四半期の平均失業率は11.1%(2022年4月29日付IBGEサイトより抜粋)

2022年第1四半期の平均失業率は11.1%と前四半期と同率で推移したが、Covid‐19パンデミックの影響を受けていた前年同期の14.9%よりも3.8%と大幅な失業率の減少を記録している。

今年第1四半期の失業者総数は、前四半期の1,200万人から1,190万人と10万人減少、また前年同期の失業者総数1,530万人から21.7%減少に相当する330万人の失業者の減少を記録している。

一方今年第1四半期の雇用者総数は、前四半期比マイナス0.5%に相当する47万2,000人減少の9,530万人を記録した一方で、前年同期比では9.4%に相当する820万人の増加を記録している。労働人口に対する雇用比率は、前四半期比マイナス0.4%に相当する55.2%と若干減少した一方で、前年同期の50.9%から4.3%と大幅増加を記録している。

今年第1四半期の家政婦部門を除いた民間部門の労働手帳に記載される正規雇用総数は、前四半期比1.1%増加の3,490万人、前年同期比では、10.7%に相当する340万人増加を記録している。

一方第1四半期の非正規雇用総数は前四半期比同じの1,220万人、前年同期比では19.3%に相当する200万人増加を記録、前記同様に自営業者総数は、前四半期比マイナス2.5%の2,530万人、前年同期比では7.3%に相当する170万人増加を記録している。家政婦は560万人、前年同期比では19.0%に相当する89万5,000人増加している。

第1四半期の労働者総数に占める非正規雇用比率は40.1%に相当する3,820万人、前年同期比は39.1%であった。また平均給与は、前四半期比1.5%増加の2,548レアルを記録した一方で、前年同期比ではマイナス8.7%を記録している。

3月のブラジルの公的債務残高は2.89%減少の5兆5,640億レアル(2022年4月28日付エスタード紙)

28日の国庫庁の発表によると、20223月のブラジルの公的債務残高は、前月比マイナス2.89%に相当する5兆5,640億レアルに減少、今年2月の公的債務残高5兆⒎300億レアルよりも1,660億レアル減少を記録している。

今年3月のブラジルの公的債務残高に対する利払いは、3928,000万レアルの一方で、償還総額は2,0466,000万レアルを記録している。

今年3月のブラジルの公的債務残高5兆5,640億レアルのうち対内債務残高は、マイナス2.69%に相当する53,420億レアル、一方対外債務残高は、マイナス7.3%に相当する2,225億レアルまで減少している。

今年3月のブラジル国債のうち政策誘導金利Selic連動国債の比率は、全体の36.22%と2月の39.11%から約3.00%減少した一方で、確定金利付き国債比率は、2月の26.89%から28.27%と約1.50%増加している。また3月のインフレ指数連動国債比率は、2月の29.56%から31.28%と約1.80%増加している。

3月の国債の償還期間が12ヶ月以内の国債の比率は、22.40%と2月の23.36%と同率で推移している。今年3月のブラジル国債の平均償還期間は、3.97年と2月の3.86年よりも償還期間が延びている。また公的負債の年利は、2月の8.68%から3月は8.59%と若干減少している。

3月の海外投資家の公的負債残高に占める割合は、2月の9.98%から9.40%に縮小、2020年末は9.24%、2021年末は10.56%を占めていた。3月の海外投資家によるブラジル国債残高は、2月の5477億レアルから5,020億レアルと大幅に減少している。

金融機関は対内債務残高(DPMFi) に占める割合が最も高く、3月は29.74%と2月の29.54%を若干下回った。また投資ファンドの比率は、2月の24.14%から3月は23.30%と減少している。

 年金ファンドの対内債務残高(DPMFi) に占める割合は、2月の21.95%から3月は22.89%と若干増加、保険関連ファンドは、3.87%から4.05%と若干増加を記録している。

今年3月の正規雇用は13万6,000人に留まる(2022年4月28日付エスタード紙)

就労・失業者管理センター(Caged)の統計を基にした経済省の発表によると、20223月の労働手帳に記載される正規雇用数は、136,189人と予想に沿った正規雇用を記録している。

今年3月の正規雇用数136,189人は、2月の329,404人の約40%に留まり、また新規正規雇用の平均サラリーも2月の1,910.79レアルから1,872.07レアルに減少している。

一方20213月の正規雇用総数は、153,431人と今年3月よりも2万人多かった。3月の正規雇用総数は1953,000人に対して、解雇総数は1817,000人であった。今年初め3か月間の累計正規雇用残数は615,173人を記録している。

ブロードキャストプロジェクションの調査によると、今年3月の正規雇用の最低予想は94,314人、最高予想は305,000人、平均予想は125,000人であった。

今年3月の正規雇用を牽引したのは、サービス業部門で111,513人、建設業部門は25,059人、鉱工業部門は15,260人、商業部門は僅か352人であったが、農畜産部門は、マイナス15,995人と解雇総数が雇用総数を大幅に上回った。

今年3月の27州対象の調査では、23州で正規雇用増加を記録、サンパウロ州は34,010人でトップ、一方アラゴアス州はマイナス129人を記録、ペルナンブーコ州マイナス6,091人、セルジッペ州マイナス2,502人、北大河州はマイナス1,069人と北東部地域での雇用減少が顕著となっている。

今年3月の国庫庁の歳入総額は1,641億レアルで記録更新(2022年4月28日付ヴァロール紙)

2022年3月の国庫庁のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を差引いた実質歳入総額は、前年同月比6.92%増加の1,641億4,700万レアルと1995年から統計を取り始めてから過去最高の歳入総額を記録している。

今年第1四半期の歳入総額は、前年同期比11.08%と二桁増加の5,481億3,200万レアルと過去最高記録を更新している。また今年3月のインフレ指数を考慮しない名目歳入総額は、19.01%増加の1379億3,200万レアルを記録。

2022年3月の国庫庁の歳入のうち実質一般歳入総額は、前年同月比5.89%増加の1,586億5,000万レアル、名目一般歳入総額は17.85%増加。今年第1四半期の実質一般歳入総額は、8.85%増加の5,193億5,200万レアル、名目一般歳入総額は20.47%と大幅な増加を記録している。

また今年3月の国庫庁のロイヤリティなどを含む実質臨時歳入総額は、49.02%増加の54億9,700万レアル、第1四半期は76.08%増加の287億8,000万レアル、前記同様に名目臨時歳入総額は65.86%増加、第1四半期は94.56%増加を記録している。

今年3月の国庫庁の免税総額は2月の122億8,600万レアルから129億8700万レアルとほぼ同額で推移したが、今年1月の253億5,500万レアルと比較すると半減している。昨年3月の免税総額は、117億1,200万レアルであった。

今年第1四半期のペトロブラスの石油派生品生産は1.4%増加(2022年4月28日付ヴァロール紙)

ペトロブラス石油公社の2022年第1四半期の石油・天然ガス・LPGなどの1日当りの石油派生品生産は、前年同期比1.4%増加の275万バレル、石油派生品輸出は6.3%増加を記録している。
今年第1四半期の1日当りの石油および液化天然ガス(LPG)の平均生産は前年同期比1.6%増加の220万バレル、前四半期比では3.7%増加を記録している。
また同期の天然ガスの生産は0.6%増加の526,000バレル、前四半期比では2.5%増加を記録している。同期の岩塩層下のプレソルト油田による石油生産は、ペトロブラスの石油生産の72%に相当する203万バレルを記録している。 
Sépia 海盆に設置されている岩塩層下(プレソルト)油田の石油・天然ガス開発用の浮体式海洋石油生産・貯蔵・積出設備プラットフォーム(FPSO)カリオカ及びサントス海盆の Berbigão油田及Sururu油田のプラットフォームP-68 の増産が大きく寄与している。
一方今年第1四半期のブラジル国外のペトロブラスの石油生産は13.3%減少の39,000バレルに留まっている。
今年第1四半期のペトロブラスの石油派生品販売は、バイア州のLandulpho Alves (Rlam)石油製油所の売却の影響で2.0%増加の170万バレルに留まっている。
今年第1四半期のペトロブラスのディーゼル燃料販売はマイナス2.1%の716,000バレル、前四半期比ではマイナス9.3%を記録している。
またガソリン販売は17.3%増加の402,000バレル、前四半期比ではマイナス13.3%、またプロパンガス販売はマイナス11.9%に相当する19,000バレルに留まっている。

今年のブラジルの粗鋼生産は増産予想を維持(2022年4月27日付ヴァロール紙)

2022年のブラジルの粗鋼生産は、しかし今年2月下旬のロシアによるウクライナ侵攻、高金利やインフレの高止まりなどの悪影響にも拘らず、国内の鉄鋼製品消費拡大で粗鋼生産の増産予想を維持するとブラジル鉄鋼協会(IABr)は発表している。

64カ国の約170鉄鋼メーカーが加盟している世界鉄鋼協会(Worldsteel)は、ウクライナ侵攻や中国のロックダウンなどの影響で世界的な需要減退を予想、今年のブラジルの粗鋼生産は、昨年の230%増加から一転してマイナス8.5%を予想している。

今年のブラジルの粗鋼生産は前年比2.2%増加の3,700万トン、粗鋼消費は1.5%増加の2,690万トン、国内販売は2.5%増加の2,300万トン、粗鋼製品輸出は1.5%増加の1,110万トン、粗鋼製品輸入はマイナス12.0%の430万トンをブラジル鉄鋼協会(IABr)経営審議会のMarcos Faraco会長は説明している。

持続可能な代替エネルギー部門の拡大、多くの新規インフラ整備プロジェクト、建設不動産業界の継続する活性化、堅調な農業部門、機械・装置部門の旺盛な需要、世界的なロディスティック問題発生による輸出拡大のチャンスなどの要因で、ブラジル国内の鉄鋼製品需要は、拡大するとMarcos Faraco会長は指摘している。

ブラジル鉄鋼業界では今年の産業界の投資拡大を予想、今年の投資総額は119億レアル、2026年迄の投資総額は525億レアルに達するとブラジル鉄鋼協会(IABr)のMarco Polo de Mello Lopes会長は予想している。

今年第1四半期のブラジルの粗鋼生産は、前年同期比マイナス2.4%に相当する8503,000トン、国内の粗鋼販売はマイナス19.7%の4766,000トンに留まった一方で、輸出は28.3%増加の3443,000トンを記録している。

今年第1四半期の圧延鋼輸入は、前年同期比マイナス3.4%の813,670トン、同期のブラジル国内の粗鋼製品消費は、17.7%減少の5594,000トンに留まっている。ブラジルの各鉄鋼メーカーは、相次いで鉄鋼製品の値上げをしている。

4月の予測インフレのIPCA-15指数は1.73%に達し、過去最高に次ぐ記録(2022年4月27日付エスタード紙)

20224月の316 日~415 日までの30 日間に計測されたインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA-15)は1.73%を記録、4月のIPCA-15 指数としては19954月に記録した1.95%に次ぐインフレ指数を記録している。4月のIPCA-15 指数は5月初めに発表される正式なIPCA指数の予備計測。
また今年4月のIPCA-15 指数1.73%は、1995統計を取り始めて以降では20032月に記録した2.19%に次ぐのインフレ指数を計測、4月の過去12か月間の 累計IPCA-15指数は、12.03%と依然として二桁台の高いインフレ指数を記録している。
今年4月のIPCA-15 指数1.73%を牽引しているのは、食料品価格の値上げは2.25%、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で石油の国際コモディティ価格上昇に伴って、石油派生品・燃料価格の値上げは7.54%を記録している。
315日及び16日に開催された最終の中銀の通貨政策委員会(Copom)は、インフレ圧力を軽減するために、政策導入金利(Selic) 1.00%引上げて11.75%に決定していたが、次回の53日及び4日に開催される通貨政策委員会(Copom)では、前回同様1.00%引上げが予想されている。
26日の中銀の最終フォーカスレポートによると、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、7.65%と中銀の目標中央予想値3.5%を大幅に上回っており、また許容上限値5.00%も大幅に上回っている。
2021年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、ブラジル中央銀行の中央目標値3.75%、許容上限値5.25%の約2倍に相当する二桁台の10.06%を記録していた。

大手産業工作機械メーカーROMI社の第1四半期の純益は47.0%増加(2022年4月27日付ヴァロール紙)

大手産業工作機械メーカーROMI社の2022年第1四半期の株主配当金支払いを考慮した純益は、前年同期比47.0%増加の3038,800レアルを記録、昨年第1四半期の純益は、2067,000レアルに留まっていた。
今年第1四半期のROMI社の純売上は、顧客への製造コスト上昇の価格転嫁の合意を受けて前年同期比28.2%増加の28,530万レアル、特に受注残高は14.1%増加の79,130万レアルと好調に推移している。
ROMI社の事業別の受注では、ブラジル国内市場を管轄するMáquinas Romi社及びブラジル国内の大手企業向け部品製造の鋳物関連会社、ヨーロッパやアジア市場を管轄するBurkhardt+Weber(BW)の業績は、昨年から堅調に回復してきている。
ROMI社の今年第1四半期のオペレーションコストは、前年同期比13.9%増加に相当する5,700万レアルを記録、税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、13.1%増加の4,000万レアルを記録している。

今年第1四半期のブラジル・サンタンデール銀行の純益は1.3%増加の40億レアル(2022年4月26日付エスタード紙)

スペイン資本参加のブラジル・サンタンデール銀行の2022年第1四半期の純益は、前年同四半期比1.3%増加の40億レアルを記録、前四半期比では3.2%増加を記録、世界各国の支店の中でもブラジル・サンタンデール銀行の収益率は最高を記録している。

ブラジル・サンタンデール銀行の今年第1四半期の純益は、ドル及びユーロに対するレアル通貨の上昇が牽引して62,700万ユーロを記録、米国サンタンデールの純益58,300万ユーロを上回っている。

一方ブラジル・サンタンデール銀行の第1四半期のクレジットコストは政策誘導金利が二桁台に達している影響で3.94%に達し、同行の世界支店の平均クレジットコストの0.77%の4倍以上に達している。

今年第1四半期の他の通貨に対するレアル通貨の上昇が牽引して、ブラジル・サンタンデール銀行の第1四半期の純益予想の301,800万ユーロを約10億ユーロ上回ったと昨年末に頭取に就任したMario Leão氏は説明している。

特定のクレジット部門の延滞率は、爆発的ではないものの増加傾向を示しているために、延滞率増加によるリスク軽減のために、延滞率増加傾向を示しているクレジット部門にブレーキを掛けはじめているとブラジル・サンタンデール銀行ファイナンス担当の Angel Santodomingo副社長は説明している。

ブラジル・サンタンデール銀行は、昨年PagoNxt社から買収したクレジットカードおよびデビットカード決済市場で約6.0%のシェアを擁する Getnet社は、同行の支払プロセスの40%をカバー、顧客数は123万人を数えている。