BNDES銀行はJBS社の持株放出で26億レアル調達(2021年12月16日のエスタード紙)

16日社会経済開発銀行(BNDES)は、長年所有している食品加工大手のJBS社の7000万株を売却したが、この700万株は、ラヴァ・ジャット汚職事件で取りざたされていたバティスタ一族の会社JBS社の株式の約12%、資本の2.95%に相当する。

社会経済開発銀行(BNDES)のJBS社の株式売却前の同銀行は、金融機関の最大の株式ポートフォリオエクスポージャーである同社の24.5%の株式を保有していた経緯があった。

BNDES銀行の今年第3四半期の純益は、ペトロブラス石油公社などの持株売却による資金調達が牽引して、前年同期比29%増加の113億レアルを記録している。

BNDES銀行のGustavo Montezano総裁は、同行が所有するペトロブラス石油公社や資源大手ヴァーレ社の株式など持ち株売却で、同銀行のブラジル大手企業の持株総額を極力減らす方針であるが、持株放出は株価との兼ね合いで予定通りには中々進まない。

9月30日のBNDES銀行の持株比率が大きいPetrobras社, JBS社やCopel社などの持株総額は807億レアルに達していた。

ペトロブラスの今年の自社資産売却は48億ドルに達した(2021年12月15日のエスタード紙)

ペトロブラス石油公社がコア事業の石油・天然ガス開発に資金を集中するために、過去数年間にわたって自社資産の売却を進めているが、今年計画されている17件のうち14件の売却プロセスが完結している。

15日のペトロブラス社の発表によると、今月7日までの自社資産売却による資金調達額は48億ドルに達している一方で、今年初め9か月間の投資総額は61億ドルを記録している。

今年の同社の資産売却では、バイア州のLandulpho Alves石油製油所 (RLAM)のアラブ首長国連邦のMubadala Investment Company PJSC社への売却による18億ドルが牽引している。

11月30日のRLAM製油所の50%の売却は、日本の公正取引委員会に相当する経済防衛行政審議会(Cade)の承認を得なければならない。

またアマゾナス州のIsaac Sabbá 石油製油所(REMAN)、パラナ州のUnidade de Industrialização do Xisto (SIX),ミナス州Gabriel Passos 石油製油所(REGAP)、セアラー州のLubrificantes e Derivados do Nordeste (LUBNOR)の売買契約が成立している。

今年の石油・天然ガス生産部門では、バイア州のMiranga油田及びRio Ventura油田、セルジッペ州のRabo Branco油田及びDo-Re-Mi油田の売却が成立している。

またリオ州のAlbacora油田及びAlbacora Leste油田は売却プロセス中であるが、Papa-Terra油田は既に売買契約にサインされている。BR Distribuidora社売却による22億ドルの調達、Gaspetro社の売買契約、天然ガス輸送NTS社の10%の株式売買などが挙げられる。

10月の実質経済活動指数(IBC-Br)は、マイナス0.4%(2021年12月15日のエスタード紙)

2021年10月のGDP伸び率の先行指標となる中銀発表のインフレ指数を差引いた実質経済活動指数(IBC-Br)は、前月比マイナス0.4%を記録、7月~10月の実質経済活動指数(IBC-Br)は4カ月連続でもマイナスを記録している。

今年10月の実質経済活動指数(IBC-Br)は、前月比マイナス0.4%を記録した要因として、10月の鉱工業部門生産は前月比マイナス0.6%、広範囲小売販売はマイナス0.90%、サービス部門生産量もマイナス1.20%とそれぞれ大幅な減少を記録している。

中銀による今年10月の経済活動指数は、9月の137.42ポイントから136.87ポイントに減少、10月の経済活動指数136.87ポイントは昨年9月に記録した135.95ポイント以降では最低の経済活動指数に落込んでいる。

今年10月の実質経済活動指数(IBC-Br)は前年同月比マイナス1.48%、10月の実質経済活動指数(IBC-Br)としては、2017年10月の135.99ポイント以降では最低の数字を記録している。

中銀の9月のインフレレポート(RTI)によると、今年のGDP伸び率は4.7%増加を予想した一方で、最終フォーカスレポートでは今年のGDP伸び率を4.65%増加と予想している。

今年初め10か月間のGDP伸び率は4.99%、10月の過去12か月間の累計IBC-Br指数は4.19%増加に留まっている。今年8月から10月の四半期のIBC-Br指数は前年同期比1.06%増加しているが、前四半期比ではマイナス0.94%となっている。

中国はブラジルからの牛肉輸入を再開(2021年12月15日のエスタード紙)

15日中華人民共和国海関総署(GACC)は、中国の牛肉輸入に占めるブラジルのシェアは、40%を占めているにも関わらず、ブラジルはBSE(牛海綿状脳症)を受けて停止を余儀なくされていた牛肉輸出再開を許可した。

今年9月初めにマット・グロッソ州Nova Canaã do Norte市の食肉加工工場でのBSE(牛海綿状脳症)の確認で、中国向け牛肉輸出の停止を余儀なくされていた経緯があった。

非定型BSEは定型よりもリスクが低いとみられており、高齢牛に孤発的(自然発生的)に発生する。2019年に非定型が報告された際、ブラジルは輸出を10日間停止した経緯があった。

両国はブラジルの牛肉輸出の50%減少で交渉していたが、中国の強い経済成長に従って、牛肉消費の急拡大を補くために、ブラジルからの食肉供給も急拡大している。

南米の牛肉輸出を牽引するMinerva社は、中国向け牛肉輸出では7食肉加工工場で1日当たり1万頭の加工処理が可能であり、3工場はブラジル、3工場はウルグアイ、1工場はアルゼンチンに擁している。

今年10月のサービス部門生産量は前月比マイナス1.2%(2021年12月14日付けIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、2021年10月のサービス部門生産量(生産性指標)は、前月比マイナス1.2%を記録している。

10月の1.2%の落込み幅は、10月としては2016年に記録したマイナス1.5%以降では最高の落込み幅を記録、また月間の落込み幅の比較では、Covid-19パンデミックの第2波開始の今年3月のマイナス3.2%に次ぐ落ち込み幅を記録している。

また今年9月のサービス部門生産量はマイナス0.7%を記録したが、今年4月~8月の5ヶ月間の累計サービス部門生産量は6.2%増加していた。また今年9月並びに10月の累計サービス部門生産量は、マイナス1.9%を記録している。

今年10月のサービス部門生産量はCovid-19パンデミック開始直前の昨年2月の水準を2.1%上回っている。

今年10月のサービス部門生産量は前月比マイナス1.2%、前年同月比7.5%増加、今年初め10か月間の累計サービス部門生産量は11.0%増加、10月の過去12か月間では8.2%増加を記録している。

今年10月のセクター別サービス部門生産量比較では、一般家庭向けサービスセクターは前月比2.7%増加、今年初め10か月間の累計生産量は17.6%増加、10月の過去12か月間の累計生産量は、6.5%増加を記録している。

前期同様、情報・通信サービスセクターは1.6%増加、9.2%増加、7.8%増加、教育・研究機関などの公共サービスセクターはマイナス1.8%、7.5%増加、4.1%増加を記録している。

また輸送・輸送補助サービス・郵便サービスセクターはマイナス0.3%、15.2%増加、11.8%増加、その他のサービスセクターはマイナス6.7%、7.0%増加、7.3%増加を記録している。

来年の農業生産総額は約1兆2000億レアル(2021年12月14日付けヴァロール紙)

農務省の試算によると、2022年度のブラジル国内の農畜産物の総生産価格(VBP) は、今年の予想を4.5%上回る1兆1,600億レアルに達すると見込んでおり、2020年度の総生産価格(VBP) を10%上回ると予想している。

先週の国家配給公社(Conab)による2021/22年度の穀物生産の12月の最終予想によると、来年度の穀物生産量は、今年を15.0%上回る2億9,110万トンに達すると予想している。

来年の21品目で構成される農産物の総生産価格(VBP) は、今年の予想を7.3%上回る8,112億レアル、特に大豆生産額は最高記録を更新すると予想されている今年を1.4%下回る3,566億レアルに留まると予想されている。

2020/21度のトウモロコシ生産は天候異変の影響を受けたが、来年のトウモロコシ生産も今年の予想を19.0%下回る1,485億レアルに留まると予想されている。

また来年度の棉、コーヒー、サトウキビ、トマト、キャサバ芋並びにココア生産は今年の予想を上回ると見込まれている一方で、米、バナナ、フェジョン豆、オレンジ並びに小麦生産は、今年の生産予想を下回ると予想されている。

5品目で構成される畜産関連の来年の総生産額は、今年の生産予想を1.3%下回る3,532億レアルが予想されているが、前回の11月の予想は今年の生産予想を0.8%上回る予想であった。

また来年の牛肉の総生産額は、今年の予想を7.0%下回る1,389億レアル、鶏肉は2.8%増加の1,117億レアル、豚肉は4.7%減少の298億レアル、牛乳生産は増加の一方で、鶏卵生産は今年の予想を下回ると見込まれている。

2022年のGDP伸び率が0.5%~1.0%増加すれば建設業界のGDP伸び率は2.0%予想(2021年12月13日付けヴァロール紙)

ブラジル建設工業会議所(Cbic)の発表によると、2021年の建設業部門の伸び率は、過去10年間で最高となる7.6%と大幅増加を予想している

2022年のGDP伸び率が0.5%~1.0%増加すれば建設業界のGDP伸び率は2.0%予想、建設業界の売上は4.0%増加をブラジル建設工業会議所(Cbic)は見込んでいる。

過去2年間のブラジル建設業界は上昇サイクルに突入しており、新規プロジェクトや建設業界の雇用に繋がっているが、インフレ圧力軽減するための政策誘導金利(Selic)の上昇に伴って、住宅購入向けクレジット金利の上昇が憂慮されている。

高止まりしている失業率、非正規雇用の増加、実質賃金の目減りなどの要因で、今後の大衆住宅セグメントは、ダメージを受ける可能性を指摘、特に来年の建設業従事者の給与調整がコスト上昇に繋がるとをブラジル建設工業会議所(Cbic)は見込んでいる。

2009年のルーラ政権の経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設”私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida”に替わる“ブラジルシンボルカラー大衆住宅 緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラムは、低金利の住宅ローン、建設規則化の柔軟化並びに住宅リフォームの3本柱で構成されている。

今年の緑と黄色の家向けクレジットは、3億レアル~5億レアルが余ると予想、今年の新規住宅リリース軒数は、前年比10%増加が見込まれている。

今年初め9か月間の新規住宅リリース軒数は、前年同期比37.6%増加の17万1,013軒、住宅販売軒数は、22.5%増加の18万7,952軒を記録している。

ブラジル貯蓄・不動産信用機関協会(Abecip)の発表によると、今年初め10か月間の住宅購買向けクレジット総額は、前年同期比38.6%増加の1,718億4,700万レアルを記録した一方で、FGTS(勤続年数保証基金)の関連クレジットは、14.0%減少の440億レアルに留まっている。

今年初め11か月間の累積ブラジル建設コスト指数(INCC)は、棒鋼、鋼材、PVCなどの値上がりが牽引して、13.46%上昇、特に建材並びに装置のコストは23.26%上昇をジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)は指摘している。

2022年末のSelic金利はインフレ圧力軽減のため11.25%予想(2021年12月13日付けエスタード紙)

13日中銀の最終フォーカスレポートによると、2022年末の政策誘導金利Selicは、前回予想の11.25%から11.50%に上方修正されたが、1か月前の予想は11.0%であった。

8日の中銀の通貨政策委員会(Copom) は、インフレ圧力の上昇を軽減するために、政策誘導金利(Selic)を1.50%引上げ9.25%に決定、7回連続でのSelic金利引上げを記録。中銀の通貨政策委員会(Copom) は、次回の来年2月のCopom委員会でもSelic金利を今回同様の1.50%の引上げで、10.75%になると示唆している。

10日のブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2021年11月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、10月の1.25%から0.95%に減少したにも拘らず、11月としては2015年以降では最高のIPCA指数を記録している。

また今年初め11か月間の累計IPCA指数は9.26%、11月の過去12か月間の累計IPCA指数は10.74%と二桁台を記録している。

しかし最終フォーカスレポートでは、今年のIPCA指数を前回予想の10.18%から10.05%と先週まで35週連続での上方修正更一転して下方修正したが、IPCAの中央上限値5.25%を約5.00%上回っている。1か月前の予想は9.77%であった。

今年のインフレ指数が二桁台を記録すれば、ジウマ・ロウセフ政権時の2015年に記録した10.67%以来6年ぶりの二桁台のインフレ指数となる。

今月開催された中銀の通貨政策委員会(Copom) では、今年のインフレ指数であるIPCA指数を10.2%、2022年は4.7%、2023年は3.2%と予想している。

また今年のGDP伸び率を前回予想の4.71%から4.65%に下方修正、1か月前の予想は4.88%であった。2022年のGP伸び率は前回予想の0.51%から0.50%に下方修正したが、1か月前の予想は0.93%であった。

また2023年のGDP伸び率は前回予想の1.95%から1.90%に下方修正したが、1か月前の予想は2.00%であった。2024年のGDP伸び率は前回予想の2.10%から2.00%に下方修正している。

アラゴアス州上下水道入札では、アラゴアスコンソーシアム及びムンダウコンソーシアムが落札(2021年12月13日付けヴァロール紙)

13日のアラゴアス州政府による同州の上下水道入札では、Allonda Ambientalグループのアラゴアスコンソーシアムは、最低入札価格の330万レアルの約37倍に相当する12億1,500万レアルで落札した。

今回のアラゴアス州の上下水道プロジェクトの民営化の契約期間は35年間、投資総額は29億レアル、初めの5年間の投資は16億レアルが見込まれている。

Cymi社が主導したMundauコンソーシアムは、10億レアルを提示して次点となって決戦投票の権利を得たにも拘らず、入札を取りやめている。

またアラゴアス州の上下水道入札に参加したAegeaコンソーシアムは、最低入札価格を僅かに上回る336万3,100レアルで提示したが、落札したアラゴアスコンソーシアムの提示価格12億1,500万レアルには足元にも及ばない入札価格であった。

アラゴアスコンソーシアムは、アラゴアス州内のAgreste地域並びSertão地域の34都市の上下水道プロジェクト向け投資総額は19億レアルが見込まれている。

アラゴアスコンソーシアムは、同州の34都市の上下水道プロジェクト落札後、最低入札価格が324万レアルに設定されているMataゾーン地域並びに北部沿岸地域の27都市の上下水道プロジェクトであるCブロックの入札を見合わせている。

スペイン資本ACSグループ傘下のCymi社が主導するMundauコンソーシアムは、4,300万レアルでMataゾーン地域並びに北部沿岸地域の27都市の上下水道プロジェクトを落札、投資総額は10億レアルが見込まれている。またこの入札には韓国資本GS Inima社は2,350万レアル、Aegeaコンソーシアムは663万レアルを提示していた。

11月のインフレ指数は0.95%に達し、11月としては2015年以降で最高(2021年12月10日のエスタード紙)

10日のブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2021年11月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、10月の1.25%から0.95%に減少したにも拘らず、11月としては2015年以降では最高のIPCA指数を記録している。

また今年初め11か月間の累計IPCA指数は9.26%、11月の過去12か月間の累計IPCA指数は10.74%と二桁台を記録、2003年に記録した11.02%以降では最高のインフレ指数を記録している。

ブロードキャストプロジェクションの調査では、11月のIPCA指数の最低予想は0.94%、最高予想は1.18%、平均予想の1.10%よりも実際のIPCA指数は0.15%低い数字に留まった。

11月のIPCA指数を押し上げた要因として、輸送セグメントは燃料価格の値上がり、特にガソリン価格は7.38%値上りは、IPCA指数を0.46%押し上げる要因となっている。

またエタノール価格は10.53%、ディーゼル燃料7.48%、自動車用ガス4.30%それぞれ値上りしている。過去12カ月間のガソリン価格は50.78%、エタノール69.40%、ディーゼル燃料価格は49.56%それぞれ大幅な値上がりを記録している。

11月の新車価格は2.36%、中古車は2.38%それぞれ値上り、航空券価格は9月の28.19%、10月の33.86%のそれぞれの大幅な値上がりから一転して、6.12%の値下がりを記録している。

住居関連セグメントは1.03%増加、特に電力エネルギー料金は1.24%、プロパンガスは2.12%それぞれ値上り、過去12か月間のプロパンガスは38.88%値上りを記録している。

一方食品・飲料セグメントはマイナス0.04%、外食セグメントはマイナス0.25%、ミルクマイナス4.83%、米マイナス3.58%、食肉はマイナス1.38%とそれぞれ値下がりしている。

健康保健・衛生セグメントはマイナス0.57%、特に衛生関連はマイナス3.00%、7月の国家保健補助庁(ANS)による個人向け健康保健プランの8.19%の値下げ勧告が功を奏して、健康保険プランはマイナス0.06%を記録している。