今年初め8か月間の航空貨物輸送量は過去の記録更新(2021年10月5日付ヴァロール紙)

民間航空庁(Anac)の発表によると、2021年1月~8月のブラジルの国際航空貨物による累計輸送量は、前年同期比13.5%増加に相当する62万5,700トンに達し、統計を取り始めた2000年からでは、過去最高の輸送量を更新している。

今年初め8か月間の航空貨物の輸送量が増加した要因として、航空運賃が最も安価な海上貨物輸送向けコンテナ不足で、運賃の最も高い航空貨物による輸送を余儀なくされていたが、先進諸国を中心としたCovid-19対応ワクチン接種拡大に伴って、海上輸送に移行すると予想されている。

今年初め8か月間の航空貨物並びに一般旅客機を用いた貨物のベリー便の売上は、海上輸送によるコンテナ不足で航空貨物の利用増加で、既に2019年を売り上げを突破している。

今年8月の国際航空貨物輸送で、ブラジル市場のリーダ-Latam社並びに系列のLan Chile社, Absa社並びにLan Cargo社のマーケットシェアは16.4%でトップシェアを確保、2位は米国資本Atlasの12.2%、3位にはKorean Air Lines社で5.0%のマーケットシェアを擁している。

チリに本社を置くLatam社の第2四半期の航空貨物の売上は、前年同期比37.5%増加の3億⒎000万ドルを記録した一方で、一般旅客便の売上は、77.0%下落の4億5,500万ドルと依然として落ち込んでいる。

11月の感謝祭翌日の第4金曜日から週末にかけてクリスマス向けの激安セールが開催されるブラックフライデー並びに年末のクリスマス商戦で、年末にかけて南米での航空貨物は特需が予想されるが、既に航空貨物の積載量は90%を突破している。

国際航空運送協会(IATA)の発表によると、今年の航空貨物の輸送量は、2019年比8.0%増加を予想、2022年はCovid-19パンデミック前の水準を13.0%上回ると予想している。また今年の航空旅客需要は、2019年の水準の40%に留まると予想、2022年の航空旅客需要は、Covid-19パンデミック前の61.0%に回復すると予想している。

8月の段ボール箱出荷量は3.4%減少(2021年10月5日付ヴァロール紙)

ブラジル包装紙協会(Empapel)の月間統計速報によると、2021年8月の経済動向のバロメーターの段ボール箱派生品出荷量は、前年同月比3.4%減少の33万4,326トンに留まっている。

今年7月のブラジル段ボール箱指数(IBPO) は、34万1,691トンに達し、7月の月間記録を更新、13ヶ月連続で増加を記録、前年同月比では1.9%増加の152.2ポイントを記録していた。

今年8月のブラジル段ボール箱指数(IBPO) は148.9ポイントを記録、8月の1日平均の段ボール箱やアクセサリーなどの派生品出荷量は、1万2,859トンを記録している。

また今年8月の段ボール箱のみのIBPO指数は、前年同月比2.4%減少の145.5ポイントに相当する32万5,918トン、1日平均の出荷量は、前月比1.3%増加の1万2,535トンを記録している。

9月の新車販売は、ディーラーの在庫不足で25%下落(2021年10月4日付エスタード紙)

2021年9月のバスやトラックを含む新車販売は、アジアからの自動車向け半導体の供給不足が牽引して、自動車ディーラーの新車在庫不足の影響で15万5,000台に留まっている。

全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の発表によると、今年9月の新車販売は、半導体不足による生産調整を余儀なくされた影響で、前年同月比25.33%と二桁台減少を記録している。また前月比では10.24%減少、4か月連続で前月比マイナスを記録している。

今年初め9か月間の新車販売は、昨年3月から始まったCovid-19パンデミックで、生産調整を余儀なくされていた前年同期比14.78%増加の157万7,000台を記録している。

ブラジルのみならず、世界的な半導体供給不足問題は、来年初めまで継続すると全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)のAlarico Assumpção Júnior会長は説明している。

今年7月の全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の今年の新車販売は、前年比11.6%増加を予想していたにも関わらず、アジアからの半導体供給不足問題の解消が来年までずれ込むために、前年比4.8%増加に下方修正を余儀なくされている。

しかし9月の二輪車販売は、前年同月比9.26%増加の10万8,800台を記録、前月比では5.98%増加、二輪車は自動車部門で唯一増加を記録している。二輪車販売はCovid-19パンデミック期間中に増加を記録、また特に大都市圏での二輪車販売増加傾向を示している。

今年9月のB3の海外への資金引揚げ総額は44億8,000万レアル(2021年10月4日付ヴァロール紙)

9月30日、海外投資家はサンパウロ証券取引所(B3)の株式投資金の7億⒎580万レアルを逃避させた影響で、サンパウロ平均株価(Ibovespa)は0.11%減少した。

今年9月の海外投資家によるB3からの投資金引き揚げ総額は、48億4,000万レアル、今年初め9か月間の株式投資金引き揚げ総額は、422億6,000万レアルに達している。

また9月30日だけの個人のサンパウロ証券取引所からの資金引き揚げ総額は7,060万レアル、9月1か月間の個人投資家の資金引き揚げ総額は8億⒎280万レアル、今年初め9か月間の個人投資家の累計資金引き揚げ総額は、15億9,000万レアルに達している。

9月30日だけの法人による株式投資の資金引き揚げは6億5,750万レアル、9月1か月間の資金引き揚げ総額は10億6,000万レアル、今年初め9か月間の法人投資家の累計資金引き揚げ総額は、513億4,000万レアルに達している。

最終フォーカスレポートは、今年のIPCA指数を8.45%から8.51%に修正(2021年10月4日付ヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を前回予想の8.45%から8.51%と26週間連続の上方修正、2022年のIPCA指数も前回予想の4.12%から4.14%に上方修正している。

また今年末の政策誘導金利(Selic)は、8月の過去12か月間では前回予想の8.25%に据置、2022年末のSelic金利も前回同様8.50%の据え置いている。今年のIPCA指数の中央目標値は3.75%、許容範囲は±1.50%に相当する最低2.25%、最高5.25%に設定されている。2022年のIPCA指数の中央目標値は3.50%。許容範囲は±1.50%に相当する最低2.00%、最高5.00%に設定されている。

9月22日ブラジル中央銀行の通貨政策委員会(Copom) は、継続するインフレ圧力を抑制する目的で、政策誘導金利(Selic)を1.00%引上げ6.25%に決定、5回連続でのSelic金利引き上げを余儀なくされている。

中銀の通貨政策委員会(Copom) は、過去12か月間のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)が二桁台に接近しており、8月の1.00%のSelic金利に続いて同率の引上げを余儀なくされた。また次回の通貨政策委員会(Copom) でもSelic金利の1.00%の引上げが予想されている。

今年のGDP伸び率は3週間連続で5.04%に据え置かれている。また2022年のGDP伸び率は、前回同様に1.57%に据え置かれたが、2週間前までは4週連続で下方修正されていた。

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2021年第2四半期のブラジルの国内総生産GDP伸び率は、前四半期比マイナス0.1%を記録している。 ヴァロールデーター社の61社のコンサルタント及び金融機関対象の調査によると今年第2四半期の平均GDP伸び率は0.2%増加、最低予想はマイナス0.3%、最高予想は0.8%増加を予想していた。今年末のレアル通貨に対するドルの為替は、前回予想のR$5.24からR$5.25と微増している。

一方的中率が最も高いトップ5の2022年のIPCAは、前回予想の4.29%から4.52%と大幅に上方修正、今年のIPCA指数は、前回同様8.80%に据え置いている。

またトップ5の今年末のSelic金利は、前回同様8.25%に据え置いたが、2022年末のSelic金利は、前回予想の9.00%から9.50%に上方修正。今年末のドルの為替はR$5.10,2022年末はR$5.20%を予想している。

Horizonte Minerals社は、ニッケル鉱生産プロジェクトで3億4,620万ドル調達 (2021年9月30日付ヴァロール紙)

英国資本Horizonte Minerals社は、パラー州アラグアイアでのニッケル鉱生産向け建設・開発事業プロジェクト向けの資金として、3億4,620万ドルの調達を発表している。

Horizonte Minerals社のニッケル鉱生産建設プロジェクト用資金は、BNP社, ING社, Natixis社, Société Générale社及びSEK社がクレジット枠を保証している。

ニッケル鉱生産プロジェクト向けの総額3億4,620万ドルのクレジットのうち1億4,620万ドルの償還期間は10年、残り2億ドルの償還期間は8年となっている。

Horizonte Minerals社のパラー州でのニッケル関連プロジェクトは、ニッケルアラグアイアプロジェクト並びにニッケル-コバルトのヴェルメーリョプロジェクトから構成されている。

ニッケルアラグアイアプロジェクトは、年間2万9,000トンのニッケル鉱を生産する。一方ヴェルメーリョプロジェクトは、年間2万5,000トンのニッケル鉱、年間1,250トンのコバルト鉱を生産する。

鉄鋼製品輸入比率は来年正常化に戻る(2021年9月30日付ヴァロール紙)

昨年3月からCOVID-19パンデミックの影響を受けて、ブラジル国内の鉄鋼メーカーは、生産調整のため高炉の操業停止などで、大幅な生産減少を余儀なくされていた経緯があった。

昨年下半期からのブラジル国内の景気回復に伴って、鉄鋼製品の輸入増加を余儀なくされた結果、輸入鉄鋼製品の国内マーケットシェアは、通常の11.0%前後を大幅に上回っていたが、2022年には通常の11.0%前後のマーケットシェアに落ち着くとウジミナス製鉄所のセルジオ・レイテ社長は説明している。

昨年の鉄鋼製品輸入が急増した要因として、ブラジルと貿易均衡のとれた国からの輸入ではなく、反ダンピングの最大のターゲットである中国のようなブラジルとの貿易関係に対称性がない国からの輸入をセルジオ・レイテ社長は指摘している。

ブラジル鉄鋼協会(IABr)の発表によると、今年初め8か月間の鉄鋼製品輸入は、前年同期比163.90%増加の350万トンに達している。またブラジル国内の鉄鋼製品消費は、前年同期比41.7%増加の1,880万トンに達している。

ブラジル国内の鉄鋼製品増産で障害となっているのは、鉄鋼メーカー向け石炭価格の高騰であり、現在1トン当たり400ドルまで高騰しているが、2022年初めには正常な価格に戻るとTernium社のMarcelo Chara社長は指摘している。

中国がオーストラリア産石炭輸入を中断して石炭価格が急騰している状況で、オーストラリアは新規の石炭輸出先を探しているが、石炭の国際コモディティ価格が通常価格に戻るのは2022年初めになると予想されている。

中銀は今年のGDP伸び率を4.7%、来年は2.1%を予想(2021年9月30日付ヴァロール紙)

中銀の四半期インフレレポート(RTI)によると、今年のGDPの伸び率を前回予想の4.6%から4.7%微増、来年のGDP伸び率を2.1%増加を予想している。中銀の今年第2四半期の四半期インフレレポート(RTI)では、今年のGDP伸び率を4.9%を予想していた。

最終四半期インフレレポート(RTI)によると、COVID-19対応ワクチン接種が拡大しているにも関わらず、依然として感染力の強い変異ウイルス「デルタ株」の脅威、旱魃による電力エネルギー料金値上げによるインフレ圧力や金利の上昇などの要因で、今年及び来年のGDP伸び率は不透明となっている。

中銀最終四半期インフレレポート(RTI)によると、今年のサービス業部門のGDP伸び率は情報サービス部門などが牽引して、前回予想の3.8%から4.7%と大幅に上方修正している。

一方今年の鉱工業部門のGDP伸び率は、部品不足や製造コストの上昇などの要因で、特に自動車や家電などの製造業部門の生産減少及び電力エネルギー、天然ガス及び水利関連生産部門の生産減少が牽引して、前回予想の6.6%から4.7%と大幅に下方修正されている。

電力部門、ガス、水部門の生産と流通に関連して、旱魃による水不足危機は水力発電による電力エネルギー発電不足を補うために、生産コストの高い火力発電所の稼働を余儀なくされて、製造業部
また今年の農畜産部門のGDP伸び率は、天候不順によるトウモロコシ及びサトウキビの第二期作の生産減少予想で、前回予想の2.5%から2.0%増加に下方修正されている。

一方今年の政府消費並びに民間部門の住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)は需要増加に伴って、今年の政府消費は前回予想の0.4%増加から0.9%増加に上方修正されている。

また最終四半期インフレレポート(RTI)によると、今年の国内総固定資本形成(FBCF)伸び率は輸入拡大予想に伴って、前回予想の8.1%から倍増に相当する16.0%と大幅な上方修正されている。

政府消費の拡大予想の一方で、一般家庭消費は6月の四半期インフレレポート(RTI)の4.0%増加予想から9月の最終四半期インフレレポート(RTI)では、3.3%増加と大幅な下方修正を余儀なくされている。

今年の財・サービス輸出は、前回予想の5.0%から6.8%に上方修正の一方で、財・サービス輸入は、前回予想の14.2%から10.7%に下方修正されている。

今年8月の連邦政府の公的債務残高はGDP比82.7%に減少(2021年9月29日付エスタード紙)

ブラジル中央銀行の発表によると、2021年8月のブラジルのインフレ指数を考慮しない名目公的債務残高は、GDP比82.7%に相当する6兆8,490億レアルと7月のGDP比83.1%から減少、過去最低の名目公的債務残高は2013年12月のGDP比51.5%であった。

ブラジルの名目公的債務残高は、中銀並びに公社を除いた連邦政府、州政府並びに市町村を含む地方政府の負債から構成されており、世界的な格付け会社のリスククラシフィケーションの対象となる。

中銀の発表によると、今年8月の外貨準備高を除外した純公的債務残高は、GDP比59.3%に相当する4兆9,180億レアルであった。

今年8月のペトロブラス石油公社及びブラジル中央電力公社(Eletrobras)を除外した中央政府並びに地方政府を合わせた財政プライマリー収支は、167億2,900万レアルの黒字を計上したが、7月は102億8,300万レアルの赤字から一転して黒字を計上している。昨年8月は134億4,800万レアルの赤字を計上していた。

2021年8月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支は、110億9,200万レアルの赤字を計上した一方で、地方政府は273億3,700万レアルの黒字を計上、そのうち州政府は234億7,900万レアルの黒字を計上、また市町村も35億5,900万レアルの黒字を計上、公社は4億8,400万レアルの黒字を計上している。

今年初め8か月間の累計プライマリー収支は、GDP比0.02%に相当する123億⒎000万レアルの黒字を計上している。中銀の発表によると、ブラジル政府の公的債務残高の利払いは464億6,700万レアルと7月の451億1,900万レアルを約13億レアル以上上回っている。

また今年8月の中央政府の利払いは426億4,700万レアル、地方政府の利払いは34億300万レアル、公社の利払いは4億1,700万レアル、今年初め8か月間の利払いは、GDP比4.20%に相当する2370億1,200万レアル、8月の過去12か月間の利払いは、GDP比4.05%に相当する3,357億300万レアルを記録している。

今年8月の正規雇用総数は37万2,000人(2021年9月29日付エスタード紙)

就労・失業者管理センター(Caged)の統計を基にした経済省の発表によると、2021年8月の労働手帳に記載される正規雇用は、37万2,265人に達して、7月の30万3,276人を約7万人上回った。

8月の正規雇用は8か月連続でプラスを記録、8月の新規雇用総数は181万人に対して、解雇総数は143万8,000人であった。昨年8月の正規雇用総数は、COVID-19の第一次感染からの回復で24万2,543人を記録していた。

ブロードキャストプロジェクションの調査では、今年8月の平均正規雇用の予想は33万人、最低予想は10万人、最高予想は42万6,000人であった。

今年初め8か月間の累計正規雇用総数は220万3,000人に対して、依然としてCOVID-19パンデミックの影響を受けていた昨年同期は84万9,387人に留まっていた。

今年4月28日から連邦政府による雇用並びに所得メンテナンス向け緊急ベネフィット(BEm)プログラムの再導入で、277万2,000人がプログラムに加入して緊急ベネフィット(BEm)プログラムの恩恵を受けている。

就労・失業者管理センター(Caged)の雇用統計は、正規雇用のみを対象にしているが、ブラジル地理統計院(IBGE)の雇用統計は、正規雇用並びに非正規雇用が含まれている。今年第2四半期の末の失業率は、14.1%で1,440万人が失業していた。

今年8月の部門別正規雇用の比較では、サービス業部門の正規雇用は18万660人増加、続いて商業部門の正規雇用は、7万7,769人増加を記録している。

また8月の鉱工業部門の正規雇用は7万2,694人、建設業部門は3万2,005人、農畜産部門の正規雇用は9,232人増加を記録、7月の新規正規雇用の平均給与は1,817レアルであったが、8月は1,792レアル微減している。