2024年のラテンアメリカ諸国のGDP伸び率は継続して低い伸び率予想(2023年12月18日付けヴァロール紙)

国連のラテンアメリカ・カリブ経済委員会(CEPAL)の調査によると、2024年のラテンアメリカ地域の平均GDP伸び率は1,9%増加が予想されているが、世界の平均GDP伸び率2,9%、新興国及び貧困国の平均GDP伸び率4%を大幅に下回ると予想されている。

世界的な高金利、中国の不確実性、中南米諸国特に南米諸国は国内の政治問題を抱えており、今年同様に低いGDP伸び率は2024年も続くと予想されている。

来年のラテンアメリカ地域の経済成長率の低い伸び率に留まると予想されているが、今年はラテンアメリカ諸国の中ではメキシコとブラジルのGDP伸び率だけが目立ったが、2024 年には、おそらくメキシコだけが今年のGDP伸び率ペースに匹敵すると予想されている。

国連のラテンアメリカ・カリブ経済委員会(CEPAL)の調査によると、主要なラテンアメリカでは、今年はすでに2022年のパンデミック後の回復と比べてGDP伸び率が低い。今年のメキシコのGDP伸び率は3.6%、ブラジルは3%が見込まれている。

アルゼンチンに関しては、不確実性が蔓延しており、ハビエル・ミレイ政権が先週発表した財政調整策は強い景気後退効果をもたらすと予想されており、経済がいつ再び成長するかは不透明だ。

国連のラテンアメリカ・カリブ経済委員会(CEPAL)では、来年のアルゼンチンのGDP伸び率をマイナス1%、OECDではマイナス1,3%が見込まれているが、現段階では予測を立てることは非常に困難となっている。

周期的および構造的ないくつかの要因が組み合わさって、この地域のダイナミズムの喪失を引き起こしています。景気循環要因としては、世界的な金利上昇や中国経済の不確実性などが挙げられる。

ラテンアメリカのほとんどの国を含む世界の多くの国の中央銀行は近年、インフレを抑制するために金利を引き上げている。金利の上昇は内需を減少させ、成長を阻害します。さらに、対外債務返済への支出が増加し、投資能力がさらに低下、外部資金へのアクセスが困難になる。

中国は不動産セクターのショックと米国との戦略的紛争に揺れる中、経済の安定化に努め続けている。欧州は低成長を続けると予想されている。

エクアドルでは、当時のギレルモ・ラッソ大統領が弾劾の脅威の中、議会を解散し、総選挙を5月に前倒しした。選挙運動中に大統領候補が暗殺された。 10月、リベラル派のダニエル・ノボアが大統領に選出されている。

ラテンアメリカ諸国の2022年~2024年のGDP伸び率及び予想

30年ぶりの歴史的投票で税制改革法案を承認(2023年12月15日付けヴァロール紙)

今月15日にブラジル下院議会は、ルーラ政権の経済政策の主要議題の一つである税制改革案向けの憲法改正法案PECを承認した。

税制改革案向けの憲法改正法案PECは、第 1回 投票では賛成 371 反対 121 という大差で承認され、第 2回 投票 では 365 対 118 で承認された。可決には少なくとも 308 票が必要であった。Arthur Lira下院議長(PP-AL)によると、投票完了後、文書は来週水曜日(20日)に議会によって公布される予定。

税制改革でルーラ大統領から上院及び下院での政治交渉を託されていたFernando Haddad財務相は、税制改革案承認に大きな力を発揮したRodrigo Pacheco上院議長 (PSD-MG)及びArthur Lira下院議長(PP-AL)に対して最大限のお礼を述べた。

この税制改革案承認はルーラ政権の勝利であり、ブラジルにとって歴史的な出来事であり、税制改革は約30年間に亘って議論されてきたが、歴代政権時代には国会で審議されることはなかった。現在の税制度は 1960 年代に創設されたままであった。

税制改革案の完全な変更は 2033 年までの過渡期を擁するが、それまでは、さまざまなセクションの移行と規制の期間があり、行政府は、改革を規制する補完法案を公布から最大180日以内に提出する必要がある。

リラ下院議長は、下院は2024年上半期に税制改革規則を実施する補完法を起草するためのカレンダー作成に専念すべきだと説明している。

同税制改革法案の議院報告者であるアギナルド・リベイロ議員 (PP-PB) は、上院議会によって承認された基本的な食料バスケットモデルの 1 つを本文から削除した。 「拡張基本バスケット」には、税率が60%軽減され、キャッシュバックが義務付けられる商品も含まれていた。

この変更案は、非課税の「国家基本食料バスケット」を確立する。本文によると、バスケットを構成する製品は補完法案で定義され、今後も国会で議論され採決される予定となっている。

アギナルド・リベイロ議員 (PP-PB) は、低所得世帯がプロパンガスを購入する際に、強制的なキャッシュバック、つまり消費者が支払った税金の払い戻しを含めると説明している。

税制改革案の別の変更では、独自の課税規則を持つことになる 5 つのセクターを特定の改革制度から除外した。実際には、新しい税モデルに基づいて課税されることになる。

 

 

最終フォーカスレポートは今年のインフレ指数を4,49%に下方修正(2023年12月18日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートは、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の4,51%から4,49%に下方修正している。

2024年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の3,93%に据置いたが、2025年の広範囲消費者物価指数(IPCA)も3,50%に据置いている。

ブラジル中央銀行は、先週政策誘導金利Selicを12,25%から11.75%に下方修正、2024年末のSelic金利は9,25%に据置、2025年末のSelic金利も8,50%に据え置いている。

ブラジル中銀の今年のIPCA指数の中央目標値を3.25%、2024年及び2025年の中央目標値を3.00%、許容範囲は±1.50%を設定している。

今年のGDPの伸び率は、前回予想同様に2,92%に据置。2024年のGDPの伸び率は、前回予想の1,51%に据置、2025年のGDPの伸び率は前回予想の2,00%に据置いている。

バロール紙が71社の金融機関とコンサルティング会社から集めた事前の平均予想のマイナス0. 2%を大幅に上回る伸び率を記録。最低予想はマイナス0. 6%、最高予想は0,5%増加であった。

レアル通貨に対するドルの為替は前回同様にR$ 4,95からR$ 4,93に上方修正、2024年はR$ 5,00に据置、2025年はR$ 5,10からR$ 5,08に上方修正している。

的中率が最も高いトップ5は、今年末のインフレ指数IPCAを前回予想の4,41% から4,47%に上方修正している。また来年のIPCA指数は前回同様3,33%、2025年のIPCA指数も3,25%に据置いている。

また今年末のドルの為替は前回同様R$ 4,90、2024年末はR$ 4,80、2025年末はR$ 4,80にそれぞれ据え置いている。

今年11月のブラジルの粗鋼生産は前年同月比3.8%増加の270万トン(2023年12月15日付けヴァロール紙)

ブラジル鉄鋼院(IABr)の発表によると、2023年11月のブラジルの粗鋼生産は、前年同月比3.8%増加の270万トンを記録、また圧延鋼生産は5.7%減少の180万トン、販売用半製品の生産は32.1%増加の79万9,000トンを記録している。

今年11月のブラジル国内の鉄鋼製品販売は、前年同月比2.1%減少の160万トン、鉄鋼製品の見かけ消費量は、2.5%増加の200万トンを記録している。

今年11月のブラジルの鉄鋼製品輸出は19.9%増加97万1,000トン、輸出金額は5,7%増加の7億2,300万ドルを記録している。

一方今年11月のブラジルの鉄鋼製品輸入は9.2%増加の35万6,000トン、輸入金額は7.0%減少の4億200万ドルに留まっている。今年初め11か月間の粗鋼の累積生産は、前年同期比7.1%減少の2,930万トンに留まっている。

また今年初め11か月間の圧延鋼の累積生産は、前年同期比8.5%減少の2,010万トン、今年初め11か月間の半製品の累積生産は、20.4%増加の880万トンを記録している。

今年初め11か月間のブラジルの鉄鋼製品販売は5.0%減少の1,800万トン、見かけ上の消費は、0.5%増加の2,200万トンを記録している。

今年初め11か月間のブラジルの鉄鋼製品輸入は49.9%増加の450万トン、輸入金額は20.7%増加の54億ドルを記録している。

今年初め11か月間のブラジルの鉄鋼製品輸出は0.9%減少の1,090万トン、輸出金額は8.6%減少の92億ドルであった。

中国資本State Grid社が電力エネルギー送電入札で最大ロットを39.9%の割引率で落札 (2023年12月15日付けエスタード紙及びUOLサイトより抜粋)

2010年からブラジル国内で電力エネルギー関連事業を展開している中国資本大手のState Grid社は、今月15日にサンパウロ証券取引所(B3)で国家電力エネルギー庁が推進する送電線オークションで、最大ロットを落札した。

この入札では、年間許容収入(RAP)が 19 億 3,700 万レアルと見込まれており、これは規制当局が規定する最大値と比較して 39.9% の割引率に相当する。

中国企業State Grid社が落札した送電網は、マラニョン州、トカンティンス州及びゴイアス州の3州をまたぐ1,468キロメートルの直流送電線の建設が含まれている。プロジェクト実施の実行期限は72か月と、国家電力エネルギー庁(ANNEL)が認めた最長期間となっている。

現在、State Grid社 は、単独プロジェクト及びコンソーシアム形式を含めてブラジル国内で 1万6,000 km 以上の送電線事業を展開。ブラジル国内13 州に約 3 万基の送電網鉄塔を擁し、投資総額は約 280 億レアルに達している。

今回の送電網入札は平均して 40.85% の割引率で終了、3 つの送電網ロットで 210 億レアルの投資が見込まれている。Alexandre Silveira鉱山・エネルギー相はこのプロジェクトはブラジルの再生可能エネルギー全体の可能性を実現可能にするための重要な一歩であると説明、今年すでに送電網関連事業に400億レアル以上の投資が行われていると説明している。

中国企業State Grid社以外にも、Alupar社並びにMercury Investments社によって形成されたOlympus XVIコンソーシアムが47.01%の割引率で第2ロットを獲得、第3ロットはCeleo Redes Brasilが獲得し、42.39%の割引率で入札してEletrobras社を破った。

Alupar 社が率いるコンソーシアムは、ゴイアス州、ミナス州およびサンパウロ州をまたぐ 552 km の送電線の建設と運営に 2 億 3,950 万レアルの収益を約束した。このプロジェクトは、地域の相互接続とエネルギー交換能力を拡大することを目的に、工事完了期限は66ヶ月となっている。

またCeleo 社はロット 3 を 42.39% の割引率で 1 億 120 万レアルで落札した。このプロジェクトでは、サンパウロ州内で 388 km の送電線の建設が予定されており、工期は 60 か月以内となっている。

入札にかけられた送電網地図と距離表示

国会はルーラ大統領が拒否権を用いて阻止しようとしていた雇用の大きな17セクター向けINSS納付金の減税措置の延長を承認(2023年12月14日付けヴァロール紙)

今月14日、上院並びに下院議会は、ブラジルの製造業部門で最も雇用の多い17部門に対する給与税免除を拡大するプロジェクトに対するルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領(PT)の拒否権を覆した。

 上院議会でのルーラ大統領拒否権の打倒賛成は60票、反対13票だった。また下院議会では378票対78票であった。企業や労働組合の意見では、この措置は雇用の維持に貢献すると胸をなでおろしている。

ルーラ大統領拒否権の打倒で、この措置は2027年12月まで延長されるが、仮にルーラ大統領の拒否権が維持された場合、給与税免除措置は今年12月31日に無効になる寸前であった。

ジウマ・ロウセフ政権時の2011年に、経済活性化並びに雇用維持のための臨時措置として、企業側の社会保障院(INSS)への従業員給与額20.0%の納付率の免税に対して、売上の1.0%~4.5%の課税で企業負担を軽減する暫定令が始まりとなっていた。

給与税免除措置は、雇用が大きな製造業部門の17セクターが対象であり、繊維工業セクター、履物、機械・装置、動物性蛋白質生産、建設、通信、道路輸送セクターなど900万人の雇用維持が継続される。

給与税免除措置は、Win-Winのプロジェクトであり、それは生産者と労働者、生産部門と労働組合によって支えられている。給与税免除措置は、より多くの雇用を創出して税金を減らす人たちに非常に明確なメッセージを送るものであるため、全員が一致してこの給与税免除措置を支持しているとEfraim Filho (União-PB)上院議員は説明している。

上院議会での給与税免除措置の採択前に、Rodrigo Pacheco上院議長(PSD-MG)もルーラ大統領の拒否権無効化を支持する立場を強調していた。

ルーラ大統領の拒否権が覆された直後、フェルナンド・ハダジ財務相は、この提案は違憲であるため、連邦最高裁判所(STF)に控訴するつもりであると述べた。行政府にとって、このプロジェクトは利益創出に必要な財政への影響の見積もりを提示していないという点で憲法に矛盾しているとハダジ財務相は説明している。

しかし、ヴァロール紙がインタビューした憲法弁護士と税務専門家は、承認された条文は既存のプログラムを拡張するものであり、新たな措置を創設するものではないとして反論している。

ハダジ財務相は、最高裁判所への提訴に加え、与党は来週、給与税免除措置に代わる提案策を提示すると説明している。

10月の一般小売販売量は、前月比マイナス0,3%(2023年12月14日付けヴァロール紙及びIBGEサイトより抜粋)

14日発表のブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、2023年10月の自動車や建材部門を除くインフレ指数を差引いた実質一般小売販売量は、前月比マイナス0,3% を記録している。

Valor Data社の26社の金融機関及びコンサルタント会社対象の一般小売販売量調査では最低予想はマイナス0.2% %、最高予想は1.8%増加、平均予想は0.3%増加であった。

今年2月以降の一般小売販売量の変動はゼロに非常に近く、3月の0.7%増加、5月のマイナス0.6%、7月の0.7%増加を除くすべての月で安定していると月間小売調査(PMC)で判明している。

一般小売販売量の安定は、Covid-19 パンデミック期間中に観察されたより顕著な変動を経て、2020年以前の一般小売販売量に戻ったことを示しており、その数字は新型コロナウイルス以前のパターンよりもさらに弱含みになっていると指摘している。

Valor Data社の26社の金融機関及びコンサルタント会社対象の一般小売販売量調査では、最低予想はマイナス0.2% %、最高予想は1.8%増加、平均予想は0.3%増加であった。

今年2月以降の一般小売販売量の変動はゼロに非常に近く、3月の0.7%増加、5月のマイナス0.6%、7月の0.7%増加を除くすべての月で安定していると月間小売調査(PMC)で判明している。

一般小売販売量の安定は、Covid-19 パンデミック期間中に観察されたより顕著な変動を経て、2020年以前の一般小売販売量に戻ったことを示しており、その数字は新型コロナウイルス以前のパターンよりもさらに弱含みになっていると指摘している。

今年10月の一般小売販売量は、Covid-19 パンデミック直前の2020年2月の水準を4.4%上回る水準に達しているが、依然として過去最高水準を2.0%下回っている。

今年10月の一般小売販売量は前年同月比0.2%増加に留まったが、Valor Data社の調査では最低予想マイナス0.8%、最高予想4.4%増加、平均予想の2.0%増加を大幅に下回っている。

今年10月の過去12カ月間の累計一般小売販売量は前年同期比1.5%増加、今年初め10か月間の累積一般小売販売量は1.6%増加を記録している。

今年10月の自動車及び建材を含む広範囲小売販売は、前月比マイナス0.4%、Valor Data社の23社対象の広範囲小売販売量調査では最低予想はマイナス0.5%、最高予想は1.0%増加、平均予想は0.2%増加であった。

今年10月の広範囲小売販売量は前年同月比2.5%増加、Valor Data社の前年同月比の広範囲小売販売量調査では最低予想は2.0%増加、最高予想は5.0%増加、平均予想は3.7%増加であった。

10月の実質一般小売販売量の前月比の部門別調査では、調査対象の8セクターのうち5セクターでマイナスを記録、特に燃料・潤滑油セクターはマイナス0,7%、繊維・衣類・履物セクターはマイナス1.9%,ハイパー・スーパーマーケット・食品・飲料・嗜好品セクターはマイナス0.8%、家具・家電セクターはマイナス0.1%、事務用品・情報通信機器セクターはマイナス5.7%とそれぞれマイナスを記録している.

一方書籍・雑誌・印刷物・製本セクターは-1,1%,日用品・個人消費セクターは2.8%増加、医薬品・香水・化粧品・医療機器セクターは1.4%増加、日用品・個人消費セクターは0.2%それぞれ増加を記録している。

今年10月の広範囲小売販売では、四輪・二輪・パーツセクターは0.3%増加、建材セクターも2.8%増加を記録している。

今年10月の地域別一般小売販売比較では、調査対象の27地域のうち17地域で前月比マイナスを記録、特にリオ州はマイナス2.0%、サンタ・カタリーナ州はマイナス1.4%の落込みを記録している。

今年の財政プライマリー収支は1,135億レアルから1,470億レアルの赤字に修正(2023年12月14日付けヴァロール紙)

財務省のプリズム財政レポート(Prisma Fiscal )を基にした財務省エコノミストの2023年度のブラジル連邦政府の財政プライマリー収支は、前回予想の1,135億レアルから1,470億レアルの赤字に修正している。

一方で2024年のブラジル連邦政府の財政プライマリー収支は、前回予想の902億レアルから900億レアルの赤字にわずかではあるが下方修正している。

連邦政府では来年の財政プライマリー収支はGDP比零を目指しているが、許容範囲としてGDP比±0,25%を容認している。

連邦政府の公的債務残高の主な指標である一般政府総債務残高(DBGG)の場合、市場予測は今年末時点でGDP比75.81%から75.65%に上方修正。2024年の一般政府総債務(DBGG)残高は前回同様GDP比78.8%に据え置かれた。

また2023 年の連邦政府の歳入総額は前回予想の2 兆 3,300 億レアルから 2 兆 3,270 億レアルに下方修正された。純歳入総額は前回予想の1兆9,060億レアルから1兆9,030億レアルに微減。連邦政府の支出総額は前回予想の2兆200億レアルから2兆390億レアルに微増されている。

通貨政策委員会 (Copom) は、政策導入金利(Selic)を現行の12.25%を0,50%引き下げて11.75%に決定した。

今月13日開催のブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) は、政策導入金利(Selic)を現行の12.25%を0,50%引き下げて11.75%に決定した。

ヴァロール社が141社の金融機関及びコンサルタント会社対象の政策導入金利(Selic)の予想調査では、141全てが0.5%の切下げを予想していた。

また13日午後、米連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレ抑制のための利上げを見送り、政策金利の誘導目標を5・25%~5・5%の据置を決定。インフレ上昇率は依然として高水準だが、金融引き締めによる経済への悪影響が懸念されており、利上げの効果と副作用を慎重に見極める必要があると判断して利上げを見送った。

FRBのパウエル議長は連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、政策金利がピークかその近くの可能性が高いと、今回の利上げ局面の終了を示唆。さらに利下げ時期が視界に入っていると付け加えていた。

11月のCopom会合でSelic金利を0.50ポイント引き下げ年利12.75%とした際、ブラジル中央銀行は予想通りのシナリオが確認されれば、委員会メンバーは次回のCopom会合では、満場一致で0.5%同規模の引き下げを予想していると示唆していた経緯があった。

Selic金利は、1999年のインフレ目標制度創設以来最も積極的な利上げサイクルの後、今年8月までの12か月間にわたり、年率13.75%で据え置かれていた。

また2021年3月から昨年8月まで、ブラジル中央銀行の金融政策によりSelic金利は11.75%引き上げられていた経緯があった。次回のブラジル中央銀行のCopom会議は来年1月30日及び31日が予定されている。

2021年1月以降のSelic金利の推移

 

11月の資金調達向け社債発行総額は前年同月比96%増加の445億レアルに達した(2023年12月12日付けヴァロール紙)

ブラジル・金融マーケット業者協会(Anbima)の発表によると、2023年11月のブラジル国内の金融市場における資金調達向け社債発行などによる発行総額は、前年同月比96%増加の445億レアルに達している。

11月のブラジル国内の資金調達向け社債発行総額は、前年同月比200%増加の254憶レアルに達して、11月の資金調達総額の57%を占めている。

今年11月は新規株式公開(IPO)がなかったため、変動金利付けによる資金調達額は11億レアルに留まった。2022年2月以降、ブラジルの株式市場での新規株式公開によるに上場した企業は存在しない。

今年11月の社債発行による資金調達の主な用途がインフラ投資であり、全体の29%強を占めている。償還期間は 7.9 年と平均の 8.8 年を下回っている。

今年11月のアグリビジネス債権(CRA)発行総額は48億レアルと不動産債権(CRI)の発行総額は40億レアルで合わせて資本市場の発行高のほぼ20%を占めた。

今年初め11か月間の金融市場による資金調達総額は、前年同期比マイナス18%に相当する3,840億レアル、そのうち社債発行による資金調達総額はマイナス16%に相当する1,966億レアルに留まっている。