今年7月の鉱工業部門生産は前月比マイナス1.3%(2021年9月2日付エスタード紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM)によると、2021年7月の鉱工業部門生産は、6月のマイナス0.2%に続いて前月比マイナス1.3%と大幅な落込みを記録している。

7月の鉱工業部門生産は、依然としてCOVID-19パンデミック前の2020年2月の水準を2.1%下回っている。今年初め7か月間の鉱工業部門の累計生産は、前年同期比11.0%と二桁増加を記録、7月の過去12か月間では7.0%増加を記録している。また今年初め7か月間の鉱工業部門の月間生産では、5か月間で前月を下回っている。

今年7月の鉱工業部門生産は前月比マイナス1.3%、前年同月比1.2%増加、今年初め7か月間では11.0%増加、7月の過去12か月間では7.0%増加、5月~7月の月間平均生産はマイナス0.1%を記録している。

前期同様に今年7月の資本財部門生産は前月比0.3%増加、前年同月比33.1%増加、今年初め7か月間では4.2%増加、7月の過去12か月間では25.2%増加。また中間財部門生産はマイナス0.6%、0.2%増加、9.0%増加、7.0%増加している。

消費財部門生産はマイナス0.4%、マイナス3.5%、8.5%増加、3.8%増加、そのうち耐久消費財部門生産はマイナス2.7%、マイナス10.3%、27.8%増加、12.6%増加、非耐久消費財部門生産は0.2%増加、マイナス1.9%、4.5%増加、1.7%増加を記録している。

7月の鉱工業部門生産では、飲料部門生産は前月までの3か月連続増加から一転してマイナス10.2%の二桁台の落込みを記録、また食品部門も前月までの2か月連続増加から一転してマイナス3.8%を記録している。

7月の飲料部門並びに食品部門がマイナスを記録した要因として、高止まりするインフレ指数や失業率、一般家庭の収入減少が飲料や食料品消費の減少を余儀なくされている。

また今年7月の鉱工業部門生産で減少している部門として、自動車・トラック部門はマイナス2.8%を記録、機械・装置部門はマイナス4.0%、その他の装置・輸送機器部門はマイナス15.6%、鉱業部門はマイナス1.2%を記録している。

一方7月の鉱工業部門生産で増加した部門として、石油派生品・バイオ燃料部門は2.8%増加、また4月~6月迄の3か月間の累計生産は10.2%増加を記録していた。

今年7月の鉱工業部門生産は前年同月比では、営業日数換算では1日少ないにも拘らず、1.2%増加を記録、調査対象の26セクターのうち14セクターで増加を記録している。

今年8月の貿易収支黒字は76億6,000万ドルで記録更新(2021年9月2日付エスタード紙)

輸出が過去最高水準に達した影響で、2021年8月のブラジルの貿易収支黒字は76億6,000万ドルに達して、統計を取り始めて以来では8月の月間記録を更新している。

また今年初め8か月間の貿易収支は、520億3,000万ドルの黒字を計上して記録を更新している。また昨年初め8か月間の累計貿易収支黒字の504億ドルを20億ドル近く上回っている。

今年8月の貿易収支黒字は、76億6,000万ドルを記録した一方で、ブラジルの主力輸出産品の鉄鉱石、原油や食料品の国際コモディティ商品の先行き減少及び輸入増加に伴って、今後の貿易収支黒字幅は、減少するとTendências Consultoria社では予想している。

経済省通商局(Secex)の発表によると、今年8月の1日当たりの輸出総額は国際コモディティ商品価格が牽引して、前年同月比49.2%増加の272億1,000万ドルを記録している。

今年8月の1日当たりの農畜産部門の輸出は、前年同月比19.38%増加、鉱業部門は113.3%増加、製造業部門の輸出は32.9%増加を記録している。

一方今年8月の輸入総額は、前年同月比61.1%増加の195億5,000万ドルを記録、農畜産部門の輸入は26.7%増加、鉱業部門262.4%増加、製造業部門の輸入は57.1%増加を記録している。

今年初め8か月間の累計輸出総額は、前年同期比37.3%増加の1,889億ドル、累計輸入総額は、34.4%増加の1,368億ドルを記録している。

過去数週間の鉄鉱石の国際コモディティ価格は、中国の需要減少に伴って大幅に減少、また大豆の国際コモディティ価格は、北米地域の収穫期突入で短期的には価格減少するとTendências社エコノミストのYasmin Riveli氏は指摘している。

今後数か月間の輸入は、国内経済の回復に伴って増加が予想されている。今年の輸出総額は2,742億ドル、輸入総額は2,034億ドル、貿易収支は、708億ドルの黒字をYasmin Riveli氏は予想している。

一方経済省通商局(Secex)では、今年の輸出総額は3,075億ドル、輸入総額は2,022億ドル、貿易収支は1,053億ドルの黒字を予想している。

今年7月の段ボール箱出荷は1.9%増加(2021年9月2日付ヴァロール紙)

ブラジル包装紙協会(Empapel)の月間統計速報によると、2021年7月の経済動向のバロメーターの段ボール箱派生品出荷量は、34万1,691トンに達し、7月の月間記録を更新している。

今年7月のブラジル段ボール箱指数(IBPO) は、13ヶ月連続で増加を記録、前年同月比では1.9%増加の152.2ポイントを記録している。

7月の1日当たりの営業日数換算の出荷量は、前年同月比1.9%増加の1万2,655トンを記録、7月の1日当たりの段ボール箱出荷量も記録更新している。

今年7月のブラジル段ボール箱指数(IBPO) は、前年同期比0.7%減少の149.6ポイント、月間出荷量は33万5,351トン、1日当りの平均出荷量は,前月比8.1%減少の1万2,420トンを記録している。

今年第2四半期のGDP伸び率はマイナス0.1%を記録(2021年9月1日付エスタード紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2021年第2四半期のブラジルの国内総生産GDP伸び率は前四半期比マイナス0.1%を記録している。

ブロードキャストプロジェクションの今年第2四半期の平均GDP伸び率は0.2%増加が予想されていた。最低予想はマイナス0.3%、最高予想は0.7%増加であった。

今年第1四半期GDP伸び率は、国内消費は緩やかな増加に留まっていた一方で農畜産部門並びに鉱業部門の国際コモディティ価格高騰による輸出が好調で前四半期比1.2%増加していた。

今年第1四半期のGDP伸び率を牽引したのは、国内経済の70%強を占めるサービス部門が0.7%増加で牽引した一方で、GDPの60%を占める一般消費は前四半期比で同水準で推移している。

サービス業部門はCOVID-19パンデミックによる外出自粛要請によるレストラン、ホテル、旅客輸送、映画館の営業が大きな影響を受けていた。

今年第2四半期のブラジルのGDP伸び率は前四半期比マイナス0.1%、内訳では農畜産部門のGDP伸び率はマイナス2.8%、鉱工業部門マイナス0.2%、サービス業部門0.7%増加、民間部門の住宅投資、設備投資や公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)マイナス3.6%、一般家庭消費0.0%、公共支出は0.7%増加を記録している。

また今年第2四半期のブラジルのGDP伸び率は前年同四半期比12.4%増加、過去12か月間の累計GDP伸び率は1.8%増加、今年初め6か月間では6.4%増加、今年第2四半期のブラジルのGDP総額は2.1兆レアルを記録している。

前期同様に今年第2四半期の農畜産部門のGDP伸び率は前年同四半期比1.30%、2.0%、3.30%それぞれ増加、GDP総額は1800億レアルを記録している。

また鉱工業部門は17.8%、4.7%、10.0%それぞれ増加、GDP総額は4104億レアルを記録、サービス業部門は10.8%、0.5%、4.7%それぞれ増加、1兆3000億レアルを記録している。

前期同様にFBCF部門は32.9%、12.8%、24.3%それぞれ増加、3902億レアルを記録、一般家庭消費は10.8%増加、マイナス0.4%、4.2%増加、1兆3000億レアルを記録、公共支出は4.2%増加、マイナス2.6%、マイナス0.4%、GDP総額は4088億レアルを記録している。

今年の銀行の収益性は改善もCOVID-19パンデミック以前には戻らない(2021年9月1日付ヴァロール紙)

イタウーウニバンコ銀行、ブラデスコ銀行、サンタンデール銀行並びにブラジル銀行のデーターを基にしたMcKinsey社の調査によると、2020年の4銀行の収益は、COVID-19パンデミック対応の膨大な貸倒引当金の手当てで収益性が悪化していた。

昨年のこれら4銀行の「自己資本利益率」または「株主資本利益率」と言われる平均ROE(Return On Equityの略)は、14.3%と2010年から統計を取り始めて以降では最低のROEを記録していた。

今年上半期の4大銀行の平均ROEは17.1%に上昇したにも拘らず、過去の平均ROEの18.1%を依然として1.0%下回っている。ブラジルの大銀行の平均ROEは、昨年のブラジルの銀行システムの平均ROEである11.5%を遥かに上回っていると中央銀行の銀行経済レポートで判明している。

今年は、COVID-19ワクチン接種の加速化、ブラジルの国内経済の回復、オンライン銀行業務の活用拡大で、銀行システムの平均ROEは回復すると予想されている。

フィンテック関連銀行によるフィンテックサービス拡大によるマーケットシェア争いが激化しており、マーケットシェアを独占していた大銀行が過去に記録していた収益率を確保するのは、非常に難しいとFitch社のClaudio Gallina取締役は指摘している。

2017年のイタウー銀行の銀行リスクのスプレッドは15.5%であったが、政策誘導金利の過去最低レベルへの低下やブラジルリスクの低下で、イタウー銀行の現在のスプレッドは13.0%まで縮小している。

UBS銀行は、今年のブラジルの大銀行の平均ROEを15.7%、2022年の平均ROEを15.8%と予想している一方で、Safra銀行では、今年のイタウー銀行並びにサンタンデール銀行の平均ROEを18.5%、ブラデスコ銀行は17.5%、ブラジル銀行のROEを13.0%と予想している。

ブラジル国内の第2四半期の紙・パルプ販売は、18.7%増加の137万トン(2021年9月1日付ヴァロール紙)

紙・パルプ・木材パネル・林業関連生産者団体のブラジル木材工業(Ibá)の発表によると、2021年第2四半期の紙・パルプの国内販売は、前年同期比18.7%増加の137万トンを記録している。

今年第2四半期の製紙・印刷用紙の国内販売は、COVID-19パンデミックで壊滅的な影響を受けた前年同期比では、86.0%の大幅増加の33万3,000トンを記録している。

また今年上半期の国内販売は、印刷用紙、製紙、カード並びに包装紙などが牽引して、前年同期比11.4%と二桁台増加の270万トンを記録している。

また今年第2四半期の木材パネルの国内販売は、建設不動産ブーム並びにCOVID-19パンデミックの影響で減産していたメーカーの生産再開が牽引して、66.8%増加の204万平方メートルを記録。今年上半期の木材パネルの国内販売は、前年同期比43.3%増加の407万立方メートルを記録している。

また今年第2四半期の木炭生産は、16.8%増加の88万1,000トン、今年上半期の木炭生産は、11.3%増加の172万トンを記録、大半の木炭は国内消費に回される。

今年第2四半期のパルプ生産は8.9%増加の565万トン、今年上半期のパルプ生産は、8.5%増加の1,110万トンに達している。一方第2四半期のパルプ輸出は410万トン、上半期のパルプ輸出は、前年同期比マイナス0.8%の777万トンと微減している。

今年上半期の中国向けパルプ輸出は、前年同期比マイナス5.1%の13億5,000万ドル、木材関連輸出総額は41億ドル、輸出の内訳としてパルプは32億ドル、製紙は8億2,900万ドル、木材パネルは1億6,000万ドルを記録している。

今年第2四半期の失業率は、減少も依然として失業者は1,440万人(2021年8月31日付エスタード紙)

31日発表のブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、2021年第2四半期のブラジルの失業率は、14.1%と第1四半期の失業率14.7%よりも0.6%減少したにも関わらず、失業者総数は依然として1,440万人を数えている。

ブロードキャストプロジェクションの調査では、今年第2四半期の失業率は最低14.1%、最高14.8%を予想、昨年第2四半期の失業率は、13.3%よりも依然として0.8%高止まりしている。

今年第2四半期の労働者総数は、前四半期比2.5%増加の8,780万人を記録、労働者人口の49.6%と依然として労働者人口の半数に相当する50%に達していない。

第2四半期の失業率が低下した要因として、自営業者の増加並びに労働手帳に登録されない非正規雇用の増加した一方で、正規雇用は僅かな増加に留まっている。しかし第2四半期の正規雇用は、臨時雇用などので61万8,000人の増加を記録しているとブラジル地理統計院(IBGE)の調査アナリストのAdriana Beringuy氏は指摘している。

今年第2四半期の民間部門の正規雇用は2.1%増加の3,020万人、前年同期比では同じ水準で推移している。自営業者は4.2%増加の2,480万人、前年同期比では、14.7%増加に相当する320万人増加を記録している。

今年第2四半期の前四半期比の部門別雇用比較では、レストランやホテルを含む宿泊・食品関連部門は9.1%増加、建設業部門5.7%増加、一般家庭向けサービス部門4.0%増加、農畜産・林業・漁業関連部門は3.8%増加を記録している。

今年第2四半期のやホテルを含む宿泊・食品関連部門の雇用は、COVID-19パンデミックで壊滅的なダメージを受けていた前年同四半期比では7.7%増加、今年第1四半期まで4四半期に相当する1年間連続でマイナスを記録していたが、依然としてパンデミック前の水準には達していない。

第2四半期の全国法人登録台帳(CNPJ)を所持しない自営業者や非正規雇用の労働者総数は3,560万人、今年第1四半期の3,400万人から160万人増加、昨年第2四半期の3,080万人よりも480万人増加を記録している。

第2四半期の就職活動を諦めた労働者は、前四半期比6.5%減少の560万人、前年同期比では同じ水準で推移している。また時短勤務やサラリーカットなどの雇用は、前四半期比7.3%増加の750万人、前年同四半期比では34.4%増加を記録している。

7月の電力エネルギー消費量は鉱工業部門が牽引して過去最高(2021年8月31日付エスタード紙)

2021年7月のブラジル国内の電力エネルギー消費は、鉱工業部門が原因して過去最高を記録した一方で、過去91年間で最悪の旱魃の影響を受けて、水力発電所の貯水湖の水位低下に伴って、連邦政府は電力消費削減キャンペーンを余儀なくされている。

2021年7月のブラジル国内の電力エネルギー消費は、前年同月比5.7%増加の3万9,950ギガワット/時 (GWh)を記録したと電力エネルギー調査公社(EPE)の月間記録統計で判明している。今年7月の電力エネルギー消費量は、前年同月比9.8%増加、2014年7月の記録を塗り替えている。

今年7月の過去12か月間の累計電力エネルギー消費量は、前年同期比5.2%増加の49万5,829ギガワット/時 (GWh)を記録、また全ての地域で増加を記録、南部地域の過去12か月間の累計電力エネルギー消費量は7.7%増加、北東部地域6.9%、北部地域5.4%、南東部地域5.1%、中西部地域の累計電力エネルギー消費量は、2.5%それぞれ増加を記録している。

今年7月の南部地域の鉱工業部門の電力エネルギー消費は、前年同月比11.1%増加、北部地域10.6%、南東部地域10.5%とそれぞれ二桁台の増加を記録、北東部地域8.4%、中西部地域2.5%それぞれ増加、特にアラゴアス州は、化学工業部門が牽引して51.8%の大幅増加を記録、ブラジルの鉱工業部門を牽引するサンパウロ州の電力エネルギー消費は、13.7%増加を記録している。

電力エネルギー調査公社(EPE)の部門別の電力エネルギー消費調査では、金属部門が南東部地域並びに北部地域の製鉄所やアルミ精錬が牽引して、388GWhに相当する11.7%増加を記録している。

金属部門に続いて、化学工業部門の電力エネルギー消費は、南東部地域のプラスティック樹脂生産並びに北東部地域の化学肥料生産が牽引して、168 GWhに相当する11.8%増加、非鉄金属部門は、南東部地域及び南部地域の建設不動産向け建材が牽引して、167GWhに相当する14.8%増加を記録している。

また昨年7月から徐々に生産回復基調に突入している繊維部門の電力エネルギー消費は、比較対象の昨年7月の電力エネルギー消費が低迷していたために22.5%、自動車部門は21.5%とそれぞれ大幅な増加を記録している。

今年7月の商業部門の電力エネルギー消費は、緩やかな景気回復が始まった前年同月比では9.8%増加、サービス部門の電力エネルギー消費は、商業部門を上回っている。

今年7月の一般家庭の電力エネルギー消費は、南東部地域の温暖な気候が牽引して前年同月比マイナス0.5%を記録している。南東部地域の一般家庭の電力エネルギー消費はマイナス2.3%、特にリオ州はマイナス3.7%、サンパウロ州はマイナス3.5%、北部地域はマイナス0.9%、中西部地域はマイナス0.4%を記録した一方で、寒波に見舞われた南部地域は1.8%増加、北東部地域は2.2%増加している。

今年7月の中央政府の財政プライマリー収支は198億レアルの赤字に留まる(2021年8月31日付ヴァロール紙)

2021年7月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府のインフラ指数を差引いた実質財政プライマリー収支は、198億レアルの赤字を計上した。

金融市場関係者は、今年7月の中央政府の財政プライマリーは314億レアルの赤字を予想していたににも関わらず、赤字は予想を115億レアル下回っている。

またCOVID-19パンデミック対応で、昨年上半期からの月額600レアルの緊急給付金(auxílio emergencial)支給など大幅な財政出動を余儀なくされた昨年7月の879億レアルの赤字を大幅に下回っている。

今年初め7か月間の中央政府の財政プライマリー収支は、734億レアルの赤字を計上しているにも関わらず、COVID-19パンデミック対応による緊急財政出動を余儀なくされていた昨年同期の5052億レアルを約7分の1の赤字に留まっている。

今年7月の中央政府の純歳入は前年同月比41.4%増加、一方歳出は18.1%減少、初め7か月間の累計歳入は前年同期比32.2%増加、累計歳出は21.4%減少している。

財務省のプリズム財政レポート(Prisma Fiscal )を基にした財務省エコノミストの2022年の財政プライマリー収支赤字は、GDP比1.1%を予想、2020年の財政プライマリー収支赤字は、GDP比92.4%に達していたが、今年の財政プライマリー収支赤字は、GDP比83.2%まで減少すると予想している。

今年上半期のM&Aは804件で過去10年間で最高(2021年8月30日付エスタード紙)

COVID-19対応ワクチン接種拡大に伴って、ブラジル経済の緩やかな回復、またCOVID-19パンデミックはイノベーションやデジタルトランスフォーメーション化加速で、企業の合併・買収が加速しているとKPMG社の統計に表れている。

COVID-19パンデミック期間中のブラジル国内でのM&A案件数が増加、また今後も継続して増加が見込まれている。今年上半期のM&A件数は、前年同期の514件を56.0%上回る804件に達している。大手小売販売網のCarrefour社は、同業のBIG Brasil社を75億レアルで買収している。

今年上半期の804件のM&A件数は、2019年下半期に記録した688件を130件近く上回って、統計を取り始めた2011年以降では最高記録を更新している。

COVID-19パンデミックが収束していないにも拘らず、デジタルトランスフォーメーション加速化に伴って、マーケットシェア争いが激化で、ブラジル国内の企業の買収・合併は、急増しているとKPMG社調査担当のLuís Mottaコーディネーターは指摘している。

調査対象の43部門のうち36部門でM&A案件が成立、特にインターネット関連企業のM&A案件は268件で断トツ、続いて情報テクノロジー企業の131件、ファイナンス関連企業のM&A案件は92件を数えている。

ファイナンス関連企業のM&A案件に続いて、小売業界のM&A案件は29件、サービス業界25件、不動産業界22件、情報通信22件、病院・医療診断ラボは22件、電力エネルギー業界21件、教育関連企業のM&A案件は20件となっている。

COVID-19パンデミック以前のM&A案件との相違点は、COVID-19パンデミック以降は、デジタルトランスフォーメーションの加速化によるインターネットや情報技術を介した事業や営業形態の変化の取込みを余儀なくされている。

今年上半期のM&A案件のうち524件は、ブラジル企業間によるM&A案件、その他の256件のM&A案件は、外資系企業によるブラジル企業のM&A案件とLuís Mottaコーディネーターは説明している。

アブダビのMubadala Capitalファンドは、ペトロブラス石油公社のLandulpho Alves (Rlam) 石油製油所を90億レアルで買収している。今年7月にはマガジン・ルイザ社は、ゲーム関連EコマースのKaBuM!社の100%株式を10億レアルで買収している。また今年8月には、Americanas社はHortifruti e Natural da Terra網を21億レアルで買収している。

2019年のM&A成立案件は1231件で過去最高、昨年は1117件、今年は上半期だけで既に804件に達しており、2019年の1231件を大幅に上回るとKPMGでは予想している。