9月の一般小売販売は前月比0,6% 増加(2023年11月8日付けヴァロール紙 IBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、2023年9月の自動車や建材部門を除くインフレ指数を差引いた実質一般小売販売量は、前月比0,6% 増加を記録している。

今年8月の自動車や建材部門を除くインフレ指数を差引いた実質一般小売販売量は、前月比マイナス0,2%を記録、7月の一般小売販売の前月比0,7%増加から一転して減少に転じていた。

Valor Data社の28社の金融機関及びコンサルタント会社対象の一般小売販売量調査では最低予想はマイナス1,2% %、最高予想は0,7%増加、平均予想のマイナス0,1%を大幅に上回っている。

9月の実質一般小売販売量の前月比の部門別調査では、調査対象の8セクターのうち5セクターでマイナスを記録、特に燃料・潤滑油セクターはマイナス1,7%、繊維・衣類・履物セクターは-1,1%,書籍・雑誌・印刷物・製本セクターは-1,1%,日用品・個人消費セクターは-0,9%、事務用品・情報通信機器セクターは-0,1%とそれぞれマイナスを記録している.

一方で、9月の実質一般小売販売量が前月比で増加を記録したセクターでは、家具・家電セクターは2,1%増加、ハイパー・スーパーマーケット・食品・飲料・嗜好品セクターは1,6%、医薬品・香水・化粧品・医療機器セクターは0,4%それぞれ増加を記録している。

今年9月の自動車及び建材を含む広範囲小売販売は、前月比0,2%増加、8月の広範囲小売販売は修正前のマイナス1,3%から0,6%増加と大幅に修正されていた。

今年9月の広範囲小売販売では四輪・二輪・パーツセクターははマイナス0,9%、建材セクターもマイナス2%を記録している。

2023年7月~9月の一般小売販売及び広範囲小売販売のセクター別増減の推移

2022年10月~2023年9月の一般小売販売の増減推移

9月のブラジルの財政プライマリー収支は180億レアルの赤字(2023年11月8日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の発表によると、2023年9月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府並びに州政府と市町村で構成される地方政府を合わせたブラジル政府の財政プライマリー収支は180億7,100万レアルの赤字を計上したが、昨年同月のブラジルの財政プライマリー収支は107億4,600万レアルの黒字を計上していた経緯があった。

ブラジル政府の財政プライマリー収支には、ペトロブラス石油公社(Petrobras)、ブラジル中央電力公社(Eletrobras)、ブラジル銀行(BB)及び連邦貯蓄金庫(Caixa)などの公立銀行の決算は含まれていない。

今年9月の中央政府の財政プライマリーは165億600万レアルの赤字を計上している。また地方政府の財政プライマリーも10億6,500万レアルの赤字を計上している。公社の財政プライマリー収支も5億レアルの赤字を計上している。

今年9月の過去12カ月間の累積財政プライマリー収支は、GDP比0,97%に相当する1,018億8,800万レアルの赤字を計上している。今年8月の過去12カ月間の累積財政プライマリー収支は、GDP比0,70%の赤字であった。

今年初め9か月間のブラジル政府の財政プライマリー収支は970億8,000万レアルの赤字を計上している一方で、昨年同期のブラジル政府の財政プライマリー収支は1,308億200万レアルの黒字を計上していた。

今年9月の利払いを含むブラジルのインフレ指数を考慮しない名目財政プライマリー収支は、997億8,500万レアルの赤字を記録したが、前年同月の名目財政プライマリー収支は、606億1,800万レアルの赤字であった。

また今年9月の過去12カ月間の累積名目財政プライマリー収支はGDP比7,62%、今年8月の過去12カ月間の累積名目財政プライマリー収支はGDP比7,29% %の赤字を計上していた。

今年9月の過去12カ月間の累積利払い総額はGDP比6,65%に相当する6,997億3,000万レアル、今年8月の過去12カ月間の累積名目財政プライマリー収支はGDP比6,59%であった。

今年9月の非金融公共部門のインフレ指数を差引いた実質公的負債総額は、GDP比60%に相当する6兆3,100億レアル、今年8月の名目公的負債総額はGDP比59.8%であった。

今年9月の連邦政府の名目公的負債総額は、GDP比74.4%に相当する7兆8,260億レアル、今年8月の名目公的負債総額はGDP比74.3%であった。

 

今年9月の鉱工業部門の地域別生産調査では、15地域のうち9地域で前月比マイナスを記録(2023年11月8日付けヴァロール紙 IBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-REGIONAL)によると、2023年9月の15地域のうち9地域で前月比マイナスを記録している。

今年9月の鉱工業部門生産調査(PIM-REGIONAL)のブラジル各地域の平均伸び率は、前月比0,1%微増に留まっている。

今年9月の鉱工業部門生産調査(PIM-REGIONAL)で最も前月比で大幅な落ち込みを記録したのは、ペルナンブーコ州のマイナス12,8%、異常な旱魃で輸送インフラに支障をきたしているマナウスフリーゾーンを抱えるアマゾナス州はマイナス6,1%、異常降雨が続いている南大河州はマイナス5,4%、北東部地域はマイナス5,2%を記録している。

またブラジルの鉱工業部門を牽引するサンパウロ州はマイナス1,1%を記録、エスピリット・サント州はマイナス4,8%、マット・グロッソ州はマイナス4,3%、バイア州マイナス3,0%、サンタ・カタリーナ州マイナス0,2%、ミナス州は前月並みで推移している。

今年9月の鉱工業部門生産調査(PIM-REGIONAL)で増加を記録したのは、パラー州は16,1%と二桁ぢの伸び率を記録、リオ州は3,1%、セアラー州2,2%、パラナ州1,8%、ゴイアス州は1,2%それぞれ増加を記録している。

今年9月の鉱工業部門生産調査(PIM-REGIONAL)の前年同月比の比較では、調査対象の15地域のうち10地域で増加を記録、北大河州は40,2%、パラー州は14,5%、エスピリット・サント州は14,2%とそれぞれ二桁台の増加を記録している。

2023年9月の地域別の鉱工業部門生産の前月比、前年同月比、今年初め9か月間の累計、過去12か月間の累計の増減リスト

日産自動車はブラジルで2025年までに28億レアルの投資発表(2023年11月7日付けヴァロール紙)

日産自動車は昨年末に今後3年間の13億レアルの投資を発表していたが、投資見直しで2023年から25年までに28億レアルを投資すると発表した。新型SUV(多目的スポーツ車)2車種を新たに投入するほか、新型ターボエンジンの生産も予定している。

今月6日にブラジルに着いた内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)はブラジリア市に直行、ルイス・イナシオ・ルーラ大統領およびジェラルド・アルキミン副大統領に、日産自動車のブラジル国内における新たな投資計画を説明した。

内田誠社長は私たちはこの地域での成長の可能性があると考えており、ブラジルとラテンアメリカは戦略的地域であると強調した。内田社長はルーラ大統領との会談でブラジルの経済成長の懸念も表明したとも伝えられている。

新規の投資は新型SUV(多目的スポーツ車)2車種を新たに投入するほか、新型ターボエンジン生産も予定。2車種のうち、1車種は日産がグローバル展開しているSUV「キックス」の新型モデルであり、25年までにKicksをリニューアルし、ラテンアメリカ地域の他の国にも輸出すると内田社長は説明している。

2機種のモデルのうちの1モデルの詳細はまだ明らかにされていないが、燃焼エンジンと電気エンジンを備えたハイブリッドバージョンの基礎となるプラットフォームを備えており、エタノール燃料使用の可能性をラテンアメリカ日産のGuy Rodriguez社長は示唆している。

新規モデル生産を拡大するには、より多くのサプライヤーの関与が不可欠であり、企業名はまだ明らかにされていない4社の新しいパートナーが、レゼンデ工場の日産ラインに対して部品供給する契約に署名する予定となっている。

自動車販売代理店が加盟する全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の発表によると、現在の日産自動車のブラジル国内のマーケットシェアは3,4%に過ぎないが、2026年末までには7%と倍以上のマーケットシェアを目標にしている。

 

9月末のブラジルのクレジット残高は5兆5,750億レアル (2023年11月7日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の発表によると、2023年9月末のブラジルのクレジット残高は、0,8%増加の5兆5,750億レアル、過去12カ月間では8%増加を記録している。

また9月末の融資先が自由に選択できる自由クレジット残高は0,8%増加の3兆2,830億レアル、大型プロジェクトなどの低金利で融資先が限定されている限定クレジット残高は、0,8%増加の2兆2,920億レアルを記録している。

9月末の個人向け自由クレジット残高は、0,3%増加の3兆3,790億レアル、法人向け自由クレジット残高は、1,6%増加の2兆1,960億レアルを記録している。

ブラジル中央銀行では今年のクレジット部門伸び率は前年比7,3%増加を予想、そのうち自由クレジット部門伸び率は5,7%増加、限定クレジット部門伸び率は9,6%増加を予想、個人向けクレジットは9,9%増加、法人向けクレジットは3,4%増加を予想している。

ブラジル中央銀行の発表によると、営業日数の増減など特定の期間の特殊性を除いた季節調整後の9月の新規クレジットは2.3%増加、そのうち個人向けクレジット部門伸び率は0,5%増加、法人向けクレジットは3,8%増加、自由クレジットは3,7%増加した一方で、限定クレジット部門はマイナス5,2%と大幅な落ち込みを記録している。

 

今年9月末の健康保険プラン加盟者は5,090万人に達している (2023年11月6日付けヴァロール紙)

国家保健補助庁(ANS)の発表によると、2023年9月末の民間健康保険プラン加盟者は5,090万人に達しており、昨年9月末の民間健康保険プラン加盟者数を88万9,000人上回っている。今年9月の新規保険プラン加盟者数は20万4,300人となっている。

Citi社の調査によると、Hapvida社 は 9 月に新規契約から解約を差引いた純加盟者数は6万800人の増加を記録 したが、今年3 四半期は 3万9.7 00人のユーザー減少を記録している。

一方で民間健康保険プランのNotredame Intermédica社の今年3 四半期の純加盟者数は6万3,200人の大幅増加を記録、今後数カ月間は同様のペースで増加する可能性をCiti社は予想している。

また今年9月の民間健康保険プランのAmil社の純加盟者数は4万2,500人、3 四半期の純加盟者数は10万1,500人に達している。

今年9月の民間健康保険プランPorto Seguro社の純加盟者数は1万4,700人、3 四半期の純加盟者数は4万6,900人、前記同様にBradesco Saúde社は1万500人、1万400人、SulAmérica社は4,200人増加した一方で、3 四半期は4万6,000人減少を記録している。

また今年9月の民間健康保険プランUnimed Nacional社の純加盟者数は3,400人減少も、3 四半期の純加盟者数は1万5,400人増加、Unimed-BH社は6,700人、2万600人それぞれ増加を記録している。

今年9 月のブラジルの経常収支は13億7,500万ドルの赤字計上 (2023年11月6日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の発表によると2023年9 月のブラジルの経常収支は13億7,500万ドルの赤字計上したが、昨年同月の経常収支69億4,000万ドルの赤字の五分の一まで縮小している。

今年9 月の過去12か月間の累積経常収支は、GDP比1,92%に相当する398億3,200万ドルの赤字を計上している。

ブラジル中央銀行の最終四半期インフレレポート (RTI)では、今年のブラジルの経常収支は360億ドルの赤字を予想している。

今年9 月の海外投資家による対内直接投資残高は、37億5,200万ドルと昨年同月の96億2,800万ドルから大幅に縮小している。

今年9 月の過去12か月間の累積対内直接投資残高は、GDP比2,89%に相当する600億4,200万ドルと昨年同月のGDP比3,91%を大幅に下回っている。

今年9 月の海外投資家による株式などの金融関連投資残高は14億1,400万ドルの黒字を記録したが、昨年同月は32億8,600万ドルの赤字を記録していた。

今年9 月の海外投資家による確定金利付き投資は18億9,100万ドルを記録、ブラジル中央銀行では、今年の海外投資家によるブラジルの株式投資残高は100億ドルを見込んでいる。

今年9 月の外資系企業による本国への利益・配当金送金は、33億6,900万ドルと昨年同月の50億6,400万ドルを大幅に下回っている。昨年の送金総額は420億ドルであった。

負債を抱える59万人が債務再交渉プログラムで18億レアルの債務返済交渉 (2023年11月6日付けヴァロール紙)

6日付けの財務省の発表によると、債務再交渉プログラムo Desenrolaでブラジル人59万人が負っている18億レアルの債務についてすでに再交渉を行っている。

また11月2日までに、負債総額21億レアルに相当する100万件以上の債務が僅か負債総額の10%強に相当する2億6,200万レアルの返済で再交渉されていた。

債務再交渉プログラムo Desenrola は10月9日から交渉開始、現段階ではクレジットカードなどの銀行債務と、電気、水道、衛生、小売業など他の分野からの延滞請求が含まれている。

債務再交渉プログラムo Desenrolaは負債を抱えているブラジルの一般消費者が信用を取り戻すための実行可能かつ持続可能な交渉を提供していると財務省では説明している。

一般消費者が抱えるこれらの負債は、FGO によって保証され、頭金なしで現金または資金調達で最長 60 か月以内にでの返済が可能となる。月利は最大 1.99% で、最初の分割払いは 59 日以内に行われる。

債務再交渉プログラムo Desenrolaのフェーズ 2 では、7 月から 10 月にかけて 205 億レアルが再交渉され、280 万件の契約が再交渉、220 万人の顧客に恩恵をもたらした。

 

 

今年10月の海外投資家の株売り越し残高は28億7,000万レアル (2023年11月3日付けヴァロール紙)

サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)が0,54%上昇した10月31日の海外投資家によるサンパウロ証券取引所(B3)の株式投資金引上げ残高は1,520万レアルを記録している。

今年10月の海外投資家の株売り越し残高は28億7,000万レアルに達している一方で、今年初め10か月間の株式買い越し残高は63億7,000万レアルを記録している。

金融機関投資家による10月31日の売り越し残高は7810万レアル、10月の金融機関投資家による売り越し残高は24億5,000万レアル、今年初め10か月間の売り越し残高は333億5,000万レアルを記録している。

個人投資家による10月31日の売り越し残高は6140万レアル、10月の個人投資家による買い越し残高は20億9,000万レアル、今年初め10か月間の個人投資家による買い越し残高は103億6,000万レアルの大幅な黒字を記録している。

最終フォーカスレポートは来年のインフレ指数を再度上方修正(2023年11月6日付けヴァロール紙)

6日発表のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2024年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の3,90%から3,91%.に上方修正したが、2025年のIPCAは前回同様3,50%に据置いている。2023年のIPCAは前回予想の4,63%に据え置いている。

今年末の政策誘導金利Selicは、前回同様11,75%に据置いた一方で、2024年のSelic金利は9,25%、2025年のSelic金利も8,75%それぞれ据置いている。

ブラジル中銀の今年のIPCA指数の中央目標値を3.25%、2024年及び2025年の中央目標値を3.00%、許容範囲は±1.50%を設定している。

今年のGDP伸び率は、前回予想の2,89に据置、2024年のGDP伸び率は1,50%、2025年のGDP伸び率も前回同様1,90%に据置いている。

ブラジル地理統計院(IBGE)は9月1日、2023年第2四半期(4~6月期)の国内総生産(GDP)の成長率が、前期と比較して0.9%増加を記録したとする国民経済統計を発表した。

Valor社の74社のコンサルタント会社や金融機関対象の調査によると、今年のGDP伸び率の最低予想はマイナス0,8%、最高予想は1,1%増加、平均予想は0,3%増加であった。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替は前回同様R$ 5,00に据置、2024年末はR$ 5,05、2025年末のドルの為替はR$ 5,10にそれぞれ据え置いている。