7月のサービス部門提供量は0.5%増加(2023年9月14日付けヴァロール紙及びIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、2023年7月のサービス部門提供量(生産性指標)は、前月比0.5%増加と3カ月連続で増加を記録、5月は1.5%増加、6月は0.2%増加を記録していた。

今年7月のサービス部門提供量(生産性指標)は、前年同月比3.5%増加、過去12カ月間の供量は6.0%増加、今年初め7か月間の供量4.5%増加を記録している。

Valor Data社が23社のコンサルタント会社及び金融機関対象の調査では、最低予想はマイナス0.2%、最高予想は1.5%増加、平均予想の0.4%増加を若干上回った。

今年7月のサービス部門提供量は、Covid-19 パンデミック直前の2020年2月の水準を12.8%上回っている一方で、過去最高水準を記録した2022年12月の水準を0.9%下回っている。

今年7月のサービス部門のインフレ指数を考慮しない名目売上総額は前月比0.2%増加の、前年同月比4.6%増加、調査対象の27州のうち13地域で増加を記録、特にリオ州は1.4%増加、ゴイアス州は5.6%増加、バイア州2.9%、マット・グロッソ州3.0%、セアラ州は3.3%増加を記録している。

一方ブラジルア連邦直轄地はマイナス2.9%、サンパウロ州マイナス0.1%、南大河州マイナス0.6%、エスピリット・サント州マイナス1.8%を記録している。

7月のサービス部門の部門別の調査対象では5部門のうち3部門で増加を記録、輸送部門は前月のマイナス0.4%から0.6%増加に転じている。一般家庭向け部門のサービス提供量は1.0%増加、今年初め7か月間の累計では4.9%増加。その他のサービス部門は前月のマイナス0.4%から0.3%増加に転じている。

また教育・研究機関などの公共サービス部門はマイナス1.1%、情報・通信サービス部門は前月に続いてマイナス0.2%と後退している。

2023年5月~7月の月間、今年初め7か月間、過去12か月間の部門別、セクター別のサービス部門提供量推移

2021年9月以降のサービス部門提供量の月間推移

プリズム財政レポートは2024年の財政プライマリー収支赤字を830億レアル予想(2023年9月14日付けヴァロール紙)

財務省のプリズム財政レポート(Prisma Fiscal )を基にした財務省エコノミストの2024年度のブラジル連保政府の財政プライマリー収支は、8月の予想の830億レアルから9月は848億レアルに上方修正している。

一方、連邦政府の新税制均衡法は来年の主な財政プライマリー収支赤字をゼロとし、国内総生産(GDP)比で∓0.25%ポイントの許容範囲を設けている。

∓0.25パーセントポイントの幅は上下約250億レアルに相当する。言い換えれば、市場が予測する来年の基礎的財政赤字は、目標範囲をほぼ600億レアル上回っていることになる。

金融機関、コンサルタント会社及び資産管理会社による今年の財政プライマリー収支赤字は、前回予想の1,046億レアルから1,065億レアルへと若干上方修正している。

ブラジルの公的債務の主要な指標である連邦政府の総債務残高(DBGG) は、市場予測は今年末時点でGDP比76.19%から76.12%と微減されたが、2024 年も GDP比79.15% から 79.11% に微減されている。

2023 年の連邦政府の歳入総額は前回予想の2 兆 3,510 億レアルから 2 兆 3,490 億レアルと若干下方修正、純歳入総額は前回同様に1 兆 9,200 億レアルで安定している。連邦政府の総支出総額見通しは前回予想の2兆220億レアルから2兆200億レアルとほぼ変わらず。

また2024年の連邦政府の歳入総額は前回予想の2兆5,040億レアルから2兆5,320億レアル、純歳入総額は前回予想の2億1,620億レアルから2兆1,710億レアルに微調整されている。

7月のアマゾナス州の鉱工業部門生産は前月のマイナス5,1%に続いてマイナス8,8%を記録(2023年9月13日付けヴァロール紙及びIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-REGIONAL)によると、2023年7月のブラジル国内15地域の鉱工業部門の平均生産伸び率は前月比マイナス0,6%を記録している。

.特に今年7月のアマゾナス州の鉱工業部門生産は前月のマイナス5,1%に続いてマイナス8,8%と大幅な落ち込みを記録、4月はマイナス14,7%と大幅な落ち込みを記録しており、ブラジルの鉱工業部門生産伸び率の足枷となっている。

しかし今年初め7か月間のアマゾナス州の鉱工業部門の累計生産は前年同期比6,5%増加を記録、また今年7月の過去12カ月間の鉱工業部門の累計生産は前年同期比5,7%増加している。

今年7月の鉱工業部門生産はCovid-19 パンデミック直前の20年2月の水準を依然として3,4%下回っており、過去最高レベルを記録した2010年3月の水準を依然として27,5%も下回っている。

今年7月のアマゾナス州の鉱工業部門生産は前月のマイナス5,1%に続いてマイナス8,8%の要因として、地元産業で非常に影響力のある 2 つのセクターであるコンピューター機器、電子・光学製品セクター、および飲料セクターの業績不振が大きく影響している。

7 月の鉱工業部門生産調査では 15 地域のうち14 地域で前月比マイナスを記録、アマゾナス州に次いで 2 番目に大きな影響を受けたのは、食品、冶金、化学製品セクターが不振であったバイーア州の鉱工業部門生産でマイナス6%を記録 して、2022年10月に記録したマイナス9.5%に次ぐ落ち込みを記録している。

7 月の鉱工業部門生産調査でアマゾナス州及びバイア州に次いで、ブラジル鉱工業部門の3分の1を占めるサンパウロ州はマイナス0.5%を記録、特に機械・装置セクター、その他の輸送機器及び自動車セクターが足枷となっていた。

2023年7月のブラジルの地位域別の鉱工業部門生産の前月比、今年初め7か月間の累計、過去12か月間の累計

イタウー銀行は今年のGDP伸び率を2,5%から2,9%に上方修正(2023年9月13日付けヴァロール紙)

第2四半期のGDP伸び率が大半の予想を上回る0.9%増加などの要因で、イタウーウニバンコ銀行は、2023年のブラジルのGDP伸び率を前回予想の2.5%から2.9%に上方修正している。

ブラジル国内の労働市場の好調が今後数カ月間、引き続き一般家庭の消費を支え、投資の低迷を補うとイタウー銀行エコノミストは指摘している。

しかしブラジル中央銀行では、今年第3四半期のGDP伸び率は農業セクター主導で0.2%減少すると予想しており、第1四半期のGDPの力強い伸び率1.9%を若干切削するが、今年最終四半期のGDP伸び率は 0,2% から0,3%を予想している。

今年7月の失業率が7.8%まで低下するなど、雇用市場の回復力をイタウー銀行のエコノミストは指摘。雇用市場の温暖化の兆しを考慮すると、給与は今後数カ月間に再び上昇すると予想。イタウ首相は、今年と2024年の失業率が8%になるとの予想を維持している。

イタウー銀行はまた、2024年のGDP伸び率予想を1.5%から1.8%に上方修正している。 上方修正の要因として金利引き下げプロセスの継続性と可処分所得の回復力は、経済が潜在成長率に近づくのに効力を発揮すると指摘している。

しかし、イタウー銀行では財政見通しを変更せず、今年の財政プライマリー収支赤字はGDP比1%、2024年にはGDP比0.8%になると予想を継続している。

またイタウー銀行は、2022年の公的債務残高はGDP比73%であったが、今年は75%に増加、2024年にはGDP比78%に増加すると予測している。

 

今年初め8か月間の二輪車の累計生産台数は既に100万台を突破(2023年9月13日付けヴァロール紙)

10社の二輪車メーカーが加入するブラジル二輪製造会社協会(Abraciclo)の発表によると、マナウスフリーゾーンの2023年8月の二輪車生産は、前年同月比12.4%増加の16万4,000台と今年の月間記録を更新している。また2012年8月以降の二輪車生産でも最高の生産台数に達している。

8月の二輪車生産は前月比33.4%と大幅な増加を記録、今年初め8か月間の累計生産台数は105万1,000台と100万台をすでに突破している。

ブラジル二輪製造会社協会(Abraciclo)は、今年の二輪車生産台数を前年比10,4%と二桁台増加の156万台を見込んでいるが、今年初め8か月間の累計生産台数は前年同期比14% 増加している。

今年8月の二輪車の新車登録台数は前年同月比20,4%増加、前月比では16% 増加、今年8月の二輪車の新車登録台数は二輪車生産が200万台を突破した2011年同月以降では最高を記録している。

ブラジル二輪製造会社協会(Abraciclo)は、今年の二輪車の新車登録台数は前年比10,9%増加の151万台を見込んでおり、また今年初め8か月間の累計新車登録台数は21,3%増加の104万6,000台を記録している。

今年8月の23日間の1日当たりの平均二輪車販売は6.207台、また8月の二輪車輸出台数は前年同月比55,9%増加の3.443台、前月比では8,4%増加、今年初め8か月間の累計輸出台数はマイナス28,3%の2万7.152台に留まっているが、今年の二輪車輸出台数は前年比マイナス11,5%を見込んでいる。

 

8月のインフレ指数IPCAは0,23%(2023年9月12日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2023年8月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、7月の0,12%から0,23%に上昇、上昇要因として電力料金の値上げが牽引している。

Valor Data社が36社の金融機関やコンサルタント会社対象の調査によると、8月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)の最低予想は0,24%、最高予想は0,40%、平均予想の0,29%を若干下回っている。

今年8月の過去12カ月間の累積IPCA指数は4,61%と7月の3,99%よりも大幅に上昇したが、Valor Data社の調査結果である最低予想4,62%、最高予想4,79%.、平均予想の4,67%を若干下回っている。

ブラジル中銀の今年のIPCA指数の中央目標値を3.25%、2024年及び2025年の中央目標値を3.00%、許容範囲は±1.50%を設定しているが、今年8月の過去12カ月間の累積IPCA指数4,61%は許容上限値の4.50%を若干上回っている。

IPCA指数算出のための9グループのうち4グループは前月比増加、4グループは減少、1グループは前月並みであった。

今年8月のIPCA指数の内訳は、住居グループは前月のマイナス1,01%から1,11%増加に転じ、前記同様に衣料品グループはマイナス0,24%から0,54%増加を記録している。

一方で、日用雑貨グループは0,04%増加からマイナス0,04%、健康保健・パーソナルケアグループは0,26% から0,58%、教育グループは0,13%から0,69%とそれぞれ増加している

また食品・飲料グループはマイナス0,46%からマイナス0,85%と更なるデフレ傾向を示しており、輸送グループは1,50%から0,34%と大幅に減速、通信グループは0,00%からマイナス0,09%とデフレを記録している。

2022年8月~2023年8月のIPCA指数の月間推移

2022年8月~2023年8月のIPCA指数の過去12カ月間の累積月間推移

2023年8月の各グループごとのIPCA指数

8月の全国土木建設指数 (SINAPI)は0,18%増加(2023年9月12日付けヴァロール紙およびIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2023年8月の全国土木建設指数 (SINAPI)は0,18%と前月の0,23%よりも若干減少を記録している。

今年8月の過去12カ月間の累積全国土木建設指数 (SINAPI)は3,11%と7月の3,52%よりも減少を記録している。また昨年8月の全国土木建設指数 (SINAPI)は0,58%であった。

今年8月の1平方メートル当たりの平均建設コストはR$ 1.713,52を記録、そのうち建材コストはR$ 1.000,42、労賃はR$ 713,10。7月の1平方メートル当たりの平均建設コストはR$ 1.710,37であった。

8月の建材のコスト比率は0.14%低下し、前月比を0.15%下回った。 7 月建材のコスト比率は 0.01% 変動していた。

2023年8月の各州の建設コスト、月間、今年初め8か月間及び過去12カ月間の変動率

ブラジルは本腰を入れて鶏肉輸出でアフリカ市場を開拓(2023年9月12日付けヴァロール紙)

ブラジル動物蛋白質協会(ABPA)及びブラジル輸出投資振興局(Apex Brasil)は、ブラジル鶏肉のイスラエルへの輸出成功に続いて、人口が14億人に達する巨大な消費市場開拓に本腰を入れる準備を進めている。

アフリカ市場におけるブラジルの食肉での存在感を高めることは、ABPAとApexBrasilの間で最近締結された養鶏・養豚分野の促進協定の更新の目的の1つとなっている。

ブラジル動物蛋白質協会(ABPA)及びブラジル輸出投資振興局(Apex Brasil)は、今後2年間にナイジェリアやセネガルなどアフリカ大陸向けのブラジルの鶏肉輸出を40億ドル以上を見込んでおり、積極的な売り込み攻勢を予定している。

ブラジルは中国をはじめとしたアジア市場でのマーケットシェア拡大に軸足を置いて、アフリカ市場から遠ざかっていたが、アフリカ市場の開拓をターゲットにするとブラジル輸出投資振興局(Apex Brasil)のJorge Viana総裁は強調している。

アフリカ大陸は深刻な食糧不足に直面しているため、ブラジル動物蛋白質協会(ABPA)との間で最近締結された養鶏・養豚分野の促進協定はアフリカ市場を克服するためのツールとなり得るとブラジル輸出投資振興局(Apex Brasil)のJorge Viana総裁は強調している。

 

リボルビング金利の上限設定で銀行の貸出金利制限がさらに厳しくなる可能性をムーディーズが指摘 (2023年9月11日付けヴァロール紙)

米国格付け会社 ムーディーズによると、先週国会が承認したリボ払いクレジットカード債務の100%上限設定はブラジル国内の銀行にとってマイナスであり、その結果、高リスク商品の融資がさらに制限される可能性があると指摘している。

格付け会社は報告書の中で、リボ払いクレジットカード金利の上限は、特にクレジットカード取引からの利息収入が減少し、クレジットカード発行に伴う手数料収入も減少するため、将来の収益性が低下するため、銀行にとってマイナスであると指摘している。

リボ払いクレジットカード金利の上限設定は、金融機関が収益性の低い商品提供を減らすため、取引量は減少する可能性が高く、さらに、この上限設定は、高い資金調達コストと信用コストも銀行の利益を圧迫しているときに導入される可能性がある。

格付け会社の報告書によると、イタウー銀行、ブラデスコ銀行、サンタンデール銀行、連邦貯蓄金庫、ブラジル銀行などの5大手銀行は、ブラジルのクレジットカード取扱高の約64%を占めているため、上限設定の影響を受ける可能性が高いと指摘している。

またNubank、C6、Inter など、主に低所得者層からの新規顧客を獲得するために主力商品としてクレジット カードを使用する個人向け金融を専門とする銀行も、おそらくクレジット カードの限度額と発行基準を調整する必要が出てくると予想される。

大手銀行もCovid-19 パンデミック期間は、デジタルチャンネルを通した新規顧客開発に躍起となっていたが、2021年末以降、大手銀行は既存の顧客ベースだけでなく、より信用度の高い高所得者への融資にも注力しており、デジタルチャネルを通じて新規顧客を引き付ける努力を減らしているとムーディーズは指摘している。

クレジットカードの金利に上限を設けることで、連邦政府は借り手の未払いの銀行債務の返済能力を強化することも目的としているが、この金利の急激な引き下げにより、クレジットカード事業に関連する非常に高い信用コストを管理する方法として、銀行がさらに制限を厳しくする可能性が指摘されている。

 

8月の建材部門売上は前年同月比マイナス1%(2023年9月11日付けヴァロール紙)

ブラジル建設材料工業協会(Abramat)の発表によると、2023年8月のブラジル国内の建材部門売上は前年同月比マイナス1%を記録している。

今年8月の建材部門の仕上げ関連資材の販売は前年同月比マイナス5,3%を記録した一方で、基本建材部門売上は1,8%増加を記録している。

今年8月の建材部門の前月比の売上は0,9%微増、今年初め8か月間の建材部門の累計売上は前年同期比マイナス2,3%、特に仕上げ部門売上はマイナス7,6%と大幅な落ち込みを記録した一方で、基本建材部門売上は1,2%増加を記録している。

今年8月の過去12カ月間の建材部門の累計売上はマイナス3,4%、今年の建材部門の売上はマイナス1.0%が見込まれているが、2022年の建材部門の売上はマイナス6,9%の大幅な落ち込みを記録していた。

銀行金利の引き下げサイクルへの突入、コントロールされているインフレ、新経済成長加速プログラム(PAC-3)並びに大衆住宅建設“私の家、私の暮らし”(MCMV)プログラムなどの要因で、来年の建材販売は楽観的な予想となっている。