今年7月の連邦政府の名目公的債務残高はGDP比72.4%(2023年9月1日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の発表によると、2023年7月のブラジルのインフレ指数を考慮しない名目公的債務残高は、GDP比72.4%に相当する7兆6,860億レアル、前月比では0.5%増加を記録して、2022年11月以降では最高の名目公的債務残高を記録している。

7月の名目公的債務残高が前月比では0.5%増加を記録した要因として、ブラジル国債発行が償還金額を0.3%上回り、また金利も0.6%増加した一方で、7月の為替レートが 1.6% 上昇したため 0.4 %減少する効果に結び付いている。

一方、7月の前月比のインフレ指数を差引いた純負債は、GDP比0.6%増加の59.6%に相当する6兆1,860億レアルとなり、2021年1月に記録したGDP比59.7%以降では最高のGDP比の純負債を記録している。

7月の純負債は財政プライマリー収支赤字の影響を受け、債務が0.3%増加し、名目利子が0.4%、為替が0.2ポイント上昇した。

ブラジルは3,000億ドルを超える外貨準備高で外貨の債権者であるため、レアルに対するドルの下落の影響で純負債が増加する一方で。名目GDPの変動で0.3%減少している。

今年7月の財政プライマリー収支は358億レアルの赤字を記録した一方で、昨年7月の財政プライマリー収支は204億レアルの黒字であった。また今年7月の過去12カ月間の累積財政プライマリー収支は、805億レアルの大幅な赤字を計上して、2021年8月以降では最高の赤字幅を記録している。

年初の財政プライマリー収支は黒字で開始したにも拘らず、今年初め7か月間の累積財政プライマリー収支は、562億レアルの赤字を計上している。2022年初め7か月間の累積財政プライマリー収支は1,503億レアルの黒字を記録していた。

 

 

7月のブラジルの財政プライマリー収支は同月としては過去26年間で2番目の赤字計上(2023年8月31日付けヴァロール紙)

31日の国庫庁の発表によると、2023年7月の中央政府の財政プライマリー収支は、統計を取り始めた1997年以降では、7月としては2020年7月に記録したCovid-19 パンデミックによる影響を受けた1,096億レアルの赤字に次ぐ359億レアルの赤字を計上している。

財務省のDavid Rebelo Athayde財政政策戦略計画担当次官は7月の中央政府の財政プライマリー収支に対する記者会見で、今年の財政プライマリー収支はGDP比1.0%に相当する赤字に収まる方向で進んでいると説明している。

国庫庁の発表によると、今年7月の過去12カ月間の累積財政プライマリー収支はGDP比0.95%に相当する970億レアルの赤字を記録している。

社会保障院及びブラジル中央銀行の支出を含まない今年の財政プライマリー収支予算は1,454億レアルの赤字が見込まれているにも関わらず、GDP比1.0%に相当する1,000億レアルの赤字に収まる可能性が濃厚となっている。

今年7月までのブラジルの財政プライマリー収支は予想通りに進んでおり、昨年のような国際コモディティ商品高騰による収支とは異なるが、エレトロブラス電力公社の資本化、ペトロブラスが連邦政府に支払った多額の配当、主に石油セクターにおけるコモディティ企業の高利益などが寄与している。

今年初め7か月間のインフレ指数を考慮した実質、また財政プライマリー収支は前年同期比マイナス5.3% 、2022 年の同時期と比較した年間の累計結果では、インフレを考慮した純収益は 5.3% 減少した。今年7月と前年同期との比較でもマイナス5.3%を記録している。

今年下半期の財政プライマリー収支は、燃料に対する連邦税の復活や商品サービス流通税(ICMS)の控除額の変更など、すでに導入された措置で、歳入の改善が期待できるとDavid Rebelo Athayde財政政策戦略計画担当次官は説明している。

今年7月の歳出総額は連邦政府によるプレカルトリオの負債の前払いの影響で前年同月比8,7%増加、前月比31,3%と大幅な増加を記録している。

インテル銀行チーフエコノミストのRafaela Vitoria氏は、今年のブラジルの財政プライマリー収支赤字を900億レアルから1,200億レアルに上方修正する必要性を指摘している。

しかしRafaela Vitoria氏は、ブラジル経済の鈍化に伴う歳入の減少及び国際コモディティ価格の減少で、連邦政府が掲げている2024年の財政プライマリー収支の赤字ゼロには疑問を抱いている。

2022年8月~ 2023年7月までの過去12カ月間の累積財政プライマリー収支の推移

 

下院議会では従業員向け給与の20%に相当するINSS納付金の減税措置延長及び市役所職員のINSS納付金負担率引下げ(2023年8月31日付けヴァロール紙)

30日に下院議会は、国内で最も雇用の大きい17の事業部門の給与免除を延長する法案及びすべての市役所の社会保障負担率の引き下げにつながる追加措置を承認した。この下院議会での法案変更で、ルーラ大統領の承認する前に、再度上院議会を通過する必要がある。

経済活性化並びに雇用維持のための措置として、企業側の社会保障院(INSS)への従業員給与額20.0%の納付率の免税に対して、売上の1.0%~4.0%の課税で企業負担を軽減するが、有効期限は今年12月31日までとなっていた。

大幅な歳入減少が避けられない雇用の大きな17事業部門の給与免除を延長する法案の承認したが、市営バス、都市間バス、州間バス会社に対する社会保障負担率の引き下げには反対していた経緯があった。

市長たちの抗議のせいで、行政府が市役所職員のINSS納付率の引下を覆すつもりはないと述べたが、私が注目しているのはブラジルの地方自治体であり、連邦政府は解決策を見つけ出すために、地方自治体を支援する少なくとも4つの措置を議論していると下院議会の与党リーダーのJosé Guimarães下院議員 (PT-CE)は説明している。

上院が承認していた地方公務員の社会保障院への給与額20.0%の納付率の8%への引下法案はすでに提案されているが、減税対象は人口14万2,000人までの市町村のみが適用される。

しかし下院議会の法案作成のAny Ortiz議員 (Cidadania-RS)は、このモデルは最も公平ではないと述べ、国内のすべての市役所職員に恩恵を拡大するというElmar Nascimento議員(União-BA)の提案を受け入れた。

財務省はブラジル全国の全ての5,568自治体の一人当たり国内総生産(GDP)を記載したリストを作成する予定であり、最貧困層市町村の20%の税率は8%、最貧困層20%~40%の間は10.5%、40%~60%の間は13%、60%~80%の間は15.5%、 最も裕福な20%の市町村は18%に引き下下が検討されている。

減税対象の17セクターの中で履物セクター、衣料品、土木建設、コールセンター、機械、設備などのセクターでは、従業員給与額20.0%の納付率の免税に対して、売上の2%から4%の間で維持されたが、市営バス、都市間バス、州間バス会社に対する社会保障負担率は2.0%から1.0%に引き下げられる。

 

7月のスーパーマーケットの売上は3.37%大幅増加(2023年8月31日付けヴァロール紙)

ブラジル・スーパーマーケット協会(Abras)の発表によると、2023年7月のスーパーマーケットの売上は、前年同月比3.37%と大幅な伸び率を記録、前月比でも4.24%と大幅な増加を記録している。

ペトロブラス石油公社による燃料価格の値上げの影響は、来月からの食料品価格に反映されることが避けられず、また工業製品の値上げはスーパーマーケットの在庫如何にかかっていると同協会のマルシオ・ミラン副会長は説明している。

今年上半期にはボルサ・ファミリア関連の854億レアルやガス援助プログラムによる19億レアルなどの補助金の放出で、一般消費者に恩恵をもたらしたとマルシオ・ミラン副会長は指摘している。

7月の食品部門のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)はマイナス0.66%、また7月の幅広い消費品目 35 品目で構成されるいわゆるアブラスメルカド バスケットは、前月比 マイナス1.51% の730.06 レアルで、2022年2月以来の最低のバスケット価格を記録している。

7月のアブラスメルカドのバスケット価格の下落は、フェジョン豆、大豆油、ジャガイモなど、6月にも注目された品目の価格下落を反映している。

今年7月のフェジョン豆の価格はマイナス9.24%と大幅に減少、今年初め7カ月間でもマイナス4.91%と大幅なデフレを記録している。また前記同様大豆油はマイナス4.77%、マイナス28.12%、ジャガイモはマイナス3.03%、マイナス7.36%とそれぞれデフレを記録している

一方、7月の精糖価格は1.58%増加、今年初め7カ月間では4.3%増加、前記同様に玉葱は1.84%増加したが、今年初め7カ月間ではマイナス42.4%であった。

スーパーマーケット 部門は1月から7月にかけて187店舗を新規オープンし、そのうち105店舗がスーパーマーケット、82店舗がキャッシュアンドキャリーだった。さらに251店舗が営業を再開した。

 

7月の海外投資家のブラジルの公的負債残高に占める割合は過去12カ月間で最低水準(2023年8月30日付けヴァロール紙)

7月の海外投資家のブラジルの公的債務残高に占める割合は過去12カ月間の低水準に低下。昨日、国庫が7月の月例債務報告書(RMD)では、これらの投資家の国内連邦公債 (DPMFi) の占有率は、6月の9.48%から9.22%まで減少している。

海外投資家のブラジルの公的債務残高に占める割合が過去最低であったのは2022年の9月の9,2%であったが、今年6月の5,640億レアルから7月には5,450億レアルに減少している。

国庫庁公的債務業務担当のロベルト・ロバリニャス調整官は、RMDについてコメントするインタビューの中で、年金機関を除き、他の全ての海外投資家関連機関の国内連邦公債 (DPMFi) の参加比率が6月から7月の間に減少と指摘している。

2023年7月の連邦政府の公的債務残高は、前月比マイナス0,8%の6兆1420億レアルと僅かながら縮小している。国債の発行額は1,344億レアルに相当、償還総額は2,270億8,000万レアル、純償還額は926億8,000万レアルを記録している。

今年7月の連邦政府の対内債務残高は、マイナス0,74%に相当する5兆9,130億レアルの一方で、対外債務残高はマイナス2,17%.に相当する2289億6,000万レアル、ドル換算では482億9,000万ドルとなっている。

財務省が債務管理に使用する流動性クッションは、6月の1兆1,180億レアルに対し、7月には9,910億レアルで終了した。 7月の金額は将来の債券満期を8.28カ月分カバーできる額で、6月は8.52カ月分だった。

7月のブラジル国内の新規正規雇用は14万2.702人(2023年8月30日付けヴァロール紙)

30日の就労・失業者管理センター(Caged)の統計を基にした労働・雇用省の発表によると、2023年7月の労働手帳に記載される純正規雇用総数は、14万2.702人を記録している。

Valor Data社の7月の正規雇用調査では、最低予想は11万人、最高予想は15万5,000人、平均予想13万9,000人を上回っている。

7月の正規雇用総数は188万3.198人に対して解雇総数は174万496人。純正規雇用総数14万2.702人は、昨年同月の22万5.016人を8万人以上下回っている。

今年初め7か月間の累積純正規雇用総数は116万6.125人、累積新規雇用総数は1,369万761人に対して、累積解雇総数は1,207万7.713人であった。

Luiz Marinho労働・雇用相は、今年の純新規雇用は200万人以上を見込んでいると強気の発言をしている。

銀行金利の高止まりやクレジット部門の依然とした与信強化が継続しているが、連邦政府による経済成長加速プログラム(PAC)や大衆住宅建設“私の家、私の暮らし”(MCMV)プログラムの再開で今後の投資の活性化に伴って、新規雇用創出につながるとLuiz Marinho労働・雇用相は示唆している。

7月の正規雇用のうちサービス部門の純正規雇用数は5万6.303人増加、農畜産・林業・漁業部門は1万2.978人、鉱工業部門は2万1.254人、建設業部門は2万5.423人、商業部門は2万6.744人増加を記録している。

また今年初め7か月間のサービス部門の純累積正規雇用数は65万6.014人、鉱工業部門は15万6.264人、農畜産・林業・漁業部門は10万142人、商業部門は5万9.2442人増加を記録している。

7月の連邦政府の公的債務残高はマイナス0,8%の6兆1420億レアル(2023年8月29日付けヴァロール紙)

国庫庁の発表によると、2023年7月の連邦政府の公的債務残高は、前月比マイナス0,8%の6兆1420億レアルと僅かながら縮小している。

今年7月の連邦政府の対内債務残高は、マイナス0,74%に相当する5兆9130億レアルの一方で、対外債務残高はマイナス2,17%.に相当する2289億6000万レアル、ドル換算では482億9000万ドルとなっている。

国債の発行額は1,344億レアルに相当、償還総額は2,270億8,000万レアル、純償還額は926億8,000万レアルを記録している。

この純償還総額のうち、898 億 6,000 万レアルは国内連邦公債 (DPMFi) の純償還を指し、28 億 2,000 万レアルは対外連邦公債の純償還を指す。

今後12か月間に償還期間を迎える国債発行額は、発行残高の18,21%と先月の19,71%よりも大幅に減少している。

ブラジル国債の平均償還期間は4,06年と先月の3,98年よりも増加、世界の国債平均償還期間は、ブラジル国債の償還期間を大幅に上回る先月の5,31年から5,4年に伸びている。

 

今年のタイヤ販売は前年比マイナス2.4%予想(2023年8月29日付けヴァロール紙)

2023年初め7か月間のブラジル国内のタイヤ販売は前年同期比マイナス5.5%に相当する3,070万本と昨年同期の3,240万本を170万本下回っている。今年7月のタイヤ販売は前月比マイナス9.6%に留まっている。

21社のタイヤメーカーが加盟しているブラジルタイヤ工業協会(Anip)のKlaus Curt Müller会長は2023年のブラジル国内のタイヤ販売は前年比マイナス2.4%に留まると予想している。

今年初め7か月間の部門別タイヤ販売では、4 部門のうち、乗用車 はマイナス6.9%、小型商用車 マイナス7%、トラックなどの貨物車 はマイナス16.2%の3部門で減少している。

今年初め7か月間の部門別タイヤ販売で唯一増加を記録したのは二輪車向けタイヤ販売で前年同期比9.7%増加の580万本を記録している。今年の二輪車向けタイヤ販売で前年比9.0%増加が見込まれている。

ブラジル国内のタイヤ 販売量の約50%を占める乗用車部門は、今年7月までに1,630万本のタイヤを販売したが、これは前年同期比マイナス6.9%。自動車メーカーへのタイヤ直接販売では、0.5%微増、スペアタイヤ販売はマイナス9.4%を記録している。

タイヤ販売数の 12% を占める貨物車部門は最悪のパフォーマンスで、累計タイヤ販売本数は16.2%減の380万本。自動車メーカー向け販売は20.4%減少の90万本となっている。

 

Caoaグループはゴイアス州に30億レアルの投資と800人の新規雇用を発表(2023年8月29日付けヴァロール紙)

29日にCaoaグループは、ゴイアス州アナポリス市に今後5年間に総額30億レアルに達する投資と800人の新規雇用を発表した。

新規投資発表会には、開発産業商務サービス担当相兼務のジェラルド・アウキミン副大統領も参列、カオア社はTiggo 5X Sport車の生産能力引上げを発表している。

.2年前に亡くなったグループ創設者の息子であるカルロス・アルベルト・デ・オリベイラ・アンドラーデ・フィリョ社長は、今回の投資によりTiggo 5X Sportモデルラインの生産能力を150%増加すると強調している。

またアンドラーデ・フィリョ社長は、新しい電動化技術の導入に加え、新製品や現行製品の改修にも引き続き投資していくと強調した。

今回の新規投資はCaoa社 のマーケティングおよびアフターセールス分野への投資の維持と、販売店ネットワークの拡大も見込んでいる。同社はまた、現地の研究開発への投資を継続するという目標を改めて表明している。

Cobasi社とPetz社は企業合併で協議再開(2023年8月28日付けヴァロール紙)

ペット用品チェーンのCobasi社とPetz社は、両社の合併の可能性について交渉するために、再び投資銀行と交渉とValor社が事情に詳しい2人の関係者から明らかにした。

両社は過去にも合併についてを話し合いを試みてきたが、Petz社の創業者のセルジオ・ジメルマン氏は依然として対話を続けることに消極的と見られている。

Petz社は2020年にサンパウロ証券取引所に上場して約30億レアルを調達、一躍市場の寵児の一つとなった。両チェーンともそれぞれ約 200 店舗を展開している。

Kineaファンドは、2021年にCobasi社に3億レアルの投資を行っており、両社の事業統合に関心を示している。Cobasi社の昨年の売上は収入は約26億レアル。

Petz社はCobasi社との企業合併でItaú BBAからアドバイスを受けており、一方Cobasi社はMorgan Stanleyからアドバイスを受けている。