6月のインフレ指数はマイナス0,08%とデフレに反転 、過去12カ月間では3,16% (2023年7月11日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、6月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)はマイナス0,08%と5月の0,23%のインフレから一転してデフレに転じている。

昨年6月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は0,67%と高いインフレ指数を記録していた。今年6月のIPCA指数マイナス0,08%は2017年6月以降では最低の指数を記録している。

今年6月のIPCA指数がマイナス0,08%を記録した要因として、食品・飲料部門のIPCA指数がマイナス0,66%と0,14ポイント下げる効果、輸送部門はマイナス0,41%と0,08ポイント下げる効果に繋がっている。

Valor Data社の35社のコンサルタント会社や金融機関対象の調査では、最低予想はマイナス0,16%、最高予想はマイナス0,01%、平均予想はマイナス0,10%であった。

今年6月の過去12カ月間の累計IPCA指数は、5月の3,94%から3,16%と大幅に減少と2020年9月に記録した3,14%以降では最低を記録、中央銀行の今年のインフレ指数の中央目標値3,25%を下回っている。

今年初め6か月間の累計IPCA指数は2,87%まで減少している。IBGEでは、IPCA指数の集計としてゴイアニア、カンポ・グランデ、リオ・ブランコ、サン・ルイス、アラカジュ、ブラジリアの各自治体に加え、10大都市圏をカバーする最低賃金1~40の世帯の消費バスケットに基づいてブラジルの公式インフレを計算している。

2022年6月~2023年6月までのIPCA指数の推移

2022年6月~2022年6月~2023年6月までの過去12カ月間の累積IPCA指数、許容値の上限・下限値の推移

2023年6月のIPCA指数のセクター別増減

今年6 月のペトロブラスの燃料生産は過去の記録更新(2023年7月11日付けヴァロール紙)

ペトロブラス石油公社の2023年6 月のガソリン生産は、20億1,000万リットルと2014年以降のガソリン生産では過去の記録を更新している。

また6 月のディーゼル燃料S10の生産は21億1,000万リットルに達し、今年5月の過去最高の記録を更新している。

6 月のディーゼル燃料S10の生産が21億1,000万リットルに達した要因として、含有量の非常に高い岩塩層下原油生産が全体の72%と過去最高の比率に上昇している。

6 月のガソリン販売は前年同月比26%と二桁台の伸び率を記録。6 月のディーゼル燃料S10販売は前年同月比2,9%増加、航空機向けケロシン販売は5,7%増加、特にブラジル国な販売向けが好調であった。

ペトロブラス傘下の石油製油所の第2四半期の設備稼働率は93%に達し、2015年以降では最高の設備稼働率を記録している。

 

上半期の家電販売は伸びるも依然としてCovid-19 パンデミック前の水準に達していない(2023年7月10日付けヴァロール紙)

全国電気電子製品メーカー協会(Eletros)の発表によると、2023年上半期のブラジル国内の家電販売は、前年同期比13%の二桁台の増加を記録した。

今年上半期のブラジル国内の家電販売は、前年同期比13%増加を記録したにも拘らず、Covid-19 パンデミック前の水準には達せず、過去18か月間では充分に回復していない。

今年上半期の家電製品販売台数は前年同期の3,900万台を上回る4,400万台をわずかに超えたが、Covid-19 パンデミック前の2019年同期は、4,700万台を販売していたと全国電気電子製品メーカー協会(Eletros)は指摘している。

全国電気電子製品メーカー協会(Eletros)の見解では、年間比較における売上高の増加は小売在庫の補充を示しているだけに留まり、昨年の家電業界の業績は特に悪かったと説明している。たとえば、テレビ販売の売上高は、2017 年に記録された売上高と同程度であった。

今年の家電部門の業績が過去の平均と一致した場合、2023 年の売上高は 2022 年と比較して4% ~ 6% 増加すると予想している。

全国電気電子製品メーカー協会(Eletros)のJorge Nascimento会長は、依然として政策誘導金利Selicが13.75%と高止まりしているが、今後の家電販売増加はSelic金利の切下げに左右されると指摘している。

今年上半期の冷蔵庫、オーブン、洗濯機に代表される白物家電販売は、前年同期比4%増加を記録したにも拘らず、過去10年間で最悪の水準となっている。

一方で、30アイテム以上で構成されるポートフォーリオに分類されるポータブル製品は13%増加を記録、特に高い温度の空気を対流させることで、ポテトなどを油で揚げたように調理できる家電製品のエアーフライヤーは85%増加を記録している。

全国電気電子製品メーカー協会(Eletros)は、低価格帯の中国製白物家電や保守用パーツは市場を席捲しているために、ブラジル国家度量衡・規格・工業品質院(INMETRO)などによる輸入製品の監視や規制強化を求めている。

 

6月の建材部門の売上は前年同月比マイナス3,8% 、上半期の売上もマイナス3,3% (2023年7月10日付けヴァロール紙)

ブラジル建設材料工業協会(Abramat)の発表によると、2023年6月のブラジル国内の建材部門売上は前年同月比マイナス3,8% 、前月比でもマイナス1,9%を記録している。また今年上半期の累積売上も前年同期比マイナス3,3%を記録している。

今年6月の建材部門売上は前年同月比マイナス3,8%、上半期の累積売上も前年同期比マイナス3,3%を記録した要因として、建材部門の仕上げ関連資材の販売減少が牽引、今年上半期の仕上げ関連資材の累積売上は前年同期比マイナス8,7%と大幅に減少した一方で、基本建材部門売上は0,3%増加を記録している。

今年6月の過去12カ月間の建材部門の累計売上は前年同期比マイナス4,4%を記録、特に仕上げ関連資材の売上はマイナス7,6%を記録した一方で、基本建材部門売上は2,3%増加を記録している。

ブラジル建設材料工業協会(Abramat)は、今年の建材部門の売り上げは前年比マイナス1%を予想しているが、昨年の建材部門の売上の前年比マイナス6,9%から回復傾向になると予想している。

今年下半期の金利は依然として高水準で、厳しい下半期になるとブラジル建設材料工業協会(Abramat)のRodrigo Navarro会長は指摘している。

もうすぐ発表が予定されているルーラ新政権の新規経済成長加速プログラム(PAC)及び2019年~2022年のジャイール・ボルソナロ政権時に“ブラジルシンボルカラー大衆住宅 緑と黄色の家 Casa Verde e Amarela”プログラムに改名して大衆住宅建設を再度経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設“私の家、私の暮らし”(MCMV)プログラムで、今年の建材部門の売上は、プラス予想に転じることをRodrigo Navarro会長は期待している。

今年上半期の二輪車生産は13,9% と二桁台の伸び率を記録(2023年7月10日付けヴァロール紙)

アマゾナス州マナウスフリーゾーンの2023年上半期の二輪車生産台数は、前年同期比13,9%増加の76万4,300台を記録、新車登録台数は22,6%増加の78万100台を記録している。

今年上半期の二輪車輸出台数は、前年同期比マイナス17%の2万600台に留まり、昨年同期の2万5,000台を4,400台下回った。

6月末までの二輪車生産実績を踏まえ、新たな年間予想を提示。 今年のアマゾナス州マナウスフリーゾーンでの二輪車生産伸び率は、前回予想の9.7%から10.4%に二桁台の伸び率に上方修正。 12月末までのマナウスでの二輪車生産は156万台強に変更されている。

今年のバイクなどの二輪車生産はデリバリーサービス配達を原動力に、経済的な選択肢として都市物流の中で二輪車の利便性が拡大してきていると14メーカーが加入するブラジル二輪製造会社協会(Abraciclo)のMarcos Bento会長は強調している。

最終フォーカスレポートは今年のインフレを4,95% に下方修正(2023年7月10日付けヴァロール紙)

10日発表のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2023年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の4,98%から4,95%と下方修正を行っている。

また2024年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の3,92%、2025年も3,60%とそれぞれ据置いている。

今年末の政策誘導金利Selicは前回予想の12%、2024年末のSelic金利は9,50%、2025年末のSelic金利は前回同様に9,00%にそれぞれ据置いている。

ブラジル中銀の今年のIPCA指数の中央目標値を3.25%、2024年及び2025年の中央目標値を3.00%、許容範囲は±1.50%を設定している。

金融市場関係者は今年のGDP伸び率は前回同様に2,19%に据置いたが、フォーカスレポートでは今年のGDP伸び率を1,28%に据置、2024年のGDP伸び率は1,81% から1,80%に下方修正した。

今年第1四半期のGDP伸び率は前四半期比1,9%増加を記録、ヴァロール社が72社のコンサルタント会社及び金融機関対象の調査では、今年第1四半期のGDP伸び率の最低予想は-0,1%、最高予想は+2,2%.平均予想は1,3%増加であった。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$ 5,00、2024年末は前回予想のR$ 5, 08からR$ 5,06、2025年末の為替は前回予想のR$ 5,17からR$ 5,15に修正している。

的中率が最も高いトップ5の今年末のIPCA指数は前回予想の4,93%から4,85%に下方修正している。2024年のIPCA指数は3,77%、2025年のIPCA指数は3,80%に据置いている。

トップ5の今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$ 5,00、2024年はR$ 5,10、2025年はR$ 5,10に据置いている。

過去1年間の2023年及び2024年のIPCA指数の予想推移

過去1年間の2023年及び2024年のSelicの予想推移

過去1年間の2023年及び2024年のGDPの予想推移

過去1年間の2023年及び2024年のレアル通貨に対するドルの為替の予想推移

6月のポウパンサ預金は預入が引出を25億9500万レアル上回った(2023年7月7日付けヴァロール紙)

今月7日のブラジル中央銀行の発表によると、2023年6月のポウパンサ預金は預入総額が引出総額を25億9,500万レアル上回り、2022年12月から今年5月まで6カ月連続で引出総額が預入総額を上回る赤字を記録していたが、6月は預入総額が引出総額を上回って反転している。

今年5月のポウパンサ預金は引出総額が預入総額を117億4,700万レアル上回り、統計を取り始めた1995年1月以降では過去最高の赤字を記録、今年4月は62億5,200万レアル、3月は60億8,800万レアル、2月は115億1,500万レアルの赤字を記録していた。

今年1月のポウパンサ預金では、引出総額が過去最高を記録する336億3,100万レアルに達していた経過があった。また今年上半期の引出総額が預入総額を692億3,200万レアル上回る累計赤字を記録している。

今年6月のポウパンサ預金では、預入総額が3,318億6,500万レアルに対して、引出総額は3,292億7,000万レアル、黒字幅は25億9,500万レアルを記録したが、昨年同月のポウパンサ預金は引出総額が預入総額を37億5,500万レアル上回る赤字を記録していた。

2022年の1年間のポウパンサ預金では、引出総額が預入総額を1,032億3,700万レアル上回る赤字を記録していたが、預入総額が引出総額を上回ったのは僅かに5月並びに12月だけであった。

今年6月末のポウパンサ預金残高は1兆レアルを下回る9,703億6,300万レアルに留まっているが、2020年2月から始まったCovid-19 パンデミック後の同年8月には、数カ月連続で大幅に好成績を記録した影響で、ポウパンサ預金残高は1兆レアルを超え、昨年7月までその水準を維持していた経緯があった。

今年6 月のポウパンサ預金の利払いは62 億 7,900 万レアルを記録。 不動産信用(SBPE)向けクレジット額は24億2,100万レアル、農村信用(SBPR)のクレジット額は1億7,416万6,000レアルを記録している。

6月の自動車生産は前年同月比マイナス7.1%と大幅減産(2023年7月7日付けヴァロール紙)

全国自動車工業会(Anfavea)の発表によると、2023年6月の新車生産は前年同月比マイナス7.1%、前月比ではマイナス17.0%に相当する18万9,200台に留まっている。

今年上半期のバスやトラックを含む自動車生産は、前年同期比3.7%増加に相当する113万台を記録している。

今年6月の自動車生産台数が前月比マイナス17.0%に相当する18万9,200台に留まった要因として、ブラジル国内の5カ所の自動車生産工場での操業停止の影響を受けていたが、今月初めには正常操業に戻っていると全国自動車工業会(Anfavea)のMárcio de Lima Leite会長は説明している。

6月の自動車生産減少は、自動車メーカーの操業停止以外にも、チリやコロンビアなどのブラジルにとって重要な市場での、国内の経済問題による需要減少が一因となっている。

今年6月の新車輸出は、前年同月比マイナス22.0%に相当する3万6,600台に留まり、今年上半期の累積輸出では、前年同期比マイナス7.7%に相当する22万7,200台に留まっている。

また今年上半期の累積輸出金額は、付加価値の高い新車及びアクセサリー価格が牽引して、前年同期比17.8%増加の77億ドルと二桁台の伸び率を記録している。

下院議会は余裕を持って税制改革の分割法案を承認(2023年7月7日付けUOLサイトより抜粋)

7日早朝、下院本会議は第2ラウンドで、税制改革のPEC(憲法改正案)の基本条文を承認に必要な票数308票を大幅に上回る375票対113票で承認した。過去30間にわたって議論されてきた税制改革がようやく前進するめどがつくブラジルにとって非常に重要な歴史的出来事となった。

与党のルーラ政権の歴史的勝利の瞬間であり、税制改革は過去30年間にわたって議論されてきたが、ボルソナロ前政権では国会で進展することはなかった。 現在の税制は 1960 年代に創設されたままであった。

税制改革の第一法案テキストは賛成382票に対して、反対118票と余裕をもって承認されたが、ボルソナロ前大統領所属のPL党とNovo党は反対していた。

Arthur Lira下院議長 (PP-AL)はこの提案の承認に向けた主要な調停役を担い、また PEC報告者のアギナルド・リベイロ下院議員(PP-PB)とともに、税制改革テキスト承認に向けた政治駆引きでは各政党、州知事、主要市長との調整に手腕を発揮した。

サンパウロ州のタルシジオ・デ・フレイタス州知事(Republicanos共和党)も重要な役割を果たしたが、これにより、ジャイール・ボルソナロ前大統領及びボルソナロ前大統領を支持するボルソナリスト議員らの間で軋轢が生じる結果となった。

各政党の投票では、ボルソナロ前大統領支持のPL党の20下院議員がボルソナロを裏切った一方で、与党のPT党の100%の下院議員は税制改革法案に賛成票に投じている。政府支持者は税制改革法案の下院通過に祝福、反対に投じた議員はネットワーク上で不満を表明、リラ下院議長は改革法案通過を称賛し、ボルソナロ氏に「勝利者が権力を握る」と示唆した。

ボルソナロ前大統領と政治的繋がりのある主要な4人の州知事も、税制改革テキストに好意的な立場を表明。 リオデジャネイロ州知事のクラウディオ・カストロ(PL)。 パラナ州知事、ラチーニョ・ジュニア(PSD)。 ミナスジェライス州知事のロメウ・ゼマ(Novo)、ブラジリア連邦直轄地のイバネイス・ロシャ知事。

下院議会での税制改革法案投票を成立させるために、リラ下院議長は本会議場でのハイブリッドセッションを保証する法律を編集した。つまり、既に選挙地に戻った下院議員が遠隔地から法案に投票できる事にした。

フェルナンド・ハダジ財務相の税制改革法案に対する姿勢は、報告書がインタビューした議員らの補佐役としての指導者らから称賛された。 フェルナンド・ハダジ財務相は国会議員に対して、税制改革法案テキスト内容を説得するため頻繫に関係各所に通った。

税制改革法案の下院議会での投票に先立ち、ルーラ大統領(PT)は税制改革に関する投票を支持。 「我々は全員と交渉しており、法案は承認されるだろう。それは全ての人がもろ手を挙げて納得できることではないし、ハダジ財務相が望んでいることでも、私が望んでいることでもないが、そんなことは問題でない」と強調していた。

税制改革法案テキストではIPI (連邦税)、PIS (連邦税)、Cofins (連邦税)、ICMS (州税)、および ISS (市税) の 5 つの税金が廃止される。

2つの IVA (付加価値税) が新たに創設される。1 つは物品・サービス税 (IBS) で、州の ICMS と地方自治体の ISS に代わるもの。 そして物品・サービス拠出金(CBS)は、連邦税であるPIS、Cofins、IPIを広範に統合し、生産チェーン内で完全に累積するわけではなく、つまりカスケード課税を行わないもの。

税徴収先が変更される。 税金は、現在のように生産地ではなく、商品またはサービスの消費地)で課税される。 輸出と投資に対する税が軽減される。

また選択税が創設される。 タバコやアルコール飲料など、健康や環境に有害な商品やサービスの生産、販売、輸入に焦点を当てている。 マナウス自由貿易地域を維持するために使用される。

今年上半期のSantos Brasil 社のコンテナ荷動きはマイナス13.0%と大幅に減少(2023年7月6日付けヴァロール紙)

港湾ターミナルの取扱量トップのSantos Brasil社の2023年6月のコンテナ取扱量は、前年同期比マイナス7.1%の9万7,200コンテナに留まったが、内訳は満杯コンテナは6万7,400コンテナ、2万9,400コンテナは空コンテナ、9,300コンテナは港湾ターミナルに保管されていた。平均コンテナ積載量は前年同月比マイナス22.8%に相当する11.5トンに留まっていた。

Santos Brasil社の6月のコンテナ取扱量9万7,200コンテナのうちTecon Santos社の港湾ターミナルのコンテナ取扱量は8万6,300コンテナ、Tecon Imbitubaは4,600コンテナ、Tecon Vila do Condeは6,100コンテナであった。

Santos Brasil社の6月の自動車輸送量は、前年同月比マイナス34.2%に相当する2万799台、そのうち輸出台数は1万8,778台、輸入台数は2,021台であった。

今年上半期の累積コンテナ取扱数は、前年同期比マイナス13.0%に相当する56万2,200コンテナ、そのうち39万7,600コンテナは満杯コンテナ、16万4600コンテナは空コンテナ、5万9,000コンテナは港湾ターミナルに保管されていた。

今年は上半期の累積自動車取扱台数は、マイナス17.4%に相当する11万8,800台、そのうち輸出は10万5,100台、輸入車は1万3,600台であった。