4月のGDP伸び率はマイナス1,2%(2023年6月20日付けヴァロール紙)

経済活動の毎月のペースを測定するジェツリオ・バルガス財団(FGV)の指標であるGDPモニターによると、今年4月のGDP伸び率はマイナス1.2%を記録。 4月のGDP伸び率マイナス1.2%は、農業部門の生産及びサービス部門の不振の影響で2022年1月に記録したマイナス1.9%以来最悪の結果となったとブラジル経済研究所(FGV)の国民経済計算核(NCN)の指標およびコーディネーターのクラウディオ・コンシーラ氏は指摘している。

今年第1四半期のGDP伸び率は、前四半期比1,9%の大幅な増加を記録、2020年第4四半期のGDP伸び率3,4%増加以降では最高の伸び率を記録していた。

今週月曜日発表のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、今年のGDP伸び率は前回予想の1,84%から2,14%.と7週連続で上方修正されたが、ゼツリオ・バルガス財団ブラジル経済研究所(FGV/Ibre)のマクロ経済レポートでは、今年のGDP伸び率は僅か0,8%増加に留まっている。

第1四半期は非常に好調だった要因として、主に3月の農業部門の生産が牽引今年第1四半期の農業部門のGDP伸び率は、2022年第4四半期と比較して21.6%増加、1996年第4四半期に記録した23.4%増加以来の最高の伸び率を記録していた。

今年第1四半期の農業部門のGDP伸び率の多くはしかし、大豆の大幅な増産によるものと同氏は付け加え、ブラジルの穀物収穫量の実質半分に相当する農産物の収穫は、年初の数か月だけで農業が経済に与える直接的な影響は実質的に第2四半期に終わるとコメントしている。

GDP モニターでは、4 月のGDP伸び率に対する農業部門の貢献は少なく、前月比マイナス0.2%であった。今年4月の農業部門の生産は前年同月比22.8%増加成、2月~4月の四半期では前年同期比で21.8%増加している。

今年2月~4月の四半期のGDPの伸び率は、農業部門が牽引して前年同期比3,8%増加、4月の過去12カ月間の累計GDP伸び率は3,2%増加を記録している。

4 月の GDP伸び率モニターで好ましい結果を生み出すのに役立たなかったもう 1 つの側面は、ブラジルの経済活動のほぼ70%を占めるサービス部門の反応が鈍く、前月比0.0%に留まった。

4月の総固定資本形成(GFCF)は前月比マイナス3%に留まり、予想をはるかに下回る総固定資本形成(GFCF)に留まった。一方、GDPモニターでは、4月の一般家計消費は前月比1%増加したが、予想を大幅に下回っている。

 

2023年の「世界競争力ランキング」で、ブラジルは昨年より1ランク下げて60位に後退

スイスのビジネススクール、国際経営開発研究所(IMD)が発表した2023年の「世界競争力ランキング」で、ブラジルは昨年より1ランク下げて60位に後退、調査対象の64ヵ国のうちブラジルよりもランクが低いのはヴェネズエラ、アルゼンチン、モンゴル及び南アフリカだけとなっている。

ブラジルは3年連続の順位低下となり、デンマークは2年連続で首位となった。 ドム・カブラル財団のカルロス・アルーダ准教授によると、このスカンジナビア国の立場は、GDPの45%に達する高い税負担自体が国の競争力を妨げるという考えを改めるのに役立つと指摘している。

「デンマークは、イノベーション、教育、非常に透明性の高い規制枠組みの点で多くの一貫性を持っている」とアルーダ准教授は述べ、ブラジルが非常に低く評価されている点はこれらの点であり、どちらも税負担が高い国とみなされているが、競争力に大きな違いが生じている。

「ブラジルがランキングの最後のブロックにあるのは、税法やビジネスのしやすさに対する認識が非常に否定的だからです」とアルーダ准教授は指摘、全体的な順位は300項目を超える経済・社会データの組み合わせの結果であると説明した。

ドム・カブラル財団のアルーダ准教授によると、今年の世界競争力で、ブラジルを再び下落させた主な理由は、民間部門の効率性の低下が認識されたこと。 企業の効率と生産性を示す具体的な指標では、2022 年の 59 位から 63 位に後退しており、この指標ではこれまでで最悪の順位と指摘している。

競争力ランキングの一般的な分析では、最も肯定的に目立った 2 か国はアイルランドとインドネシアであった。特にインドネシアは 昨年のランキングと比較して最も大きく上昇し、44 位から 34 位に上昇した。 アルーダ氏によると、この動きは民主化プロセスとグローバルバリューチェーンへの参入によるもので、主にある程度の社会的要因によって推進されていると説明している。

2019年~2023年の世界競争力ランキングの推移

エンブラエル社は商用ジェット機の需要がCovid-19 パンデミック前の水準に回復するのは2024年(2023年6月20日付けヴァロール紙)

エンブラエル社によれば、今後 20 年間で商用ジェット機分野の成長は、アジア太平洋地域の旅客キロあたりの収入は、ヨーロッパと北米の合計を超えると予想している。

エンブラエル社は、パリ航空ショー期間中に、2042年までの民間航空機納入に向けた今後20年間の市場展望を明らかにした。いわゆる「市場展望」では、次期最大150席の新型ジェット機とターボプロップ機の需要が牽引すると予想している。

エンブラエル社よれば、旅客キロ当たりの収入(RPK)で測定した世界の旅客輸送量は、2024年までに2019年の水準に戻ると予測している。回復は「パンデミック、地政学、経済情勢からの長期にわたる低迷からの回復が牽引すると見込んでいる。

エンブラエル社によれば、世界の RPK は 2042 年まで年間平均 3.2%増加すると予想。航空機の数に関しては、2042年までに最大150席の新型航空機が1万1,000機導入されると予測、そのうち8,790機がジェット機、2,210機がターボプロップ機と予想。これらの新しい航空機の販売価格は約 6,500 億レアルに達すると予想している。

地域別の成長率比較では、アジア太平洋地域は年間平均4.4%増加で最も高いRPK成長率が見込まれ、次いでラテンアメリカの年間4.1%増加が続くと予想している。

今後 20 年間の成長により、アジア太平洋地域はヨーロッパと北米を合わせた RPK シェアを超えると予想している。

モデル別では、北米がジェット機の30.6%需要、アジア太平洋地域がターボプロップ機の41%の需要を牽引すると予想している。

フィアット社は、利用可能な特別クレジットの26%を活用で人気車の割引プログラムを主導(2023年6月19日付けヴァロール紙)

先週末に格自動車メーカーが大衆自動車販売促進プログラム向けの特別クレジットは3億2000万レアルに達した。この特別措置は数日以内に終了する可能性があるが、ブラジル政府はプログラム延長の意図を否定している。

Stellantisグループ傘下のフィアット社は、大衆車の価格引き下げを目指すルーラ政府(PT)プログラムの財源を最も多く活用した自動車メーカーで、利用可能なクレジット総額の26%に相当する1億3000万レアルの税額控除が受けている。

フィアット社並びにルノー社は、大衆車販売促進プログラムで最大の割引を提供する 2 つの自動車メーカーで、4 ドアのフィアット Mobi 1.0 Like Flexには 8,000 レアルの割引価格で 3 つのバージョンを擁し、ルノー社はKwid 1.0 Zenを擁している。

先週末、自動車メーカーが大衆車販売促進向け特別クレジット枠は 3 億 2,000 万レアルに達した。商工サービス省(MDIC)の発表によると、この方式での消費者割引の適用に対して付与された税額控除総額の 64% が、15 日以内にすでに活用されている。

この大衆車販売促進向け特別クレジット枠に参加した他の自動車メーカーのうち、フォルクスワーゲン社は5,000万レアル、プジョー・シトロエンは4,000万レアルのクレジットが承認され、ルノーは3,000万レアルのクレジットを追加。 GM社と現代自動車はそれぞれ2,000万レアル。ホンダ、日産、トヨタはこれまでにそれぞれ1,000万レアルのクレジット承認されている。

自動車メーカーは、自動車税額控除の上限である5億レアルに達するまで、特別クレジット枠のリソースを要求することができる。

この大衆車販売促進向け特別クレジット枠措置は開始時に4か月続くと予想されていたが、今後数日で終了する可能性がある。連邦政府はプログラムを延長する意図を否定している

この割引パッケージには、自動車メーカー 9 社の 266 車種と 32 モデルが含まれている。このリストは先週金曜日(16日)に更新され、さらに33のバージョンとHonda Cityの新モデルHatch EXおよびSedan EXバージョンで、4,000レアルの割引が行われた。

大衆車の割引の範囲は 2,000レアル から8,000レアルであるが、自動車工場やディーラーの裁量によりさらに高額になる場合があり、市場価格が 12万レアルまでの新車に適用される。

このプログラムはトラックやバスを割引販売も含まれており、割引額は 3万3,600レアルから9万9,400レアル までとなっている。このプログラムでは合計で最大 15 億レアルの資金が投入され、そのうち 5 億レアルは自動車に充てられます。トラックは7億レアル、バスは3億レアルが割り当てられている。

 

3 月のアグロインダストリー部門生産は前月比1,4% 増加(2023年6月19日付けヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の2023年3月のアグロインダストリー部門生産指数(PIMAgro)は前月比1,4%増加を記録、今年初め2か月間連続のマイナスから反転している。

今年3月のアグロインダストリー部門生産指数(PIMAgro)では、食品・飲料部門生産は前月比1,6%増加、非食料品部門生産も1,2%増加を記録している。

今年3月のアグロインダストリー部門生産指数(PIMAgro)で特筆されるのは、繊維製品と植物性食品生産の増加であり、4,4%増加及び3,7%増加を記録した一方で、タバコ部門は減少を記録している。

今年3月のブラジルのアグリビジネスの好調な業績にもかかわらず、第1四半期の同セクターの縮小は妨げられなかった。 現物生産は、直前の四半期と比較して 1.4% 減少し、2022 年の最初の 3 か月と比較して 2.3% 減少している。

2022年10月~2023年3月までのアグロインダストリー部門生産指数(PIMAgro)の月間推移

Goldman Sachs は年末の為替をR$ 4,40 のレアル高予想(2023年6月19日付けヴァロール紙)

Goldman Sachs は、ドルの為替に対するレアル通貨にはまだ上昇の余地があり、「当社の推定公正価値である約4.30レアルに対して、依然として約10%割安で取引されているとコメントしている。

下降するインフレ統計と、先週S&Pグローバルによるブラジルの格付け見通しの安定的からプラスへの変更でブラジル経済に関する最も楽観的な見通しを受けて、ゴールドマン・サックスのストラテジストらは為替市場の予想変更を開始、年末のレアル通貨に対するドルの為替は4.40レアルに達すると予想している。

最近の大幅なレアル通貨の上昇の後に若干の下落が起こる可能性はあるものの、レアルにはまだ上昇の余地がある理由として、「我々の推定公正価値である約4,30レアルに対して、依然として約10%割安で取引されている。

ゴールドマン・サックスは同銀行の顧客に送付した報告書で為替レートの予想を修正し、より高いレアルを予想し始めた。今後3か月以内のドルの見積りを4.90レアルから4.60レアルに引き下げた。 6 か月以内に R$4.85 から R$4.40 に修正。 今後12 か月間では R$4.80 から R$4.40を予想している。

現在のシナリオを踏まえると、ゴールドマンは、為替レートの上昇とインフレ期待の低下に加え、こうしたインフレ率の低下はブラジル中央銀行に好都合で、現在のシナリオに対する方向性を変える余地を生むはずであると評価している。

ブラジル中央銀行が近い将来にSelic金利の引き下げを開始したとしても、実質金利の高い出発点とインフレの継続的な進行を考慮すると、金利差は引き続き為替レートにとって有利であり、キャッシュフローの流入が続くだろうとストラテジストらは指摘している。

 

ブラジル中央電力公社(Eletrobras)は2回目の希望退職制度(PDV)による自主退職プログラムを発表(2023年6月19日付けヴァロール紙)

ブラジル中央電力公社(Eletrobras)は、今月20日から昨年6月の民営化以来2回目の希望退職制度(PDV)による自主退職プログラムによる人員削減を図る。

今回のブラジル中央電力公社(Eletrobras)の希望退職制度(PDV)募集では、最大1.574人の従業員の削減を図るが、人員削減コストは4億5,000万レアルから7億5,000万レアルが見込まれている。

3大格付け会社のフィッチ社は先週金曜日に、エレトロブラスのリスク格付けの見通しを安定的からネガティブに引き下げ、外貨建ての長期デフォルト格付けを「BB-」に据え置いた。

この見通しを安定的からネガティブに引き下げは、エレトロブラスが140億レアルの負債を抱えているベロモンテのリスク増大に加え、未契約エネルギーの売却による現金生成が減少するとの予想を反映しており、これによりエレトロブラスは予想通りレバレッジ解消ができなくなる可能性がある。

最終フォーカスレポートは今年末のSelic金利を12,25%に下方修正 (2023年6月19日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5,42%から5,12%と5回連続で下方修正されている。

また2024年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前回予想の4,04%から4,00%、 2025年の広範囲消費者物価指数(IPCA)も3,90%から3,80%に下方修正されている。

今年末の政策誘導金利Selicは前回予想の12,50%から12,25%に下方修正、2024末のSelic金利は18週連続で10,00%を維持していたが、今回は9,50%に下方修正されたが、2025年末のSelic金利は前回同様に9,00%に据置かれた。

ブラジル中銀の今年のIPCA指数の中央目標値を3.25&、2024年及び2025年の中央目標値を3.00%、許容範囲は±1.50%を設定している。

今年のGDP伸び率は前回予想の1,84%から2,14%.と7週連続で上方修正された一方で、2024年のGDP伸び率は、1,27%から1,20%に下方修正されたが、2025年のGDP伸び率は前回同様に1,80%.に据置かれている。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替は、前回予想のR$ 5,10からR$ 5,00に上方修正、2024年はR$ 5,17からR$ 5,10、2025年末のレアル通貨に対するドルの為替は前回予想のR$ 5,20からR$ 5,18に上方修正されている。

 

4月の経済活動指数(IBC-Br)は0.56%上昇(2023年6月16日付けヴァロール紙)

16日ブラジル中銀発表の2023年4月のGDP伸び率の先行指標となる経済活動指数(IBC-Br)は、前月比0.56%増加と3月のマイナス0.15%から一転して増加に転じている。

Valor Data社による22社のコンサルタント会社及び金融機関対象の調査では、最低予想はマイナス1.5%、最高予想は0.6%増加であった。

今年4月の経済活動指数(IBC-Br)は前年同月比3.31%増加、4月の過去12カ月間の累計IBC-Br指数は3.43%増加、今年初め4か月間の累計IBC-Br指数は3.88%増加を記録している。

また今年2月~4月の四半期の平均月間IBC-Br指数は前四半期比1.01%増加を記録している。

2022年4月~2023年4月までの月間経済活動指数(IBC-Br)の推移

2022年4月~2023年4月までの過去12カ月間の累計経済活動指数(IBC-Br)の推移

 

4月のサービス部門提供量(生産性指標)は、前月比マイナス1.6%(2023年6月15日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間サービス生産量調査(PMS)の発表によると、2023年4月のサービス部門提供量(生産性指標)は、前月比マイナス1.6%と2月及び3月の累積サービス提供量2.1%増加から一転して大幅なマイナスを記録している。

今年4月のサービス部門生産量は前年同月比2.7%増加、今年初め4か月間の累積サービス提供量は前年同期比4.8%増加、今年4月の過去12か月間の累積サービス提供量は6.8%増加を記録していた。

また今年4月のサービス部門生産量はCovid-19 パンデミック直前の2020年2月の水準を10.5%上回っている一方で、過去最高を記録した2022年12月の水準を依然として2.9%下回っている。

今年4月のサービス部門提供量(生産性指標)のセクター別比較では、5セクターのうち4セクターでマイナスを記録、特に輸送セクターは前月比マイナス4.4%と2月及び3月の累積提供量7.5%増加から一転して大幅なマイナスを記録している。

また情報・通信サービスセクターはマイナス1.0%、教育・研究機関などの公共サービスセクターはマイナス0.6%、その他のサービスセクターはマイナス1.1%を記録した一方で、唯一一般家庭向けサービスセクターは、2月及び3月の累計サービス提供量のマイナス2.2%から1.2%増加に反転している。

2023年2月~4月のセクター別サービス提供量比較表