4月の新車生産は前年同月比マイナス3.9%(2023年5月9日付けヴァロール紙)

世界的な半導体不足や需要減少による生産調整のための自動車製造ラインの散発的な停止やトラック製造 ラインのシフト数の減少を必要とせずに、自動車生産工場が操業を再開できる見込みはますます遠ざかってきている。

全国自動車工業会(Anfavea) の Márcio de Lima Leite会長は、自動車製造工場の操業停止若しくはもっと悪にニュースについての報道をするのかと強い口調で語っている。

2023年4月のブラジル国内の新車生産は、世界的な半導体供給不足に見舞われていた前年同月比でもマイナス3.9%を記録、輸出台数もマイナス24.1%と大幅に落ち込んでいる。

一方今年4月のブラジル国内の新車販売は、レンタカー会社の受注増加及び自動車向け半導体の供給正常化で前年同月比9.2%と大幅増加を記録している。

しかし、自動車ディーラーを歩き回り、複数の資金調達シミュレーションに惹かれる消費者は不足しており、13.75%で高止まりしている政策誘導金利Selicは、自動車業界の回復を阻害する大きな要因となっているとMárcio de Lima Leite会長は指摘している。

自動車業界はブラジル中央銀行の独立性を支持しており、金利がインフレ、収益、外国市場などの一連の要因に依存することを理解しているが、 13.75%の金利では自動車市場は成長しない上に、在庫がはけない。4月末の生産工場及びディーラーの新車在庫は営業日数換算で3月同じ38日間と減少していないとMárcio de Lima Leite会長は指摘している。

4月のトラック販売は前年同月比16.6% 減少した要因として、1 月に施行された法律に準拠した新しい排出ガス制御装置による価格の上昇が販売を最も減少させた要因となっている。

異常気象はブラジル農畜産業部門に過去10年間で3000億レアルの損害を与えている(2023年5月8日付けヴァロール紙)

地域開発省の統合災害情報システムのデータに基づく全国自治体連合 (CNM) の調査によると、異常気象は 2013 年から 2022 年の10年間にブラジルの農畜産業界に 累計2,870 億レアルの損失をもたらしている。

過去10年間の損害総額2,870億レアルのうち、旱魃による損害は全体の87%に達し、リオ州及びアラゴアス州を合わせた680万ヘクタールに達している。

過去10年間に、4,624 の自治体が 1万4,635 件の異常気象宣言を発行し、3,384 の自治体が異常気象データを連邦政府に通知している。干ばつは、地方の生産者に最も大きな損害を与える可能性があり、これが、1万2,000 件を超える地方自治体の緊急事態または公共災害の状態の理由であった。 CNM の調査では、農業と家畜の損失の 87% は、雨不足が原因であった。

農産物の損害は 全体の65%に相当する2,166 億レアル、干ばつによる農業損失の 86% に相当する1,862 億レアルに対して、過度の降雨による損害は14% に相当する303 億レアルに達している。

680万ヘクタールは、平均耕作面積の 1.6% に相当するが、ペルナンブコ州では20.1%、セルジペ州は16.4%、北部の北大河州は13.8%と損失がより顕著であった。 家畜の被害では704 億レアルに達し。旱魃による被害は92%に相当する650億レアルに達している。

また過去10年間の鉱工業部門やサービス業部門の異常気象による損害は3,201億レアルに達している。2022年の農畜産部門の損害は、過去10年間の22%に相当する850億レアルに達している。

過去10年間で最も異常気象による影響を受けた農業部門は南部地域の36%、北東部地域の33%を記録、南大河州の過去10年間の農畜産部門の損害はブラジル国内全体の21%に相当する385億レアル、パラナ州は263億レアル、ミナス州は248億レアルであった。

畜産部門の損害比較では、北東部地域は全体の56%を占め、特にバイア州は147億3,000万レアル、ミナス州は165億8,000万レアルであった。

また異常降雨による損害比較では、中西部地域と南部地域が特に損害を受けている。異常降雨による陳産業の被害では南マット・グロッソ州は13億レアル、ミナス州は15億レアルの損害を被っている。

2013年~2022年のブラジル国内の地域別の旱魃や異常降雨による損害

 

イタウー銀行の第1四半期の純益は84億3,500万レアル(2023年5月8日付けヴァロール紙)

イタウー銀行の2023年第1四半期の純益は前年同期比10%増加の84億3,500万レアルを記録、純益増加にに最も影響を与えた要因の 1 つは、サービスと保険からの収益増加と、顧客との財務マージンの増加となっている。

イタウー銀行の第1四半期の会計上の利益は、前年同期比21.3%増加の 81 億 7,900 万レアルを記録している。また3月末の過去12か月間の累積純益は前年同期比14.6%増加している。

イタウー銀行の第 1 四半期の財務管理マージンは前四半期比11.0%減少の246 億 9,200 万レアル、前年同期比では17.3%増加している。

イタウー銀行の第 1 四半期の銀行サービスと手数料からの収入は前四半期比0.8%減少の 103 億 4,700 万レアル、過去12 か月では 5.9% 増加。保険からの収益は0.9%減少の 20 億 2,100 万レアルに達し、過去12 か月では 6.7% の増加。一方、経費は5.3%減少の137 億 8,900 万レアルで、過去12 か月間では 7.7% 増加している。

前記同様に人件費は4.1%減少の 58 億 5,400 万レアル、過去12か月間では10.1% 増加。管理費は1.9%減少の 46 億 3,800 万レアル、過去12か月間では13.8% 増加している。

銀行サービスと手数料からの収益は0.8%減少の 103 億 4,700 万レアル、過去12 か月間では 5.9% 増加。保険収益は0.9% 減、6.7% 増加している。クレジットカードは2.5%減少の40億100万レアル、ファンド管理費は8.1%減少の11億3,800万レアルを記録している。

イタウー銀行の第 1 四半期の株主資本利益率 (ROE) は、昨年第4四半期の19.3%から20.7%に上昇、前年同期の株主資本利益率 (ROE) は、20.4%であった。

イタウー銀行の第 1 四半期のクレジットカード残高は1.0%増加の1兆1,530億レアル、前年同期比11.7%増加、個人向けクレジットは0.9%増加の4,025億レアル、過去12か月間では16.2%増加、法人向けクレジットは1.2%増加の2,987億レアル、過去12か月間では5.2%増加している。

 

ヴォトランチングループは12億レアルを投じてHypera 社の5.1%の株式取得で医薬品業界に進出(2023年5月8日付けヴァロール紙)

エルミリオ・モラエス一族のファミリー企業ヴォトランチングループは、医薬品分野や健康産業分野への進出を模索しており、8日にHypera Pharma社の5.11%の株式を12億レアルで取得、医薬品業界進出の橋頭保を確保している。

株式取得金額は、明らかにされていないが、5日のサンパウロ証券取引所での Hypera の株価が 37.45 レアルであることを考慮すると、Votorantim の投資総額は 12 億レアルを超えていると推測されている。

Ermírio de Moraes ファミリー企業は、最近、健康分野でのさまざまな機会を研究しており、製薬分野は、2021 年と 2022 年に CCR と共にインフラ部門に参入したコングロマリットのターゲットの 1 つであった。

またヴォトランチングループは、Temasekファンドと提携し、エネルギー移行への投資についてカナダ資本のCPP Investmentsと提携している。

昨年、EMS社の所有者である NC グループと Eurofarma社 は、Hypera との合併の可能性について争っていた経緯があった。

ヴォトランチンのHypera社の買収は、株式で参照される金融決済を伴うデリバティブ商品の契約を通じて行われた。

時価総額が 230 億レアルを超える Pharmaceutical Hypera社 は、Juniorとして知られるビジネスマンの João Alves de Queiroz Filho によって 2001 年に設立された。長年にわたり、同社は国内の企業やブランドをいくつか買収してきていた。

今週はインフレ、財政枠組みやコモディティ価格が焦点となるか(2023年5月8日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、今年のブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、 前回予想の6.06%から6.02%、2024年は4.18%から4.16%それぞれ若干下方修正している。

週末に下院で行われた財政枠組み法案の報告者であるクラウディオ・カジャド下院議員は、Folha de S.Paulo紙との インタビューで、法案の本文で支出が増加する可能性のあるペースを修正することを提案する予定であると説明.このように、現在の支出制限を変更することはより困難になり、現在、この制限は 2024 年から 2027 年の間しか続かないと説明している。

今週はサンパウロ証券取引所にとっては、企業関連ニュースに焦点を当てる必要があり、イタウー銀行の第 1 四半期に 84 億 3,500 万レアルの経常利益を記録、この結果は、銀行関連株の株価に影響を及ぼすと予想されている。

またここ数週間連続で下落していた鉄鉱石の国際コモディティ価格は、大連証券取引所で 5.02% 上昇し、トン当たり 721.50 元 (約 104.29 米ドル) を記録。この動きは、サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)にも大きな影響を与えているブラジルの鉱業関連セクターの企業の株価の上昇に繋がる。

資源大手のVale 社のADR(米国預託証券)は、まだ流動性が低下している今朝、ニューヨークのプレマーケットで 1.4% 上昇している。ブレント原油先物も、ロンドン証券取引所で約 2% の堅調な上昇を見せている。

また金融市場は、連邦政府による、中央銀行の金融政策および監督の新しいディレクターの任命を待っているが、まもなく発表されると予想されている。

ブラジル中央電力公社の今年第1四半期の純益は前年同期比マイナス81.9%の大幅減を記録(2023年5月5日付けヴァロール紙)

ブラジル中央電力公社(Eletrobras)の2023年第1四半期の純益は、前年同期の27億レアルに対して81.9%減少のの4億8,860万レアルに留まり、大幅な減少を記録している。

しかし今年第1四半期の純売上は、前年同期の81億6,000万レアルに対して12.7%と二桁台増加の92億レアルを記録している。

ブラジル中央電力公社の第1四半期の営業利益は、昨年同期の28億1,000万レアルに対して41.6%増加の39億8,000万レアルと大幅に上昇している。

また同社の第1四半期のファイナンシャルコストは31億3,000万レアルを記録、税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、44.0%増加の48億9,000万レアルを記録している。

 

今年第1四半期のエンブラエル社の純益は3億6,830万レアルの赤字計上(2023年5月4日付けヴァロール紙)

「空飛ぶクルマ」と呼ばれるような電動の垂直離着陸(eVTOL)機を手掛けるスタートアップ企業Eve Urban Air Mobility社の赤字計上の影響を受けて、2023年第1四半期のエンブラエル社の純益は、昨年同期の1億7070万レアルの赤字の2倍以上に相当する3億6,830万レアルの赤字計上を余儀なくされている。

しかし今年第1四半期のエンブラエル社の純売上は、21.0%増加の37億3,000万レアルを記録、特に軍用機や防衛事業が好調に推移している。

今年第1四半期の利息および税引前利益 (Ebit)は、昨年同期の2億99万レアルの赤字から2億7,070万レアルの赤字に悪化している。

しかしエンブラエル傘下のEve Urban Air Mobility社の1億2,310万レアルの赤字を除くと1億6,390万レアルの赤字で、Ebitはマイナス4.4%に留まる。

今年第1四半期の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので、総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示す(Ebitda) は、昨年同期の110万レアルの赤字から5290万レアルの赤字と大幅に増加している。

今年第1四半期のエンブラエル社のキャッシュフローは、マイナス20億7,000万レアルと昨年同期のマイナス4億2,510万レアルを大幅に上回っている要因として、第2四半期の多数のジェット機納品のための支出となっている。

今年3月末の同社の負債総額は53%増加の57億8,000万レアル、また商用ジェット機の追加納品による純売上は10億3,000万レアルを記録している。

 

ペトロブラスの今年第1四半期の石油派生品生産はマイナス4.2%(2023年5月4日付けヴァロール紙)

ペトロブラス石油公社の2023年第1四半期のブラジル国内の1日当たりの石油・天然ガス・液化天然ガス(LNG)の生産量は、前年同期比マイナス4.2%の264万バレルに留まったが、海外の石油派生品を合わせた生産量は268万バレルに達している。

今年第1四半期の石油および液化天然ガスの生産は、前年同期比マイナス4.0%の214万バレル、天然ガス生産は、マイナス5.1%の49万9,000バレルに留まっている。

今年第1四半期にはサントス海盆の岩塩層下原油開発向けのItapu油田の海洋油田・ガス田のある洋上で石油・ガスを生産するための浮体式設備を備えたプラットフォームP-71 が操業開始及びカンポス海盆の新規の8カ所の油田で操業開始している。

今年第1四半期のペトロブラスの石油製油所の設備稼働率は、85%と昨年同期よりもマイナス2.0%となっているが、前四半期比ではマイナス1.0%となっている。

ペトロブラスの設備稼働率が低下した要因として、Henrique Lage精油所 (Revap), Alberto Pasqualini製油所 (Refap)及びPresidente Bernardes製油所 (RPBC)のメンテナンスプログラムによる減産となっている。

今年第1四半期のペトロブラスの石油派生品販売は前年同期比マイナス0.2%の169万7,000バレル、前四半期比ではマイナス4.2%と3カ所の石油製油所の4.3%の減産が影響している。

通貨政策委員会は財政政策の進展を理解するもSelic金利の13.75%維持を決定(2023年5月3日付けヴァロール紙)

3日開催のブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) は、高止まりするインフレの財政リスクへの影響緩和を維持するため、また与党の13.75%を継続しているSelic金利の引下要請の圧力に屈することなく、現行のSelic金利の13.75%の継続を検定している。

通貨政策委員会 (Copom) は、インフレを抑制するためのSelic金利の高止まりの維持において「忍耐と平穏」が必要であると繰り返し説明しており、Selic金利を長期間にわたり高水準に維持する戦略を維持している。

通貨政策委員会 (Copom) は、今年4月までの過去12カ月間のインフレ指数が4.65%を維持しており、2024年の目標インフレ指数の3.00%に誘導するために、昨年8月からSelic金利を13.75%の水準での維持を余儀なくされている。

今年9 月にSelic金利の利下げサイクルが始まることを考慮したいわゆるリファレンスシナリオでは、2023 年のインフレ予測は 5.8% であり、目標上限を上回っている。今年のインフレ指数の中央目標値は 3.25% 、許容範囲は 1.5% 、最大許容値 4.75%が設定されている。

通貨政策委員会 (Copom) は、Selic金利が翌年を通じて維持されるという別のシナリオを再び提示しており、このシミュレーションでは、今年のインフレ予測5.7%と最大許容値を上回るが、2024 年には 2.9%と目標中央値をわずかに下回っている。

通貨政策委員会 (Copom) は、インフレ下降プロセスが期待通りに進まない場合、Selic金利の調整サイクルを再開することを躊躇しないと繰り返したのに対して、フェルナンド・アダジ財務相は、このコメントは金利引き上げの脅威と解釈して批判していた経緯があった。

しかし実際、この通貨政策委員会 (Copom)の議事録のフレーズは、低金利に対する市場の一方的な賭けを冷やす方法として、2022 年 8 月から繰り返されていた経緯があった。誤解を避けるため、通貨政策委員会 (Copom)は現在、新たな金融引き締めを「可能性が低いシナリオ」と見なしていることを強調している。

3月22日開催のブラジル中央銀行の通貨政策委員会 (Copom) は、ルーラ大統領初め与党のブラジル中銀の金利政策批判にも関わらず、高止まりするインフレの財政リスクへの影響緩和を維持するために、政策誘導金利Selicを全会一致で13.75%の据置を決定していた経緯があった。

米連邦準備制度理事会(FRB)は5月3日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25%の利上げ(政策金利引き上げ)を決めた。政策金利であるFF金利の誘導目標は5.00%~5.25%となった。

2016年8月31日以降のSelic金利の推移

今年4月の新車販売は9.14%増加の16万600台を記録(2023年5月2日付けヴァロール紙)

自動車販売代理店が加盟する全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の発表によると、2023年3月及び第1四半期のトラックやバスを含むブラジル国内の新車販売は、前年同月比9.14%増加の16万600台を記録している。

また今年初め4か月間の新車の累計販売台数は、前年同期比14.38%増加の63万2,300台を記録、世界的な自動車用半導体の供給不足の解消傾向に伴って、在庫調整のための減産政策の解消傾向を示している。

世界的な自動車用半導体の供給不足の解消傾向に伴って、自動車メーカーは正常な生産体制に戻り始めているが、新車販売を牽引しているのは、比較的低価格の配車アプリやタクシー向けの新車販売が牽引している。

今年初め4か月間の新車登録台数は増加傾向を示しているにも関わらず、Covid-19 パンデミック前の2019年の水準よりは依然として32.0%下回っている。