今年2月の二輪車生産は前年同月比13.4%増加(2023年3月13日付けヴァロール紙)

. 14メーカーが加入するブラジル二輪製造会社協会(Abraciclo)の発表によると、マナウスフリーゾーンの2023年2月の二輪車生産は、前年同月比13.4%増加の12万1,400台と二桁台の伸び率を記録した一方で、前月比ではマイナス1.2%となっている。

. 今年2月の二輪車生産は、ブラジルの経済危機直前の2014年の水準まで回復してきているが、特に排気量の少ない二輪車生産は需要に追い付いていないために、二輪車メーカーでは受注の対応に追われている。

今年初め2か月間の二輪車生産は、前年同期比28.1%増加の24万4,300台と過去10年間では最高の生産台数を記録、今後数か月間は受注が生産を上回るとブラジル二輪製造会社協会(Abraciclo)のMarcos Fermanian会長は楽観的な見方をしている。

今年1年間の二輪車生産は、前年比9.7%増加の155万台をブラジル二輪製造会社協会(Abraciclo)では見込んでいる。今年2月の二輪車の新車登録台数は前年同月比34.2%増加の10万600台を記録した一方で、前月比ではカーニバル休暇で1月よりも営業日数が4日間少なかった影響で、マイナス9.0%を記録していた。

今年2月の1日平均当たりの二輪車販売は前月比11.2%増加の5,590台、160CC以下の二輪車販売は全体の82.5%を占め、160CC~500CCの二輪車販売は14.5%、500CC以上の二輪車販売は僅か3.0%を占めていた。

今年2月の中型二輪車販売は前年同月比42.5%増加、用途が主にレジャー向けの500CC 以上の二輪車販売は11.5%増加とMarcos Fermanian会長は説明している。

今年初め2か月間の二輪車の新車登録台数は、前年同期比28.3%増加の21万1,200台、今年の新車登録台数は前年比9.4%増加の149万台をブラジル二輪製造会社協会(Abraciclo)では見込んでいる。

今年2月の二輪車輸出は前年同月比マイナス3.5%の3,198台、前月比ではマイナス25%、今年初め2か月間の輸出台数は12.3%増加の7,463台、今年の二輪車輸出は6.6%増加の5万9,000台が見込まれている。

コロンビア向け二輪車輸出は全体の25.6%と25%をアルゼンチンを抜いてトップシェア、米国向けは12.0%であった。

最終フォーカスレポートによると、今年のインフレ指数を5.96%に上方修正(2023年3月13日付けヴァロール紙)

13日発表のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートによると、2023年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、前回予想の5.90%から5.96%に上方修正している。

また2024年のIPCA指数は4.02%、2025年のIPCA指数は3.80%それぞれ前回同様に据え置いている。今年末の政策導入金利(Selic)を前回同様12.75%に据え置いたが、2023年のSelic金利は前回予想の10.00%、2025年9.00%それぞれ据え置いている。

また2023年のIPCAの中央目標値は3.25%、許容範囲は1.75%~4.75%、2024年及び2025年のIPCAの中央目標値3.00%、許容範囲は1.5%~4.5%となっている。

今年のGDP伸び率は前回の0.85%から0.89%に上方修正している。2024年のGDP伸び率は1.50%、2025年のGDP伸び率は1.80%それぞれ据え置いている。

2日のブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2022年のブラジルの国内総生産GDP伸び率は前年比2.9%増加、国内総生産額は9兆9000億レアル、国民一人当たりのGDPは4万6155レアルを記録している。

今年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$5.25 、2024年及び2025年末のドルの為替はR$5.30レアルを予想している。

 

今年2月のインフレ指数は予想を上回る0.84%を記録(2023年3月10日付けヴァロール紙)

10日のブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、2023年2月のブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、1月の0.53%から0.84%と大幅に上昇、昨年2月のIPCA指数は1.01%であった。

Valor Data社の42金融機関及びコンサルタント会社対象の調査では、今年2月のIPCA指数の最低予想は0.62%、最高予想は0.89%、平均予想の0.78%を0.6%上回っている。

今年2月の過去12カ月間の累計IPCA指数は5.60%と1月の5.77%よりも減少しているが、Valor Data社の最低予想5.37%、最高予想5.65%、平均予想の5.53%を上回っている。

ブラジル中央銀行の今年の目標IPCA指数は3.25%、許容範囲は±1.50%に設定されているが、今年2月の過去12カ月間の累計IPCA指数5.60%は、上限許容値4.75%を依然として0.85%上回っている。

今年2月のIPCA指数で最もインパクトを与えたのは、教育セクターの6.28%で2月は授業料の値上げが実施されるために上昇を余儀なくされる。教育セクターの6.28%は2004年に記録した6.70%以降では、最高のIPCA指数を記録している。

2月の教育セクター6.28%は1月の0.36%から驚異的な上昇を記録、また住居関連セクターは0.33%から0.82%、衣類セクターはマイナス0.27%からマイナス0.24%、健康・パーソナルケアセクターは0.16%から1.26%を記録している。

一方1月のIPCA指数から2月のIPCAが減少を記録したのは、食品・飲料セクターで0.59%から0.16%、家庭用品セクターは0.70%空0.11%、輸送セクターは0.55%から0.37%、個人的支出セクターは0.76%から0.44%、通信セクターは2.09%から0.98%それぞれ減少している。

ブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、1最低サラリーから40最低サラリーの所得層を対象に調査、ブラジリア連邦直轄地とゴイアニア市の地方自治体に加えて、10大都市圏を対象に調査されている。

2022年2月~ 2023年2月までの月間IPCA指数の推移

2022年2月~ 2023年2月までの過去12カ月間の月間累計IPCA指数、最高許容範囲、最低許容範囲の推移

2023年2月のIPCA指数のセクター別増減率

 

 

ルーラ新政権は各州政府に燃料向けICMS税補填で269億レアル支給で合意(2023年3月10日付けヴァロール紙)

今年1月から政権を担っているルーラ新政権は、ジャイール・ボルソナロ前大統領による州税である燃料関連の商品流通サービス税(ICMS)の税率引き下げによる州政府の歳入減少に対する補填で合意に達した。

各州政府は昨年の燃料関連の商品流通サービス税(ICMS)の税率引き下げによる州政府の歳入減少に対する補填として、国庫庁に450億レアルの支払いを要求して交渉を行ってきた経緯があった。

しかしルーラ新政権は燃料関連の商品流通サービス税(ICMS)の税収減少の補填として130億レアルの支払を提示していたが、各州政府に対して総額269億レアルの補填で合意に達している。フェルナンド・ハダジ財務相が州政府との合意発表を予定している。

各州政府に対して総額269億レアルの補填合意には、国庫庁のRogerio Ceron長官及び補填交渉を先導したピアウイ州のRafael Fonteles州知事が交渉にあたっていた。

昨年10月2日に大統領選を控えるボルソナロ大統領や連邦議会からの圧力で、ペトロブラス石油会社は昨年7月下旬にガソリン卸売価格を引き下げを余儀なくされていた。また各州政府でも、天然ガス、電気、通信、公共交通機関にかかる商品流通サービス税(ICMS)の税率引き下げ実施を余儀なくされていた経緯があった。

 

 

今年2月のセメント販売は前年同月比7.7%減少(2023年3月9日付けヴァロール紙)

全国セメント工業組合(SNIC)の発表によると、経済動向の指標の一つである2023年2月のセメント販売は、前年同月比7.7%減少の440万トンに留まっている。

今年2月のブラジル国内の地域別セメント販売では、北東部地域のセメント販売は14.2%と最も落ち込みが激しく、北部地域のセメント販売も12.4%それぞれ二桁台の落込みを記録している。

今年1月のセメント販売は490万トンを記録した一方で、2月のセメント販売は、営業日数が大幅に減少した影響で前月比10%以上の落ちこみを記録している。2月の1日平均のセメント販売は前月比9.8%減少の22万1,000トンに留まっている。

今年初め2か月間のセメントの累積販売は前年同期比0.9%減少の930万トン、今年2月の過去12カ月間の累積販売は前年同期比2.2%減少の6,260万トン、全国セメント工業組合(SNIC)では、2023年のセメント販売を前年比1.0%増加の6,400万トンと予想している。

全国セメント工業組合(SNIC)では、今年のセメント販売は高止まりするインフレや金利で先行き不透明感が強い一方で、2009年のルーラ政権の経済成長加速プログラム(PAC)の大衆住宅建設”私の家、私の暮らし Minha Casa Minha Vida”の新規プログラムに期待が寄せられている。

 

現在の不透明やブラジル国内の経済シナリオでも、セメント産業は、インフラ整備や住宅建設などを中心に連邦政府の基幹産業プログラム再開如何にかかっていると全国セメント工業組合(SNIC)のPaulo Camillo Penna会長は期待している。

2022/23度の穀物生産は記録更新が予想(2023年3月9日付けヴァロール紙)

国家配給公社(Conab)によると、2022/23年度の穀物生産は、前回予想の3億1,060万トンから3億990万トンに下方修正したにも拘らず、過去最高の穀物生産を記録した2021/22年度を13.8%上回り、記録更新すると予想している。

2022/23年度の大豆生産はブラジルの穀物生産の約50%を占める1億5,140万トンが見込まれており、過去最高を記録した2021/22年度を20.6%上回ると予想されている。

2022/23年度の穀物生産は過去の記録を更新すると予想されているが、南大河州の旱魃の影響を受けて、2月の予想よりも1.0%減少が見込まれているが、トカンチンス州、南マット・グロッソ州、サンパウロ州及びゴイアス州の穀物生産がカバーすると国家配給公社(Conab)のGuilherme Ribeiro総裁は説明している。

2022/23年度の穀物収穫はすべての穀倉地帯で進んでいるものの、2021/22年よりはペースが鈍化している。収穫中の降雨に加えて、ゴイアス州やブラジル新興農業開発地域のマラニョン州(MA)南部、トカンチンス州(TO)東部、ピアウイ州(PI)南部、バイア州(BA)西部の4地区に跨る「マトピバ地域」などのいくつかの地域では、植え付けが遅れていた経緯があった。

Conab によると、植え付けの遅れは 2022/23 年の耕作面積の 63.6% に達し、2 番目のトウモロコシの第2期作の播種に影響を与えると予想されているが、。 それでも、トウモロコシ生産量が 11.3% 増加の9,560 万トンになると予想されている。

2022/23 年のトウモロコシの第1期作生産は前年比6.9%増加の2,676万トン、第2期作を合わせたトウモロコシ生産は10.2%増加の1億2,470万トンが見込まれている。

また今年の棉生産は前年比9.0%増加の278万トンが予想されているが、2月の予想の300万トンを下回ると予想されている。

今年の米生産は昨年の1,020万トンを8.4%減少の990万トンと1,000万トン割れが見込まれている要因として、耕作面積の縮小、南大河州の旱魃の影響が指摘されている。

今年の3期作合わせたフェジョン豆生産は前年比2.4%減少の290万トン、小麦生産は1,050万トンが見込まれている。

大手卸売りチェーンAssaí社は30億レアルに相当する追加公募増資(フォローオン)を予定(2023年3月8日付けヴァロール紙)

大手卸売チェーンAssaí社は、早ければ今月13日にフランス資本の小売業者Casino社救済のための追加公募増資(フォローオン)の開始を予定。 この取引には約 30 億レアルの資金調達が見込まれており、ブラジルの株式市場が活気を失っている時期に今年の最初の追加公募増資(フォローオン)を行う。

Casino 社の Assaí 社への出資比率の減少でファイナンス強化を図っており、昨年 11 月に行われた追加公募増資(フォローオン)では、Casino はブラジル卸売市場での地位を引き下げるオファーで 26 億レアルの資金を調達していた。

現在、Casino 社はAssaí社 の発行株式の約 30.5% を所有しているが、今回の追加公募増資(フォローオン)が成功すれば、Casino 社の持ち株比率は約 15% に半減する。

しかしAssaí社 のエグゼクティブ プレジデントとしてCasino 社の Belmiro Gomes 氏は継続して経営を主導するが、Casino社 のAssaí社取締役会のメンバーは 2 名に減らされる。

今回のAssaí 社の追加公募増資(フォローオン)を担当する幹事会社は、 BTG Pactual社, Bradesco BBI社, Itaú BBA社並びに JP Morgan社が引き受ける。

昨年11月、幹事銀行は大統領選挙後に行われた追加公募増資(フォローオン)で市場のボラティリティをヘッジするための「フラッシュ」オファーを開始していた経緯があったが、金融市場が落ち着いていない時期でも、外国人投資家を中心に需要が高かった。 .

今年1月の製造業部門の雇用、賃金、労働時間はそれぞれ増加(2023年3月8日付けヴァロール紙)

全国工業連合会(CNI)の調査によると、2023年1月の製造業部門の雇用、給与、労働時間は前月比でぞれぞれ増加を記録した一方で、インフレ指数を差引いた製造業企業の実質売上、労働者の平均所得は減少している。

また今年1月の製造業部門の2022 年 1 月との比較では、雇用率、労働時間、賃金、平均労働者所得は増加した一方で、製造業企業の売上は1.1%減少、設備稼働率も1.5%減少している。

今年1月の製造業部門の実質売上は前月比0.9%減少、前年同月比では1.1%減少、前記同様に実質賃金は0.3%減少、2022年1月からの累計実質賃金は高止まりするインフレ指数で6.6%と大幅に減少している。

過去 5 か月間の製造業部門の雇用は比較的安定しており、昨年 同月比では1.0%増加、賃金は1.5%増加、昨年1 月からの累積賃金レベルでは7.8% 増加。 一方、前記同様労働時間は、 0.5%増加、3.2% 増加している。

今年1月の製造業部門の設備稼働率は前月比同率の79.7%を記録、しかし設備稼働率は前年同月比では1.5%減少している。

男女平等の賃金支払い拒否に対する罰金は、企業支払いの最高給与の10 倍相当。(2023年3月8日付けヴァロール紙)

シモーニ・テべテ予算企画相は、同じ職務を遂行する男性と女性の同一賃金を順守しない会社に対する罰金は、会社が支払った最高給与の 10 倍になると説明した。

ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領 (労働者党-PT) は、毎年3月8日の国際女性デーに、男女間の同一賃金を順守しないブラジル国内の企業に対する罰する法案に署名した。

ルーラ大統領は、女性に対する男性との同一賃金支払いを望まない企業は多く存在するが、女性は能力に見合った賃金を男性同様に得る権利があり、企業経営者には法を確実に遵守するよう司法に監視強化を求めている。

格付け機関は企業の格付け見直しを加速(2023年3月8日付けヴァロール紙)

今年初め僅か 2 か月で、停滞するブラジル国内の経済活動、高金利、金融市場における流動性の逼迫という致命的な組み合わせに加えて、小売大手のロージャス・アメリカーナ社によって引き起こされた不正会計発覚危機の影響で、企業の信用リスクを測定する格付け機関では、格付け見直しを加速させている。

ムーディーズ(Moody’s Corporation)、スタンダード&プアーズ(Standard & Poor’s)、フィッチレーティングスリミテッド(Fitch Ratings Limited)の3大格付け会社の一つであるフィッチ社は、今年既に昨年と同数に相当する上場企業の格付けを 9 回引き下げている。 ムーディーズでは、昨年の格付けの引下げ企業2 社に対して、今年初め僅か2か月間に既に4 社の格付けが引き下げている。

ロージャス・アメリカーナ社によって引き起こされた不正会計発覚で、今年初めから高いレバレッジに圧迫された企業の支払条件が急速に悪化している様子で、債務の繰り越しが困難なため、状況はさらに悪化し、短期満期の企業の首を絞めている。

ロージャス・アメリカーナ社は、今年1 月に不正会計発覚で会計上の赤字が表面化した後、S&P を含む 3 つの主要なリスク評価機関から格下げに見舞われており、企業の存続危機が表面化している。

今年はより堅調な経済活動は予見されなかったが、クレジット市場の流動性危機により、ブラジル企業の財務健全性に黄信号が灯ったとフィッチ・レーティングス社法人担当エグゼクティブ・ディレクターのリカルド・カルバーリョ氏は指摘している。

フィッチは、COVID-19パンデミックが始まった 2020 年は経済活動への強い影響と多くの不確実性により、9 社の格下げを余儀なくされた。 今年は高金利や先行き不透明な経済活動などで企業の収益増加はあまり見込めないが、問題は、ロージャス・アメリカーナ社の不正会計発覚で、一晩で企業が負債の借り換えをする能力がなくなったこととカルバーリョ氏は指摘している。

ロージャス・アメリカーナ社の不正会計発覚の影響で、信用不足のシナリオがいつまで続くか不透明となっており、より多くの企業が会社更生法に基づく裁判手続きに入ることが予測されている。これは、流動性の供給がほとんどないため、困難な状況にある企業は現金の迅速な保護を求める必要がある。

債権者からの負債返済圧力と格下げを受けて、Azul 社と Gol社 の航空会社は、債務を軽減するための措置を発表。 Azul社は航空機リースの義務を再交渉することに成功し、Gol社はAbra保有を完了したために、バランスシートが改善している。

 

2023年1月~2月にかけて格付け引き下げられた企業及びランク付け