今年2月のブラジルの貿易収支は28億ドルの黒字計上(2023年3月1日付けヴァロール紙)

1日の開発商工サービス省(MDIC 経済省通商局(Secex の発表によると、20232月のブラジルの貿易収支は、前年同月比35.3%と大幅減少の28億ドルの黒字に留まっている。

今年2月の輸出総額は前年同月比7.7%減少の206億ドルに対して、輸入総額は0.9%微減の177億ドルを記録している。

今年初め2か月間の累計輸出総額は、前年同期比0.7%微増の436億ドルを記録した一方で、累計輸入総額は1.5%微減の311億ドルを記録、今年初め2か月間の累計貿易収支は125億ドルの黒字を計上している。今年初め2か月間の貿易総額は、前年同期比0.3%微減の817億ドルを記録している。

今年2月の農畜産部門輸出は前年同月比5.0%減少、鉱業部門は38.2%減少した一方で、製造業部門の輸出は5.7%増加を記録している。

今年2月の農畜産部門の輸入は3.5%増加、鉱業部門は29.1%と大幅減少、製造業部門の輸入は2.1%増加を記録している。

今年2月のブラジルの最大の貿易相手国である中国、香港並びにマカオ向け輸出は、前年同月比14.1%減少、アジア向け輸出も15.55%減少している。

また今年2月の北米向け輸出は6.33%増加、南米は6.28%増加、ヨーロッパ向け輸出は13.21%と二桁台の減少を記録している。

 

昨年のペトロブラスの配当金支払いはBHP 社に次いで世界2位(2023年3月1日付けヴァロール紙)

英国コンサルタント社Janus Henderson社の2022年度の世界大手企業の配当金支払い調査によると、ペトロブラス石油公社の配当金支払いは資源大手 BHP社に次ぐ217億ドルに達している。

昨年のペトロブラスの配当金総額217億ドルは、2021年の配当金総額91億ドルを126億ドル上回る大判振る舞いの配当金支払いを記録している。

昨年のペトロブラスの配当金の大幅増加要因として、石油の国際コモディティの高騰が牽引、昨年の1バレル当たりの「北海ブレント原油 価格は115ドルに達していた経緯があった。

昨年のセクター別の配当金支払い比較では、石油、ガス、エネルギー企業の平均名目配当は前年比56.3% 増加と最高の伸び率を記録している。

製造業セクターは 19%増加した一方で、 公益事業会社は 8.2%、電気通信は 7.5%、基本消費は 5.1%それぞれ 減少している。

BHP社、ペトロブラスに次いで3位にはMicrosoft社、次いで Exxon Mobil, Apple, China Construction Bank, Rio Tinto, China Mobile, J.P. Morgan社並びにJohnson & Johnson社が続いている。

2023年の世界の大手企業の配当金支払い総額はに1 6,000 億ドルが予想されているにも関わらず、世界的な金利の高止まり、減速している経済成長、需要低下と信用コストの上昇で、企業のキャッシュフローに圧力がかかっているために、楽観的な見方は少ない。

今年の配当金支払いの伸び率は昨年を下回ると予想されており、エネルギーセクターの配当金支払いは昨年同様の可能性は低く、鉱業会社の支払いはさらに減少する可能性が見込まれている。

銀行セクターは、金利の上昇により、利ざや拡大から利益増加が期待できる一方で、クレジット部門の不渡りの増加に対処する必要があるが、配当金支払い増加が見込まれている。

ラテンアメリカの大手企業の配当金支払いではペトロブラスに次いで2位のヴァーレ社は世界全体では32位、2021年は配当金支払い68億6,000万ドルで世界8位であった。

コロンビア資本Ecopetrol社は47億2,000万ドルで58位、Ambev社は35億⒎000万ドルで94位 、 ブラジル資本ではJBS, WE社並びにブラデスコ銀行が目立っている。

2020年~2022年の世界大企業の配当金支払いトップ10

昨年のアグロインダストリー部門生産指数(PIMAgro) は1.1%増加に留まる(2023年3月1日付けヴァロール紙)

2022年のブラジル国内のアグロインダストリー部門生産指数(PIMAgro) は、前年比1.1%と増加とジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の調査で判明している。 

また昨年の食品・飲料セクターは前年比2.5%増加したために、非食品部門の生産指数のマイナス0.5%を補う効果に繋がっている。

2022年のアグロインダストリー部門生産指数(PIMAgro) は、前年比1.4%増加が予想されていたにも拘らず、昨年12月がマイナス1.6%と昨年2月以降で初めてマイナスを記録したために、予想を下回る伸び率に留まった。

昨年のアグロインダストリー部門生産指数(PIMAgro)の予想下回る伸び率は、インフレや金利の高止まりなどによる国内経済の活性化喪失を反映していると調査員は指摘している。

今年のアグロインダストリー部門のシナリオはまだ不透明であり、 ブラジル国内的には、インフレ抑制に必要な金融政策、労働市場の収縮の可能性、政治的混乱がアグロインダストリー部門の力強い成長を妨げる可能性が示唆されている。

連邦政府は、官報でガソリンとエタノールの連邦税復活に関する 暫定令MP発行。(2023年3月1日付けヴァロール紙)

連邦政府は、3月1日に官報(DOU)でガソリンとエタノールの連邦税復活に関する暫定令MP発行した。昨年の大統領選挙でルーラ候補と第二次決戦で不利になると判断して燃料に関する社会統合計画賦課金(PIS)及び社会保障賦課金(Cofins)を一時的に免税していた経緯があった。

しかし昨日の午前中にペトロブラス石油公社は、ガソリン及びディーゼル燃料の値下げを発表していたが、午後にはフェルナンド・ハダジ財務相がガソリンとエタノールの連邦税復活を示唆していた経緯があった。

ガソリンの場合、課税は 1 立方メートルあたり 470 レアル、つまり 1 リットルあたり 0.47 レアルで、そのうち約 0.08 レアルが PIS で、0.38 レアルが Cofins であった。 エタノールの場合、課税は 1 立方メートルあたり 20 レアル、つまり 1 リットルあたり 0.02 レアルであった。

暫定令MP は今年6 月 30 日まで適用され、「原油または瀝青鉱物からの油」に対する 9.2% の輸出税率を加えている。

リットルあたりの PIS/Cofins 税率と輸出税は、2月28日の昨日、Fernando Haddad財務相 がすでに発表していた経緯があった。

ペトロブラスは石油およびディーゼル燃料の卸売価格を明日から引下げる(2023年2月28日付けヴァロール紙)

.ペトロブラス石油公社は、31日から同公社傘下の石油製油所の石油およびディーゼル燃料価格を国内外の価格差の解消に向けて引下げると発表している。

ペトロブラスは石油製油所の1リットル当たりのガソリンAの卸売価格を現行の3.31レアルから3.18レアルの0.13レアルの引下げを行うが、値下げ率は3.93%に相当する。

またディーゼル燃料も現行の4.10レアルから4.02レアルの0.08レアルの引下げを行うが、値下げ率は1.95%相当となっている。

ペトロブラスは、一般消費者向けのガソリンポストで販売されているガソリンの組成として73%のガソリンと27%の無水エタノールの必須混合で、一般消費者向け価格のペトロブラスの取分は1リットル当り2.32レアルと説明している。

またディーゼル燃料の場合は、混合率はディーゼルA90%、バイオディーゼルが10%、ペトロブラスの取分は1リットル当りの取分は3.62レアルとなっている。

ペトロブラスはブラジル国内市場における石油と天然ガス派生品の価格形成において、レアル通貨に対するドルの為替レートの接続的なボラティリティの転嫁を回避する。同社は、消費者への燃料価格の形成と構成に関する詳細情報は同社のウェブサイトで入手できると説明している。

 

今年1月のブラジルの財政プライマリーは990億1,300万レアルの黒字計上(2023年2月28日付けヴァロール紙)

2023年1月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支794億500万レアルの黒字を計上している。

また今年1月の州政府並びに市町村で構成される地方政府の財政プライマリー収支も2177,200万レアルの黒字を計上した一方で、公社は216,400万レアルの赤字を計上している。

今年1月の中央政府及び地方政府、公社を合わせたブラジルの財政プライマリー収支は990億1,300万レアルの黒字を計上したにも関わらず、昨年1月の1,0183,300万レアルの黒字を若干下回った。

ブラジルの財政プライマリー収支決算には、ペトロブラス石油公社、ブラジル中央電力公社(Eletrobras)、ブラジル銀行や連邦貯蓄金庫は除外されている。

今年1月のブラジルの過去12か月間のインフレ指数を考慮した実質累計財政プライマリー収支はGDP1.24%に相当する1,231億⒎300万レアルの黒字を計上、昨年12月の過去12か月間の累計財政プライマリー収支はGDP1.28%であった。

今年1月の過去12か月間のブラジルの名目累計財政プライマリー収支赤字はGDP5.02%に相当する4,978億200万レアル、累計利払い総額はGDP6.26%の6,209億⒎500万レアル、前期同様に昨年12月はGDP4.68%、利払いはGDP5.96%であった。

今年1月のインフレ指数を考慮しないブラジルの名目財政プライマリー収支は466億9,200万レアルの黒字を計上しているが、昨年1月の840億6,100万レアルを大幅に下回っている。20231月のブラジルの公的負債総額は0.3%減少のGDP73.1%に相当する7兆2570億レアルであった。

一方、今年1月は為替レートが 2.3% 上昇した影響で、公的債務残高が 0.3 %増加し、名目利子が 0.5 %増加した。 ブラジルは3,000億ドルを優に超す外貨準備高があリ、外貨の債権者であるため、レアルに対するドルの下落は純債務を増加させる。

南大河州政府は年内の空港及び道路コンセッション入札を予定(2023年2月28日付けヴァロール紙)

南大河州政府は2023年以内にパッソ・フンド空港及びサント・アンジェロ空港の民営化コンセッション入札の準備に取り掛かると州政府民営化コンセッション担当の Pedro Capeluppi長官は示唆している。

今年下半期に予定されている2カ所の州立空港の民営化コンセッションの公示公開を予定しているが、民営化コンセッションの投資総額は8,550万レアルが見込まれている。

また南大河州政府は総延長距離が859キロメートルに及ぶ2カ所の州道路の民営化コンセッションの投資総額は80億レアルが見込まれているが、公示公開は下半期が見込まれている。

州道路の民営化で、利用者には適正価格で最高のサービスを提供すると28日に開催された州政府イベント P3CPedro Capeluppi長官は説明している。

2022年の月間平均失業率は9.3%に大幅低下(2023年2月28日付けIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の継続的全国家庭サンプル調査(Pnad Continua)の調査結果を発表によると、2022年の月間平均失業率は、9.3%と2021年の13.2%よりも3.9%と大幅な失業率の低下を記録している。

昨年の月間平均失業者は、前年比27.9%に相当する390万人減少した一方で、過去最低の失業率を記録していた2014年の6.9%を依然として2.4%上回っている。

昨年の月間平均労働者人口は前年比7.4%増加の9,800万人に達し、2012年の月間平均労働者人口8,960万人を9.4%上回っている。

昨年の労働人口に占める労働者数は56.6%とCOVID-19パンデミック開始の2020年の51.2%から2年連続で増加を記録しているが、2013年及び2014年の58.1%よりも依然として1.5%減少している。

昨年の就職活動を諦めていた労働者は前年比19.9%減少の430万人、過去最高はCOVID-19パンデミックの2020年の550万人、過去最低は好景気が続いていた2014年の150万人であった。

2022年の労働手帳に記載される正規雇用者数は、前年比9.2%増加の3,590万人と2021年初めから増加傾向が継続している。一方労働手帳に記載されない非正規雇用者数は、前年比14.9%増加の1,290万人と2021年の1,120万人よりも170万人増加している。

2022年の平均自営業者数は前年比2.6%増加の2,550万人、統計を取り始めた2012年の2,010万人よりも27.3%に相当する540万人増加を記録している。

インフレ指数を差引いた月間平均サラリーは前年比1.0%に相当する28レアル安い2,715レアルに留まっているが、2012年比では1.3%微増に留まっている。

2012年~ 2022年の平均失業率推移

今年2月の企業経営者景況感指数(ICI)は前月比マイナス1.1ポイントの92ポイント(2023年2月27日付けヴァロール紙)

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の調査によると、2023年2月の鉱工業部門の企業経営者の景況感を計る企業経営者景況感指数(ICI)は、前月比マイナス1.1ポイントの92ポイントと2020年7月に記録した89.8ポイント以降では最低レベルまで落ち込んでいる。

2022年12月~今年2月までの四半期の月間平均企業経営者景況感指数(ICI)は、92.8ポイントと5カ月連続でマイナスを記録している。

今年2月の企業経営者景況感指数(ICI)が前月比マイナス1.1ポイントの92ポイントに落込んでいるのは、先行きの景況感悪化見通しが反映しているが、非耐久消費財セクターの見通しは良好となっている。

鉱工業部門の国内需要のわずかな改善にもかかわらず、在庫レベルの増加を示している。 今後の見通しは、企業経営者が今年上半期の生産と雇用の減少を予測しているため、再びより悲観的となっているとFGV Ibre エコノミストのStéfano Pacini氏はコメントしている。

2月の調査結果は不均一で、調査対象の19セクターのうち8セクターで信頼性が低下している。 この結果は、現状に対する評価の調整と期待の悪化を反映している。今年2月の企業経営者の現状景況感指数(ISA)はマイナス0.3ポイントの92.8ポイント、先行き景況感期待指数(IE)は、マイナス1.8ポイントの91.4ポイントで2020年7月に記録した90.5ポイント以降では最低の水準まで落ち込んでいる。

現状景況感指数(ISA)を構成する項目のうち、在庫の水準を測る指標が最もマイナスの影響を及ぼし、マイナス3.6ポイントの106.6ポイントを記録。 この指標が 100 ポイントを超える場合は業界が過剰な在庫を示している。

今後数か月の先行き予想では、企業経営者は 6 か月以内にビジネスの傾向が悪化すると予測。 先行き景況感期待指数(IE)は マイナス2.5 ポイントの89.4 ポイントとなり、2021 年 9 月以来の平均レベルの102.7 ポイントを下回っている。

3 か月後の雇用見通しは、マイナス0.8 ポイントの94.8 ポイントで2020 年 7 月に記録した93 ポイント以来では最悪の水準に達し、さらに、この指標は 100 ポイントを下回ったままであり、今後数か月で雇用が減速することを示している。

今後3カ月間の生産見通しを測る指標はマイナス2.0ポイントの90.5ポイントとなり、2022年3月以来最悪の結果となった。

今年2月の鉱工業部門の設備投資稼働率(Nuci)は、マイナス0.1ポイントの78.7ポイントと2021年5月に記録した77.8ポイント以降では最低の水準を記録している。

2022年のブラジル国内の養殖漁獲量は前年比2.3%増加(2023年2月27日付けヴァロール紙)

ブラジル養殖魚協会(Peixe BR)の発表によると、2022年のブラジル国内の養殖漁獲量は、前年比2.3%増加の86万400トンを記録している。

Covid‐19パンデミック及びロシアのウクライナ侵攻などの影響で、昨年の世界経済は停滞傾向を示しており、また生産コストの上昇、国際貿易の不均衡があった時期とブラジル養殖魚協会(Peixe BR)のFrancisco Medeiros会長は指摘している。

ブラジル養殖魚協会(Peixe BR)では生産コスト上昇も魚の養殖に悪影響を与えており、またインフレや金利の高止まりなどもブラジル人の魚の購買力低下で消費が低迷しているとFrancisco Medeiros会長は指摘している。

2022年のブラジル国内のチラピアの養殖生産量は前年比3.0%増加の55万トンに達し、養殖魚生産量の64.0%を占めている。またブラジルはちらぴら生産では世界4位にランク付けされている。

特に昨年のパラナ州でのチラピア生産は前年比3.2%増加の18万7,800トンを記録、南大河州、サンタ・カタリーナ州及びパラナ州の南部地域のチラピア生産はブラジル国内の43.5%に相当する23万9,300トンを記録している。

また南東部地域の昨年のチラピア生産は全体の27.1%に相当する14万9,100トン、特にサンパウロ州はパラナ州に次いで2位、ミナス州は3位、エスピリット・サント州は9位にランク付けされている。

昨年の北東部地域でのチラピア生産は前年比5.2%増加の10万300トンの一方で、中西部地域はマイナス3.2%の5万9,650トンに留まっている。

今年1月のブラジルの経常収支は87億9,100万ドルの赤字計上(2023年2月24日付けヴァロール紙)

2023年1月のブラジルの経常収支は87億9,100万ドルの赤字計上、2022年1月の経常収支赤字93億9,600万ドルを4億ドル近く上回っている。

今年1月の過去12か月間の累積経常収支は、GDP比2.87%に相当する553億5,500万ドルの赤字を計上しているが、2022年1月の同期の累積経常収支のGDP比2.94%を若干下回っている。

ブラジル中央銀行の最終四半期インフレレポート(RTI)によると、2023年の経常収支赤字は490億ドルの赤字に留まると予想されており、昨年よりも50億ドル近い赤字減少が予想されている。

今年1月の海外投資家による金融市場向け投資は、21億2,900万ドルの買い越しを記録したが、昨年1月は48億5,100万ドルの買い越しで今年の2倍以上を記録していた経緯があった。

今年1月の海外投資家によるブラジル国債などの確定金利付き投資は2億1,700万ドルの買い越し、国内外全体の投資は22億4,300万ドルの買い越しを記録している。

また今年1月のブラジル株式市場及びニューヨーク株式市場の株投資は、24億200万ドルの買い越しを記録している。最終四半期インフレレポート(RTI)によると、2023年の海外投資家によるブラジル株式市場の投資は50億ドルの買い越しが見込まれている。

今年1月の外資系企業による利益・配当金の海外本社への送金総額は45億ドルに対して、昨年1月の送金総額は約半額の24億7,800万ドルに留まっていた。今年1年間の送金総額は350億ドルを予想している。

ブラジル中央銀行によると、民間および国有企業による中長期の社債の新規発行は、今年1 月末に期限が到来する償却の 111% に相当。 100% を下回る場合は、新規社債発行がすべての支払いをカバーするには不十分であり、2022 年 1 月のロールオーバー率は 99% であった。