2023年のブラジルの平均失業率は7.8%(2024年2月16日付けヴァロール紙及びIBGEサイトより抜粋)

ブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、2023年第4四半期のブラジルの平均失業率は、7,4%と昨年7月~9月の前四半期の平均失業率7,7%を下回り、前年同期の7,9%を大幅に下回っている。

2023年の平均失業率は、7,8%と統計を取り始めて過去最低を記録していた2014 年の失業率7%以降では最低の失業率を記録している。2023年の平均失業率7.8%は、2022年の平均失業率9.6%を1.8%下回っており、大幅な失業率低下を記録している。

2023年の州別平均失業率比較では、アクレ州は前年比マイナス4.9%と大幅な失業率低下を記録、マラニョン州はマイナス3.5%、リオ州及びアマゾナス州はマイナス3.2%とそれぞれ減少した一方で、唯一ローライマ州の失業率は1.7%増加を記録している。

2023年のブラジルの失業者数は、前年比17.6%減少に相当する180万人減の850万人まで低下して1,000万人を割込んでいる。

また2023年の労働者総数は前年比3.8%増加の1億70万人に達し、統計を取り始めた2012年以降では最高の労働者数を記録している。調査対象の27州のうち22州で増加を記録、特にアマパ州は8.6%増加、アラゴアス州は7.8%増加、ゴイアス州は7.1%増加を記録している。

2023年のサンパウロ州の労働者数はブラジル国内の労働者数の四分に1に相当する24.3%、ミナス州は10.7%、リオ州は8.1%、バイア州は6.0%、パラナ州は5.9%、南大河州は5.8%と6州でブラジル全体の約60%を占めている。

2023年のブラジルの人口に対する14歳以上の労働人口の比率は前年の56.0%から1.6%増加の57.6%に上昇している。最も比率が高いのはサンタ・カタリーナ州の65.9%、次いでゴイアス州64.7%、マット・グロッソ州64.7%に対して比率が低い州はアクレ州の45.7%、北大河州46.6%、マラニョン州は46.7%に留まっている。

2012年~2023年 のブラジル及び各州の平均失業率の推移

2023年 のブラジル各州の非正規雇用比率

 

 

 

 

2023年のブラジル国内の371件のM&Aの50.1%は外資系企業が占めた(2024年2月16日付けヴァロール紙)

2023年の海外投資家によるブラジル国内の企業買収・吸収合併(M&A)は過去10年間で最高のM&A件数を記録している。

金融コンサルタント会社Seneca Evercore社の調査によると、昨年実施された企業買収・吸収合併(M&A)371件の取引のうち、海外投資家及び外資系企業との取引が50.1%を占めた。

昨年下半期だのM&A取引件数156 件のうち、海外投資家及び外資系企業のシェアは 54.5% に達して、2016 年以来、半期として最高比率を記録している。

また2014 年以降のブラジル国内での累積M&A件数は 5,061 件に達しているが、そのうち 47% のM&A 件数は海外投資家が占めている。 

投資銀行関係者らによると、外国人が占めるブラジル国内のM&A件数比率が大きい要因として、大きなポテンシャルを擁するブラジルに対する認識、特に新興同国に対する認識の改善を反映しているSeneca Evercore社パートナーのダニエル・ワインスタイン氏は説明。2024年上半期は2023年下半期よりもさらに好調で、海外投資家の参加がさらに優位性を示すはずだと付け加えている。

またブラジルの格付けがより好意的に評価されており、また比較的低い失業率、これまで均衡を保ってきたインフレ、ブラジル金利低下、米国でも金利下落傾向があり、サンパウロ平均株価指数Ibovespaが記録更新したことなどが組み合わさったとダニエル・ワインスタイン氏は説明している。

ブラジルMorgan Stanley投資銀行のFabio Medeirosチーフは1億ドル以上のM&A案件の投資額が判明すれば海外投資家によるM&A案件は加速すると2016年の水準に達するとダニエル・ワインスタイン氏は説明している。

今年は新規株式公開(IPO)が再開されることに加え、より機能的な資本市場によってブラジルの投資家がさらにM&Aに注目するようになると予想されている。

最終フォーカスレポートは今年のインフレ指数を3,82%、来年は3,51%にそれぞれ上方修正(2024年2月15日付けヴァロール紙)

15日発表のブラジル中央銀行の最終フォーカスレポートは、今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)を前回予想の3.81%から3,82%、来年は3,50%から3,51%にそれぞれ上方修正している。また2026年のIPCA指数は, 前回同様3,50%に据置いている。

2024年末の政策誘導金利 Selicは前回同様に9,00% に据置。2025年末のSelic金利も8,50%、2026年末のSelic金利も8,50%に据え置いている。

また2024年, 2025年並びに2026年のIPCA指数の中央目標値は3,00%、許容範囲は±1,50%に設定されている。

2024年のGDP伸び率は前回予想の1,60%に据置、2025年及び2026年のGDP伸び率は2,00%.に据置いている。

2024年末のレアル通貨に対するドルの為替はR$ 4,92に据置、2025年はR$ 5,00に据置。2026年末のドルの為替は前回予想のR$ 5,04に据え置かれている。

2024年1月末のサンパウロ証券取引所の上場企業数は2021 年6月以降では最低の445 社まで減少(2024年2月14日付けヴァロール紙)

2024年1月末のサンパウロ証券取引所B3の上場企業数は2021 年6月以降では最低の445 社まで減少している。

また2021年8月に製薬会社Viveo社が新規株式上場IPOの最後となり、約2年半の期間全くサンパウロ証券取引所B3における新規株式上場が行われていないために、過去20年間で最低のIPO数まで落ち込んでいる。

株式市場に新規参入する企業がいない上に、いくつかの企業がB3から撤退しており、さまざまな理由で上場廃止になること一因として、定期的に証券取引委員会(CVM)に提出する書類の不送付やその他の問題によりCVMから登録を取り消された企業も多いが、上場停止を目的に公募増資(OPA)を実施した企業もある。

例えば、ブラデスコ銀行とブラジル銀行によって上場廃止となるCielo社のケースがこれに該当する。サフラ銀行によるアルファ複合企業の買収で、アルファ投資銀行、アルファファイナンス社、アルファホールディングス社並びにアルファコンソーシアム社が上場廃止を余儀なくされていた。

2024年1月末のサンパウロ証券取引所の上場企業数は前月比0.2%減少に相当する445社、前年同月比では0.7%減少、過去最低の上場企業数であった2021年6月末は439社、過去最高の上場企業数は2021年12月の463社であった。

サンパウロ証券取引所の上場企業数の減少の一方で、個人投資家数はNubankのBDRプログラム変更により昨年8月に減少した後、再び増加傾向を示しており、今年1月末の個人投資家数は500万人を突破している。

2024年のブラジル国内の港湾ターミナル入札では120億レアルの資金調達予想(2024年2月14日付けヴァロール紙)

インフラ省国家水上輸送庁(Antaq)の発表によると、2024年のブラジル国内の港湾ターミナル入札は19件が予定されており、入札による資金調達総額は117 億レアルに達する可能性を Eduardo Neryジェネラルダイレクターは説明している。

このプロジェクトには、連邦政府が主導する16件の投資予定総額82億レアルと、パラナ州政府主導のパラナグア港湾ターミナルの3件の投資予定総額35億レアルの入札が含まれている。

港湾や空港を管轄する担当省は、2026年までに合計35件の入札と契約投資額145億レアルに達すると予想している。

今年3月には、レシフェ港の米、肥料、大豆、トウモロコシ、麦芽を扱う4つの港湾ターミナルの競売が予定されており、投資額は5,980万レアルと見込まれており、またサントス港のコンテナターミナルSTS33も工事が行われる予定で投資総額は3,670万レアルが見込まれている。

主要な港湾ターミナル入札は8月に予定されており、最も期待されているプロジェクトはリオ州イタグアイ港湾ターミナル入札の鉱物バルクターミナルで、27億3,000万レアルが予定されている。サンタ・カタリーナ州イタジャイ港のリース案件の投資額は28億7000万レアル。そしてパラナグア(PR)アクセスチャンネル入札では、10億レアル以上の投資が見込まれている。

このパラナグア港湾ターミナル入札は、船舶が通過するターミナルへのアクセス水路の深化と浚渫の維持を含むサービスが提供されるこのモデルにおける他の入札案件の参考となるため、注目を集めている。 「これらは、港へのアクセスを深くし、将来維持し、より深い喫水の船舶を存続可能にするための非常に重要な投資」とEduardo Neryジェネラルダイレクターは説明している。

パラナグア港湾ターミナル向け運河浚渫プロジェクトは、サントス港やリオグランデ港など、他の運河浚渫プロジェクトの出発点となるとABTP(ブラジル港湾ターミナル協会)の理事長兼会長のJesualdo Silva氏は指摘している。

サンタ・カタリーナ州イタジャイ港湾ターミナル入札も、その規模だけでなく、 2022年末にAPMターミナル(マースク)との契約が終了した後、移行契約を巡る紛争のさなか、同港は1年間事実上停止状態にあった。

            2024年のブラジル国内の港湾ターミナル入札予定

 

2024年1月のインフレ指数は0.42%と予想を上回る上昇率を記録(2024年2月8日付けヴァロール紙)

ブラジル地理統計院(IBGE)の発表の2024年1月のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は0.42%増加を記録、2023年1月のIPCA指数0,53%を下回っている。

Valor Data社が38社の金融機関及びコンサルタント会社対象の調査によると、最低予想は0,27%、最高予想は0,60%、平均予想は0,36%と0.42%を若干下回っている。

今年1月の過去12カ月間の累計IPCA指数は、4.51%と前月の昨年12月の4.62%を下回っている。Valor Data社が38社の金融機関及びコンサルタント会社対象の調査によると、最低予想は4.35%、最高予想は4.69%、平均予想は4.44%と4,51%を若干下回っている。

ブラジルの正式なインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)の予想として先行して発表、1最低サラリーから40最低サラリーの所得層を対象に調査、ブラジリア連邦直轄地とゴイアニア市の地方自治体に加えて、9大都市圏を対象に調査されている。

インフレ率は、今年1月のIPCA指数を構成する項目全体での上昇幅の割合を維持した。価格が上昇した商品や活動の割合を測定するいわゆる拡散指数は、先月は65.3%にとどまり、昨年12月と同じ割合だったが、昨年4月の66.0%以降では最高の拡散指数を記録している。

しかし、最も不安定なグループの1つと考えられている食品グループを除くと、この指標は価格上昇幅が63.6%から65.1%へと拡大し、これもIPCAバスケットの67.5%にインフレが広がった昨年4月以来の上昇を示している。

2023年1月~2024年1月までの月間IPCA指数の推移

2023年1月~2024年1月までの各種IPCA指数の推移(青色は中央目標値、赤色は上限値、碧は過去12カ月間の月間累計IPCA指数

 

 

2024年1月のセクター別IPCA指数

2024年1月の新車生産は前年同月比同率の15万3,000台(2024年2月8日付けヴァロール紙)

8日の全国自動車工業会(Anfavea)の発表によると、2024年のトラックやバスを含む新車生産台数は、前年同月比同率の15万3,000台を記録している。

ブラジル国内の自動車メーカーの今年1月の自動車生産率の停滞は主に海外での需要減少が起因しており、 今年1月の輸出台数は前年同月比43%減少の1万9,000台に留まっており、主にアルゼンチン、チリ、コロンビアへの新車輸出の不振が牽引している。

ブラジル国内の自動車業界は、特にアジアの自動車メーカーとの激しい競争に直面し続けており、かつてブラジルの自動車メーカーが主な車両供給源として存在していたこの地域全体で起こっている。

全国自動車工業会(Anfavea)も、ブラジル市場における輸入自動車の急激な拡大に不満を抱いており、全国自動車工業会(Anfavea)によれば、ブラジル国内で販売される新車10 台のうち2 台が輸入車となっている。

しかし、輸入車の大半はブラジルに進出している自動車メーカー自身によってもたらされたもので、輸入車全体の46%をアルゼンチンから輸入されている。また全国自動車工業会(Anfavea)によれば、輸入車の25%は中国から輸入されている。

今年1月にブラジルに輸入された自動車のうち、輸入車全体の14%が電気自動車、19%がハイブリッド車を記録してい電動自動車関連の比率が急上昇してきている。

2023年12月のブラジルの財政プライマリー収支は1,295億7,300万レアルの赤字計上(2024年2月7日付けヴァロール紙)

ブラジル中央銀行の発表によると、2023年12月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府並びに州政府と市町村で構成される地方政府を合わせたブラジルの財政プライマリー収支は1,295億7,300万レアルの赤字計上、2022年12月のブラジルの財政プライマリー収支は118億1,300万レアルの赤字であった。

ブラジル政府の財政プライマリー収支にはペトロブラス石油公社(Petrobras)、ブラジル中央電力公社(Eletrobras)、ブラジル銀行(BB)及び連邦貯蓄金庫(Caixa)などの公立銀行の決算は含まれていない。

昨年12月の中央政府の財政プライマリー収支は1,275億7,400万レアルの赤字計上、地方政府の財政プライマリー収も191億4,300万レアルの赤字を計上した一方で、公社の財政プライマリー収支は9億4,200万レアルの黒字を計上している。

2023年のブラジルの財政プライマリー収支はGDP比2,29%に相当する2,491億2,400万レアルの赤字を計上した一方で、2022年のブラジルの財政プライマリー収支はGDP比1,25%の黒字を計上していた。

支払利息を含め、2023年12月のブラジルのインフレ指数を差引かない名目財政プライマリー収支は1,934億3,000万レアルの赤字であったが、2022年12月のブラジルの名目財政プライマリー収支は708億2,100万レアルの赤字であった。

2023年のブラジルのインフレ指数を差引かない名目財政プライマリー収支はGDP比8,9% に相当する9,674億1,700万レアルに対して、2022年のブラジルの名目財政プライマリー収支はGDP比4,57%であった。

また2023年の利払総額はGDP比6,61% に相当する7,182億9,400万レアルに対して、2022年の利払総額はGDP比5,82%であった。このデータには、ペトロブラスおよびエレトロブラス グループの企業は含まれていない。統計は非金融公共部門に関するものであるため、国営銀行もこの勘定には含まれていない。

2023年末のブラジル政府の債務残高は前月比 0,5 増加、前年同月比2,7増加のGDP比74,3%に相当する8兆790億レアルを記録している。

2023年12月の一般小売販売は前月比マイナス1,3%、2023年は前年比1,7%増加(2024年2月7日付けヴァロール紙及びIBGEサイトより抜粋)

7日発表のブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、2023年12月の自動車や建材部門を除くインフレ指数を差引いた実質一般小売販売量は前月比マイナス1,3%、2023年は前年比1,7%増加を記録している。2022年は前年比1,0%増加を記録していた。

2023年第1四半期の一般小売販売量は前四半期比1,8%増加、第2四半期は0,1%増加、第3四半期は0.7%増加、 第4四半期はマイナス0.4%を記録していた。

また2023年第1四半期の広範囲小売販売量は前四半期比2.9%増加、第2四半期はマイナス0,8%、第3四半期は0.4%増加、 第4四半期は0.4%増加を記録していた。

昨年12月の自動車及び建材を含む広範囲小売販売は前月比マイナス1,1%、2023年の広範囲小売販売は前年比2.4%増加を記録している。

昨年12月の前月比の一般小売販売量のセクター別比較では調査対象の8セクターのうち6セクターでマイナスを記録、事務用品・情報通信機器セクターは-13,1%、家具・家電セクターは-7,0%、日用品・個人消費セクターは-3,8、繊維・衣類・履物セクターは-3,5%、書籍・雑誌・印刷物・製本セクターは-2,3%、医薬品・香水・化粧品・医療機器セクターは-0,5%とそれぞれマイナスを記録している。

昨年12月の前月比の一般小売販売量のセクター別比較でプラスを記録したセクターは燃料・潤滑油セクターで1,5%増加、ハイパー・スーパーマーケット・食品・飲料・嗜好品セクターは0,8%増加を記録している。

昨年12月の前月比の自動車及び建材を含む広範囲小売販売のセクター別比較では、四輪・二輪・パーツセクターはマイナス4,5%、建材セクターもマイナス0,4%を記録している。

2023年1月~12月の月間小売販売量の推移

2014年12月以降の同月の一般小売販売の増減推移

2023年10月~12月の前月比、前年同月比、昨年の累計、過去12月間の累計一般小売販売・広範囲販売の増減推移

2024年1月のブラジルの貿易収支は65億2,600万ドルの黒字計上(2024年2月7日付けヴァロール紙)

開発商工サービス省(MDIC) 経済省通商局(Secex)の発表によると、2024年1月のブラジルの貿易収支は、前年同月比185,6%増加に相当する65億2,600万ドルの黒字計上、統計を取り始めた1989年初めからでは、1月のブラジルの貿易収支としては過去最高を更新している。

今年1月のブラジルの輸出総額は、前年同月比18,5%増加に相当する270億1,6 00万ドルに対して、輸入総額は、マイナス0,1%に相当する204億8,900万ドルに留まっている。今年1月のブラジルの貿易額は9,7%の475億500万ドルを記録している。

今年1月のブラジルの農畜産物輸出は前年同月比20,96%増加、鉱業部門輸出は53,25%増加、製造業部門輸出は4,62%増加している。一方で今年1月のブラジルの農畜産物輸入は1,46%微増、鉱業部門輸入はマイナス27,58%と大幅に減少を記録、製造業部門輸入は2,36%微増している。

今年1月のブラジルの中国・香港・マカオ向け輸出は 53,06%増加、アジア向け輸出は39,86%増加を記録している。北米向け輸出は20,55%増加した一方で、南米向け輸出はマイナス13,95%、ヨーロッパ向け輸出もマイナス15,53%を記録している。

2024年のブラジルの貿易収支は944億ドルの黒字を予想、内訳は輸出総額は3,482億ドルに対して、輸入総額は2,538億ドルを経済省通商局(Secex)では予想している。